Label Clause(ラベル約款)―缶詰・瓶詰等の表示損傷と保険金算定

Label Clause — Label Damage to Canned/Bottled Goods and Claim Calculation

Label Clause(ラベル約款)とは

Label Clause(ラベル約款)とは、缶詰、瓶詰、飲料、食品、化粧品、医薬部外品その他ラベル、カプセル、包装又はブランド表示が商品価値や販売可否へ大きく影響する貨物について、それらの表示部分だけが損傷した場合の保険金算定方法を定める特別約款です。

内容物や容器本体に損傷がなくても、ラベルの水濡れ、にじみ、剥離、破れ、擦れ、汚損又は判読不能により、そのままでは正規販売できないことがあります。

一方、再ラベリングや再包装によって事故前の販売可能な状態へ合理的に戻せる場合に、商品全体の販売価額をそのまま損害額とすることは、損害を過大に評価する可能性があります。

Label Clauseは、このような場合に、保険者の責任を、新しいラベル、カプセル若しくは包装の作成費用、損傷表示の除去費用、再ラベリング、再包装又は貨物の再調整に必要な合理的費用へ限定する趣旨で使用されます。

ただし、Label Clause又はLabels Clauseという名称の単一かつ世界共通のInstitute標準約款が存在するわけではありません。

実際には、Labels Clause、Brands and Labels Clause又はBrands/Labels Clause等の名称で、保険会社、保険プログラム又は貨物保険証券ごとに異なる文言が使用されています。

ラベルだけが損傷した場合の再調整費用を対象とする文言、ブランド表示を除去して残存物を処分する方法を定める文言、包装損害まで含む文言等があるため、名称だけで適用範囲を判断してはいけません。

本記事では、実際に付帯されたLabel Clauseの正式文言を確認することを前提として、ラベル損傷、再ラベリング費用、ICC 2009 Clause 4.3、Clause 13、Clause 16及びClause 17との関係を整理します。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 兄弟記事又は別記事で扱う内容
Label Clauseの性質 Labels ClauseやBrands and Labels Clause等、複数の文言が市場で使用されていることを整理します。 特定保険会社の最新約款及び引受条件は、実際の保険証券と保険者への照会で確認します。
ラベルのみの損傷 容器及び内容物が無事な場合の再ラベリング、再包装、検品及び再調整費用を整理します。 容器破損、漏れ、腐敗、変質及び異物混入は、貨物本体損害の記事で扱います。
ICC 2009 Clause 4.3 梱包、準備又はコンテナ内積付の不備によるラベル損傷と免責要件を整理します。 梱包不備全般及びコンテナ内積付の詳細は、専用記事で扱います。
Duty of Assured Clause 16に基づく合理的な損害防止・軽減措置と、再ラベリング費用との関係を整理します。 MIA 1906上のSue and Labour全体及び求償権保全の詳細は、専用記事で扱います。
Waiver Clause 17が、保全措置による権利放棄又は委付承認を否定する条項であることを整理します。 委付、全損及び保険者による残存物取得の詳細は、全損記事で扱います。
分損・全損 ラベル損傷が通常は分損として整理されることと、構成的全損の厳格な要件を整理します。 MIA 1906のActual Total Loss、Constructive Total Loss及びNotice of Abandonmentの詳細は、全損記事で扱います。
食品表示・法令表示 原材料、賞味期限、輸入者、原産国、アレルゲン及びロット表示の判読可否を整理します。 食品表示法、薬機法その他の法令適合性の最終判断は、輸入者及び専門家が行います。
損害額算定 損傷数量、再ラベル単価、検品、仕分け、再梱包、国内移送及び残存価値を整理します。 最終的な保険金額は、正式約款、免責金額、保険価額及び保険者査定により決まります。
フォワーダーの関与 事故通知、数量確認、サーベイ、倉庫作業及び求償対応を標準五分類で整理します。 最終的な賠償責任は、受託範囲、契約、過失、因果関係及び責任制限により個別判断します。

Label Clauseの法的・契約上の性質

Label Clauseは、ICC(A)、ICC(B)又はICC(C)の本文に組み込まれたInstitute標準条項ではありません。

貨物保険証券へ追加される個別条項又は包括契約の追加補償として使用され、保険者ごとに名称と文言が異なります。

市場で使用される代表的な構成には、次のようなものがあります。

条項類型 主な内容 保険金算定の中心 注意点
Labels Clause ラベル、カプセル、包装等だけが損傷した場合の保険者責任を限定します。 新しい表示の作成、貼替え及び貨物の再調整に必要な費用 対象がラベルだけか、カプセル・包装まで含むか確認します。
Brands and Labels Clause ブランド表示品の処分方法と、ラベル・包装だけが損傷した場合の費用を定めます。 ブランド除去、再調整、再ラベリング、再包装及び残存価値 被保険者の同意なしにブランド品を処分できない文言がある場合があります。
Brands/Labels Clause メーカー又は供給者を示す恒久的表示と、損傷品の処分を扱います。 ブランド除去後の残存価値又は再調整費用 ブランドを完全に除去できない容器の処分方法を確認します。
個別ラベル費用特約 特定商品、特定国又は特定表示について補償範囲を設定します。 合意されたラベル単価、作業費及び最大支払限度 一般的なLabel Clauseより狭い又は広い場合があります。

