日EU EPAの原産地規則

Rules of Origin under the Japan-EU EPA

日EU EPAの原産地規則とは

日EU EPAの原産地規則とは、日本とEUとの経済連携協定に基づき、貨物が特恵税率の対象となる原産品かどうかを判断するためのルールです。

日EU間で輸出入される貨物であっても、協定上の原産地規則を満たし、必要な原産地証明手続を行わなければ、EPA税率を使うことはできません。

日EU EPAでは、従来型の第三者証明制度ではなく、輸出者などが自ら原産地を申告する自己申告制度が中心になります。

実務では、原産地申告文、EU側輸出者のREX番号、日本側輸出者の法人番号、HSコード、品目別原産地規則、積送基準、根拠資料の保存が重要になります。

特にEUから日本へ輸入する場合は、インボイス等に記載された原産地申告文、REX番号の有無、原産国、対象貨物、申告文の記載内容を確認し、税関の事後確認に備えて根拠資料を整理しておく必要があります。

この記事で扱う範囲

この記事では、日EU EPAを利用する際の原産地規則と証明手続の実務を扱います。

項目 この記事で扱う内容 他の記事で詳しく扱う内容
日EU EPAの原産地規則の基本 日EU EPAで特恵税率を使うために必要な原産地規則と証明方式を整理する 原産地規則全体の制度構造は「原産地規則の実務解説」で扱う
自己申告制度 日EU EPAでは第三者証明制度ではなく、原産地申告文を中心とする自己申告制度が重要になることを扱う 自己申告制度全体の詳細は「自己申告制度とは」で扱う
EU発日本向けと日本発EU向け EU側輸出者のREX番号と、日本側輸出者の法人番号の違いを整理する 原産地証明方式の全体分類は「原産地証明書の種類」で扱う
REX番号と6,000ユーロ基準 EU側輸出者による原産地申告文で、REX番号の要否を確認する考え方を整理する REX制度そのものの登録・確認方法は「REX制度とは」で扱う
原産地申告文 インボイスその他の商業書類に記載される原産地申告文の確認ポイントを扱う 原産地申告文の文言・記載例は個別記事で扱う
輸入者の知識 輸入者が保有する情報に基づいて原産性を説明する場合の注意点を整理する 輸入者自己申告や自己申告制度の詳細は関連専門記事で扱う
HSコードとPSR HSコード、品目別原産地規則、CTC、RVC、加工工程基準との関係を整理する PSR、CTC、RVC、加工工程基準の詳細は各個別記事で扱う
積送基準 第三国経由時に、原産品資格が輸送中に維持されているかを確認する考え方を扱う 通しB/L、保税保管資料、非加工証明などは「積送基準とは」で扱う
フォワーダーの関与範囲 フォワーダーが支援できる書類整合、番号確認、輸送資料整理と、原産性判断の限界を整理する フォワーダー責任、通関書類確認、B/L・Sea Waybillの詳細は関連実務記事で扱う

制度の目的と背景

日EU EPAの原産地規則の目的は、日本とEUとの間で、協定上の原産品に限って特恵税率を認めることにあります。

EPA税率は、単にEUから輸出された貨物、または日本から輸出された貨物であるというだけでは適用できません。貨物が日EU EPA上の原産品であることを、原産地規則、品目別原産地規則、証明方式、積送基準、保存資料によって説明できる必要があります。

日EU EPAでは、従来型の第三者証明書を中心とする制度ではなく、輸出者による原産地申告文や、輸入者の知識に基づく申告を利用する自己申告型の仕組みが採用されています。

この仕組みにより、証明書発給機関による事前発給に依存せずに手続を進めやすくなる一方、輸出者、輸入者、生産者が原産性の根拠資料を整理し、税関確認に対応できる体制を持つことが重要になります。

特に日EU EPAでは、EU発日本向けではREX番号、日本発EU向けでは法人番号が問題になりやすく、輸出方向によって確認すべき番号が異なります。この方向依存の構造を理解することが、日EU EPA実務の重要な出発点になります。

