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RISKS COVERED

※ICC(1982)貨物約款との変更(追加・削除等)箇所は、英文を赤字で表記しています。

RISKS COVERED − INSTITUTE CARGO CLAUSES (A)

Risks

1. This insurance covers all risks of loss of or damage to the subject-matter insured except as e
xcluded by the provisions of Clauses 4, 5, 6 and 7 below.


【要 旨】
危険
第1条 この保険は、免責事由4条(一般免責約款)・5条(不堪航・積載不適免責約款)・6条(戦争免責約款)・7条(ストライキ免責約款)に該当する場合を除き、被保険貨物の滅失または損傷の一切の危険を補償します。

【具体的な補償内容】
包括責任主義を採っているため、保険証券上に列挙した危険を補償する列挙責任主義(ICC(B),ICC(C)条件)とは異なり、保険期間中に発生した海上危険、その他航海に付随する危険を包括的に補償します。
但し、免責約款の各項、外来的偶発ではない通常のリスク・戦争及びストライキ危険(別約款で補償)を除くことは言うまでもありません。




RISKS COVERED − INSTITUTE CARGO CLAUSES (B)

Risks

1. This insurance covers, except as
excluded by the provisions of Clauses 4, 5, 6 and 7 below,

1.1 loss of or damage to the subject-matter insured reasonably attributable to
1.1.1 fire or explosion
1.1.2 vessel or craft being stranded grounded sunk or capsized
1.1.3 overturning or derailment of land conveyance
1.1.4 collision or contact of vessel craft or conveyance with any external object other than water
1.1.5 discharge of cargo at a port of distress
1.1.6 earthquake volcanic eruption or lightning,

1.2 loss of or damage to the subject-matter insured caused by
1.2.1 general average sacrifice
1.2.2 jettison or washing overboard
1.2.3 entry of sea lake or river water into vessel craft hold conveyance container or place of storage,

1.3 total loss of any package lost overboard or dropped whilst loading on to, or unloading from, vessel or craft.


【要 旨】
危険
第1条 この保険は、免責事由4条(一般免責約款)・5条(不堪航・積載不適免責約款)・6条(戦争免責約款)・7条(ストライキ免責約款)に該当する場合を除き、以下のものを補償します。

1.1 以下の事由による被保険貨物の滅失または損傷
1.1.1 火災または爆発
1.1.2 船舶または艀の座礁、乗揚げ、沈没または転覆
1.1.3 陸上輸送用具の転覆または脱線
1.1.4 船舶、艀または輸送用具の、水以外の他物との衝突または接触
1.1.5 遭難港における貨物の荷卸し
1.1.6 地震、噴火または雷

1.2 以下の事由によって生じる被保険貨物の滅失または損傷
1.2.1 共同海損犠牲
1.2.2 投荷または波ざらい
1.2.3 船舶、艀、船艙、輸送用具、コンテナまたは保管場所への海水、湖水または河川の水の浸入

1.3 船舶もしくは艀への積込みまたはそれらからの荷卸中における水没または落下による梱包1個ごとの全損


【注 釈】
在来船による輸送は、「Under Deck」への積込みが基本となっています。そのため、上記補償の「波ざらい」は、On Deckへの積込み時に必要な補償となりますので、この規定を利用するには、事前に保険会社への通知が必要となります。


【ICC(1963)W.A.との違い】
・海固有の危険に起因する特定事故に関係なく列挙危険が担保されます。
・全損分損を問わず補償され、小額免責歩合の適用がありません。
・地震、噴火、雷に起因する損害は、海上および陸上輸送中でも担保されます。
(地震は旧約款上All Risksでしか担保されていませんでした。 また噴火、雷に起因する事故は海上輸送中であれば海固有の危険となり担保され、火災が発生した場合は火災損害として処理されます。)
・海賊危険が不担保となりました。但し、別途にInstitute Malicious Damage Clause特約にて復活担保が可能です。




