写真資料
写真資料とは
写真資料とは、輸入貨物に破損、濡損、汚損、変形、数量不足、外装異常などが発生した場合に、貨物の状態を記録するための資料です。
貨物事故のクレームでは、文章だけで事故状況を説明することは困難です。写真資料は、事故の有無、損害の程度、貨物の状態、外装異常、数量不足の状況を示す重要な証拠になります。
写真資料が必要になる場面
写真資料は、貨物事故が疑われるほぼすべての場面で必要になります。
- 外装カートンが破損している場合
- 貨物が濡損している場合
- 貨物に汚損、カビ、異臭がある場合
- パレット崩れや荷崩れがある場合
- 商品本体が破損している場合
- 数量不足が疑われる場合
- 再梱包、廃棄、売却処分を行う場合
- 保険会社や運送人へクレームを出す場合
撮影しておくべき主な写真
写真資料では、損害箇所だけでなく、貨物全体、外装、ラベル、数量、保管状態が分かるように撮影することが重要です。
- 貨物全体の写真
- 外装カートンや梱包状態の写真
- 破損箇所の拡大写真
- 濡損、汚損、カビ、変色部分の写真
- ラベル、荷印、ケース番号の写真
- パレット番号、シール番号の写真
- 開梱前の状態
- 開梱後の中身の状態
- 正常品と損害品を並べた比較写真
- 検品後の仕分け状態
開梱前の写真
貨物事故では、開梱前の写真が非常に重要です。
開梱してしまうと、事故当時の外装状態や梱包状態を後から確認できなくなることがあります。そのため、外装破損、濡損、へこみ、穴、バンド切れ、荷崩れなどがある場合は、開梱前に必ず写真を残しておくことが重要です。
開梱後の写真
開梱後は、商品本体の状態を確認し、損害箇所を撮影します。
外装に異常があっても中身に損傷がない場合もあれば、外装の異常が軽くても中身に大きな損害がある場合もあります。外装写真と中身の写真を合わせて残すことで、事故状況を説明しやすくなります。
数量不足の場合の写真
数量不足の場合も、写真資料は有効です。
不足している数量そのものを写真だけで証明することは難しいですが、開封跡、空きスペース、破損カートン、バンド切れ、シール異常、ケース番号、検品時の並びなどを撮影しておくことで、検品記録や受領書と合わせて不足状況を説明しやすくなります。
再梱包・廃棄前の写真
再梱包や廃棄を行う場合は、作業前の写真を必ず残しておく必要があります。
再梱包後や廃棄後は、事故当時の状態を確認できなくなります。再梱包前の外装状態、廃棄対象品、損害数量、保管状態、仕分け状態などを撮影しておくことで、後から費用や損害額を説明しやすくなります。
写真撮影時の注意点
写真資料は、ただ多く撮ればよいわけではありません。後から見た人が、どの貨物の、どの部分を、どの時点で撮影したのか分かることが重要です。
- 全体写真と拡大写真を両方撮る
- ラベルやケース番号が分かる写真を撮る
- 損害箇所だけでなく周辺も撮る
- 正常品との比較写真を撮る
- 撮影日が分かるように管理する
- 写真番号と検品記録を対応させる
- ぼやけた写真や暗すぎる写真を避ける
保険会社へ提出する場合の注意点
保険会社へ写真資料を提出する場合は、事故内容、損害数量、損害額資料と結び付けて整理します。
写真だけを大量に送るのではなく、どの写真がどの貨物を示しているのか、どの損害箇所を説明しているのかを分かるようにしておくことが重要です。写真番号、品番、ケース番号、損害内容を一覧にすると確認が進めやすくなります。
運送人・NVOCCへ提出する場合の注意点
運送人やNVOCCへClaim Letterを提出する場合も、写真資料は重要です。
受領時の外装異常、輸送中に発生した可能性のある破損、濡損、荷崩れなどを説明する際には、写真が有力な資料になります。受領書、検品記録、損害額資料と合わせて提出することで、事故内容を伝えやすくなります。
実務上の注意点
写真資料は、事故発見直後に撮影することが重要です。
貨物を移動した後、再梱包した後、検品後、廃棄後では、事故当時の状態が変わってしまいます。現場では納品や作業を急ぐこともありますが、最低限、開梱前、開梱後、損害箇所、ラベル、数量が分かる写真を残しておくことが重要です。
まとめ
写真資料は、輸入貨物クレームにおいて、事故貨物の状態を示す基本的な証拠資料です。
破損、濡損、汚損、数量不足、再梱包、廃棄、売却処分などの各場面で写真を残し、検品記録や損害額資料と合わせて整理することで、保険会社、運送人、NVOCCへの説明が進めやすくなります。
同義語・別表記
関連用語
公式情報
- 公式ホームページ: https://marineinsurance.jp/