したがって、「Label Clauseが付いているからラベルに関する費用はすべて補償される」と判断することはできません。

少なくとも、次の事項を正式約款で確認します。

  • 対象がlabels、capsules、wrappers、packaging又はbrandsのどこまでか
  • 保険対象危険による損傷を前提としているか
  • 新しいラベルの作成費用だけか、除去、再調整及び再包装も含むか
  • 検品、仕分け、倉庫作業及び国内配送費を含むか
  • 保険者の事前承認が必要か
  • 保険価額又は損傷品価額を支払上限とするか
  • 残存物の処分、ブランド除去及び残存価値をどう扱うか
  • 内容物又は容器にも損害がある場合の取扱い

なぜLabel Clauseが必要になるのか

缶詰、瓶詰、飲料、食品、化粧品等では、内容物の品質だけでなく、表示の完全性が販売可能性を左右します。

ラベルには、商品名、ブランド、原材料、賞味期限、輸入者、原産国、アレルゲン、使用方法、注意事項、ロット番号及びトレーサビリティ情報等が記載されます。

そのため、内容物が無事でも、表示が読めない、剥がれている、汚染されている又は正規ブランド品として販売できない場合があります。

しかし、貼替えによって法令上及び商業上の販売可能状態へ戻せるのであれば、合理的な損害額は商品全体の販売価額ではなく、事故前の状態へ戻すための費用となる場合があります。

Label Clauseは、この損害評価方法をあらかじめ明確にし、過大な全損評価と、必要な再調整費用の過小評価の双方を避ける役割を持ちます。

対象になりやすい貨物

貨物 ラベルの主な役割 問題になりやすい損傷 主な確認事項
缶詰食品 品名、原材料、賞味期限、ロット及びブランド 水濡れ、剥離、錆移り、擦れ 缶本体の凹み・錆とラベル損傷を分けます。
瓶詰食品・飲料 商品表示、容量、輸入者、原産国及びブランド にじみ、破れ、剥がれ、接着不良 瓶割れ、キャップ及び内容物の状態を確認します。
調味料・ソース類 原材料、アレルゲン、保存方法及び期限 液漏れによる他商品のラベル汚染 漏出元と被害品を分け、内容物への影響を確認します。
化粧品・日用品 ブランド、成分、使用方法及び注意事項 表面擦れ、汚損、印刷剥離 外観基準と法令表示を分けます。
医薬部外品・健康食品 成分、効能表示、使用期限及び製造番号 判読不能、ロット情報欠落、封緘損傷 貼替えが法令上許容されるか確認します。
輸入加工食品 日本語表示、輸入者、原産国及びアレルゲン 日本語シールの剥離、濡損及び印刷消失 輸入者による適法な再表示が可能か確認します。
ブランド商品 正規品表示、メーカー保証及び流通管理 ブランド表示汚損、偽装防止表示の破損 ブランド管理上の処分条件と残存価値を確認します。

保険対象危険によるラベル損傷かどうか

損傷原因 典型例 保険上の確認 主な資料 判断の中心
偶発的な水濡れ・汚染 雨濡れ、コンテナ損傷、他貨物からの液漏れ、荷役中の汚染 適用ICCの担保危険、保険期間及び因果関係を確認します。 写真、コンテナ記録、降雨記録、サーベイレポート 偶発事故がラベル損傷を直接生じさせたか
荷崩れ・接触・擦れ ケース内移動、パレット崩れ、隣接貨物との接触 外部事故、積付状態、梱包状態及び取扱いを確認します。 積付写真、梱包仕様、荷崩れ報告、CCTV 通常輸送に耐える保護があったか
梱包・準備不備 内装保護不足、防水不足、ケース内の隙間、ラベル面同士の擦れ ICC 2009 Clause 4.3の適用要件を確認します。 梱包写真、作業者、作業時期、保険始期、仕様書 誰がいつ梱包し、不備が損害原因となったか
ラベル素材・接着不良 湿気に弱い材質、印刷品質不良、接着剤不良、貼付不良 Clause 4.4の固有の性質、製造上の問題及び事故前状態を確認します。 ラベル仕様、同一ロット、製造記録、出荷前写真 輸送事故がなくても同様の損傷が生じるか
通常劣化・経年変化 長期保管、通常の湿度、摩耗又は変色 Clause 4.2の通常損耗、Clause 4.4及び保険期間を確認します。 保管期間、温湿度、在庫記録、出荷前状態 偶発事故か、通常進行する変化か
表示内容の誤り 原材料、期限、輸入者又は原産国の誤記 輸送損害ではなく、製造・表示準備及び法令適合性の問題として整理します。 ラベル原稿、承認記録、出荷前検品 正しいラベルが事故で損傷したのか