日EU EPAが適用される場面

場面 日EU EPAが関係する理由 主な確認者 実務上の注意点
EUから日本へ輸入する場合 EU原産品について日本側でEPA税率を利用できる可能性があるため 日本側輸入者、EU側輸出者、通関業者 原産地申告文、REX番号、6,000ユーロ基準、PSR根拠資料を確認する
日本からEUへ輸出する場合 日本原産品についてEU側でEPA税率を利用できる可能性があるため 日本側輸出者、EU側輸入者、通関業者 REX番号ではなく、法人番号を輸出者参照番号として扱うことを確認する
輸出者が原産地申告文を作成する場合 商業書類上の申告文に基づいて特恵税率を申告するため 輸出者、輸入者、通関業者 申告文と対象貨物、原産国、番号、原産性資料の整合を確認する
輸入者の知識を使う場合 輸入者自身が原産性を説明する資料を保有する必要があるため 輸入者、輸出者、生産者 材料表、工程表、RVC計算資料などを輸入者が説明できるか確認する
第三国を経由する場合 輸送中に原産品資格が維持されているかを確認する必要があるため 輸入者、輸出者、フォワーダー 積送基準を満たす輸送書類を船積前に確認する
税関の事後確認を受ける場合 輸入後に原産性の根拠資料を求められることがあるため 輸入者、輸出者、生産者 原産地申告文だけでなく、PSR、材料、工程、原価、輸送資料を保存する

よくある誤解

日EU EPAでは、次のような誤解がよく起こります。

誤解 実際の考え方 起こり得る問題
EU製ならEPA税率が使える EU製やEU出荷であっても、日EU EPA上の原産品であることを確認する必要がある 原産地申告文や根拠資料がなく、EPA税率を適用できない
REX番号があれば原産性は証明される REX番号はEU側輸出者を特定する番号であり、原産地基準を満たす根拠資料そのものではない 番号だけを確認し、PSRや材料資料の確認を怠る
輸入者の知識による申告はいつでも使える 輸入者の知識を使うには、輸入者自身が原産性を説明できる資料を持っている必要がある 税関確認時に材料表や工程資料を提示できない
6,000ユーロ以下なら申告文不要である 6,000ユーロ以下の場合にREX番号の記載が不要となる場面はあるが、原産地申告文自体が不要になるわけではない 申告文なしでEPA税率を申告してしまう
日本側輸出者もREX番号を取得する REX番号はEU側登録輸出者制度の番号であり、日本側輸出者は通常、法人番号を輸出者参照番号として扱う 日本発EU向けで番号の扱いを誤る
原産地申告文があれば根拠資料は不要である 申告文は証明手段であり、HSコード、PSR、材料、工程、原価などの根拠資料が必要になる 税関事後確認で原産性を説明できない
第三国経由ならEPA税率は使えない 第三国経由自体が直ちに問題になるわけではなく、積送基準を満たすことを説明できるかが重要になる 必要な輸送資料を準備せず、特恵税率の確認に支障が出る
フォワーダーが日EU EPAの原産性を判断してくれる フォワーダーは書類整合や輸送資料整理を支援できるが、原産性判断の主体ではない 責任主体が曖昧になり、根拠資料不足のまま申告してしまう

EU発日本向けと日本発EU向けの違い

日EU EPAでは、輸出方向によって確認すべき番号や実務上の注意点が異なります。

項目 EU発日本向け 日本発EU向け 実務上の注意点
主な輸出者参照番号 EU側輸出者のREX番号 日本側輸出者の法人番号 輸出方向により確認すべき番号が異なる
確認する書類 インボイスその他の商業書類上の原産地申告文、REX番号、原産国表示 インボイスその他の商業書類上の原産地申告文、法人番号、原産国表示 申告文がどの貨物に対応するかを確認する
番号確認の注意点 原産品の価額が6,000ユーロを超える場合、REX番号の記載要否を確認する REX番号ではなく、法人番号を輸出者参照番号として扱うのが基本となる REX番号と法人番号を同じものとして扱わない
申告主体 EU側輸出者、または輸入者の知識による日本側輸入者 日本側輸出者、または輸入者の知識によるEU側輸入者 誰が原産性を説明する立場になるかを確認する
輸入者側で確認すること 日本側輸入者がEPA税率申告に必要な申告文と根拠資料を確認する EU側輸入者がEU側通関で求められる情報や資料を確認する 輸入国側で必要になる資料を事前に確認する
実務上の注意点 EU製表示やREX番号だけで原産性を判断しない 日本の法人番号の記載、原産地申告文、対象貨物との対応関係を確認する 輸出方向、番号、申告文、根拠資料を一体で確認する

日EU EPAでは、EU側輸出者の場合はREX番号、日本側輸出者の場合は法人番号を中心に確認します。輸出方向によって番号の意味が異なるため、EU発日本向けと日本発EU向けを分けて整理する必要があります。

