THCとは
THCとは
THCとは、Terminal Handling Chargeの略で、コンテナターミナルで発生するコンテナ取扱費用です。日本語では、ターミナルハンドリングチャージ、ターミナル取扱料、港湾取扱料などと呼ばれることがあります。
海上輸送では、貨物を船に積むだけでなく、コンテナをターミナルで受け入れ、保管し、本船へ積み込み、または本船から卸して引き渡すための作業が発生します。THCは、このようなコンテナターミナルでの取扱に関係する費用です。
THCとOcean Freightの違い
Ocean Freightは、船積港から仕向港までの海上輸送そのものに関係する基本運賃です。
一方、THCは、港のコンテナターミナルでの取扱に関係するローカルチャージです。つまり、Ocean Freightが海上区間の運賃であるのに対し、THCは港湾側のコンテナ取扱費用という性格を持ちます。
見積書では、Ocean FreightとTHCが別項目で表示されることがあります。海上運賃が安く見えても、THCやその他ローカルチャージを加えると、総額が変わるため注意が必要です。
FCLでのTHC
FCLでは、THCはコンテナ単位で発生することが多くあります。20FT、40FT、40HQなど、コンテナサイズごとに料金が設定されるのが一般的です。
輸出FCLでは、コンテナをCYへ搬入し、本船へ積み込むまでのターミナル取扱に関係します。輸入FCLでは、本船からコンテナを卸し、ターミナルで受け入れ、搬出可能な状態にするまでの取扱に関係します。
LCLでのTHC
LCLでは、荷主がコンテナ1本を直接使うのではなく、NVOCCや混載業者が複数荷主の貨物をまとめてコンテナを仕立てます。
そのため、LCLの見積では、THCが明示される場合もあれば、CFS ChargeやLCLローカルチャージの中に実質的に含まれるように見える場合もあります。
LCLでは、荷主から見ると貨物単位の料金で請求されることが多いため、FCLのように「コンテナ1本あたりのTHC」として単純に見えない場合があります。
輸出側THC
輸出側THCは、船積港側で発生するターミナル取扱費用です。輸出FCLでは、実入りコンテナをCYへ搬入し、本船へ積み込むまでのターミナル作業に関係します。
輸出LCLでは、貨物はまずCFSへ搬入され、混載コンテナにバンニングされた後、コンテナとしてCYへ搬入されます。そのため、荷主の見積上は、輸出側THCとCFS Chargeの関係を確認する必要があります。
輸入側THC
輸入側THCは、仕向港側で発生するターミナル取扱費用です。輸入FCLでは、本船からコンテナを卸し、CYで搬出可能な状態にするまでの作業に関係します。
輸入LCLでは、コンテナがCFSへ搬入され、デバン作業によって荷主別に貨物が仕分けられます。そのため、輸入側ではTHCだけでなく、CFS Charge、D/O Fee、CFS保管料などもあわせて確認する必要があります。
THCとCFS Chargeの違い
THCは、主にコンテナターミナルでのコンテナ取扱費用です。一方、CFS Chargeは、LCL貨物をCFSで受け入れ、仕分け、バンニング、デバン、搬出準備などを行うための費用です。
FCLでは、貨物はコンテナ単位でCYを通るため、THCが重要になります。LCLでは、貨物単位でCFSを通るため、CFS Chargeが重要になります。
つまり、THCはCY・ターミナル寄りの費用、CFS ChargeはLCL貨物のCFS作業寄りの費用と整理すると分かりやすくなります。
THCとCYの関係
CYとは、Container Yardの略で、コンテナを搬入・搬出・保管するターミナル内のヤードです。
FCL貨物では、輸出時に実入りコンテナをCYへ搬入し、輸入時にCYから実入りコンテナを搬出します。そのため、FCLではTHCとCYの関係が分かりやすくなります。
LCL貨物では、荷主単位ではCFSを利用するため、CYの作業はNVOCCや混載業者が仕立てたコンテナ単位で行われます。
THCの請求単位
THCの請求単位は、FCLではコンテナ単位であることが多くあります。20FT、40FT、40HQなどのコンテナサイズによって料金が異なることがあります。
一方、LCLでは、荷主に対してRT単位、CBM単位、重量単位、またはLCLローカルチャージの一部として請求されることがあります。料金表上でTHCと明記されている場合でも、FCLとLCLでは見え方が異なります。
THCが含まれているかの確認
見積書を見るときは、THCが含まれているのか、別途請求なのかを確認する必要があります。
- Ocean Freightに含まれているのか
- THCとして別建て表示されているのか
- LCLではCFS Chargeに含まれているのか
- 輸出側THCか輸入側THCか
- FCLではコンテナ単位か
- LCLではRT単位か
同じ「海上運賃込み」という表現でも、THCが含まれている場合と、別途発生する場合があります。
PrepaidとCollectでの注意点
THCは、船積地側または仕向地側で発生するローカルチャージです。そのため、Ocean FreightがPrepaidかCollectかだけでは、THCの負担者が自動的に決まるわけではありません。
インコタームズ、売買契約、B/L条件、フォワーダーとの見積条件により、輸出側THC、輸入側THC、その他ローカルチャージを誰が負担するかを確認する必要があります。
FCLでTHCを見るときの注意点
FCLでは、THCのほかに、ドレージ、CY搬入・搬出、Demurrage、Detention、Storageなどの費用も確認する必要があります。
THCはターミナル取扱費用ですが、コンテナの搬出遅れや返却遅れによる費用とは別です。THCを支払ったからといって、DemurrageやDetentionが発生しないわけではありません。
LCLでTHCを見るときの注意点
LCLでは、THCだけを見ても総額は分かりません。CFS Charge、D/O Fee、Document Fee、Storage Charge、搬出予約、危険品や重量物の追加費用なども確認する必要があります。
特に輸入LCLでは、Arrival Noticeに記載されたローカルチャージの中で、THC、CFS Charge、D/O Feeなどが分かれている場合があります。項目名だけで判断せず、何の作業に対する費用かを確認することが重要です。
よくある誤解
THCでよくある誤解は、THCを支払えば港湾関係の費用がすべて含まれると考えてしまうことです。
実際には、THCはターミナルでのコンテナ取扱に関係する費用であり、CFS作業、D/O手続、書類費用、保管料、ドレージ、Demurrage、Detentionなどとは別に発生することがあります。
特にLCLでは、THCとCFS Chargeの違いを理解していないと、見積比較や請求内容の確認で混乱しやすくなります。
見積確認で見るべき項目
THCを確認する際は、次の項目を整理します。
- FCLかLCLか
- 輸出側THCか輸入側THCか
- コンテナ単位かRT単位か
- Ocean Freightに含まれるか別建てか
- CFS Chargeとの関係
- THC以外のローカルチャージ
- Demurrage、Detention、Storageとの違い
- 見積条件と請求条件の一致
実務上の注意点
THCは、海上輸送費用の中でも基本的なローカルチャージですが、FCLとLCLでは見え方が異なります。
FCLではコンテナ単位のターミナル取扱費用として理解しやすい一方、LCLではCFS ChargeやLCLローカルチャージとあわせて確認する必要があります。
THCを見る際は、「ターミナルでのコンテナ取扱費用なのか」「CFS作業費用なのか」「輸出側か輸入側か」「別途発生する費用は何か」を分けて整理することが重要です。