ICC 2009 Clause 4.3と梱包不備によるラベル損傷

ICC 2009 Clause 4.3は、貨物が通常の保険輸送に耐えるための梱包又は準備が不足若しくは不適切であったことにより生じた損害を対象とする免責です。

ラベル面の保護、ケース内の隙間調整、防水、内装材、仕切り又は商品の固定が不十分であったために、通常の輸送振動や湿気でラベルが擦れ、剥がれ又は濡れた場合は、Clause 4.3との関係を確認します。

ただし、梱包に問題があったという結果だけで、Clause 4.3が当然に適用されるわけではありません。

実務上は、次の要件を確認します。

  • 梱包又は準備が通常の保険輸送に耐えるために不足又は不適切だったか
  • その不足又は不適切性がラベル損傷を生じさせたか
  • 梱包又は準備が被保険者若しくはその従業員によって行われたか
  • 又は、その梱包若しくは準備が保険始期前に行われたか
  • 作業者が独立請負業者である場合の契約関係と作業時期

ICC 2009 Clause 4.3上、独立請負業者はemployeesに含まれません。

したがって、保険始期後に独立した外部梱包業者が作業した場合は、被保険者の従業員が作業した場合と同一に扱わず、正式約款と事実関係を確認します。

作業状況 Clause 4.3上の主な確認 注意点 主な資料
被保険者自身が梱包した 梱包不足とラベル損傷の因果関係を確認します。 通常輸送に耐える設計だったか確認します。 作業写真、仕様書、担当者記録
被保険者の従業員が梱包した Clause 4.3の主体要件との関係を確認します。 実際の指揮命令関係を確認します。 作業指示、従業員記録、写真
保険始期前に外部業者が梱包した 保険始期前の準備としてClause 4.3との関係を確認します。 作業完了時刻と保険始期を照合します。 梱包記録、受渡記録、保険証券
保険始期後に独立請負業者が梱包した 独立請負業者はemployeesに含まれないため、適用要件を慎重に確認します。 他の免責、個別条件及び作業業者責任を別に確認します。 委託契約、作業時刻、作業報告

ラベル損傷・容器損傷・内容物損傷・表示不備の切り分け

区分 主な状態 実務上の整理 主な資料
ラベルのみの損傷 ラベルに剥離、にじみ、擦れ、破れ又は汚損があるが、容器と内容物は正常 Label Clauseに基づき、再ラベリング、検品及び再包装等の合理的費用を確認します。 損傷写真、容器確認、内容物確認、作業見積り
容器にも損傷がある 瓶割れ、缶の凹み・錆、キャップ破損又は漏れ ラベル損害だけでなく、貨物本体の物的損害として確認します。 容器写真、数量表、漏れ記録、サーベイ
内容物に損傷がある 腐敗、変質、異物混入、臭気移り、品質劣化又は液漏れ Label Clauseの範囲を超え、品質変化及び貨物本体損害として整理します。 品質検査、成分検査、温度記録、検査報告
法令表示が読めない 原材料、期限、輸入者、アレルゲン又はロット情報が判読不能 内容物が正常でも、適法な販売に必要な再表示の可否と費用を確認します。 法令表示項目、損傷写真、再ラベル原稿、輸入者確認
元々の表示不備 輸送前から表示内容に誤り又は不足がある 輸送事故ではなく、製造者、荷主又は輸入者側の準備問題として整理します。 原稿、承認記録、出荷前写真、検品記録
ブランド管理上の販売拒否 物理的には販売可能だが、社内基準により正規流通を認めない 物的損害、商業上の方針、ブランド保護及び残存価値を分けます。 ブランド方針、販売基準、処分案、残存価値評価

補償対象として検討される費用

費用項目 内容 検討されやすい条件 主な資料 注意点
新ラベル作成費 損傷ラベルに代わる表示の印刷・作成 貼替えにより適法かつ正規販売可能な状態へ戻せる場合 印刷見積り、単価、数量、原稿 原則として損傷数量に対応する範囲を確認します。
損傷ラベル除去費 剥離、洗浄又は旧ラベル除去作業 商品・容器を傷めず、再作業に必要な場合 作業工程、時間、単価、試験結果 除去による二次損害を確認します。
再ラベリング費 新ラベルの貼付け及び位置調整 再作業後に販売基準を満たす場合 作業見積り、工程表、作業場所 手作業と機械作業の合理性を比較します。
検品・仕分け費 損傷品と正常品の選別及び数量確定 損傷数量を特定するために必要な場合 検品表、写真、作業報告、数量集計 カートン数と商品単位の損傷数を混同しません。
再包装・再梱包費 再ラベリング後のケース詰め、封緘及びパレット組替え 事故前の販売・輸送状態へ戻すために必要な場合 資材費、作業費、対象数量 梱包改善や販促目的の費用を分けます。
必要な倉庫作業費 入出庫、構内移動、作業区画、機器使用 再調整作業に直接必要な場合 倉庫明細、作業指示、時間記録 通常保管費を含めないよう区分します。
必要な国内配送費 再ラベリング施設への移送及び返送 合理的な再調整方法として必要な場合 運賃見積り、配送記録、距離 最も合理的な作業場所か確認します。
品質・法令確認費 再表示後の検査、照合及び適法性確認 販売再開に必要で、保険者が認める場合 検査見積り、報告書、法令項目 通常の品質管理費と区別します。

