RT(Revenue Ton)とは
RT(Revenue Ton)とは
RT(Revenue Ton)とは、海上輸送、とくにLCL貨物の運賃やCFS Chargeを計算する際に使われる課金単位です。
Revenue Tonは、貨物の重量または容積のいずれか大きい方を基準にして運賃を計算する考え方です。実務では、RT、Freight Ton、Measurement Ton、W/Mなどと表記されることがあります。
FCLとLCLでの大きな違い
RTは、主にLCL貨物で重要になる考え方です。
FCLでは、20FT、40FT、40HQなどのコンテナ単位で運賃が組み立てられます。コンテナ1本を使うため、貨物が満載かどうかにかかわらず、コンテナ単位の運賃が基本になります。
一方、LCLでは、複数荷主の小口貨物を1本のコンテナに混載します。そのため、各荷主の貨物量に応じて、重量や容積をもとに費用を按分する必要があります。ここで使われるのがRTです。
RTの基本的な考え方
RTは、重量と容積を比較し、運賃上大きくなる方を課金単位として採用する考え方です。
例えば、貨物が軽くても大きなスペースを占める場合は、容積を基準にします。逆に、貨物が小さくても非常に重い場合は、重量を基準にします。
このため、LCLでは「実重量が軽いから運賃も安い」とは限りません。容積が大きければ、容積をもとにRTが計算されます。
重量勝ちと容積勝ち
LCL実務では、重量を基準に課金される場合を「重量勝ち」、容積を基準に課金される場合を「容積勝ち」と呼ぶことがあります。
- 重量勝ち:重量の方が運賃計算上大きくなる貨物
- 容積勝ち:容積の方が運賃計算上大きくなる貨物
鉄製品、金属部品、機械部品などは重量勝ちになりやすく、軽量だが大きな梱包の雑貨、家具、発泡材、空間の多い梱包貨物などは容積勝ちになりやすくなります。
1RTの定義
RTの定義は、タリフや会社によって確認が必要です。
実務上、1 Measurement Tonを40 cubic feet、つまり約1.133CBMとして扱うタリフがあります。40 cubic feetはメートル換算で約1.132672CBMとなるため、実務では約1.133CBMと見ることがあります。
一方、現在のLCL運賃やCFS Chargeでは、1RTを1CBMまたは1,000kgの大きい方として扱う料金表も多く見られます。
そのため、RTを見る際は、「1RTが何CBMなのか」「重量は何kgを1RTとするのか」を必ず確認する必要があります。
1CBMまたは1,000kgの大きい方
LCL見積でよく見られるのが、1RTを1CBMまたは1,000kgの大きい方として計算する方法です。
例えば、貨物が2CBM、500kgであれば、容積の2CBMが大きいため、2RTとして計算されることがあります。
一方、貨物が0.8CBM、1,500kgであれば、重量の1.5トンが大きいため、1.5RTとして計算されることがあります。
1.133CBM基準に注意する場面
一部のタリフでは、1 Measurement Tonを40 cubic feet、すなわち約1.133CBMとして扱うことがあります。
この場合、1CBMを1RTとする計算とは結果が変わることがあります。港湾費用、CFS料金、古いタリフ、特定のローカルチャージでは、どの基準を使っているかを確認する必要があります。
RTは一般用語として使われますが、実際の請求では各社のタリフ定義が優先されます。
最低料金との関係
LCL料金では、貨物量が少なくても最低料金が設定されていることがあります。
例えば、実際の貨物量が0.3RTであっても、最低1RTとして請求される場合があります。Ocean Freight、CFS Charge、Document Fee、D/O Feeなど、それぞれに最低料金が設定されることもあります。
そのため、小口貨物では、貨物量に完全比例して費用が下がるとは限りません。
RTとOcean Freight
LCLのOcean Freightは、RT単位で表示されることがあります。
例えば、海上運賃が「USD 50/RT」と表示されている場合、実際の請求額は、貨物のRT数に単価を掛けて計算されます。
ただし、Ocean Freightだけを見ても総額は分かりません。CFS Charge、D/O Fee、Document Fee、サーチャージ、輸入側ローカルチャージなどが別途発生することがあります。
RTとCFS Charge
CFS Chargeも、LCL貨物ではRT単位で計算されることがあります。
輸出側では、CFSでの荷下ろし、入庫、仕分け、バンニング、横持ちなどに関係し、輸入側ではデバン、仕分け、搬出準備などに関係します。