日EU EPAと他制度との比較

日EU EPAの原産地証明方式は、他のEPA・FTAやGSPと同じではありません。特に、REX番号、法人番号、輸入者の知識、6,000ユーロ基準は、日EU EPA固有の確認点として整理する必要があります。

制度・協定 主な証明方式 番号・登録の特徴 輸入者側の確認負担 日EU EPAとの違い
日EU EPA 原産地申告文、輸入者の知識 EU側輸出者はREX番号、日本側輸出者は法人番号が問題になる 申告文、番号、PSR根拠資料、積送基準資料を確認する必要がある EU発と日本発で番号の扱いが方向依存になる
CPTPP 自己申告制度 協定上求められる必要的記載事項を確認する 輸出者・生産者・輸入者の誰が申告するかに応じて資料確認が変わる REX番号や6,000ユーロ基準は通常問題にならない
RCEP 第三者証明、認定輸出者による申告、自己申告など 認定輸出者番号などが関係する場合がある 国ごと・時期ごとの証明方式を確認する必要がある 日EU EPAのようなEU側REX番号と日本側法人番号の対比では整理しない
GSP GSP制度上の原産地証明 対象国・制度により証明方式が異なる 対象国、対象品目、直送要件、必要証明を確認する EPA・FTAとは別枠の特恵制度として扱う
第三者証明制度型EPA 発給機関による特定原産地証明書 発給機関への申請や原産品判定が関係する 証明書と根拠資料の整合を確認する 日EU EPAのように輸出者が商業書類へ原産地申告文を記載する方式とは異なる

原産地証明方式

日EU EPAでは、主に次の二つの方式で原産地を証明します。

  • 輸出者による原産地申告文
  • 輸入者の知識

実務では、通常、輸出者がインボイスその他の商業書類に原産地申告文を記載し、輸入者がその申告に基づいてEPA税率を申告する場面が多くなります。

輸入者の知識による申告は、輸入者自身が原産性を説明できる資料を十分に持っている場合に限って検討するのが安全です。

輸出者による原産地申告文と輸入者の知識の違い

項目 輸出者による原産地申告文 輸入者の知識 実務上の注意点
基本的な考え方 輸出者が原産地申告文を作成し、輸入者がそれに基づいてEPA税率を申告する 輸入者が自ら保有する情報に基づき、貨物が原産品であることを説明する どちらの方式でも根拠資料の説明が必要になる
向いている場面 輸出者が原産性を確認し、商業書類に申告文を記載できる場合 輸入者が製造情報、材料情報、原価資料などを十分に入手・管理できる場合 輸入者が資料を持たない場合は、輸入者の知識を安易に使わない
必要な書類 原産地申告文を記載したインボイスその他の商業書類 輸入者が保有する原産性根拠資料 申告文または資料のいずれかだけで済むとは限らない
確認する資料 原産地申告文、輸出者参照番号、原産国、対象貨物、PSR根拠資料 HSコード、PSR、材料表、工程表、RVC計算資料、サプライヤー資料など 税関確認時に提出・説明できるかを確認する
注意点 申告文があっても、根拠資料が不足していると税関確認で問題になる 輸入者が資料を持っていない場合は、説明が困難になる 取引開始時に資料提供範囲を合意しておく

REX制度と日本側輸出者の扱い

REX制度とは、Registered Exporter Systemの略で、EU側の登録輸出者制度を意味します。

EU側の輸出者が日EU EPAに基づいて原産地申告文を作成する場合、一定金額を超える貨物については、REX番号の記載が必要になります。

EU側輸出者による原産地申告では、原則として、原産品の価額が6,000ユーロを超える場合、登録輸出者としてのREX番号を原産地申告文に記載する必要があります。

一方、6,000ユーロ以下の場合は、REX番号がなくても原産地申告文を作成できる場合があります。

REX番号は、原産地申告文の中でEU側輸出者を特定するための重要な情報です。EUから日本へ輸入する場合は、インボイス上の原産地申告文にREX番号が必要か、記載されている番号が形式上不自然でないか、対象貨物の金額と整合しているかを確認します。

