PSS・CICとは
PSS・CICとは
PSS・CICとは、海上運賃に加算される代表的なサーチャージです。PSSは Peak Season Surcharge の略で、繁忙期に加算される費用です。CICは Container Imbalance Charge の略で、コンテナの需給バランスや偏在に関係して加算される費用です。
海上輸送では、Ocean Freight本体のほかに、燃料費、為替、繁忙期、コンテナ不足、港湾混雑、航路事情などにより、各種サーチャージが発生することがあります。PSSとCICは、その中でも市況やコンテナ需給の影響を受けやすい項目です。
PSSとは
PSSとは、Peak Season Surchargeの略で、海上輸送の繁忙期に加算されるサーチャージです。
輸送需要が集中する時期には、船腹が不足しやすくなり、Bookingが取りにくくなることがあります。特に年末商戦前、旧正月前、長期休暇前、季節商品の出荷時期などでは、貨物量が増え、船会社やNVOCCがPSSを設定することがあります。
CICとは
CICとは、Container Imbalance Chargeの略で、コンテナの需給バランスや地域間の偏在に関係するサーチャージです。
ある地域では輸出貨物が多く空コンテナが不足し、別の地域では輸入後の空コンテナが滞留することがあります。このようなコンテナの偏在が生じると、空コンテナの回送や需給調整に費用がかかります。その調整費用としてCICが加算されることがあります。
Ocean Freightとの違い
Ocean Freightは、船積港から仕向港まで貨物を運ぶための基本運賃です。
PSSやCICは、Ocean Freightそのものではなく、繁忙期やコンテナ需給の状況に応じて加算される調整費用です。つまり、Ocean Freightが海上輸送の本体運賃であるのに対し、PSS・CICは市況や需給に応じた追加費用と整理できます。
見積書では、Ocean FreightにPSSやCICが含まれている場合もあれば、別項目で表示される場合もあります。
FCLでのPSS・CIC
FCLでは、PSS・CICはコンテナ単位で表示されることが多くあります。20FT、40FT、40HQなどのコンテナサイズごとに設定される場合があります。
FCLは、船会社のコンテナ運賃が基礎になります。そのため、船腹需給、コンテナ不足、航路混雑、輸送需要の集中が、PSSやCICとして反映されることがあります。
LCLでのPSS・CIC
LCLでは、PSS・CICがRT単位で加算されることがあります。
LCL貨物は、NVOCCやフォワーダーが複数荷主の貨物を集め、1本のコンテナに混載して輸送します。そのため、FCLで発生するコンテナ単位のサーチャージが、LCLではRT単位や混載タリフ上の加算項目として荷主に按分されることがあります。
LCL見積では、PSS・CICがOcean Freightに含まれている場合もあれば、PSS、CIC、Peak Season Surcharge、Container Imbalance Chargeなどとして別建て表示される場合もあります。
FCLとLCLでの見え方の違い
FCLとLCLでは、PSS・CICの見え方が異なります。
- FCL:コンテナ単位で表示されることが多い
- LCL:RT単位、CBM単位、重量単位で表示されることがある
- FCL:船会社タリフや契約運賃に連動しやすい
- LCL:NVOCCや混載業者のLCLタリフに含まれることがある
- FCL:20FT、40FT、40HQで金額が異なることがある
- LCL:最低料金が設定されることがある
PSSが発生しやすい時期
PSSは、貨物量が集中する時期に発生しやすくなります。
- 年末商戦前
- 旧正月前
- 大型連休前
- 季節商品の出荷時期
- 工場休暇前後
- 港湾混雑が発生している時期
- 船腹が逼迫している時期
繁忙期には、運賃だけでなく、Bookingの取りやすさ、CFS搬入期限、船積スケジュール、空コンテナ確保にも影響が出ることがあります。
CICが発生しやすい場面
CICは、コンテナの需給バランスが崩れている場面で発生しやすくなります。
- 輸出需要が急増している地域
- 空コンテナが不足している地域
- 輸入超過でコンテナが滞留している地域
- 空コンテナ回送が必要な航路
- 港湾混雑によりコンテナ回転が悪化している場合
- 特定航路でコンテナ需給が偏っている場合
CICは、単に貨物が多いから発生するというより、コンテナの配置や需給調整に費用がかかる場合に問題になります。
BAF・CAFとの違い
BAF・CAFも、PSS・CICと同じく海上運賃に加算されるサーチャージです。
BAFは燃料費、CAFは為替変動を調整する費用です。一方、PSSは繁忙期、CICはコンテナ需給や偏在に関係する費用です。
