LCL貨物不明と確認費用
LCL貨物不明とは
LCL貨物不明とは、輸入混載貨物がCFSに到着しているはずであるにもかかわらず、貨物の所在、個数、マーク、荷姿などがすぐに確認できない状態をいいます。
LCL貨物は、複数荷主の貨物を一つのコンテナに混載して輸送します。日本到着後、CFSでコンテナを開け、貨物を荷主別・B/L別・納品先別に仕分けます。この段階で、書類上の貨物と実際の貨物が一致しない場合、貨物不明として確認作業が必要になることがあります。
貨物不明は、単に「貨物がない」という意味だけではありません。CFS内にはあるが特定できない、別貨物と混在している、マークが一致しない、個数が足りない、別の場所に誤って仕分けられている可能性がある、といった状態も含まれます。
LCLで貨物不明が起きやすい理由
LCL貨物では、一つのコンテナに複数の荷主の貨物が混載されています。
そのため、FCLのようにコンテナ単位で貨物を把握するのではなく、CFSで個別貨物として識別する必要があります。B/L番号、貨物マーク、個数、荷姿、重量、容積、送り先などを照合しながら、対象貨物を特定します。
この照合作業の中で、書類記載と現物が合わない場合、貨物の確認に時間がかかります。特に、似たようなカートン、同じようなマーク、パレット内混載、分割貨物がある場合は、貨物不明が起きやすくなります。
主な原因
LCL貨物不明の主な原因には、マーク相違、個数相違、書類記載ミス、パッキングリストの不備、B/L記載との不一致、CFS内の仕分けミス、海外側の積込間違い、別コンテナへの誤積み、未積み、誤配送などがあります。
また、デバンニング直後はCFS内に貨物が多く、確認作業に時間がかかることがあります。この場合、実際には貨物が存在していても、仕分け完了前には「まだ見つからない」という状態になることがあります。
貨物不明と判断する前に、CFSの仕分け状況、デバンニング記録、入庫記録、B/L情報、貨物マーク、個数、荷姿を確認する必要があります。
マーク相違による貨物不明
LCL貨物不明で多いのが、貨物マークの相違です。
書類上のマークと実際の貨物に表示されているマークが異なる場合、CFS側で対象貨物をすぐに特定できないことがあります。
例えば、書類には英数字のマークが記載されているが、現物には別の略称が貼られている、またはマークが一部しか表示されていない場合です。海外側で貼付したラベルが剥がれている、外装が汚れて読めない、複数マークが混在している場合も確認に時間がかかります。
この場合、写真、パッキングリスト、荷姿情報、海外側出荷記録などを使って照合する必要があります。
個数不足との関係
貨物不明は、個数不足として現れることがあります。
書類上は10カートンと記載されているのに、CFSで9カートンしか確認できない場合、1カートンが不明という扱いになります。
ただし、実際にはパレット単位で搬入されており、内数の確認がまだできていない場合や、書類上の単位と現物の単位が異なる場合もあります。
例えば、書類上は20カートン、現物は2パレットという場合、パレット内に20カートンが積まれているのか、外観だけではすぐに分からないことがあります。個数不足かどうかは、荷姿と梱包単位を確認して判断する必要があります。
仕分け遅れとの関係
CFSでの仕分けが完了していない段階では、貨物が一時的に確認できないことがあります。
混載コンテナから貨物を取り出した直後は、CFS内で貨物が仮置きされ、順次仕分けられます。この作業が終わる前に引取や配送の確認をすると、対象貨物がまだ特定されていない場合があります。
この場合は、完全な貨物不明ではなく、仕分け未了または確認中として扱うのが実務上は自然です。ただし、納品予約や配送手配が迫っている場合には、仕分け遅れがそのまま納品遅延や追加費用につながります。
確認作業の内容
LCL貨物不明が発生した場合、まずCFS内で貨物の再確認を行います。
確認作業では、B/L番号、コンテナ番号、マーク、個数、重量、容積、荷姿、入庫記録、デバンニング記録、写真、CFS内の仮置き場所などを確認します。
必要に応じて、NVOCC、フォワーダー、CFS、海外代理店、輸出者、輸入者の間で情報を照合します。海外側の出荷写真、梱包明細、倉庫出庫記録、積込記録が確認資料になることもあります。
確認費用とは
確認費用とは、貨物不明や個数相違、マーク相違などが発生した場合に、貨物の所在や状態を確認するために発生する費用です。
