混載貨物のデバン作業
混載貨物のデバン作業とは
混載貨物のデバン作業とは、輸入LCL貨物が日本へ到着した後、CFSでコンテナを開封して貨物を取り出し、House B/L、ケースマーク、個数、荷受人又は仕向先等に基づいて仕分ける作業です。
デバンとは、コンテナから貨物を取り出す作業をいいます。LCL貨物では、一つのコンテナに複数荷主の貨物が積み合わされているため、コンテナ単位のまま各輸入者へ引き渡すことはできません。到着後にCFSでデバンし、B/L単位又は荷受人単位に貨物を分ける必要があります。
輸入LCL貨物は、本船が港へ到着しただけでは引取りできません。一般に、コンテナのCFS搬入、デバン、仕分け、貨物確認、D/O手続、輸入許可、費用精算その他の必要手続が完了し、CFSから搬出可能と案内された後に引取りへ進みます。
デバン作業は、単なる荷下ろしではありません。貨物の所在、ケースマーク、個数、外装状態及び書類との整合性を確認し、外装異常や数量不足が発見された場合には、事故区間を調査するための重要な起点になります。
この記事で扱う範囲
| 項目 | この記事で扱う内容 | 他記事で扱う内容 |
|---|---|---|
| デバン作業の基本 | 輸入LCLコンテナの開封、貨物取出し及び仕分け | 混載貨物(LCL)の輸送構造全般 |
| FCLとの違い | CFSで仕分けてから引き取るLCL特有の工程 | FCLコンテナのCY搬出及びデバン手配 |
| 引取可能日の確認 | 本船到着、CFS搬入、デバン完了及び搬出可能日の違い | 輸入混載のCFS引取り |
| Arrival Notice・D/O | Arrival Notice受領後もデバン完了が必要となる点 | Arrival Notice及びD/O手続の詳細 |
| 輸入許可との関係 | 輸入許可済みでも物理的に搬出できない場合 | 輸入申告、輸入許可及び通関手続 |
| 外装異常 | デバン時及びCFS搬出時の外装確認と記録 | 外装異常、貨物事故及び保険請求の詳細 |
| 数量不足 | デバン記録と書類を用いた不足区間の初期的な切り分け | LCL貨物の数量不足及び求償の詳細 |
| CFS保管料 | 無料保管期間の起算点及び搬出遅延時の確認事項 | CFS保管料の料金体系及び請求条件 |
| Co-load | 元請フォワーダーと輸入側代理店・CFSが異なる場合の確認 | Co-loadの契約構造及び費用関係 |
| フォワーダーの関与範囲 | デバン完了確認、事故連絡及び搬出調整における標準五分類 | 各分類の契約責任及び約款の詳細 |
FCL貨物とLCL貨物のデバンの違い
| 項目 | FCL貨物 | LCL貨物 | 実務上の影響 |
|---|---|---|---|
| コンテナの利用形態 | 原則として一荷主又は一輸送単位で使用 | 複数荷主の貨物を一つのコンテナに混載 | LCLでは仕分け作業が必要です。 |
| 主な搬出場所 | CYからコンテナ単位で搬出することが多い | CFSでデバン後、貨物単位で搬出 | LCLはコンテナ到着後すぐには引き取れません。 |
| デバン場所 | 荷主倉庫、指定倉庫又はコンテナヤード外の施設 | 原則として指定CFS | LCLではCFSの作業予定に左右されます。 |
| 仕分け | 通常は荷主側で実施 | CFSがHouse B/L等に基づいて実施 | ケースマーク及び個数照合が重要です。 |
| 引取可能時期 | 輸入許可、D/O及びコンテナ搬出条件の完了後 | デバン・仕分け完了後、必要手続を経て搬出 | 本船到着日と引取可能日は一致しません。 |
| 事故確認 | コンテナ開封時の記録が重要 | CFSデバン時及び貨物搬出時の記録が重要 | LCLではCFS記録が事故区間特定の主要資料になります。 |
| 保管料 | デマレージ、ディテンション又は倉庫料が問題になる | CFS保管料が問題になる | 起算点と無料期間を個別に確認します。 |
デバン作業の基本的な流れ
| 段階 | 主な場所 | 主な作業 | 確認事項 | 問題がある場合の対応 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 港湾ターミナル | 本船からコンテナを荷揚げ | 本船到着、荷揚げ、コンテナ番号 | 本船遅延又は荷揚げ遅延を確認します。 |