RISKS COVERED − INSTITUTE CARGO CLAUSES (C)

Risks

1. This insurance covers,
except as excluded by the provisions of Clauses 4, 5, 6 and 7 below,

1.1 loss of or damage to the subject-matter insured reasonably attributable to
1.1.1 fire or explosion
1.1.2 vessel or craft being stranded grounded sunk or capsized
1.1.3 overturning or derailment of land conveyance
1.1.4 collision or contact of vessel craft or conveyance with any external object other than water
1.1.5 discharge of cargo at a port of distress,

1.2 loss of or damage to the subject-matter insured caused by
1.2.1 general average sacrifice
1.2.2 jettison.


【要 旨】
危険
第1条 この保険は、免責事由4条(一般免責約款)・5条(不堪航・積載不適免責約款)・6条(戦争免責約款)・7条(ストライキ免責約款)に該当する場合を除き、以下のものをてん補する。

1.1 以下の事由による被保険貨物の滅失または損傷
1.1.1 火災または爆発
1.1.2 船舶または艀の座礁、乗揚げ、沈没または転覆
1.1.3 陸上輸送用具の転覆または脱線
1.1.4 船舶、艀または輸送用具の、水以外の他物との衝突または接触
1.1.5 遭難港における貨物の荷卸し

1.2 以下の事由によって生じる被保険貨物の滅失または損傷
1.2.1 共同海損犠牲
1.2.2 投荷


【ICC(1963)F.P.A.との違い】
・海固有の危険に起因する特定事故に関係なく列挙危険が担保されます。
・全損分損を問わず補償されます。
・船舶・艀への、またはそれからの積込み・荷卸中の水没・落下による梱包1個ごとの全損が不担保となり、積替港における荷卸、積込みも担保されません。
・海賊危険が不担保となりました。但し、別途にInstitute Malicious Damage Clause特約にて復活担保が可能です。




General Average

2. This insurance covers general average and salvage charges, adjusted or determined according to the contract of
carriage and/or the governing law and practice, incurred to avoid or in connection with the avoidance of loss from any cause except those excluded in Clauses 4, 5, 6 and 7 below.


【要 旨】
共同海損
第2条 この保険は、免責事由4条(一般免責約款)・5条(不堪航・積載不適免責約款)・6条(戦争免責約款)・7条(ストライキ免責約款)に該当する場合を除き、一切の理由による損害を避けるためか または避けることに関連して生じ、運送契約および/または準拠法および慣習に従って精算されまたは決定された共同海損および救助料に対して保険金を支払います。




“Both to Blame Collision Clause”

3. This insurance
indemnifies the Assured, in respect of any risk insured herein, against liability incurred under any Both to Blame Collision Clause in the contract of carriage. In the event of any claim by carriers under the said Clause, the Assured agree to notify the Insurers who shall have the right, at their own cost and expense, to defend the Assured against such claim.


【要 旨】
「双方過失衝突」条項
第3条 この保険の一切の損害を補償する危険に関して、運送契約の双方過失衝突条項により被保険者が負担する責任額に対して保険金を支払います。上記条項によって運送人から請求があった場合には、被保険者はその旨を保険者に通知することを約束します。保険者は自己の費用で、運送人の請求に対して被保険者を防護する権利を有します。


【具体的な補償内容】
貨物を積載している航洋船舶が単独で衝突した場合は、運送契約上で航海過失免責の適用で免責にされますが、双方過失の場合は、相手船と自社船の損害額を過失割合で支払います。これにより、貨物を積載している航洋船舶の船主が負担した損害額を荷主に負担させるので、その負担させられる損害を補償する条項です。


【変更点 対ICC(1963)】
被保険者(荷主)が運送契約双方過失衝突条項により負担する責任額を、保険者が補償することが明確に表記されました。

(参考)1910年のブラッセル衝突条約に準拠している国と批准していない国との荷主の権利の差異に対して、貨物海上保険により被保険者(荷主)の利益を守るための趣旨です。

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