コンテナ内で発見された貨物損害
コンテナ内で発見された貨物損害とは
コンテナ内で発見された貨物損害とは、コンテナを開けた時点、デバンニング時、納品先での開梱時などに確認された貨物の破損、濡損、荷崩れ、錆、汚損、変形、数量不足などをいいます。
実務上、コンテナ内で損害が見つかると、すぐに海上輸送中の事故と考えられがちです。
しかし、実際には、輸出地でのバンニング、梱包、ラッシング、海上輸送中の揺れ、港湾荷役、CFS作業、通関後配送、納品後保管など、複数の区間が原因になり得ます。
コンテナ内損害で多い内容
コンテナ内で発見される貨物損害には、次のようなものがあります。
- 貨物の荷崩れ
- 木箱・カートンの破損
- パレット崩れ
- 貨物同士の接触による破損
- コンテナ内への水濡れ
- 結露による濡損・錆
- コンテナ内壁との接触による損傷
- ラッシング不足による移動・転倒
- 梱包不備による内部破損
- 数量不足・抜き取り疑義
特に、機械類、精密機器、重量物、家具、紙製品、食品、化学品などでは、外装だけでなく内部損傷や品質劣化が問題になることがあります。
海上輸送中と決めつけない理由
コンテナ内で貨物損害が発見された場合でも、それだけで海上輸送中に発生したとは判断できません。
たとえば、輸出地でのバンニング時点で貨物の固定が不十分だった場合、航海中の通常の揺れによって荷崩れが発生することがあります。
この場合、原因は海上輸送そのものではなく、梱包不備や積付け不良と整理される可能性があります。
また、CFSでのデバンニング作業中、国内配送中、納品後の開梱作業中に損害が生じることもあります。
そのため、コンテナ内損害では、発見場所と発生場所を分けて考える必要があります。
確認すべきポイント
コンテナ内損害では、まずコンテナ自体の状態と貨物の積付け状態を確認します。
- コンテナ外板に凹み・穴あき・損傷があるか
- コンテナドアや床面に異常があるか
- シール番号に不一致や破損があるか
- コンテナ内に水濡れ・結露・錆の痕跡があるか
- 貨物がどの方向に崩れているか
- ラッシング材・固定材が適切に使われていたか
- 梱包が貨物の重量や形状に適していたか
- 開梱前の写真が残っているか
貨物を動かした後では、損害状況や荷崩れの方向が分からなくなることがあります。
そのため、発見時点で写真を撮影し、可能であれば開梱前・開梱中・開梱後の状態を段階的に記録することが重要です。
バンニング時の問題
コンテナ内損害では、輸出地でのバンニング時の状態が大きな争点になります。
貨物の重量配分、固定方法、ラッシング、ダンネージ、湿気対策、コンテナ選定が不適切な場合、到着地で損害が発見されることがあります。
この場合、損害は海上輸送中に見つかったとしても、原因は輸出地での積付け不良、梱包不備、貨物固有の性質にあると判断される可能性があります。
輸出側の写真、バンニングレポート、梱包仕様書、貨物明細は重要な確認資料になります。
水濡れ・結露の場合
コンテナ内で水濡れや錆が見つかった場合は、海水濡れ、雨水侵入、結露、貨物自体の水分、梱包材の湿気などを分けて確認する必要があります。
コンテナに穴あきやドア不良がある場合は、海上輸送中や港湾作業中の水濡れが疑われます。
一方、コンテナ自体に異常がなく、内部に結露跡や湿気が広がっている場合は、温度差、換気不足、貨物の性質、梱包状態が問題になることがあります。
確認すべき資料
コンテナ内で発見された貨物損害では、次の資料を確認します。
- B/L、Sea Waybill、House B/L
- コンテナ番号・シール番号の記録
- バンニング時の写真
- バンニングレポート
- コンテナ外観写真
- 開封前・開封時・開封後の写真
- デバンニング記録
- CFS搬入・搬出記録
- 納品時の受領書
- 検品報告書
- サーベイレポート
特に、貨物を取り出す前の写真は重要です。
荷崩れ、濡れ、接触、梱包破損、ラッシング状態は、貨物を動かした後では再現できないため、初動段階で証拠を残す必要があります。
関係する責任主体
コンテナ内損害では、船会社、NVOCC、フォワーダー、輸出者、荷主、CFS業者、配送会社、荷受人などが関係します。
House B/Lが発行されている場合、荷主・荷受人との関係ではNVOCCやフォワーダーが対応窓口になることがあります。
一方、原因が輸出地での梱包不備やバンニング不良にある場合は、輸出者、梱包業者、バンニング業者の責任が問題になることもあります。
貨物保険との関係
貨物保険に加入している場合、コンテナ内で発見された損害も、保険条件や保険期間の範囲内で保険金請求の対象となる可能性があります。
ただし、保険会社が保険金を支払った後、船会社、NVOCC、フォワーダー、配送会社、輸出者などに代位求償を行う場合があります。
その際には、損害がどの区間で発生した可能性が高いか、梱包不備や貨物固有の性質が関係していないかが重要になります。
実務上の注意点
コンテナ内で貨物損害を発見した場合は、すぐに貨物を動かさず、まず現状を記録することが重要です。
コンテナ番号、シール番号、外観、ドア開封時の状態、貨物の積付け、濡れ、荷崩れ、外装破損を写真で残します。
そのうえで、NVOCC、フォワーダー、船会社、保険会社、配送会社など関係者に速やかに通知します。
コンテナ内損害は、海上輸送中、バンニング時、CFS作業中、配送中のいずれにも関係し得るため、最初から原因を決めつけず、証拠をもとに事故区間を整理することが重要です。
