コンテナダメージ
コンテナダメージとは
コンテナダメージとは、FCL輸送で使用するコンテナに、へこみ、穴、床板損傷、扉不良、汚損、異臭、液漏れ跡などの損傷や異常がある状態を指します。
輸出FCLでは空コンテナを引き取った時点、バンニング前、CY搬入前に確認が必要です。
輸入FCLではCY搬出時、デバン前、デバン後、空コンテナ返却時に確認が必要になります。
コンテナダメージは、貨物そのものの事故とは別の問題です。
ただし、コンテナの穴、雨漏り、床板損傷、扉不良などが貨物の濡損、破損、汚損につながることがあります。
そのため、FCL輸送では、貨物状態だけでなく、コンテナ状態も重要な確認項目になります。
コンテナダメージが問題になる場面
コンテナダメージが問題になる場面は、大きく分けて二つあります。
一つは、コンテナの損傷が貨物事故につながる場合です。
もう一つは、空コンテナ返却時にコンテナ修理費やダメージ費用を請求される場合です。
例えば、コンテナに穴があり、雨水が入り、貨物が濡損した場合は、貨物事故としての確認が必要になります。
一方で、デバン後に床板の傷や壁面のへこみが指摘される場合は、コンテナ自体の損傷費用が問題になることがあります。
輸出FCLでの確認
輸出FCLでは、まず空コンテナピックアップ時にコンテナ状態を確認します。
空コンテナを引き取った時点で、外板のへこみ、穴、床板の割れ、扉の閉まり具合、内部の汚れ、異臭、濡れ跡などを確認します。
貨物に適さない状態のコンテナへそのままバンニングすると、輸送中に貨物事故が発生する可能性があります。
特に、紙製品、衣類、食品関連貨物、精密機械、化学品などは、濡れ、臭い、汚れに敏感です。
コンテナ状態に問題がある場合は、バンニング前に写真を残し、必要に応じてコンテナ交換を検討します。
バンニング前の確認
バンニング前には、コンテナ内部を確認します。
床面が乾いているか、穴や隙間がないか、床板に大きな損傷がないか、内部に異物や残留物がないか、壁面や天井に雨漏り跡がないかを確認します。
この確認をしないまま貨物を積むと、後で貨物が濡れた、汚れた、臭いが付いた、床板の突起で破損した、といった問題が発生する可能性があります。
バンニング前の写真は、後日、損傷がもともと存在していたかどうかを確認する資料になります。
輸入FCLでの確認
輸入FCLでは、CYから搬出したコンテナをデバン場所へ運び、デバン前にコンテナ外観とシール状態を確認します。
コンテナ外部に大きなへこみ、穴、扉の異常、水漏れ跡、シール異常がある場合は、開封前に写真を残します。
コンテナを開けた直後に、貨物の濡損、荷崩れ、破損、異臭、液漏れなどが見つかった場合も、作業を進める前に写真を撮ることが重要です。
貨物を動かしてしまうと、事故発見時の状態が分かりにくくなります。
デバン後の確認
デバンが完了した後は、空になったコンテナ内部を確認します。
床板の傷、壁面のへこみ、穴、汚れ、液漏れ跡、扉の不具合などがないかを見ます。
この段階で損傷が見つかった場合、それがもともと存在していたものなのか、輸送中に生じたものなのか、デバン作業中に発生したものなのかを確認する必要があります。
搬出時、デバン前、デバン中、デバン後の記録がないと、後日の説明が難しくなることがあります。
空コンテナ返却時の問題
空コンテナ返却時には、返却先でコンテナ状態が確認されることがあります。
返却時に損傷が指摘されると、後日、修理費、清掃費、ダメージ費用などが請求される可能性があります。
返却時に問題になりやすいのは、床板損傷、内壁損傷、穴、扉不良、油汚れ、薬品汚れ、強い臭い、貨物残留物などです。
特に、重量物、機械類、液体貨物、化学品、ドラム缶などを扱う場合は、デバン後のコンテナ状態確認が重要になります。
EIRとの関係
EIRとは、コンテナなどの機器を受け渡す際の記録です。
空コンテナ引取時や返却時に、コンテナ番号、日時、場所、コンテナ状態、損傷の有無などが記録されることがあります。
コンテナダメージの確認では、EIRが重要な資料になります。
引取時に既に存在していた損傷なのか、返却時に初めて指摘された損傷なのかを確認するためです。
