臭気貨物・液体貨物と混載
臭気貨物・液体貨物と混載とは
臭気貨物・液体貨物と混載とは、におい移りや液漏れによって他の荷主の貨物に影響を与える可能性がある貨物を、LCL混載で扱う場合の実務上の注意点をいいます。
LCL混載では、複数荷主の貨物を同じCFSで扱い、同じコンテナに積み合わせます。そのため、ある貨物から臭気、液漏れ、油分、粉体、汚れが発生すると、同じコンテナ内の他貨物にも損害が広がる可能性があります。
臭気貨物とは
臭気貨物とは、強いにおいを発する貨物、または保管・輸送中ににおいが外装や周囲の貨物へ移る可能性がある貨物です。
香料、化学品、ゴム製品、皮革製品、食品原料、飼料、魚粉、樹脂、塗料、接着剤、溶剤を含む製品などでは、臭気が問題になることがあります。
液体貨物とは
液体貨物とは、ドラム缶、缶、ボトル、タンク、IBC、ポリ容器などに入った液状の貨物です。
液体そのものが危険品でない場合でも、容器破損、キャップ不良、横倒し、振動、温度変化などにより漏洩する可能性があります。液漏れが発生すると、同じコンテナ内の他貨物を濡らしたり、汚したり、使用不能にしたりすることがあります。
混載で問題になる理由
混載貨物では、他荷主の貨物と同じコンテナに積まれます。そのため、臭気貨物や液体貨物は、自社貨物だけの問題ではなく、他貨物への影響を考える必要があります。
におい移り、液漏れ、油汚れ、化学品汚染、食品への臭気移行、梱包材への染み込みなどが発生すると、他荷主からのクレームや保険事故につながる可能性があります。
におい移りのリスク
臭気貨物で特に問題になるのは、外装に異常がなくても、においが他貨物に移ることです。
例えば、食品、衣類、紙製品、雑貨、化粧品、精密機器の梱包材などは、臭気の影響を受けやすいことがあります。臭気が移ると、外観上は問題がなくても、商品価値が下がる場合があります。
液漏れのリスク
液体貨物では、容器から液体が漏れることで、他貨物を濡損・汚損する可能性があります。
漏洩した液体が水であっても、紙製品、衣類、食品、機械部品、電子部品などに損害を与えることがあります。油、化学品、香料、染料、洗浄剤などの場合は、汚損や臭気の問題がさらに大きくなります。
危険品該当性の確認
臭気貨物や液体貨物では、危険品該当性の確認が重要です。
荷主が通常貨物と考えていても、SDSを確認すると引火性、腐食性、有害性、海洋汚染物質などに該当する場合があります。特に溶剤、塗料、接着剤、洗浄剤、化学品原料、エアゾール、リチウム電池関連製品などは注意が必要です。
SDSと成分情報
臭気貨物・液体貨物を混載で扱う場合は、SDSや成分情報を確認することがあります。
SDSには、危険有害性、引火点、腐食性、輸送上の分類、漏洩時の対応、保管条件などが記載されます。商品名だけでは判断できないため、CFSやNVOCCが受入可否を判断できる資料を事前に用意することが重要です。
梱包の重要性
臭気貨物・液体貨物では、梱包が非常に重要です。
液体貨物では、内装容器、外装箱、緩衝材、吸収材、液漏れ防止処理、キャップ固定、立積み指示などを確認する必要があります。臭気貨物では、密閉性、外装材、におい漏れの有無を確認します。
梱包が弱い貨物や、漏れ・臭気の可能性がある貨物は、通常のLCL混載では受けにくくなることがあります。
CFS受入可否の確認
臭気貨物・液体貨物では、CFS搬入前に受入可否を確認する必要があります。
CFS側では、他貨物への影響、保管場所、荷役方法、漏洩時の対応、危険品該当性、臭気の強さなどを確認します。事前確認なしに搬入すると、CFS側で受入を断られたり、別手配を求められたりすることがあります。
Co-load時の注意点
Co-loadで臭気貨物・液体貨物を扱う場合は、元請フォワーダーだけでなく、実際に混載を仕立てるコーローダー側の受入可否を確認する必要があります。
元請フォワーダーが受けられると判断しても、コーローダー、CFS、船会社、仕向地側代理店が受けられない場合があります。特に液漏れリスクや臭気移りリスクがある貨物では、誰の混載に載るのか、どこのCFSで扱うのかを明確にする必要があります。
食品・衣類・紙製品との相性
臭気貨物や液体貨物は、食品、衣類、紙製品、日用品、化粧品などと相性が悪い場合があります。
同じコンテナ内でにおいが移ったり、漏れた液体が他貨物に付着したりすると、外装だけでなく商品そのものの価値に影響することがあります。混載では、他荷主の貨物内容を完全に把握できないため、臭気や液漏れのある貨物は慎重に扱われます。
追加費用が発生する場合
臭気貨物・液体貨物では、通常のCFS Chargeに加えて、追加費用が発生することがあります。
料金表上のCFS Chargeだけでは、これらの追加費用を判断できません。Booking前に、貨物の性質と作業範囲を具体的に確認する必要があります。
FCLを検討すべき場合
臭気が強い貨物や液漏れリスクが高い貨物では、LCL混載ではなくFCL輸送を検討すべき場合があります。
FCLであれば、他荷主の貨物と同じコンテナに積まないため、臭気移りや液漏れによる第三者貨物への影響を避けやすくなります。ただし、FCLであっても危険品該当性、梱包、積付、温度条件、港湾側の受入条件は別途確認が必要です。
事故が発生した場合
臭気貨物・液体貨物で事故が発生した場合は、早めの通知と記録が重要です。
液漏れ、汚損、臭気移り、容器破損、他貨物への影響が確認された場合は、CFS、NVOCC、コーローダー、保険会社、荷主へ速やかに連絡します。写真、CFS記録、搬入・搬出記録、梱包状態、SDS、検品結果などが重要な資料になります。
事前確認で必要な情報
臭気貨物・液体貨物を混載で扱う場合は、Booking前に次の情報を整理します。
- 貨物名、品名
- 成分、材質、用途
- 液体・粉体・固体の区分
- 臭気の有無と強さ
- SDSの有無
- 危険品該当性
- 容器の種類
- 梱包形態
- 漏洩防止処理
- 温度条件
- 個数、重量、容積
- 写真資料
実務上の注意点
臭気貨物・液体貨物は、小口貨物であっても通常のLCL混載に向かない場合があります。
特に、におい移り、液漏れ、危険品該当性、他貨物への汚損リスクがある貨物では、CFS搬入前に必ず受入可否を確認する必要があります。
混載貨物では、自社貨物だけでなく、同じコンテナ内の他荷主貨物への影響を考える必要があります。臭気貨物・液体貨物では、「小口だからLCLで送れる」と判断せず、梱包、SDS、CFS受入可否、追加費用、FCLへの切替可能性を事前に確認することが重要です。
