Demurrage・Detention・Storageの違い

Difference Between Demurrage, Detention and Storage

Demurrage・Detention・Storageの違いとは

Demurrage・Detention・Storageの違いとは、輸入貨物や輸出貨物で発生する保管、滞留、返却遅れに関する費用を、発生場所、対象物、FCL・LCL、Free Timeとの関係ごとに整理する考え方です。

いずれも「貨物やコンテナが予定より長く留まった場合に発生する費用」として理解されがちですが、実務上は同じ費用ではありません。Demurrageは主にコンテナがターミナルやCY内に残っている段階で問題になり、Detentionはコンテナをターミナル外へ持ち出した後、空コンテナ返却が遅れた段階で問題になります。Storageは、ターミナル、CY、CFS、倉庫などで貨物やコンテナを保管することによって発生する保管料です。

この3つを区別しないまま「保管料」として処理すると、誰に確認すべき費用なのか、無料期間はいつまでなのか、FCLとLCLのどちらの問題なのか、費用負担を誰に求められるのかが分かりにくくなります。そのため、名称だけで判断せず、「どこで」「何が」「いつから」「誰の管理下で」滞留しているのかを確認することが重要です。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 他の記事で詳しく扱う内容
Demurrage 主に輸入FCLで、コンテナがCYやターミナル内に無料期間を超えて残った場合の考え方を整理します。 船会社ごとの料率、具体的な請求明細、個別航路のFree Time条件は個別確認が必要です。
Detention 主に輸入FCLで、コンテナ搬出後に空コンテナ返却が遅れた場合の考え方を整理します。 ドレージ手配、空コンテナ返却予約、コンテナ返却場所の詳細は別途確認が必要です。
Storage CY、CFS、倉庫などで貨物やコンテナを保管する費用としてのStorageを整理します。 CFS Charge、倉庫保管料、特殊貨物の保管条件は個別の施設条件を確認する必要があります。
FCLとLCLの違い FCLではコンテナ単位、LCLでは貨物単位で費用が見えやすいことを整理します。 FCL料金とLCL料金の違い、輸入混載のCFS保管料、輸入混載の搬出予約は別テーマとして整理できます。
費用負担 費用が発生した原因を整理するための確認観点を扱います。 最終的な負担者の断定、契約解釈、損害賠償請求の可否は契約書、運送約款、請求書、連絡履歴に基づく個別判断が必要です。

大まかな整理

Demurrage、Detention、Storageは、次のように整理すると分かりやすくなります。

  • Demurrage:主にコンテナがターミナル内やCY内に長く残った場合の超過費用
  • Detention:主にコンテナをターミナル外へ持ち出した後、空コンテナ返却が遅れた場合の超過費用
  • Storage:ターミナル、CY、CFS、倉庫などで貨物やコンテナを保管する費用

ただし、実際の定義や適用方法は、船会社、ターミナル、CFS、港、国、契約条件によって異なることがあります。特に海外では、同じDemurrageという言葉でも、日本の実務感覚と異なる範囲を指すことがあります。そのため、請求書の項目名だけで判断せず、発生場所、課金対象、Free Timeの起算日、請求元を確認する必要があります。

Demurrage・Detention・Storageの比較

項目 主な発生場所 主な対象 発生しやすい輸送形態 Free Timeとの関係 実務上の見方
Demurrage 港のターミナル、CY 主に実入りコンテナ 輸入FCLで問題になりやすい CY内での無料期間を超えると発生しやすい コンテナをCYから搬出できているかが重要です。
Detention ターミナル外、荷主倉庫、配送先、返却待ちの場所 主にコンテナそのもの 輸入FCLで問題になりやすい 搬出後の返却猶予期間を超えると発生しやすい 空コンテナを指定場所へ期限内に返却できているかが重要です。
Storage CY、CFS、ターミナル、倉庫 コンテナまたは貨物 FCL、LCLの双方で問題になり得る 施設ごとの無料保管期間を超えると発生しやすい どの施設で何を保管している費用なのかを確認します。

Demurrageとは

Demurrageとは、一般的に、輸入コンテナが港のターミナルやCY内に無料期間を超えて残った場合に発生する費用です。日本語では、デマレージ、超過保管料、コンテナ滞留料などと呼ばれることがあります。

