フラットラック・オープントップコンテナのはみ出し貨物と船賃

ラットラック(Flat Rack)やオープントップ(Open Top)コンテナは、通常のドライコンテナでは積載できない重量物や長尺物、上部や側面にはみ出す貨物の輸送で使われます。
ただし、これらのコンテナは、貨物のはみ出し方や積付位置によって、通常のコンテナより船賃が高くなることがあります。

実務では、単純に「1本分の運賃」で終わらず、はみ出し部分のために使えなくなるスペース(Void Space / Dead Space) まで考慮して運賃が決まることがあるため注意が必要です。

フラットラックの積付位置

フラットラックコンテナは重量物の輸送に使われることが多く、船内の積付では UNDER DECK の上部に置かれることが多いとされています。

その理由は、フラットラックの上に通常コンテナを積み重ねられないためです。
置ける場所は実質的に次のように限られます。

  • UNDER DECK の最上部
  • ON DECK の最上部

ただし、船社の運航部門は船の重量バランスを考慮するため、できるだけ ON DECK 最上部への積付を避ける傾向があります。
そのため、重量物は基本的に UNDER DECK に積まれることが多いと考えられます。

UNDER DECK指定は確約ではない

荷主の中には、追加料金を払ってでも UNDER DECK 積みを希望するケースがあります。
しかし実務上、これは リクエストベース にとどまり、積付位置が確約されるとは限りません。

なぜなら、最終的な積付位置は、船全体の重量配分や安定航行を前提に、船社の運航部門が決めるためです。
そのため、荷主側が希望しても、次のような前提で扱われることが多いです。

  • 重量物は基本的に UNDER DECK に積まれやすい
  • スペースがない場合は ON DECK 最上部に積まれることがある
  • その場合でも、船の重量バランスの関係から船舷付近ではなく中央付近に積まれることが多い

このため、UNDER DECK 指定に対して一律の追加料金を設定しない考え方も実務上は理解できます。

はみ出し貨物とボイドスペース

フラットラックやオープントップでは、貨物がコンテナからはみ出すことがあります。
この場合、はみ出した部分の周辺に他のコンテナを積めなくなるため、使えなくなるスペースも含めて運賃対象 になることがあります。

これが Void SpaceDead Space の考え方です。

Over Heightとは

Over Height(OH) は、貨物がコンテナ上面からはみ出している状態です。

この場合、上にコンテナを積めなくなるため、該当コンテナの上部1本分に相当するスペースが使えなくなります。
その結果、上に積めない分を考慮した運賃が発生する考え方になります。

Over Widthとは

Over Width(OW) は、貨物がコンテナの左右にはみ出している状態です。

この場合、左右の隣接スペースにコンテナを置けなくなるため、左右それぞれ1本分のスペースが使えなくなる考え方になります。
したがって、幅のはみ出しは上方向だけでなく、横方向のボイドスペースも考慮されます。

Over Height and Over Width(Full Void)とは

高さにも幅にもはみ出している場合は、Over Height and Over Width、いわゆる Full Void として扱われることがあります。

この場合、上方向と左右方向の両方で積載制限が出るため、使えなくなるスペースが大きくなり、船賃も高くなりやすくなります。

Full Voidの考え方

40フィートコンテナ(FEU)は、概念上 2TEU として扱われます。
この前提で、フラットラックのボイドスペースを考えると、次のようなイメージになります。

  • 40FR(OH)×12TEU Void
  • 40FR(OW)×14TEU Void
  • 40FR(OWH)×110TEU Void(Full Void)
  • 20FR(OWH)×15TEU Void

つまり、40フィートのフラットラックで高さと幅の両方がはみ出す場合、実質的には通常コンテナ数本分のスペースを占有しているとみなされることがあります。
このため、見た目以上に高額な船賃になることがあります。

オープントップコンテナでも注意が必要

オープントップコンテナも、上部にはみ出す貨物で使われることがあります。
ただし、上部のはみ出しがある場合は、やはり上方向の積載制限が生じるため、通常コンテナより高い運賃や特別条件になることがあります。

そのため、フラットラックだけでなく、オープントップでも はみ出し寸法の確認 は非常に重要です。

実務で確認すべきポイント

フラットラックやオープントップの見積・手配では、次の点を事前に確認することが重要です。

  • 貨物寸法(長さ・幅・高さ)
  • 総重量
  • 重心位置
  • Over Height の有無
  • Over Width の有無
  • Under Deck 希望の可否
  • 船社が Void Space をどう計算するか
  • 特殊貨物として追加条件があるか

特に船社ごとに、ボイドスペースの評価や運賃計算の考え方が異なる場合があります。
そのため、早い段階で正確な寸法と重量を提示し、見積条件を確認することが重要です。

まとめ

フラットラックやオープントップコンテナでは、貨物のはみ出し部分そのものではなく、その結果使えなくなる周辺スペースまで含めて船賃が計算される ことがあります。
とくに Over Height、Over Width、Full Void の考え方は、見積金額に大きく影響します。

また、UNDER DECK 指定は希望として出せても、最終的な積付位置は船社の運航判断によるため、確約ではない点も重要です。
実務では、寸法・重量・積付条件を早めに確認し、海上運賃の種類とは輸出船積手続きとは とあわせて整理しておくと判断しやすくなります。