具体的には、CFS内での再確認作業、貨物捜索、写真撮影、入出庫記録確認、現認対応、再仕分け、追加検品、関係先への照会などに関係する費用が考えられます。
通常のCFS取扱範囲に含まれる確認なのか、通常作業を超える追加確認なのかによって、費用負担の整理が変わります。
CFS保管料との関係
貨物不明の確認に時間がかかると、CFSからの搬出が遅れ、CFS保管料が発生することがあります。
この場合、保管料が発生した原因を確認する必要があります。貨物マークの不備や書類不一致が原因なのか、CFS側の仕分けミスなのか、海外側の誤積みや未積みなのかによって、負担関係が変わります。
貨物不明による保管料は、単なる搬出遅れではなく、確認作業に伴う費用として整理する必要があります。
納品遅延と再配送費用
貨物不明により搬出が遅れると、納品予約の変更や配送再手配が必要になることがあります。
すでに配送車両を手配していた場合、キャンセル料、再手配費用、待機料、再配達費用が発生することがあります。
また、納品先が物流センターや工場の場合、納品予約の取り直しに時間がかかり、CFS保管料がさらに増えることもあります。
LCL貨物不明では、確認費用だけでなく、CFS保管料、配送再手配費用、納品予約変更費用まで連動して発生する点に注意が必要です。
貨物事故との関係
貨物不明は、場合によっては貨物事故として扱う必要があります。
最終的に貨物が見つからない場合、または一部貨物が不足している場合は、数量不足、紛失、誤配送、未積みなどの可能性を検討します。
この場合、CFS、NVOCC、船会社、海外代理店、輸出者、フォワーダーのどの段階で貨物が失われたのかを確認する必要があります。
また、貨物保険の対象になる可能性がある場合は、確認記録、写真、B/L、インボイス、パッキングリスト、CFS確認記録、入出庫記録などを残しておくことが重要です。
費用負担で揉めやすい理由
LCL貨物不明では、確認費用や保管料の負担を巡って揉めることがあります。
荷主側から見ると、貨物を預けた以上、CFSやフォワーダー側で当然確認すべきだと考えることがあります。
一方で、フォワーダー側から見ると、海外側書類の不備、マーク不一致、荷主からの情報不足、輸出者の梱包表示ミスなどが原因で、通常作業を超える確認が必要になる場合があります。
そのため、確認費用を請求する場合は、何を確認するための費用なのか、なぜ通常作業を超えたのか、誰の事情で確認が必要になったのかを説明できるようにしておく必要があります。
フォワーダーが確認すべき事項
フォワーダーは、LCL貨物不明が発生した場合、まずB/L番号、コンテナ番号、CFS搬入日、デバンニング日、貨物マーク、個数、荷姿を確認します。
次に、CFSへの確認依頼内容、CFSからの回答、確認日時、確認者、発見状況、未確認部分を記録します。
海外側への照会が必要な場合は、出荷写真、梱包明細、倉庫出庫記録、積込情報などを依頼します。後で費用負担や保険請求を検討する場合、確認の時系列が重要になります。
荷主側が注意すべき事項
荷主側では、輸入前に貨物マーク、個数、荷姿、パッキングリストの内容をできるだけ正確に確認しておくことが重要です。
特に、複数品目、分割出荷、パレット内混載、同一マークの複数貨物、外装表示が分かりにくい貨物では、CFSで確認に時間がかかる可能性があります。
また、納期が厳しい貨物では、LCL貨物不明が発生した場合に納品遅延や追加費用が発生する可能性があるため、早めに関係者へ情報共有する必要があります。
実務上の整理方法
LCL貨物不明が発生した場合は、まず本当に貨物がないのか、仕分け未了なのか、マーク相違で特定できないのかを分けて確認します。
次に、B/L、インボイス、パッキングリスト、アライバルノーティス、CFS入庫記録、デバンニング記録、写真を照合します。
そのうえで、確認費用、CFS保管料、配送再手配費用、納品遅延費用を分けて整理します。貨物そのものの損害と、確認・保管・再手配にかかった周辺費用を混同しないことが重要です。
まとめ
LCL貨物不明とは、CFSで輸入混載貨物の所在、個数、マーク、荷姿などが確認できない状態です。
原因には、マーク相違、個数不足、書類記載ミス、仕分け遅れ、CFS内の誤仕分け、海外側の誤積みや未積みなどがあります。
貨物不明が発生すると、確認作業、CFS保管延長、納品予約変更、配送再手配、貨物事故対応などにつながることがあります。
実務上は、貨物不明の原因を時系列で整理し、確認費用、保管料、配送費用、貨物損害を分けて整理することが、費用トラブルを防ぐ基本になります。