| 第2段階 | ターミナルからCFS | 混載コンテナを指定CFSへ移送 | CFS搬入日、コンテナ動静、搬入先 | CFS搬入未了の場合は輸入側代理店へ確認します。 |
| 第3段階 | CFS | コンテナ開封及びSeal確認 | Seal番号、外観、開封時の異常 | 異常があれば写真及び記録を残します。 |
| 第4段階 | CFS | 貨物の取出し及びデバン | 外装、個数、ケースマーク、荷崩れ | 不足又は破損があればデバン記録へ反映します。 |
| 第5段階 | CFS | House B/L別・荷受人別の仕分け | B/L番号、ケースマーク、個数及び仕向先 | 不明貨物は保留し、関係書類と照合します。 |
| 第6段階 | CFS | 貨物の保管及び搬出準備 | 搬出可能日、保管場所、無料保管期間 | 保管料発生前に通関・D/O・配送を調整します。 |
| 第7段階 | CFS搬出口 | D/O確認、貨物照合及び搬出 | 個数、外装、搬出記録、受領留保 | 異常時は無留保で受領せず、写真を残します。 |
本船到着から引取りまでに確認する日付
輸入LCL貨物では、ETAだけでは実際の引取可能日を判断できません。本船到着後も、荷揚げ、CFS搬入及びデバン作業が必要です。
| 日付・時点 | 意味 | この時点で引取可能か | 主な確認先 |
|---|---|---|---|
| ETA | 本船の到着予定日時 | 原則としてまだ引取不可 | 輸入側代理店、船会社、フォワーダー |
| 本船入港・着岸 | 本船が港へ到着又は着岸した時点 | 通常はまだ引取不可 | 船会社、代理店 |
| コンテナ荷揚げ | 混載コンテナが本船から荷揚げされた時点 | まだ引取不可 | 船会社、ターミナル |
| CFS搬入 | コンテナがデバンを行うCFSへ搬入された時点 | デバン前であれば引取不可 | CFS、輸入側代理店 |
| デバン予定日 | CFSがコンテナを開封して貨物を取り出す予定日 | 予定だけでは引取不可 | CFS、輸入側代理店 |
| デバン完了 | 貨物取出し及び仕分けが完了した時点 | 他の条件が未了なら引取不可 | CFS、通関業者 |
| 搬出可能日 | CFSが貨物の引取りを認める日 | D/O、輸入許可及び費用精算等が揃えば可能 | CFS、通関業者、D/O発行元 |
デバン完了前は貨物を引き取れない
輸入LCL貨物では、本船が到着していても、デバン及び仕分けが完了していなければ、貨物を物理的に特定して搬出することができません。
輸入許可が先に取得されている場合でも、貨物がコンテナ内にあり、House B/L単位に仕分けられていなければ、CFSから搬出できないことがあります。
反対に、デバンが完了していても、D/O未取得、輸入許可未了、CFS費用未精算、搬出予約未了又は必要書類不足の場合は、貨物を引き取れないことがあります。
したがって、輸入混載貨物の引取手配では、次の条件を個別に確認します。
- 貨物が指定CFSへ搬入されているか
- デバン及び仕分けが完了しているか
- 搬出可能日が確定しているか
- D/O手続が完了しているか
- 輸入許可が取得されているか
- CFSチャージその他の費用が精算されているか
- 搬出予約又は車両予約が必要か
- 外装異常又は数量不足による貨物保留がないか
デバン作業で照合される主な情報
| 確認項目 | 確認する目的 | 主な資料 | 不一致がある場合の対応 |
|---|---|---|---|
| House B/L番号 | 荷主又は荷受人別の貨物を識別するため | House B/L、Arrival Notice、貨物明細 | 輸入側代理店及びNVOCCへ照会します。 |
| Master B/L番号 | コンテナ及び船会社輸送との対応を確認するため | Master B/L、コンテナ明細 | House B/Lとの対応関係を確認します。 |
| ケースマーク | 類似する梱包を識別するため | Packing List、ケースマーク写真 | 不明貨物として保留される場合があります。 |
| 個数 | B/L及びPacking Listとの一致を確認するため | B/L、Packing List、デバン記録 | 不足、過剰又は梱包単位の相違を調査します。 |
| 梱包単位 | カートン、パレット、ケース及び内装個数を区別するため | Packing List、Invoice、梱包写真 | 外装単位と内装単位の認識を統一します。 |
