NACCSとは|輸出入・港湾関連情報処理システム
概要
NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System/輸出入・港湾関連情報処理システム)は、日本の輸出入手続、港湾・空港関連手続、貨物情報管理、関係省庁手続をオンラインで処理するための基幹システムです。
輸出入申告、貨物情報の登録、保税関連手続、船舶・航空機の入出港手続、食品・動植物検疫、貿易管理関連手続など、国際物流に関係する多くの業務がNACCSを通じて処理されます。
フォワーダー、通関業者、船会社、航空会社、倉庫業者、保税蔵置場、輸出入者などにとって、NACCSは日本の輸出入実務を動かす中心的なシステムです。
Maritime Wikiでは、NACCSを単なる電子申告システムではなく、輸出入申告、貨物搬出入、保税、通関、港湾・空港業務、EPA税率適用、各種検査手続に関係する実務基盤として整理します。
NACCSで処理される主な業務
NACCSでは、輸出入・港湾関連の行政手続と民間業務がオンラインで処理されます。
- 輸出申告
- 輸入申告
- 輸入許可後の貨物搬出関連手続
- 保税搬入・搬出関連手続
- 船舶・航空機の入出港関連手続
- 港湾・空港貨物情報の登録・管理
- 食品衛生、動物検疫、植物検疫などの関係省庁手続
- 外為法関連の貿易管理手続
- 関税・消費税等の納付関連手続
- 管理統計資料の配信
フォワーダー・通関業者実務での位置づけ
フォワーダーや通関業者にとって、NACCSは日常業務の中心になるシステムです。
輸出貨物では、船積情報、搬入情報、輸出申告、許可情報、船積確認などがNACCS上の処理と連動します。
輸入貨物では、積荷情報、搬入確認、輸入申告、検査指定、許可、D/O交換後の搬出などの流れで、NACCS上の情報が実務に影響します。
通関業者は、NACCSを使って税関申告を行い、フォワーダーや倉庫業者は、貨物情報、搬出入情報、許可情報、検査情報を確認しながら実務を進めます。
荷主実務との関係
荷主自身が直接NACCSを操作しない場合でも、NACCS上の処理は輸出入実務に大きく関係します。
たとえば、輸入許可が下りていない貨物は、原則として国内へ引き取ることができません。搬入情報、申告情報、許可情報、検査指定の有無が、納品予定や倉庫搬出予定に影響します。
輸出でも、輸出許可や保税搬入、船積関連情報が整っていなければ、船積手配や出荷スケジュールに影響することがあります。
荷主は、NACCSを直接操作しなくても、通関業者やフォワーダーから、申告状況、検査状況、許可予定、搬出可能時期を確認する必要があります。
輸出実務での使い方
輸出実務では、NACCSを通じて輸出申告や関連手続が行われます。
通関業者は、インボイス、パッキングリスト、HSコード、輸出規制該非、船積情報などをもとに輸出申告を行います。
輸出許可後は、船積手配、保税搬入、B/L発行、船積確認などの実務と連動します。
申告内容、貨物情報、搬入情報に不一致があると、許可や船積に影響することがあります。
輸入実務での使い方
輸入実務では、NACCSを通じて輸入申告、関税・消費税の計算、検査指定、輸入許可などが処理されます。
通関業者は、インボイス、パッキングリスト、B/L、Arrival Notice、HSコード、原産地証明書、他法令確認資料などをもとに輸入申告を行います。
輸入許可後、貨物はD/O交換、搬出許可、国内配送へ進みます。
NACCS上の申告内容や許可情報は、CY/CFSからの搬出、倉庫搬入、納品スケジュールに直結します。
EPA税率・原産地証明との関係
EPA税率を適用する場合、NACCSでの入力内容や証明書識別が重要になります。
HSコード、EPA税率、原産地証明方式、証明書番号、原産品申告書、積送基準資料などが、輸入申告時の確認対象になります。
入力や証明書類に不備があると、EPA税率の適用確認に時間がかかったり、追加資料を求められたりすることがあります。
そのため、EPA税率を利用する場合は、通関業者に必要書類を早めに渡し、NACCS入力に必要な情報を整理しておくことが重要です。
検査・他法令手続との関係
NACCSは、税関手続だけでなく、食品衛生、動物検疫、植物検疫、貿易管理などの関係省庁手続とも関係します。
食品、動植物、医薬品、化学品、機械類、輸出規制対象品などでは、税関申告だけでなく、他法令手続の確認が必要になることがあります。
他法令確認が完了していない場合、税関申告や貨物引取りに影響することがあります。
輸出入者、通関業者、フォワーダーは、貨物内容に応じて、どの手続が必要かを事前に確認する必要があります。
システム停止・障害時の注意
NACCSは国際物流実務の基幹システムであるため、計画停止や障害が発生すると、申告、許可、搬出入、照会業務に影響することがあります。
計画停止や障害情報は、NACCSセンターやNACCS掲示板で確認します。
繁忙期、連休前、船積期限、納品期限が迫っている案件では、NACCSの運用状況も実務上のリスク要因になります。
システム障害時には、通関業者、フォワーダー、倉庫、荷主の間で、申告状況、許可予定、搬出予定を早めに共有することが重要です。
実務上のポイント
- 輸出入申告、貨物搬出入、保税、港湾・空港関連手続に関係します。
- フォワーダー、通関業者、倉庫業者、船会社、航空会社が日常的に利用します。
- 荷主が直接操作しなくても、申告状況や許可状況は納品予定に影響します。
- EPA税率や原産地証明を使う場合、NACCS入力内容が重要になります。
- 食品衛生、動植物検疫、貿易管理などの他法令手続とも連動します。
- システム停止や障害時には、通関・搬出入・納品スケジュールに影響が出ることがあります。
注意点
- 申告内容や貨物情報の誤りは、通関遅延の原因になります。
- HSコード、数量、価格、原産地、他法令該当性を正確に確認します。
- EPA税率を使う場合は、証明方式や証明書識別を誤らないようにします。
- 他法令手続が未完了の場合、輸入許可や貨物引取りに影響することがあります。
- 計画停止や障害情報は、NACCS公式情報や掲示板で確認します。
- 荷主は、NACCS上の進捗を通関業者・フォワーダー経由で確認します。
具体例
- 通関業者がNACCSで輸入申告を行い、税関の審査・検査指定・輸入許可を確認する。
- フォワーダーが貨物搬入情報や許可状況を確認し、CY/CFSからの搬出予定を調整する。
- EPA税率を適用するため、原産地証明書類とNACCS入力内容を照合する。
- 食品輸入で、食品衛生手続の確認状況を踏まえて、通関・搬出予定を調整する。
- NACCS計画停止前に、連休前納品案件の申告・許可・搬出予定を前倒しで確認する。
まとめ
NACCSは、日本の輸出入申告、港湾・空港関連手続、貨物情報管理、関係省庁手続をオンラインで処理する国際物流実務の基幹システムです。
フォワーダー、通関業者、倉庫業者、船会社、航空会社、輸出入者にとって、NACCS上の申告・許可・搬出入情報は、通関、配送、納品スケジュールに直結します。
実務上は、申告内容、貨物情報、HSコード、EPA税率、他法令手続、システム運用状況を正確に確認し、関係者間で早めに情報共有することが重要です。
関連用語
公式情報
- 公式ホームページ: https://www.naccs.jp