輸入FCLでは、本船からコンテナが揚げられた後、一定期間内にCYから搬出する必要があります。輸入許可、D/O手続、ドレージ手配、搬出予約などが間に合わず、コンテナがCYに残り続けると、Demurrageが発生することがあります。

Demurrageで重要なのは、単に「貨物が引き取られていない」という事実だけではありません。コンテナがまだターミナル内にあるのか、CY搬出が可能な状態になっているのか、搬出を妨げている原因が何かを確認する必要があります。輸入許可が出ていても、D/Oが未了であれば搬出できないことがあります。逆に、D/Oが出ていても、ドレージや搬出枠が確保できなければ搬出できません。

Detentionとは

Detentionとは、一般的に、コンテナをターミナル外へ持ち出した後、空コンテナの返却が無料期間を超えて遅れた場合に発生する費用です。日本語では、ディテンション、コンテナ返却遅延料などと呼ばれることがあります。

輸入FCLでは、CYから実入りコンテナを搬出し、荷主倉庫や配送先でデバンした後、空コンテナを指定された返却場所へ返却します。この返却が所定期限を過ぎると、Detentionが発生することがあります。

Detentionで重要なのは、コンテナがターミナル外に出た後も、船会社またはコンテナ所有者の管理対象物として扱われる点です。コンテナは単なる梱包材ではなく、返却期限のある輸送機器です。納品先でデバン作業が遅れた場合、返却予約が取れなかった場合、連休や港湾混雑で返却できなかった場合でも、期限を過ぎれば費用が発生することがあります。

Storageとは

Storageとは、貨物やコンテナがターミナル、CY、CFS、倉庫などに保管されることによって発生する保管料です。日本語では、ストレージ、保管料などと呼ばれます。

Storageは、FCLではコンテナ単位で問題になることが多く、LCLではCFSに保管された貨物単位で問題になることが多くあります。特に輸入LCLでは、荷主がコンテナ1本を直接引き取るわけではないため、DemurrageやDetentionよりも、CFS保管料やStorage Chargeとして費用が見えやすくなります。

Storageは、船会社のコンテナ利用条件に基づく費用というより、施設で貨物やコンテナを保管していることに対する費用として扱われることがあります。ただし、請求元や名称は会社、港、施設によって異なるため、実務では請求書の項目名だけでなく、対象貨物、対象期間、保管場所を確認する必要があります。

FCLでの違い

FCLでは、Demurrage、Detention、Storageはいずれもコンテナ単位で問題になりやすい費用です。コンテナをいつCYから搬出し、いつデバンし、いつ空コンテナを返却するかが非常に重要です。

  • Demurrage:コンテナをCYから搬出しないまま無料期間を超えた場合
  • Detention:搬出後、空コンテナの返却が遅れた場合
  • Storage:CYやターミナルでの保管費用として発生する場合

FCLでは、通関、D/O、費用精算、ドレージ、納品先の受入、デバン、空コンテナ返却までが一連の流れです。このうち一つでも遅れると、Demurrage、Detention、Storageのいずれかが発生する可能性があります。特に連休前、年末年始、港湾混雑、台風後、税関検査後などは、通常よりも期限管理が難しくなります。

LCLでの違い

LCLでは、荷主がコンテナ1本を直接管理するわけではありません。NVOCCや混載業者がコンテナを仕立て、輸入地ではCFSでデバンして貨物を荷主別に仕分けます。

そのため、LCLで荷主にとって問題になりやすいのは、FCLのようなコンテナ単位のDemurrageやDetentionではなく、CFS内での貨物保管料です。Arrival Noticeの確認、D/O発行元の特定、CFS Chargeの精算、輸入許可、搬出予約、配送手配が遅れると、貨物がCFS内に残り、Storage ChargeやCFS保管料が発生することがあります。

  • FCL:コンテナ単位のDemurrage、Detentionが重要
  • LCL:CFS保管料、Storage Chargeが重要

LCLでは、コンテナがいつ港に到着したかだけでなく、CFSでいつデバンされ、いつ引取可能になったかが重要です。引取可能日と無料保管期間を確認しないまま手配を進めると、気づいた時には保管料が累積していることがあります。