| 外装状態 | 破損、濡損、汚損及び荷崩れを確認するため | デバンレポート、写真、CFSリマーク | 事故通知及び証拠保全を行います。 |
| 特殊荷扱条件 | 重量物、長尺貨物及び上積み禁止貨物を安全に扱うため | 取扱指示、重量・寸法資料 | 特殊荷役又は搬出条件を確認します。 |
外装異常が見つかった場合の確認フロー
- 異常がデバン時に発見されたのか、CFS搬出時に発見されたのかを確認します。
- 破れ、潰れ、濡れ、汚れ、パレット崩れ、穴あき等の状態を具体的に記録します。
- 貨物全体、異常部分、ケースマーク及び周辺貨物を撮影します。
- CFSのデバンレポート、リマーク又は例外記録へ異常が記載されているか確認します。
- コンテナ及びSealに異常がなかったか確認します。
- 中身の確認が必要な場合は、開梱方法及び立会いの要否を確認します。
- 元請フォワーダー、輸入側代理店、CFS及び貨物保険関係者へ通知します。
- 貨物搬出時は、受領書へ異常内容を記載し、無留保で受領しないようにします。
- 国内配送前後の写真及び受領記録も保存します。
外装異常を発見しても、デバン作業中に損害が発生したと直ちに断定することはできません。輸出CFS、海上輸送、トランシップ、輸入側CFS搬入、デバン又は国内配送のいずれで発生したかを、各記録から切り分けます。
数量不足が見つかった場合の判断方法
数量不足が疑われる場合は、最初に「何を一個として数えているか」を確認します。カートン数、パレット数、木箱数及び内装個数が混在すると、書類上の不足と実際の不足を誤認することがあります。
| 不足が確認された時点 | 主に疑われる区間・原因 | 確認資料 | 判断上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 輸出CFS搬入時 | 荷主出荷時、国内配送中又は輸出CFS受付時の不足 | 搬入票、集荷記録、輸出CFS受領記録 | 船積前から不足していた可能性があります。 |
| 輸出側バンニング時 | 積み残し、別コンテナへの誤積み又は検数差異 | バンニング記録、積付明細、写真 | コンテナへ実際に積載された個数を確認します。 |
| 中継港デバン時 | 第一航程中、輸出側積付又は中継港荷役時の不足 | 中継港デバン記録、再混載記録 | トランシップ貨物では中継記録が重要です。 |
| 輸入側デバン時 | 海上輸送中、積替時、コンテナ内での移動又は仕分け誤り | 輸入側デバン記録、コンテナ明細、Seal記録 | 他のHouse B/L貨物へ誤仕分けされていないか確認します。 |
| CFS搬出時 | CFS内仕分け、保管又は搬出照合時の誤り | 搬出記録、倉庫ロケーション、受領書 | デバン時に全数確認されていたかが重要です。 |
| 納品先到着時 | 国内配送中の紛失、荷下ろし誤り又は受領数の認識差 | 配送伝票、積込記録、納品受領書 | CFS搬出時の個数及び車両積込記録と比較します。 |
輸入側デバン記録で不足が明記されていれば、CFS搬出後に発生した不足ではない可能性が高まります。一方、デバン時に全数確認され、搬出時にも全数引き渡された記録がある場合は、国内配送又は納品時の確認を中心に調査します。
ただし、デバン記録だけで責任主体を確定することはできません。House B/L、Master B/L、Packing List、バンニング記録、各CFSの検数記録、ケースマーク、写真、搬出記録及び配送記録を組み合わせて判断します。
Arrival Noticeとの関係
Arrival Noticeには、到着予定、本船、House B/L番号、貨物情報、D/O発行元、輸入側CFS及び費用等が記載されることがあります。
ただし、Arrival Noticeを受領したことは、貨物がすでにデバンされ、搬出可能になったことを意味しません。Arrival Noticeは到着及び手続に関する案内であり、CFSの作業完了を保証する書類ではありません。
輸入LCL貨物では、Arrival Noticeを受領した後、少なくとも次の事項を確認します。
- コンテナが指定CFSへ搬入されたか
- デバン予定日及びデバン完了状況
- 搬出可能日
- D/O発行元及びD/O取得条件
- CFS費用の精算先
- 無料保管期間及び保管料の起算点
- 貨物保留又は事故記録の有無