再ラベリング費用とICC 2009 Clause 16・Clause 17

Label Clauseが、ラベル損傷について新ラベル、再ラベリング又は再調整費用を直接補償する文言を持つ場合、その費用はまず当該Label Clauseに基づく損害額として検討します。

すべての再ラベリング費用を、当然にSue and Labour費用として扱うわけではありません。

一方、ICC 2009 Clause 16は、保険で回収可能な損害について、被保険者、その従業員及び代理人が合理的な損害防止・軽減措置を行い、運送人、受寄者その他第三者に対する権利を適切に保全・行使する義務を定めています。

Clause 16に従って適切かつ合理的に支出された費用は、回収可能な損害に加えて保険者が償還する構造です。

したがって、事故後にラベル損傷の拡大を防ぎ、正常品と損傷品を分離し、汚染の波及を防止し、損傷品を再ラベリングによって救済する措置は、次の要件を満たす範囲でClause 16との関係が問題になることがあります。

  • 基礎となる損害が当該保険で回収可能な損害であること
  • 措置が損害の防止又は軽減を目的としていること
  • 支出内容と金額が適切かつ合理的であること
  • 通常営業費、販売促進費又は商品改良費が混在していないこと
  • 第三者への通知及び求償権が保全されていること

ICC 2009 Clause 17は、被保険者又は保険者が貨物の救助、保護又は回収のために行った措置が、権利放棄、委付の承認又は当事者の権利を害するものとみなされないことを定めます。

Clause 17自体は、再ラベリング費用を補償する独立の費用条項ではありません。

条項 中心的な役割 Label Clause事故での関係 注意点
Label Clause ラベル・包装だけが損傷した場合の保険金算定方法を定めます。 新ラベル、再ラベリング、再包装及び再調整費用を直接扱う場合があります。 正式文言と支払上限を確認します。
Clause 16.1 合理的な損害防止・軽減措置を求めます。 仕分け、乾燥、隔離又は再調整による損害軽減が関係します。 基礎損害が回収可能であることを確認します。
Clause 16.2 第三者に対する権利の保全・行使を求めます。 船会社、倉庫、配送業者又は梱包業者への通知・求償が関係します。 期限と証拠保全を管理します。
Clause 17 救助・保全措置による権利放棄又は委付承認を否定します。 再調整や残存物保護を行っても、当事者の法的立場を当然に変更しません。 費用償還の独立根拠ではありません。
Clause 18 被保険者の支配可能な事情では合理的な迅速性を求めます。 検品、乾燥、再ラベリング及び通知を不当に遅らせないことが重要です。 遅延による損害拡大を避けます。

分損・全損・構成的全損との関係

保険対象危険によってラベルだけが損傷し、内容物と容器が残存している場合、通常は全損ではなく、損傷した商品の分損として整理されます。

MIA 1906上のParticular Averageは、共同海損損害ではない、保険対象危険による被保険目的物の部分損害を基本とする概念です。

Label Clauseは、このような部分損害について、損傷商品の全価額ではなく、再ラベリング又は再調整に必要な合理的費用を中心に支払額を定める機能を持ちます。

再ラベリングが困難又は不可能であるというだけで、直ちにActual Total Loss又はConstructive Total Lossになるわけではありません。

ICC 2009 Clause 13では、構成的全損の請求について、実際全損が避けられないため、又は回収、再調整及び仕向地までの輸送費が到着時価額を超えるために、被保険目的物を合理的に委付する場合という厳格な要件を定めています。

したがって、次のような事情を総合的に確認します。

  • 再ラベリング又は再包装が技術的・法令上可能か
  • 再調整費と仕向地までの必要費用の合計
  • 再調整後の貨物価値及び到着時価額
  • 損傷品の残存価値、値引販売又は別用途販売の可能性
  • ブランド表示を除去した上での処分又は転売可能性
  • 保険証券のConstructive Total Loss条項
  • 委付通知の要否と時期
損害区分 典型的な状態 主な確認 注意点
分損・Particular Average ラベル損傷があり、再ラベリング又は再調整が可能 損傷数量、合理的費用、残存価値及び正式約款 Label Clause事故の中心的な整理です。
貨物本体の部分損害 容器又は内容物の一部にも損傷がある ラベル費用と貨物本体損害を分けます。 損傷原因が複数ある場合があります。
Actual Total Lossの可能性 対象商品が滅失し、又は貨物としての性質を失った 物理的状態、法令、残存価値及び保険条件 販売拒否だけで実際全損とは限りません。
Constructive Total Lossの可能性 回収、再調整及び輸送費が到着時価額を超える等 Clause 13、費用比較、合理的委付及び委付通知 再ラベリング不能だけでは成立しません。
商業上の販売不能 ブランド方針又は販売先基準により通常販売しない 物的損害、法令上の販売可否、代替販売及び残存価値 商業方針と保険上の全損を区別します。