サーチャージは名称が似ていても、発生理由が異なります。見積書や請求書を見る際は、それぞれが何のための費用なのかを分けて確認する必要があります。
適用時期に注意
PSS・CICは、適用時期によって変わることがあります。
見積を取得した時点ではPSSがなかったとしても、実際の船積時点でPSSが適用されることがあります。また、CICもコンテナ需給や航路事情により、途中で変更される場合があります。
そのため、見積書では、適用開始日、適用終了日、見積有効期限、船積日基準かBooking日基準かを確認することが重要です。
見積に含まれている場合
PSS・CICがOcean Freightに含まれている場合、見積上は一見してサーチャージが分からないことがあります。
この場合、Ocean Freightという項目の中に、繁忙期やコンテナ需給に関係する調整費が含まれている可能性があります。見積比較では、PSS・CIC込みの金額なのか、別途加算されるのかを確認する必要があります。
別建てで表示される場合
PSS・CICが別建てで表示されている場合、Ocean Freightとは別に加算されます。
FCLでは、コンテナ単位で「PSS per container」「CIC per container」のように表示されることがあります。LCLでは、RT単位で「PSS per RT」「CIC per RT」のように表示されることがあります。
別建て表示の場合は、単価、適用単位、最低料金、適用開始日を確認する必要があります。
RTとの関係
LCL貨物では、PSS・CICがRT単位で計算されることがあります。
RTは、重量または容積のいずれか大きい方を課金単位とする考え方です。LCLでは、Ocean Freight、CFS Charge、BAF、CAF、PSS、CICなどがRT単位で表示されることがあります。
そのため、LCL見積では、PSS・CICの単価だけでなく、RTの定義、最低料金、重量勝ちか容積勝ちかを確認する必要があります。
FCLで注意すべき点
FCLでは、PSS・CICがコンテナ単位で発生するため、コンテナサイズと本数によって総額が変わります。
20FTと40FTで金額が異なる場合があり、40HQや特殊コンテナではさらに条件が変わることがあります。
また、FCLではPSS・CICだけでなく、THC、BAF、CAF、ドレージ、Demurrage、Detention、Storageなども含めて総額を確認する必要があります。
LCLで注意すべき点
LCLでは、PSS・CICがRT単位で加算されることがあります。
貨物量が少なくても最低料金がある場合があり、小口貨物ではサーチャージやローカルチャージの固定費が総額に占める割合が大きくなることがあります。
また、LCLではNVOCCや混載業者のタリフ上、PSS・CICがOcean Freightに含まれて見える場合もあります。見積比較では、込みか別建てかを確認する必要があります。
PrepaidとCollectでの注意点
PSS・CICは、PrepaidまたはCollectとして扱われることがあります。
Ocean FreightがPrepaidであっても、仕向地側で別のローカルチャージやサーチャージが発生することがあります。また、Collect条件では、仕向地側でPSS・CICを含む運賃や調整費が請求されることがあります。
費用負担は、インコタームズ、売買契約、B/L条件、フォワーダーとの見積条件によって確認する必要があります。
見積比較で見るべき項目
PSS・CICを確認する際は、次の項目を整理します。
- PSS・CICがOcean Freightに含まれているか
- 別建てで加算されるか
- FCLではコンテナ単位か
- LCLではRT単位か
- 最低料金があるか
- 適用時期はいつか
- 見積有効期限はいつまでか
- 船積日基準かBooking日基準か
- PrepaidかCollectか
- BAF・CAFなど他のサーチャージと別か
よくある誤解
PSS・CICでよくある誤解は、見積時点のOcean Freightだけを見れば海上輸送費用が確定すると考えてしまうことです。
実際には、繁忙期やコンテナ需給によって、PSSやCICが後から加算・変更されることがあります。
また、PSS・CIC込みの見積と、別建ての見積を比較すると、表面上のOcean Freightだけでは正しい比較ができません。
実務上の注意点
PSS・CICは、海上運賃に加算される代表的なサーチャージです。PSSは繁忙期、CICはコンテナ需給や偏在に関係します。
FCLではコンテナ単位、LCLではRT単位や混載タリフ上の加算項目として表示されることがあります。
海上運賃を比較する際は、Ocean Freightだけでなく、PSS・CICが込みなのか別建てなのか、適用時期、計算単位、最低料金、見積有効期限、他のローカルチャージを含めた総額を確認することが重要です。