輸入許可との関係
輸入許可は、税関手続上、貨物を輸入できる状態になったことを示します。しかし、輸入許可が取得されていても、貨物がコンテナ内に残っている場合又はCFSで仕分けが完了していない場合は、物理的に搬出できないことがあります。
反対に、デバン及び仕分けが完了していても、輸入許可が未取得であれば、原則として貨物を国内へ搬出できません。
輸入LCL貨物の搬出には、税関手続上の条件とCFSの物理的・事務的な搬出条件の両方を満たす必要があります。
CFS保管料と無料保管期間の起算点
デバン後の貨物は、引取りまでCFS内に保管されます。所定の無料保管期間を超えると、CFS保管料が発生する場合があります。
無料保管期間の起算点は、すべてのCFSで一律に「デバン完了日」と決まっているわけではありません。CFS、輸入側代理店、NVOCC、港又は適用料金表によって、次のような日を基準とする場合があります。
- 本船到着日
- コンテナのCFS搬入日
- デバン日又はデバン完了日
- 貨物の搬出可能日
- Arrival Noticeその他の案内に記載された日
どの日を起算点とするか、土日祝日を算入するか、無料日数が何日か、事故又は貨物保留中も保管料が発生するかは、Arrival Notice、CFS料金表、請求条件又は輸入側代理店の案内で確認します。
| 確認事項 | 確認する理由 | 主な確認先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 無料保管期間の起算日 | 保管料の発生日を特定するため | CFS、Arrival Notice発行元 | デバン完了日とは限りません。 |
| 無料日数 | 搬出期限を逆算するため | CFS料金表、代理店 | 営業日計算か暦日計算かを確認します。 |
| 保管料単価 | 遅延時の費用を見積もるため | CFS、請求書発行元 | 重量、容積又は日数で変わる場合があります。 |
| 事故貨物の保管料 | 検査又はサーベイ中の費用負担を確認するため | CFS、フォワーダー、保険関係者 | 事故調査中でも自動的に免除されるとは限りません。 |
| D/O・通関遅延時の扱い | 誰の手続遅延により費用が発生したか確認するため | 通関業者、D/O発行元、フォワーダー | 費用負担は原因と契約条件から判断します。 |
実務で問題になりやすいケース
| 問題になりやすいケース | 主な原因 | 確認資料 | 判断のポイント | 初動対応 |
|---|---|---|---|---|
| 本船は到着したがデバン予定が確定しない | CFS搬入遅延、港湾混雑又は作業順番待ち | コンテナ動静、CFS搬入記録、本船情報 | コンテナがどこにあるかを確認します。 | CFS搬入予定と新しいデバン予定を確認します。 |
| 輸入許可済みだが貨物を引き取れない | デバン未了、D/O未了又は搬出準備未了 | 輸入許可書、D/O状況、CFS作業記録 | 税関手続と物理的搬出条件を分けます。 | 未了となっている条件を特定します。 |
| Arrival Notice受領後も搬出日が分からない | Arrival Notice発行時点でデバン未完了 | Arrival Notice、CFS作業予定 | Arrival Noticeと搬出可能通知は別です。 | CFS又は輸入側代理店へ搬出可能日を確認します。 |
| デバン時に外装破損が見つかった | 輸出CFS、海上輸送、積替又はデバン中の事故 | デバンレポート、写真、各CFS記録 | 最初に異常が記録された時点を確認します。 | 貨物保全、写真撮影及び事故通知を行います。 |
| 書類上の個数とデバン個数が合わない | 積み残し、誤仕分け、梱包単位の認識差 | B/L、Packing List、デバン記録 | カートン、パレット及び内装個数を区別します。 | 他のHouse B/L貨物を含めて照合します。 |
| ケースマーク不明で貨物が保留された | 表示欠落、擦れ、類似外装又は書類不一致 | ケースマーク資料、写真、Packing List | 貨物の同一性を客観的に確認できるか判断します。 | 輸出者から梱包写真等を取得します。 |
| 無料保管期間の認識が異なる | 起算日、営業日・暦日又は料金表の確認不足 | Arrival Notice、料金表、請求書 | 一律にデバン完了日起算と考えないことが重要です。 | 適用条件を書面で確認します。 |