損害額の算定で確認すべき点

確認項目 確認内容 主な資料 注意点
総数量 総本数、総缶数、総ケース数及び総パレット数 Invoice、Packing List、入庫記録 申告数量と実在数量を照合します。
損傷数量 商品単位でラベルが販売不能な程度に損傷した数量 検品表、写真、サーベイ記録 濡れたカートン内の全数を自動的に損傷扱いしません。
損傷程度 軽微な波打ち、読取可能、部分剥離又は完全判読不能 正常品比較、拡大写真、販売基準 外観瑕疵と法令表示不備を分けます。
再作業単価 ラベル作成、除去、貼付け、検品及び再包装の単価 複数見積り、工程表、時間記録 過大な手作業費が含まれないか確認します。
再販売可能性 再ラベリング後に正規販売、値引販売又は別用途販売が可能か 輸入者確認、販売先回答、品質確認 単なる販売先の拒否だけで判断しません。
残存価値 損傷状態、ブランド除去後又は再調整前後の価値 買取見積り、処分案、市場資料 保険金算定で控除される場合があります。
支払上限 損傷品の保険価額、約款上限及び免責金額 保険証券、Label Clause、保険明細 再作業費が損傷品価額を超える場合を確認します。

再ラベリングができない場合

特殊なラベル、一体成形表示、改ざん防止表示、封緘ラベル、賞味期限又はロット情報と一体化した表示では、単純な貼替えができない場合があります。

また、製造者又はブランド所有者が、品質保証、偽造防止又は流通管理上の理由から第三者による再ラベリングを認めない場合があります。

この場合でも、直ちに対象商品の全価額を保険損害とするのではなく、次の順序で確認します。

  1. 再ラベリングが技術的に不可能なのか、社内方針上認められないだけなのかを区別します。
  2. 法令上、輸入者又は製造者による適法な再表示が可能か確認します。
  3. 再包装、別容器への移替え、バルク販売又は別用途利用を確認します。
  4. ブランド表示を除去した上での残存価値を確認します。
  5. 再調整、保管、輸送及び検査費用を算定します。
  6. 到着時価額との比較により、Clause 13の構成的全損要件が問題になるか確認します。
  7. 全損主張を行う場合は、保険者への通知、残存物及び委付の取扱いを確認します。

再ラベリング不能、販売先の受入拒否又はブランド方針だけでは、構成的全損が当然に成立するものではありません。

フォワーダー関与範囲の標準五分類

本記事で使用する五分類は、法令又は業界全体の合意によって確立された区分ではありません。フォワーダーの関与範囲を明確にするため、本シリーズで使用する分析上の枠組みです。

標準五分類 ラベル事故への主な関与 責任判断の中心 主な資料
Simple Intermediary 荷主を船会社、倉庫業者、保険会社、ラベル業者又はサーベイヤーへ取り次ぎます。 単純取次を超えて損害額、再ラベリング又は販売可否を判断・保証したか 紹介記録、見積書、メール
Cargo Transportation Service Provider ラベル損傷が発生した輸送区間を含む貨物運送サービスを引き受けます。 受託区間、梱包条件、取扱指示、事故通知及び運送契約上の義務 運送契約、Booking、作業指示
NVOCC / House B/L Issuer House B/L発行者として国際輸送を引き受けます。 House B/L約款、責任限度、通知期限及び求償対応 House B/L、Master B/L、運送約款
Door-to-Door Single Contractor 集荷、国際輸送、倉庫、配送、検品及び再作業を一括して引き受けます。 一括受託範囲、再委託管理、工程間の情報伝達及び証拠保全 一括見積書、仕様書、再委託記録
Agent/Coordinator for Specific Operations サーベイ、検品、再ラベリング、品質確認又は求償を調整します。 委任された確認事項、調整範囲及び最終判断者 委任記録、確認依頼、作業報告

Contracting Carrier及びActual Carrierは、法的又は契約上の地位を示す概念であり、本記事の標準五分類を置き換える分類ではありません。

梱包、保管、検品、仕分け、再ラベリング、再包装及び品質検査等の実作業も、それ自体で第六の分類を構成しません。

具体例1:コンテナ内結露で瓶のラベルが損傷した場合

輸入された瓶詰飲料について、コンテナ内で結露が発生し、一部カートンが濡れ、瓶ラベルが波打ち、剥がれ及び印刷にじみを起こしたとします。

瓶、キャップ及び内容物には異常がなく、適正な日本語表示ラベルを貼り替えれば正規販売が可能でした。

この場合、適用ICC上の担保危険と免責を確認した上で、Label Clauseに基づき、損傷数量に対応するラベル作成費、除去費、貼替費、検品費及び再包装費を検討します。