Free Timeとの関係

Demurrage、Detention、Storageを理解するには、Free Timeの確認が欠かせません。Free Timeとは、一定期間内であれば追加費用なしにコンテナや貨物を置いておける無料期間のことです。

ただし、同じFree Timeという言葉でも、何に対する無料期間なのかを分けて確認する必要があります。CY内での無料期間、コンテナ搬出後の返却猶予期間、CFS内での貨物無料保管期間は、同じものではありません。

Free Timeの種類 主な対象 関係する費用 確認すべき点
CY内のFree Time 実入りコンテナ Demurrage、Storage 起算日、無料日数、土日祝日の扱い、最終搬出期限
搬出後のFree Time コンテナ返却 Detention 搬出日、返却期限、返却場所、返却予約の要否
CFS内のFree Time LCL貨物 CFS保管料、Storage Charge デバン日、引取可能日、無料保管期間、CFS営業時間

実務で問題になりやすいケース

ケース 問題になりやすい点 確認すべき資料 実務上の注意点
輸入FCLでD/O手続が遅れた 輸入許可が出ていても、D/Oが未了でCY搬出できないことがあります。 Arrival Notice、D/O案内、費用精算記録、船会社またはNVOCCの案内 通関だけでなく、D/O発行元と精算状況を早めに確認します。
税関検査でCY搬出が遅れた 検査対象になったことでFree Time内の搬出が難しくなることがあります。 税関検査通知、通関状況、搬出可能日、Free Time条件 検査による遅延でも費用が当然に免除されるとは限らないため、早期確認が必要です。
台風後の港湾混雑で搬出枠が取れなかった 港湾混雑によりCY搬出予約やドレージ手配が取れず、Demurrageが発生することがあります。 搬出予約記録、ドレージ業者との連絡履歴、港湾混雑情報、Free Time条件 混雑時は通常より早く搬出予約を入れ、代替便や代替日程も検討します。
納品先でデバン作業が遅れた コンテナは搬出済みでも、空コンテナ返却が遅れるとDetentionが発生します。 納品予約、デバン記録、空コンテナ返却期限、返却予約記録 納品先の作業能力、受付時間、荷役条件を事前に確認します。
空コンテナ返却予約が取れなかった デバンが終わっていても、返却枠が取れずDetentionが発生することがあります。 返却場所案内、返却予約記録、ドレージ業者との連絡履歴 返却場所、受付時間、予約要否を搬出前から確認しておく必要があります。
LCLでD/O発行元が分からなかった NVOCC、コーローダー、日本側代理店が複数関与し、D/O手続が遅れることがあります。 Arrival Notice、B/L、House B/L、請求書、代理店案内 Arrival Noticeの発行元だけでなく、実際にD/Oを発行する相手を確認します。
LCLでCFS搬出予約が取れなかった 輸入許可後も、CFS搬出予約が取れず保管料が発生することがあります。 CFS搬出案内、搬出予約記録、CFS営業時間、貨物引取可能日 CFSの受付時間、車両条件、荷役条件を早めに確認します。
連休前に費用精算が遅れた D/O Fee、CFS Charge、THCなどの精算が終わらず搬出できないことがあります。 請求書、入金記録、リリース案内、搬出可否の連絡履歴 連休前は銀行処理や確認作業が遅れるため、早めの精算が必要です。

DemurrageとStorageの違い

DemurrageとStorageは、どちらもターミナルやCYに貨物・コンテナが残ることに関係するため、混同されやすい費用です。しかし、実務上は見ている対象が異なることがあります。

Demurrageは、船会社やコンテナの利用条件に基づく超過費用として扱われることが多く、コンテナを所定期間内に搬出しなかったことに着目します。一方、Storageは、ターミナル、CY、CFS、倉庫などの施設で貨物やコンテナを保管していることに着目する費用として扱われることがあります。

この違いが重要なのは、確認すべき相手と交渉先が変わる可能性があるためです。Demurrageであれば船会社、NVOCC、フォワーダーの案内条件を確認する必要があり、Storageであればターミナル、CFS、倉庫などの施設側条件も確認する必要があります。請求元がどこか、どの期間に対する費用か、どの貨物またはコンテナに対する費用かを分けて確認することが重要です。