CFS ChargeがRT単位で表示されている場合、貨物の重量または容積によって請求額が変わります。長尺貨物、重量物、危険品、臭気貨物、液体貨物などでは、通常のRT計算に加えて追加費用が発生することがあります。
FCLでRTをあまり使わない理由
FCLでは、コンテナ1本を単位として輸送するため、通常はRTではなくコンテナサイズごとの運賃を使います。
20FT、40FT、40HQなどのサイズごとにOcean Freight、THC、ドレージ、Demurrage、Detentionなどを確認します。
ただし、FCLでも、港湾作業、倉庫作業、特殊作業、保管料などで重量や容積が関係する費用が出ることはあります。その場合は、各費用項目の計算単位を個別に確認する必要があります。
LCLでRTが重要になる理由
LCLでは、1本のコンテナに複数荷主の貨物を積むため、各荷主にどの程度の費用を負担させるかを決める基準が必要になります。
貨物が占めるスペース、重量、CFSでの取扱量に応じて費用を配分するため、RTが重要になります。
LCL見積では、貨物量、CBM、重量、RT、最低料金を確認しないと、見積金額と請求金額に差が出ることがあります。
容積の測り方
RT計算では、貨物の容積が重要になります。
容積は、通常、梱包後の外寸を基準に計算します。中身の実寸ではなく、カートン、木箱、パレット、梱包材を含めた外形寸法で計算されます。
そのため、梱包が大きい貨物、空間の多い梱包、パレット積み貨物では、実際の中身よりも大きな容積で計算されることがあります。
重量の見方
重量には、Net WeightとGross Weightがあります。
Net Weightは貨物そのものの重量で、Gross Weightは梱包材を含む総重量です。海上輸送の運賃計算やCFS作業では、通常、梱包後のGross Weightを確認します。
LCL見積では、重量がNetなのかGrossなのかを間違えると、RT計算や見積額に影響することがあります。
パレット貨物での注意点
パレット貨物では、パレットを含めた外寸と重量で計算する必要があります。
貨物本体が小さくても、パレットに載せることで高さや幅が増え、容積が大きくなることがあります。また、段積みできない貨物では、上部空間を使えないため、実務上の積付効率が下がることがあります。
このような貨物では、単純なRT計算だけでなく、CFSや混載業者の受入条件、追加費用の有無も確認します。
長尺貨物・重量物での注意点
長尺貨物や重量物では、RTだけでは判断できないことがあります。
貨物が長い、重い、段積みできない、特殊荷役が必要、他貨物と接触できないといった条件は、単純な重量・容積計算だけでは表しきれません。
このため、LCLで長尺貨物や重量物を扱う場合は、RT計算に加えて、寸法、重量、梱包状態、荷役方法、CFS受入可否を確認する必要があります。
危険品・特殊貨物での注意点
危険品、温度管理貨物、臭気貨物、液体貨物などでは、通常のRT単価だけでは費用を判断できないことがあります。
危険品取扱料、特殊荷役費用、隔離保管費用、追加確認費用、再梱包費用などが発生する場合があります。
RTは基本的な課金単位ですが、貨物の性質による追加費用まですべて表すものではありません。
見積確認で見るべき項目
RTを確認する際は、次の項目を整理します。
- FCLかLCLか
- RT単価はいくらか
- 1RTの定義
- 1CBM基準か、1.133CBM基準か
- 重量は何kgを1RTとするか
- 最低料金があるか
- 容積は梱包後外寸か
- 重量はGross Weightか
- Ocean Freightだけか、CFS ChargeもRT単位か
- 特殊貨物追加費用があるか
よくある誤解
RTでよくある誤解は、貨物の実重量だけで費用が決まると考えてしまうことです。
実際には、LCLでは重量と容積のいずれか大きい方を基準にすることが多く、軽くても大きい貨物は容積勝ちになります。
また、RT単価だけを見ても、最低料金、CFS Charge、D/O Fee、Document Fee、Storageなどを含めた総額は分かりません。
実務上の注意点
RTは、LCL料金を理解するうえで非常に重要な課金単位です。FCLがコンテナ単位で運賃を考えるのに対し、LCLでは貨物単位でRTを使って運賃やCFS Chargeを計算することが多くあります。
ただし、1RTの定義はタリフによって異なります。1CBMまたは1,000kgの大きい方とする場合もあれば、1 Measurement Tonを40 cubic feet、約1.133CBMとして扱う場合もあります。
LCL見積では、RT単価だけでなく、容積、重量、最低料金、CFS Charge、特殊貨物追加費用、総額を確認することが重要です。