カートンが濡れていた数量と、実際にラベルが損傷した瓶数は一致しないため、商品単位の検品が必要です。

内容物が無事で再ラベリング可能な場合、商品全体価額ではなく、合理的な復旧費用が損害額の中心になります。

具体例2:保険始期前の梱包不備でラベルが擦れた場合

缶詰をケースへ詰める際、商品間の仕切りがなく、保険始期前の輸送準備段階で商品がケース内を動く状態になっていたとします。

通常の輸送振動により缶同士が接触し、多数のブランドラベルが擦れて正規販売基準を満たさなくなりました。

この場合、単にラベルが損傷したという理由だけでLabel Clauseの支払いを判断せず、ICC 2009 Clause 4.3の梱包・準備不足免責を確認します。

梱包が保険始期前に完了していたか、通常の輸送に耐える状態だったか、梱包不足が損害原因だったかが中心になります。

Label Clauseは損害額の算定方法を定める条項であり、基礎となる損害が他の免責に該当する場合まで補償するとは限りません。

具体例3:再ラベリング不能と構成的全損が争われた場合

改ざん防止ラベルと製造ロット表示が容器へ一体加工された商品について、輸送中の水濡れで表示が判読不能となったとします。

製造者は第三者による表示交換を認めず、通常の正規流通へ戻すことは困難でした。

しかし、内容物は正常で、ブランド表示を除去した上で業務用原料として売却できる残存価値がありました。

この場合、再ラベリング不能だけで全損と判断せず、再包装、別用途販売、残存価値、再調整費及び到着時価額を確認します。

構成的全損を検討する場合は、ICC 2009 Clause 13の費用比較及び合理的委付の要件を確認します。

正規販売ができないことと、保険上のActual Total Loss又はConstructive Total Lossが成立することは同じではありません。

実務で問題になりやすいケース

ケース 中心論点 主な確認資料 初動対応
外装カートンが濡れたが、内部商品の一部だけにラベル損傷があった カートン単位と商品単位の損傷数量 開梱写真、商品別検品表、サーベイ記録 全量損傷とせず、商品単位で数量を確定します。
ラベルは擦れたが、表示内容はすべて判読可能だった 販売不能の程度、外観基準、合理的復旧費 正常品比較、販売先基準、写真 軽微損傷、値引販売及び貼替えの必要性を確認します。
日本語表示ラベルの賞味期限だけが読めなくなった 法令表示、再表示の可否及び対象数量 ラベル原稿、輸入者確認、損傷写真 適法な再ラベリング方法を確認します。
他貨物からの液漏れでラベルと内容物の双方が汚染された Label Clauseと貨物本体損害の区分、漏出元への求償 成分検査、写真、積付記録、事故報告 内容物検査と第三者通知を直ちに行います。
ラベル接着不良により同一ロット全体で剥離した 製造不良、固有の性質、輸送事故の有無 同一ロット、製造記録、出荷前写真 輸送区間外の同種品も比較します。
ブランド方針により再ラベリング品の販売が禁止された 物的損害と商業方針、残存価値及び処分方法 ブランド方針、処分案、買取見積り 全損とせず、代替販売と残存価値を確認します。
再ラベリング作業の開始後に保険者へ通知した 現状確認、費用の合理性、証拠保全及び事前承認 作業前写真、作業記録、見積り、通知記録 残存証拠を確保し、追加作業前に保険者と調整します。
再ラベリング費用が損傷商品の到着時価額を超えた 残存価値、代替処分、Clause 13及び支払上限 費用比較表、到着時価額、処分見積り 再調整継続前に保険者へ代替案を提示します。

フォワーダー実務での判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
事故発見時 荷主、倉庫業者、配送業者 ラベル、外装、容器、内容物、水濡れ及び汚染の状態 商品、ケース及びパレット単位で撮影します。
原因確認時 倉庫業者、船会社、配送業者、サーベイヤー 水濡れ、結露、液漏れ、擦れ、圧迫、梱包及び通常劣化 事故状況と出荷前状態を比較します。
Clause 4.3確認時 荷主、梱包業者、保険会社 作業主体、作業時期、保険始期及び梱包仕様 独立請負業者と従業員を区別します。
数量確認時 荷主、倉庫業者、サーベイヤー 総数量、損傷数量、販売不能数量及び再作業数量 商品単位の検品表を作成します。
内容物確認時 荷主、品質管理、検査機関 漏れ、腐敗、変質、異物混入、容器破損 貨物本体損害をラベル損害と分けます。
法令表示確認時 荷主、輸入者、品質管理 原材料、期限、輸入者、原産国、アレルゲン及びロット 適法な再表示方法を確認します。
損害軽減時 保険会社、サーベイヤー、倉庫業者 隔離、乾燥、仕分け、再ラベリング及び第三者通知 Clause 16に沿って合理的措置と費用を記録します。
費用算定時 ラベル業者、倉庫業者、保険会社 作成、除去、貼替え、検品、再包装及び配送費 対象数量、単価及び作業方法を明示します。
全損検討時 保険会社、鑑定人、海事弁護士 再調整費、到着時価額、残存価値及びClause 13 販売拒否だけで全損と判断しません。
求償時 船会社、倉庫、配送業者、梱包業者 責任主体、通知期限、責任限度及び証拠 Clause 16.2に沿って求償権を保全します。