一方、日本側輸出者がEU向けに原産地申告文を作成する場合は、EU側のREX番号ではなく、日本の法人番号を輸出者参照番号として記載するのが基本です。

日本側輸出者はREX登録を行うのではなく、法人番号、原産地申告文、対象貨物、原産地基準への適合資料を整理して対応します。

6,000ユーロ基準の確認ポイント

EU側輸出者のREX番号の要否を確認する際は、6,000ユーロ基準の見方に注意が必要です。

確認項目 実務上の見方 問題になりやすい点 実務上の対応
対象となる価額 原産地申告文の対象となる原産品の価額を確認する インボイス全体の金額だけを見て判断する 非原産品が混在する場合は、申告対象品目を明確に区分する
インボイス単位か品目単位か 原産地申告文がどの商業書類上のどの原産品を対象にしているかを確認する 複数品目のうち、どの品目に申告文が適用されるか不明確になる 対象品目、数量、金額、原産国を対応させて確認する
6,000ユーロ以下の場合 EU側輸出者のREX番号がなくても原産地申告文を作成できる場合がある REX番号が不要なら申告文も不要と誤解する REX番号の要否と原産地申告文の要否を分けて確認する
6,000ユーロ超の場合 EU側輸出者のREX番号の記載要否を確認する REX番号未記載のまま輸入申告に進む 輸出者、輸入者、通関業者に確認し、必要に応じて申告前に補正する
通貨換算や価格変更 ユーロ建て以外の取引や値引きがある場合、どの価額を基準に確認するか整理する 値引き後価格、建値、為替換算の扱いが曖昧になる 判断が難しい場合は、輸入者、通関業者、税関資料で確認する

6,000ユーロ基準は、REX番号の記載要否に関係する重要な確認項目です。ただし、6,000ユーロ以下であっても、原産地申告文と原産性の根拠資料は別途確認する必要があります。

適用要件と対象外になりやすい場面

日EU EPAを利用するには、輸出方向、対象貨物、原産地基準、証明方式、輸送経路、保存資料を一体で確認する必要があります。

確認項目 適用に必要な要件 対象外・問題になりやすい場面 実務上の対応
対象取引 日本とEUとの間で日EU EPAの適用を検討する取引である EU経由であっても、対象貨物が日EU EPA上の原産品ではない 輸出国、原産国、輸送経路、対象貨物を分けて確認する
特恵税率 対象HSコードに日EU EPA税率が設定されている EPA税率を使っても税率差がない、または対象外である MFN税率とEPA税率を比較する
HSコード 対象貨物のHSコードが合理的に確認されている 品名だけでHSコードを判断する 仕様書、素材、用途、構造、事前教示資料を確認する
PSR 日EU EPA上の品目別原産地規則を満たしている 別協定のPSRを流用する 日EU EPAのPSRを確認し、CTC、RVC、加工工程基準を整理する
原産地申告文 インボイスその他の商業書類に必要な申告文が記載されている 申告文がない、対象貨物が不明、番号や原産国表示が不足している 申告文、対象貨物、原産国、輸出者参照番号を確認する
REX番号 EU側輸出者で、必要な場合にREX番号が記載されている 6,000ユーロ超の対象貨物でREX番号が未記載である 申告対象価額とREX番号の要否を確認する
法人番号 日本側輸出者がEU向けに申告する場合、法人番号の扱いを確認している 日本側輸出者がREX番号を使うものと誤解する 日本発EU向けでは法人番号を輸出者参照番号として確認する
輸入者の知識 輸入者自身が原産性を説明できる資料を保有している 輸出者や生産者しか持たない資料を輸入者が入手できない 輸入前に材料表、工程表、RVC資料の提供可否を確認する
積送基準 第三国経由時にも貨物が加工・改変されていないことを説明できる 経由地での保税管理や非加工を説明できない Through B/L、積替記録、保税管理資料、非加工証明を確認する
保存資料 税関事後確認に対応できる根拠資料を保存している 原産地申告文だけを保存し、根拠資料が不足する HSコード、PSR、材料、工程、原価、輸送資料を一体で保存する