| Co-load先の代理店からD/O案内が届いた | 元請と実際の混載手配者が異なる | House B/L、Arrival Notice、代理関係 | 実務窓口と契約上の相手方を区別します。 | 正規のD/O発行元か元請へ確認します。 |
| CFS搬出後に破損が見つかった | CFS内、積込時、国内配送中又は納品時の事故 | CFS搬出写真、配送記録、受領書 | 搬出時に異常確認を行ったかが重要です。 | 配送車両及び納品先の記録を保全します。 |
フォワーダー標準五分類から見たデバン作業への関与
本記事における五分類は、法令上又は業界全体で確立された分類ではなく、本シリーズにおいてフォワーダーの関与範囲を整理するために使用する分析上の枠組みです。
荷主又は輸入者へデバン予定を連絡すること、CFSへ問い合わせること及びデバン作業そのものを行うことは、それぞれ異なる関与です。実際の責任範囲は、見積、House B/L、約款、委任内容及び実際の対応に基づいて確認します。
| 標準五分類 | デバン作業における典型的な関与 | 荷主との契約上の位置付け | 事故・遅延時の主な確認点 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|---|---|
| Simple Intermediary 単純取次 |
CFSのデバン予定、搬出可能日又は異常情報を取り次ぐ | 自己を運送契約の主体としない場合 | CFSの回答を正確かつ速やかに伝えたか | 情報窓口であることとデバン作業責任を混同しません。 |
| Cargo Transportation Service Provider 貨物利用運送事業者 |
CFS及び実運送人を利用してLCL輸送を提供する | 荷主に対して利用運送契約上の責任を負う場合 | 適切なCFS手配、説明及び事故対応を行ったか | CFSの作業責任と荷主への契約責任は別に整理します。 |
| NVOCC / House B/L Issuer | House B/Lを発行し、CFSでの貨物引渡しまで運送を引き受ける | 荷主との関係で契約運送人となる可能性が高い | 引渡地点、事故区間、責任制限及び通知期限 | 下位CFSからの回収と荷主への責任は一致しない場合があります。 |
| Door-to-Door Single Contractor | 海上輸送、デバン、通関、CFS引取り及び国内配送を一体手配する | 複数工程を一つのサービスとして提供 | どの工程で事故又は遅延が発生したか | 全工程について無制限責任を負う意味ではありません。 |
| Agent/Coordinator for Specific Operations 特定業務の代理・調整者 |
デバン予定確認、事故立会い又は搬出予約等だけを調整する | 委任された特定業務のみを担当 | 委任範囲と実際に行った確認内容 | デバン作業全体又は貨物状態を保証するとは限りません。 |
Contracting Carrier(契約運送人)及びActual Carrier(実運送人)は、法的又は契約上の地位を示す概念であり、本記事の標準五分類を置き換える代替分類ではありません。
梱包、保管、検品、積付け、バンニング、デバン、CFS搬入又は国内配送等の実作業も、それ自体で第六の分類を構成するものではありません。
例えば、元請フォワーダーがNVOCC / House B/L Issuerとして輸送を引き受け、輸入側代理店がArrival Notice及びD/Oを発行し、CFSが実際のデバン作業を行う場合があります。各者の契約上の地位、五分類上の関与及び実作業を分けて整理する必要があります。
よくある誤解
| 誤解 | 実際の考え方 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 本船が到着すれば貨物を引き取れる | LCL貨物はCFS搬入、デバン及び仕分けが必要です。 | ETAではなく搬出可能日を確認します。 |
| Arrival Noticeが届けば搬出できる | Arrival Noticeは到着及び手続の案内であり、デバン完了を保証しません。 | CFS搬入及びデバン完了を別途確認します。 |
| 輸入許可が出れば必ず搬出できる | 輸入許可とは別に、デバン、D/O及びCFS側の搬出条件が必要です。 | 未了条件を個別に確認します。 |