証拠として重要になる資料

資料区分 主な資料 確認目的 注意点
保険関係資料 保険証券、ICC、Label Clause、Brands and Labels Clause 担保、免責、算定方法及び支払上限を確認します。 名称だけでなく正式文言を確認します。
損傷写真 商品、ラベル、容器、ケース、パレット及びコンテナ写真 損傷程度、原因及び数量を確認します。 正常品との比較写真を残します。
数量資料 Invoice、Packing List、検品表、数量集計 総数量と損傷数量を確定します。 商品単位で記録します。
ラベル資料 ラベル原稿、材質、接着仕様、印刷記録、同一ロット 表示内容、素材不良及び再作成可能性を確認します。 事故前の仕様を保存します。
梱包資料 梱包仕様、内装写真、作業者、作業時刻 Clause 4.3の適用要件を確認します。 保険始期と照合します。
内容物資料 品質検査、成分検査、容器確認、温度記録 ラベルだけの損害か確認します。 抜取検査の代表性を確認します。
費用資料 再ラベル、除去、貼替え、検品、再包装及び配送の見積り 費用の必要性、単価及び合理性を確認します。 通常営業費と区別します。
残存価値資料 買取見積り、値引販売案、別用途利用、処分費 分損額及び全損可能性を確認します。 ブランド除去後の価値も確認します。
通知・求償資料 事故通知、求償状、立会通知、期限管理表 Clause 16.2に基づく第三者権利を保全します。 事故通知と正式請求を分けます。

保険会社・保険代理店へ確認すべき事項

  • Label Clause、Labels Clause又はBrands and Labels Clauseの正式文言
  • ラベル、カプセル、包装、ブランド及び容器のどこまでが対象か
  • 保険対象危険による損傷を前提とするか
  • ICC 2009 Clause 4.3、Clause 4.4及びClause 4.2との関係
  • 新ラベル、除去、貼替え、検品及び再包装費の取扱い
  • Clause 16に基づく損害軽減費用として扱う範囲
  • Clause 17が費用補償ではなく権利保全条項であること
  • 検品又は再作業前の保険者承認の要否
  • 損傷数量の確認方法とサーベイの要否
  • 残存物、ブランド除去、値引販売及び処分方法
  • 支払上限、免責金額及び損傷品の保険価額
  • Clause 13による構成的全損の取扱い
  • 事故通知、正式請求、時効及び出訴期限

海事弁護士又は保険法専門家を利用すべき場面

  • Label Clauseの正式文言又は支払範囲が争われる場合
  • Clause 4.3の作業主体、作業時期又は因果関係が争われる場合
  • 再ラベリング費用がLabel Clause上の損害かClause 16の費用か争われる場合
  • ブランド方針と物的損害の境界が争われる場合
  • 再ラベリング不能を理由に全損又は構成的全損を主張する場合
  • Clause 13の費用比較又は合理的委付が争われる場合
  • 内容物損害、法令表示又は商品回収が同時に問題になる場合
  • 船会社、倉庫、配送業者又は梱包業者へ高額求償を行う場合
  • 複数国の食品表示法、輸入規制又は管轄が関係する場合
  • 通知期限、正式請求期限、時効又は出訴期限が迫っている場合

よくある誤解

誤解 実際の考え方 確認すべきこと
Label Clauseは世界共通の単一約款である Labels ClauseやBrands and Labels Clause等、複数の文言が使用されています。 実際の保険証券と正式文言を確認します。
外装カートンが濡れていれば全商品がラベル損傷である 外装の濡れと商品単位の損傷数量は一致しない場合があります。 商品単位で検品します。
ラベルが損傷すれば商品全体の販売価額が損害になる 内容物が正常で再調整可能な場合は、合理的な再ラベリング費用が中心です。 再作業費と残存価値を確認します。
販売先が拒否すれば全損になる 販売拒否だけで保険上のActual Total Loss又はConstructive Total Lossになるとは限りません。 代替販売、残存価値及びClause 13を確認します。
ラベル損傷はすべて輸送事故である 素材、接着、製造、通常劣化又は梱包不備が原因の場合があります。 事故前状態、同一ロット及び梱包を確認します。
Label ClauseがあればClause 4.3は関係ない Label Clauseは損害額算定を定めても、梱包不備免責を排除するとは限りません。 約款の優先関係とClause 4.3要件を確認します。
再ラベリング費用はすべてClause 16で支払われる まずLabel Clauseの直接補償を確認し、Clause 16は合理的な損害軽減費用として別に検討します。 費用の目的、必要性及び合理性を確認します。
Clause 17が再ラベリング費用を補償する Clause 17は保全措置が権利放棄や委付承認を意味しないことを定めます。 費用補償の根拠をLabel Clause又はClause 16で確認します。
再ラベリングできなければ構成的全損になる 費用が到着時価額を超える等、Clause 13の要件が必要です。 再調整費、残存価値、到着時価額及び委付を確認します。
内容物が正常なら保険事故ではない 保険対象危険により販売に必要なラベルが損傷した場合、Label Clauseが問題になります。 事故原因、損傷程度及び正式約款を確認します。
日本語表示が読めなければ必ず廃棄する 輸入者による適法な再表示や再包装が可能な場合があります。 法令表示、再作業方法及び販売可否を確認します。
再作業を始めても後で写真を撮れば足りる 作業前の状態が失われると、原因、数量及び損害程度の立証が困難になります。 作業前写真、サーベイ及び保険者承認を確保します。