DemurrageとDetentionの違い

DemurrageとDetentionの違いは、コンテナがどこにあるかで考えると分かりやすくなります。

  • Demurrage:コンテナがターミナル内やCY内に残っている段階
  • Detention:コンテナをターミナル外へ持ち出した後の段階

輸入FCLでは、まずCYからの搬出が遅れるとDemurrageが問題になり、搬出後に空コンテナ返却が遅れるとDetentionが問題になります。つまり、同じコンテナに関する費用でも、CY搬出前と搬出後では問題となる費用の性質が変わります。

この区別を誤ると、費用発生の原因を正しく整理できません。例えば、通関書類の不備でCY搬出が遅れた場合はDemurrageが問題になりやすく、納品先で荷下ろしが遅れて空コンテナ返却が遅れた場合はDetentionが問題になりやすくなります。費用負担を検討する際も、どの時点の遅れなのかを時系列で整理することが必要です。

LCLではDetentionが見えにくい理由

LCLでは、荷主がコンテナ1本を直接引き取って返却するわけではありません。混載コンテナは、NVOCCや混載業者がCFSへ搬入し、CFSでデバンされた後、貨物単位で荷主へ引き渡されます。

そのため、LCL荷主に対しては、FCLのようなDetentionが直接見えにくく、代わりにCFS保管料、Storage Charge、搬出遅延費用として問題になることが多くあります。LCLでは、コンテナ返却期限よりも、CFSでの引取可能日、無料保管期間、搬出予約、CFS Charge精算の方が実務上の確認ポイントになります。

輸入許可だけでは防げない

Demurrage、Detention、Storageは、輸入許可だけで防げるとは限りません。輸入許可が出ていても、D/O手続が未了であれば搬出できないことがあります。FCLではドレージが手配できなければCYから搬出できません。LCLではCFS搬出予約が取れなければ貨物を引き取れません。

輸入実務では、通関、D/O、費用精算、搬出予約、配送手配を並行して進める必要があります。通関だけを先に完了させても、他の工程が止まっていれば貨物は動きません。特に連休前や繁忙期には、書類上の許可と実際の搬出可能日は一致しないことがあります。

D/O手続との関係

D/O手続が遅れると、FCLではCYからコンテナを搬出できず、LCLではCFSから貨物を引き取れないことがあります。D/Oは、貨物を引き渡すための実務上重要な手続であり、輸入許可とは別に確認が必要です。

特に輸入LCLでは、NVOCC、コーローダー、日本側代理店など、複数の関係者が関与することがあります。そのため、Arrival Noticeを受け取っただけでは、誰からD/Oを取得すべきか分かりにくい場合があります。Arrival Noticeの発行元、D/O発行元、請求書の発行元、搬入CFSを早めに確認することが、CFS保管料を防ぐうえで重要です。

搬出予約との関係

FCLでもLCLでも、搬出予約が取れないと追加費用につながることがあります。FCLでは、ドレージ業者やコンテナ搬出枠、空コンテナ返却枠の確保が重要です。LCLでは、CFSの搬出予約、受付時間、車両条件、貨物の荷役条件を確認する必要があります。

連休前、年末年始、港湾混雑、台風後などは、搬出予約が取りにくくなり、無料期間内に搬出できないことがあります。特に、搬出できない原因が施設混雑なのか、荷主側の指示遅れなのか、フォワーダー側の案内遅れなのかによって、後日の費用負担の整理が変わることがあります。

費用負担で揉めやすい理由

Demurrage、Detention、Storageは、費用負担で揉めやすい項目です。理由は、費用が発生した事実だけでは、誰の責任で発生したのかが分からないためです。

原因が、荷主の書類提出遅れなのか、フォワーダーの案内遅れなのか、船会社やCFS側の混雑なのか、税関検査なのか、納品先都合なのかによって、費用負担の整理が変わることがあります。また、Free Timeの案内が十分だったか、搬出可能日を誰が把握していたか、費用発生前に警告や連絡があったかも重要です。

そのため、費用発生日、無料期間、遅延原因、関係者の連絡履歴、通関状況、D/O手続状況、搬出予約状況を記録しておくことが重要です。後から「なぜ発生したのか」を確認しようとしても、メール、請求書、予約記録が残っていなければ、負担関係を整理しにくくなります。