原産地申告文の確認

日EU EPAでは、インボイスその他の商業書類に所定の原産地申告文を記載することが重要です。

原産地申告文には、対象貨物が協定上の原産品であること、原産国、輸出者情報、用いられた原産性の基準などが示されます。

申告文があるだけで自動的にEPA税率が認められるわけではありません。HSコード、品目別原産地規則、積送基準、根拠資料とあわせて確認する必要があります。

確認項目 確認する内容 問題になりやすい点 実務上の対応
文言 所定の文言に沿って記載されているか 文言が不足している、または別制度の文言と混同している 対象協定の文言要件と照合する
対象書類 対象貨物が明確に分かる商業書類上に記載されているか どのインボイス、どの品目に対応するか分からない インボイス番号、品名、数量、金額と対応させる
原産国 原産国の表示が適切か EU製表示と日EU EPA上の原産国を混同する 原産地基準と根拠資料で確認する
EU側輸出者番号 必要に応じてREX番号が記載されているか 6,000ユーロ超にもかかわらずREX番号がない 申告対象価額とREX番号の要否を確認する
日本側輸出者番号 法人番号などの輸出者参照番号の扱いが適切か 日本側輸出者がREX番号を記載するものと誤解する 日本発EU向けでは法人番号の扱いを確認する
複数品目 どの貨物に申告文が適用されるか分かるか 原産品と非原産品が混在し、対象範囲が不明確になる 対象品目、数量、金額、原産国を区分して確認する
根拠資料との整合 用いられた原産性の基準が、根拠資料と整合しているか 申告文とPSR判定資料が一致しない HSコード、PSR、材料表、工程表、RVC資料を照合する

HSコードと品目別原産地規則

日EU EPAの原産地規則では、対象貨物のHSコードを確認し、そのHSコードに対応する品目別原産地規則を確認します。

品目別原産地規則は、PSRとも呼ばれ、Product Specific Rulesの略です。

同じ日EU EPAを利用する場合でも、品目によって求められる原産地基準は異なります。ある品目では関税分類変更基準で足りる場合があり、別の品目では付加価値基準や特定の加工工程が求められる場合があります。

HSコードを誤ると、確認すべき品目別原産地規則も誤ることになります。そのため、インボイス上の品名だけで判断せず、製品仕様、素材、用途、構造、製造工程などを確認することが重要です。

主な原産地基準

基準 確認する内容 主な資料 注意点
関税分類変更基準(CTC) 非原産材料と完成品のHSコードが、協定で求められる水準以上に変わっているか 完成品HSコード、材料HSコード、材料表、分類根拠資料 材料ごとのHSコードを確認する必要がある
付加価値基準(RVC) 完成品の価額のうち、一定割合以上が協定域内で生み出されているか FOB価格、非原産材料価額、原価資料、RVC計算資料 計算根拠を保存していなければ説明が難しい
加工工程基準 協定上求められる特定の製造工程や加工工程が行われたか 製造工程表、製造記録、作業指図書、外注先資料 工程名だけでなく、実際の作業内容を説明する必要がある
累積 日本またはEUで行われた生産や原産材料を原産性判断に組み込めるか 材料の原産性資料、サプライヤー証明書、工程資料 相手側地域から仕入れたというだけでは足りない
許容限度 基準を満たさない一部の非原産材料を許容できるか 材料価格資料、重量資料、計算根拠資料 協定上の対象可否と上限を確認する

積送基準・直送基準

日EU EPAでも、原産品が輸出国から輸入国まで適切に輸送されているかを確認する必要があります。

貨物が原産地基準を満たしていても、第三国を経由する途中で加工、改変、非保税状態での保管などが行われた場合、EPA税率の適用に影響することがあります。

第三国を経由すること自体が直ちに問題になるわけではありません。ただし、第三国での取扱いが積替え、一時保管、貨物の保存に必要な作業など、協定上認められる範囲に収まっていることを説明できる必要があります。

場面 確認する内容 主な資料 実務上の対応
直送 日本とEUの間で直接輸送されているか B/L、Sea Waybill、航空運送状 輸送書類とインボイスの貨物内容を照合する
第三国経由 経由地で加工や改変が行われていないか Through B/L、積替記録、経由地資料 第三国経由がある場合は、船積前に必要資料を確認する
一時保管 保税状態や税関管理下で保管されていたか 保税管理資料、倉庫証明、非加工証明 輸入者、フォワーダー、現地代理店で取得可否を確認する
複合輸送 輸送経路と貨物の同一性を説明できるか 複数の輸送書類、積替記録、荷受渡記録 輸送区間ごとの書類を一体で管理する