実務上のポイント

  • Label Clauseは、ICC本文に含まれる単一のInstitute標準約款ではありません。
  • Labels Clause、Brands and Labels Clause等の名称と文言があり、正式約款を確認します。
  • ラベルだけが損傷し、内容物と容器が正常な場合は、再ラベリング等の合理的費用が中心になります。
  • Label Clauseがあっても、基礎損害が保険対象危険によるものか確認します。
  • 梱包・準備不備が疑われる場合はICC 2009 Clause 4.3の主体、時期及び因果関係を確認します。
  • 独立請負業者はClause 4.3上のemployeesに含まれません。
  • 再ラベリング費用は、まずLabel Clause上の直接補償として確認します。
  • 合理的な損害防止・軽減措置にはClause 16が関係する場合があります。
  • Clause 17は費用補償条項ではなく、保全措置による権利放棄又は委付承認を否定します。
  • ラベルだけの損害は通常、分損として整理されます。
  • 再ラベリング不能又は販売拒否だけで構成的全損になるわけではありません。
  • 構成的全損はClause 13の費用比較、合理的委付及び保険条件を確認します。
  • 外装カートン数ではなく、商品単位で損傷数量を確定します。
  • 内容物、容器、法令表示、ブランド方針及び残存価値を分けます。
  • 事故時には写真、検品表、費用内訳、品質資料及び第三者通知を早期に確保します。

まとめ

Label Clauseは、缶詰、瓶詰、飲料、食品、化粧品その他ラベル表示が販売可能性又は商品価値へ影響する貨物について、ラベル、カプセル、包装又はブランド表示だけが損傷した場合の保険金算定方法を定める特別約款です。

Label Clauseという名称の世界共通かつ単一のInstitute標準文言があるわけではなく、Labels Clause、Brands and Labels Clause又はBrands/Labels Clause等の異なる文言が市場で使用されています。

そのため、対象となる表示、再ラベリング、再包装、再調整、ブランド除去、残存価値及び支払上限は、実際の保険証券と正式約款で確認する必要があります。

ラベルだけが損傷し、容器と内容物が正常で、適法かつ合理的な再ラベリングによって事故前の販売可能状態へ戻せる場合、損害額は商品全体の販売価額ではなく、新ラベル、除去、貼替え、検品、再包装及び必要な移送等の合理的費用を中心に整理されます。

一方、ラベル損傷が梱包・準備不足に起因する場合は、ICC 2009 Clause 4.3との関係を確認します。

Clause 4.3では、梱包状態だけでなく、誰がいつ作業したか、作業が保険始期前か、梱包不足が損害原因となったかを確認する必要があります。

事故後の仕分け、隔離、乾燥、再ラベリング及び第三者への通知は、損害の防止・軽減及び求償権保全の観点からICC 2009 Clause 16との関係が問題になる場合があります。

ただし、再ラベリング費用はまずLabel Clause上の直接補償として確認し、すべてをSue and Labour費用として扱うものではありません。

Clause 17は、貨物の救助、保護又は回収措置が、当事者の権利放棄又は委付承認を意味しないことを定める条項であり、費用償還の独立した根拠ではありません。

ラベルだけが損傷した場合は、通常、損傷商品の分損として整理されます。

再ラベリングが困難又は販売先が受け入れないという理由だけで、Actual Total Loss又はConstructive Total Lossが当然に成立するわけではありません。

構成的全損を検討する場合は、ICC 2009 Clause 13に基づき、回収、再調整及び仕向地までの費用と到着時価額を比較し、残存価値、代替処分及び合理的委付を確認します。

フォワーダー又はNVOCCは、ラベル損傷を軽微な外装事故として見落とさず、同時に商品全体損害として過大評価しないよう、原因、作業主体、損傷数量、内容物、法令表示、費用内訳及び残存価値を分けて記録する必要があります。

最終的な保険適用及び賠償責任は、実際のLabel Clause、適用ICC、保険証券、事故原因、損傷数量、再調整可能性、残存価値及び証拠資料に基づいて個別に判断されます。

同義語・別表記

  • Label Clause
  • Labels Clause
  • Brands and Labels Clause
  • Brands/Labels Clause
  • ラベル約款
  • ラベル損害約款
  • 再ラベリング
  • ラベル貼替費用

関連用語

公式情報