貨物海上保険との関係

Demurrage、Detention、Storageは、貨物そのものの破損や濡損とは異なる費用です。そのため、貨物海上保険で当然に補償されるとは限りません。

貨物事故によって検品や搬出が遅れた場合でも、保管料や超過費用がどのように扱われるかは、保険条件、事故原因、損害拡大防止措置、保険会社への連絡時期によって異なります。事故が発生した場合は、貨物の損傷確認だけでなく、保管料や滞留費用が増え続けないように、早めに保険会社または保険代理店へ相談する必要があります。

保険金請求の場面では、Demurrage、Detention、Storageの請求書だけでなく、事故発生日、事故原因、検査指示、搬出不能の理由、保管継続が必要だった理由を説明できる資料が必要になることがあります。

確認チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
本船到着前 船会社、NVOCC、フォワーダー 到着予定日、Free Time、D/O手続、費用精算方法 到着前に必要書類と費用をそろえ、遅れそうな項目を先に確認します。
輸入通関前 通関業者、荷主、フォワーダー 通関書類、輸入許可見込み、税関検査の有無 書類不足や検査見込みがある場合は、Free Timeへの影響を確認します。
D/O手続時 D/O発行元、NVOCC、代理店 D/O発行条件、請求金額、入金確認、リリース可否 D/O発行元が不明な場合は、Arrival NoticeとB/Lから関係者を確認します。
FCL搬出手配時 ドレージ業者、CY、フォワーダー 搬出予約、搬出可能日、CYカットではなく搬出期限、車両手配 搬出枠が取れない場合は、代替日、代替業者、費用発生日を確認します。
FCL納品後 納品先、ドレージ業者、返却先 デバン完了予定、空コンテナ返却期限、返却予約、返却場所 デバン遅れが見込まれる場合は、返却期限とDetention発生日を確認します。
LCL搬出手配時 CFS、通関業者、フォワーダー デバン日、引取可能日、CFS無料保管期間、搬出予約 搬出予約が取れない場合は、保管料発生日と代替配送手段を確認します。
費用請求を受けた時 請求元、フォワーダー、関係者 費目、対象期間、対象コンテナまたは貨物、発生理由 請求書だけで判断せず、時系列と連絡履歴を照合します。
費用負担を検討する時 荷主、フォワーダー、通関業者、配送業者 遅延原因、指示日、連絡履歴、予約履歴、契約条件 誰の責任かを即断せず、原因別に整理して協議します。

フォワーダーの関与範囲

場面 支援しやすいこと 断定すべきでないこと 実務上の注意点
Free Timeの確認 船会社、NVOCC、CFSから取得したFree Time情報を案内すること 全ての費用が必ず免除されると断定すること Free Timeの起算日、土日祝日の扱い、延長可否を明確にします。
Demurrageの確認 CY搬出期限、発生日、請求元、対象コンテナを確認すること 発生原因を確認せずに荷主負担またはフォワーダー負担と断定すること 通関、D/O、搬出予約、港湾混雑の時系列を整理します。
Detentionの確認 空コンテナ返却期限、返却場所、返却予約状況を確認すること 納品先やドレージ業者の作業遅れをすべて免責と判断すること デバン完了時刻、返却予約、返却不能理由を記録します。
Storageの確認 CFSや倉庫の保管期間、料率、引取可能日を確認すること Storageが必ずDemurrageと同じ性質の費用だと説明すること 施設側の保管料なのか、コンテナ利用条件上の費用なのかを分けます。
費用負担の協議 関係資料を集め、発生原因の整理を支援すること 契約や約款を確認せずに法的責任を断定すること 費用負担は、契約条件、連絡履歴、遅延原因に基づいて判断します。
保険事故が絡む場合 保険会社や保険代理店への早期連絡を促すこと 保管料や超過費用が必ず保険で支払われると説明すること 貨物損害と付随費用は分けて整理し、保険条件を確認します。

FCLで確認すべき項目

FCLでDemurrage、Detention、Storageを確認する際は、次の項目を整理します。

  • 本船入港日
  • 荷揚げ日
  • Free Timeの開始日
  • CY搬出期限
  • Demurrageの発生日
  • ドレージ手配日
  • デバン予定日
  • 空コンテナ返却期限
  • Detentionの発生日
  • Storageの発生条件