| デバンはコンテナから貨物を出すだけである | 個数、ケースマーク、B/L及び外装状態の照合も行われます。 | デバン記録は事故調査の重要資料です。 |
| 外装破損がデバン時に見つかればCFSの責任である | 破損が輸出CFS、海上輸送又は積替時に発生した可能性もあります。 | 最初に異常が記録された時点を確認します。 |
| デバン時の数量不足は船会社の責任である | 積み残し、誤仕分け、梱包単位の相違等も考えられます。 | 各区間の検数記録を比較します。 |
| 無料保管期間は必ずデバン完了日から始まる | 起算点はCFS、代理店又は料金条件により異なります。 | Arrival Notice及び料金表を確認します。 |
| デバン完了日と搬出可能日は同じである | 仕分け、事故確認、D/O及び費用処理等により異なる場合があります。 | CFSの正式な搬出可能案内を確認します。 |
| 元請フォワーダーがデバン作業を行っている | 実際のデバンは通常CFSが行い、フォワーダーは手配又は連絡を担います。 | 契約上の責任と実作業を区別します。 |
| CFS搬出後でも後から異常を申告すれば十分である | 搬出後は事故区間の特定が難しくなります。 | 搬出時に写真、リマーク及び受領留保を残します。 |
判断チェックリスト
| 確認場面 | 確認する相手 | 確認事項 | 問題がある場合の対応 |
|---|---|---|---|
| 本船到着前 | 輸入側代理店・通関業者 | ETA、輸入側CFS、Arrival Notice発行予定 | 書類不足及び代理店情報を早めに確認します。 |
| 本船到着後 | 輸入側代理店・船会社 | 荷揚げ状況、コンテナ番号及びCFS搬入予定 | 遅延区間を特定します。 |
| CFS搬入時 | CFS・輸入側代理店 | 搬入完了、デバン予定日及び作業状況 | 未搬入の場合はコンテナ動静を確認します。 |
| デバン完了確認時 | CFS・通関業者 | 仕分け完了、搬出可能日及び異常記録 | 貨物保留又は不明貨物の有無を確認します。 |
| D/O手続時 | D/O発行元・通関業者 | 必要書類、費用及び発行条件 | 未精算又は書類不足を解消します。 |
| 輸入許可時 | 通関業者 | 許可取得、検査又は条件付き許可の有無 | 税関手続上の保留理由を確認します。 |
| 搬出予約時 | CFS・国内配送業者 | 搬出可能時間、予約、車両及び荷役条件 | 特殊車両又は荷役を手配します。 |
| 外装異常発見時 | CFS・フォワーダー・保険関係者 | 異常記録、写真、発見時点及び通知期限 | 貨物保全及び事故通知を行います。 |
| 数量不足発見時 | CFS・輸入側代理店・輸出者 | 梱包単位、デバン記録及び各区間の個数 | 誤仕分け及び積み残しを調査します。 |
| 保管料確認時 | CFS・Arrival Notice発行元 | 起算日、無料日数、単価及び営業日計算 | 根拠となる料金表を書面で確認します。 |
| CFS搬出時 | CFS・国内配送業者 | 個数、外装、ケースマーク及び受領留保 | 異常があれば無留保で受領しません。 |
具体例1:輸入許可後もデバン未了で搬出できない場合
通関業者は本船到着前に輸入申告の準備を進め、本船到着後すぐに輸入許可を取得しました。しかし、港湾混雑により混載コンテナのCFS搬入が遅れ、デバン作業はまだ行われていませんでした。
この場合、貨物は税関手続上は輸入許可済みでも、物理的にはコンテナ内に残っています。House B/L単位に仕分けられていないため、輸入者又は国内配送業者は貨物を引き取ることができません。
確認すべき事項は、コンテナの現在地、CFS搬入予定、デバン予定日及び搬出可能日です。輸入許可の有無だけで配送車両を手配すると、待機料又は空車費用が発生する可能性があります。
具体例2:デバン時に一梱包不足が記録された場合
House B/L及びPacking Listには10ケースと記載されていましたが、輸入側CFSのデバン記録では9ケースしか確認されませんでした。
最初に、10という数量が外装ケース数か、パレット上の内装個数かを確認します。そのうえで、輸出CFSの搬入記録、バンニング記録、中継港の記録、コンテナ及びSealの状態を照合します。