EIRの記載と現場写真を合わせて確認することで、後日の説明がしやすくなります。
貨物事故との違い
コンテナダメージと貨物事故は、分けて考える必要があります。
コンテナが損傷していても、貨物に損害がない場合があります。
逆に、コンテナに目立つ損傷がなくても、貨物が破損、濡損、汚損している場合があります。
貨物事故では、貨物の状態、梱包状態、積付け、ラッシング、受領書、写真、保険手配などを確認します。
コンテナダメージでは、コンテナ自体の状態、損傷箇所、発見時点、EIR、返却時記録などを確認します。
両方が関係する場合は、貨物損害とコンテナ損傷を混同しないことが重要です。
濡損との関係
コンテナダメージが貨物濡損につながることがあります。
例えば、天井や側壁の穴、扉の密閉不良、床面からの水の侵入などがある場合です。
ただし、濡損の原因はコンテナの穴だけとは限りません。
結露、貨物自体の水分、梱包不備、温度差、積付け方法なども関係することがあります。
濡損が見つかった場合は、コンテナ状態だけでなく、貨物の状態、梱包、積付け、デバン時の状況を合わせて確認する必要があります。
写真記録の重要性
コンテナダメージでは、写真記録が非常に重要です。
コンテナ番号、損傷箇所、外観、内部、床面、扉、シール、貨物状態を、できるだけ分かるように撮影します。
特に、損傷箇所だけを拡大して撮るのではなく、コンテナ全体のどの位置にある損傷なのかが分かる写真も必要です。
複数本のコンテナがある場合は、コンテナ番号ごとに写真を整理しておかないと、後でどのコンテナの損傷か分からなくなることがあります。
フォワーダーが確認する事項
フォワーダーは、コンテナダメージが見つかった場合、まず発見時点を確認します。
空コンテナ引取時なのか、バンニング前なのか、CY搬出時なのか、デバン前なのか、デバン後なのか、返却時なのかを整理します。
次に、コンテナ番号、損傷箇所、貨物への影響、写真の有無、EIRの記載、荷主側作業の有無、ドレー会社や倉庫の関与を確認します。
この整理をしないと、誰の管理下で発生した損傷なのかを判断しにくくなります。
荷主が注意すべきこと
荷主が自社倉庫や工場でバンニングやデバンを行う場合、コンテナ状態を確認する体制が必要です。
特に、デバン時に貨物事故やコンテナ損傷が見つかった場合は、すぐに写真を撮り、フォワーダーへ連絡します。
また、デバン作業中にフォークリフトや貨物でコンテナ内部を傷つけることがあります。
床板、壁面、扉付近は損傷しやすいため、重量物や機械類を扱う場合は、作業方法にも注意が必要です。
修理費・ダメージ費用の確認
コンテナダメージが指摘された場合、修理費や清掃費などの請求が発生することがあります。
この場合、損傷内容、請求金額、発生時点、証拠資料、EIR、写真を確認します。
すべての請求をそのまま受け入れるのではなく、引取時から存在していた損傷ではないか、返却時の記録はどうなっているか、作業中に発生した可能性があるかを整理する必要があります。
ただし、実際の負担関係は契約条件や作業実態によって変わるため、個別確認が必要です。
フォワーダー一貫手配での注意点
フォワーダーがFCL輸送を一貫手配する場合、コンテナダメージは輸送品質と費用管理の両方に関係します。
輸出では空コンテナ引取時とバンニング前の確認、輸入ではCY搬出時、デバン前後、返却時の確認が重要です。
特に、荷主、倉庫、ドレー会社、船会社、NVOCCが関与するため、どの時点で異常が見つかったのかを明確にしておく必要があります。
コンテナダメージの記録が曖昧だと、貨物事故対応や修理費請求への対応が難しくなります。
まとめ
コンテナダメージとは、FCL輸送で使用するコンテナに損傷や異常がある状態です。
貨物事故につながる場合もあれば、空コンテナ返却時の修理費や清掃費として問題になる場合もあります。
実務では、空コンテナ引取時、バンニング前、CY搬出時、デバン前後、空コンテナ返却時の確認が重要です。
フォワーダーが一貫輸送を手配する場合、コンテナ番号、損傷箇所、写真、EIR、発見時点を整理し、貨物事故とコンテナ自体の損傷を分けて管理することが必要です。