FCLでは、搬出前と搬出後で確認すべき費用が変わります。CY搬出前はDemurrageやStorage、搬出後はDetentionが中心になります。コンテナの位置を時系列で追うことが、費用確認の基本です。

LCLで確認すべき項目

LCLでCFS保管料やStorageを確認する際は、次の項目を整理します。

  • Arrival Notice発行元
  • 搬入CFS
  • デバン予定日
  • 引取可能日
  • CFS無料保管期間
  • CFS保管料の発生日
  • D/O発行元
  • CFS Charge精算状況
  • 輸入許可日
  • 搬出予約日

LCLでは、コンテナ単位ではなく貨物単位で管理する意識が必要です。CFSで貨物が引取可能になった後、無料保管期間を過ぎると保管料が発生することがあります。輸入許可だけでなく、D/O、費用精算、搬出予約まで完了しているかを確認する必要があります。

よくある誤解

よくある誤解 実際の考え方 実務上の注意点
Demurrage、Detention、Storageは全部同じ保管料である 発生場所、対象物、請求元、費用の性質が異なることがあります。 請求書の項目名だけでなく、どこで何が滞留した費用かを確認します。
輸入許可が出れば追加費用は発生しない 輸入許可後でも、D/O、費用精算、搬出予約、配送手配が未了であれば搬出できません。 通関と搬出手配を別工程として管理します。
FCLもLCLも同じようにDetentionを考えればよい FCLでは空コンテナ返却が重要ですが、LCLではCFS保管料が中心になりやすいです。 FCLはコンテナ単位、LCLは貨物単位で整理します。
Storageは船会社だけに確認すればよい Storageはターミナル、CFS、倉庫など施設側の保管料として発生することがあります。 請求元と保管場所を確認し、必要に応じてCFSや倉庫条件も確認します。
港湾混雑や連休なら費用は当然に免除される 混雑や連休があっても、費用が自動的に免除されるとは限りません。 免除や減額の可否は、船会社、施設、契約条件ごとに確認します。
フォワーダーが関与していれば費用負担も必ずフォワーダーになる 費用負担は、遅延原因、指示時期、契約条件、連絡履歴によって変わります。 誰が何をいつ行ったかを時系列で整理します。
貨物保険で保管料や超過費用も当然に補償される 貨物保険は貨物損害を中心に考えるため、付随費用が当然に補償されるとは限りません。 事故が絡む場合は、保険会社または保険代理店へ早めに確認します。

実務上の注意点

Demurrage、Detention、Storageは、輸入実務で高額になりやすい費用です。特にFCLでは、CY搬出と空コンテナ返却の期限管理が重要です。LCLでは、Arrival Notice、D/O、CFSデバン、引取可能日、搬出予約、CFS保管料の確認が重要です。

これらの費用を見る際は、「どこで発生しているのか」「何に対して発生しているのか」「FCLなのかLCLなのか」「無料期間はいつまでか」を分けて整理する必要があります。名称だけで判断すると、請求元、確認先、負担関係を誤ることがあります。

また、費用が発生した後に争うよりも、発生前に期限を把握し、遅れそうな場合に関係者へ早めに連絡する方が実務上は有効です。Free Time、D/O、通関、搬出予約、配送、返却までを一体で管理することが、Demurrage、Detention、Storageを防ぐ基本です。

まとめ

Demurrage、Detention、Storageは、いずれも貨物やコンテナの滞留に関係する費用ですが、同じ意味ではありません。Demurrageは主にCYやターミナル内でのコンテナ滞留、Detentionはターミナル外へ搬出した後の空コンテナ返却遅れ、Storageは施設での貨物やコンテナの保管に関する費用として整理できます。

FCLではコンテナ単位で、LCLでは貨物単位で考えることが重要です。輸入許可だけでなく、D/O、費用精算、搬出予約、配送、空コンテナ返却まで確認し、Free Timeを超えないように管理することが、余計な費用を防ぐ実務上の基本です。

同義語・別表記

  • Demurrage
  • Detention
  • Storage
  • デマレージ
  • ディテンション
  • ストレージ
  • 保管料
  • コンテナ超過料
  • CFS保管料
  • CY保管料
  • Free Time
  • フリータイム