輸出CFSで10ケースの搬入が確認され、輸入側デバン時に9ケースであれば、積み残し、誤積み、中継港での誤仕分け又は輸送中の異常を調査します。
同じコンテナ内の別のHouse B/L貨物へ誤って仕分けられていないかも確認します。原因が確定する前に、船会社又はCFSの責任と断定しないことが重要です。
具体例3:CFS搬出時に外装の濡れが見つかった場合
デバン完了後、国内配送業者がCFSへ貨物を引き取りに行ったところ、木箱の底部に濡れが確認されました。
この場合、貨物をそのまま無留保で受領せず、濡れた箇所、木箱全体、ケースマーク、床面及び周囲の貨物を撮影します。CFS搬出記録又は受領書へ外装異常を記載し、CFS側のデバン時記録も確認します。
デバン時点ですでに濡れが記録されていれば、海上輸送又はデバン前の区間が主な調査対象になります。デバン時には異常がなく、保管中又は搬出時に初めて確認された場合は、CFS内の保管状況も調査します。
具体例4:無料保管期間の起算日について認識が異なった場合
輸入者は、無料保管期間はデバン完了日の翌日から始まると考えていました。しかし、Arrival Notice発行元は、適用料金表上、別の日を起算日として保管料を請求しました。
この場合、「一般的にはデバン日からである」といった慣行だけで判断せず、Arrival Notice、CFS料金表、見積条件及び過去の案内を確認します。
起算日、無料日数、土日祝日の算入、保管料単価及び貨物保留中の取扱いを分けて整理します。案内が不明確であった場合は、誰がどの時点で何を説明したかも費用負担判断の資料になります。
貨物保険及びフォワーダー賠償責任保険
デバン作業時に外装異常又は数量不足が見つかった場合、貨物保険への事故通知と、運送関係者への権利保全通知を早期に行うことが重要です。
貨物保険は、保険契約の条件に従い、貨物自体に生じた損害を補償します。一方、船会社、NVOCC、CFS、フォワーダー又は国内配送業者の賠償責任は、事故区間、契約、約款、責任制限、免責及び過失関係に基づいて判断されます。
デバンレポート、CFSリマーク、貨物写真、コンテナ及びSeal記録、House B/L、Master B/L、Packing List、搬出記録及び配送記録は、事故区間の調査及び保険金請求で重要な資料になります。
元請フォワーダーがデバン完了状況又は貨物異常を適切に伝えなかった場合、事故通知を遅らせた場合又は不適切な搬出手配を行った場合は、フォワーダー賠償責任保険との関係を確認する必要があります。ただし、補償可否は契約、事故原因、免責及び保険条件により異なります。
貨物事故が発生した場合は、損害拡大防止及び権利保全のため、保険会社又は取扱保険代理店へ早期に連絡してください。株式会社インターリンクでは、貨物保険及びフォワーダー賠償責任保険に関する相談を受け付けています。
まとめ
混載貨物のデバン作業とは、日本へ到着した輸入LCL貨物をCFSでコンテナから取り出し、House B/L、ケースマーク、個数及び荷受人等に基づいて仕分ける作業です。
輸入LCL貨物は、本船が到着しただけでは引取りできません。コンテナのCFS搬入、デバン、仕分け、D/O、輸入許可、費用精算及び搬出条件が揃った後に引取りへ進みます。
Arrival Noticeを受領したことや輸入許可を取得したことも、それだけで貨物が搬出可能になったことを意味しません。デバン完了日及び正式な搬出可能日を別途確認する必要があります。
デバン時に外装異常又は数量不足が見つかった場合は、発見時点、デバン記録、写真、各CFSの記録、House B/L、Master B/L、Packing List及び搬出記録を組み合わせ、事故又は不足が発生した区間を絞り込みます。
CFSの無料保管期間は、必ずしもデバン完了日を起算点とするわけではありません。起算日、無料日数、営業日又は暦日の計算、保管料単価及び貨物保留中の取扱いを、Arrival Notice、CFS料金表又は代理店の案内で確認します。
デバン作業は、単なるコンテナからの荷下ろしではなく、貨物の所在確認、書類照合、数量確認、外装確認、事故区間の切り分け及び引渡し準備を行う重要な工程です。
本記事は一般的な国際物流実務の整理を目的とするものであり、個別案件に関する法律、通関、保険又は契約上の助言を行うものではありません。実際の搬出条件、責任、保管料及び費用負担は、契約、運送書類、約款、CFS料金表、事故原因及び証拠関係により異なります。