輸入者の知識による申告

日EU EPAでは、輸入者の知識に基づいて特恵税率の適用を求めることも制度上認められています。

これは、輸入者が保有する情報により、貨物が協定上の原産品であることを説明する方法です。

ただし、輸入者の知識による申告では、輸入者自身が原産性を裏付ける資料を十分に持っている必要があります。

輸出者や生産者しか持っていない製造情報、原材料情報、RVC計算資料などが必要になる場合、輸入者側で説明できないおそれがあります。

輸入者の知識で必要になりやすい資料

資料 確認する内容 問題になりやすい点 実務上の対応
HSコード確認資料 対象貨物と品目別原産地規則を特定する 品目分類の根拠を説明できない 仕様書、カタログ、事前教示資料などを保存する
品目別原産地規則の確認資料 どの原産地基準を満たす必要があるか確認する 日EU EPAではない別協定のPSRを参照する 日EU EPA上のPSRを確認する
原材料リスト・部品表 原産材料と非原産材料を区分する 輸入者が入手できない場合は説明が難しい 輸入前に輸出者・生産者と提供範囲を合意する
材料HSコード資料 CTCを満たすか確認する 材料ごとの分類根拠がない 材料表と分類根拠資料を一体で保存する
製造工程表 どの国でどの工程が行われたか確認する 加工工程基準で工程を説明できない 工程表、作業記録、外注資料を確認する
RVC計算資料 付加価値基準を満たすか確認する 価格情報や原価情報を入手できない 必要に応じて秘密保持のうえで資料提供体制を決める
サプライヤー証明書 材料の原産性や価額を確認する サプライチェーン上の協力が得られない 取引開始時にサプライヤー資料の取得可否を確認する
積送基準資料 第三国経由時に原産品資格が維持されているか確認する 輸送経路資料や保税管理資料を準備できない 船積前にフォワーダーと必要資料を確認する

輸入者の知識による申告は、輸入者が十分な資料を持っている場合には有効ですが、輸出者や生産者の協力なしに使うと、税関確認への対応が難しくなることがあります。

税関の事後確認

日EU EPAでEPA税率を利用した場合、輸入後に税関から原産性の確認を受けることがあります。

この確認では、原産地申告文だけでなく、原産性を裏付ける資料の提出や説明が求められる場合があります。

たとえば、HSコード、品目別原産地規則、製造工程、原材料、RVC計算、サプライヤー資料、積送基準に関する輸送書類などが確認対象になることがあります。

申告文が存在していても、根拠資料が不足している場合、特恵税率の適用が認められない可能性があります。そのため、輸入申告時だけでなく、輸入後の確認に備えた資料管理が重要です。

実務の流れ

日EU EPAの原産地規則を確認する場合、一般的には次の流れで進めます。

  1. 日EU EPAを利用する取引か確認する
  2. 輸出方向がEU発日本向けか、日本発EU向けかを確認する
  3. 対象貨物のHSコードを確認する
  4. 対象貨物にEPA税率が設定されているか確認する
  5. 品目別原産地規則を確認する
  6. CTC、RVC、加工工程基準など、どの基準で原産性を説明するか確認する
  7. EU側輸出者の場合、REX番号の要否を確認する
  8. 日本側輸出者の場合、法人番号などの輸出者参照番号の扱いを確認する
  9. 原産地申告文の記載内容を確認する
  10. 輸入者の知識を使う場合は、輸入者が根拠資料を保有しているか確認する
  11. 第三国経由がある場合、積送基準・直送基準を確認する
  12. 輸入申告時にEPA税率の適用を申告する
  13. 原産性を裏付ける資料を保存する
  14. 税関の事後確認に備える

局面別の判断チェックリスト

日EU EPAの原産地規則は、輸入申告の直前だけで確認するものではありません。取引開始時から税関事後確認まで、時系列で整理する必要があります。

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
取引開始時 輸入者、輸出者、営業担当者 日EU EPAを利用する取引か、EU発か日本発か、EPA税率の有無 対象協定や税率差が不明な場合は、通常税率とEPA税率を確認する
HSコード確認時 輸入者、輸出者、通関業者 対象貨物のHSコード、分類根拠、品目別原産地規則 分類に疑義がある場合は、資料追加、専門家確認、事前教示を検討する
原産地判定時 輸出者、生産者、輸入者 CTC、RVC、加工工程基準、累積、許容限度の利用可否 根拠資料が不足する場合は、特恵利用を保留し、資料取得を優先する
申告文確認時 輸出者、輸入者、通関業者 原産地申告文、REX番号、法人番号、原産国、対象貨物との対応 番号や対象貨物が不明確な場合は、輸出者へ確認し、必要に応じて修正する
輸入者の知識を使う場合 輸入者、輸出者、生産者 輸入者自身が原産性を説明できる資料を保有しているか 資料を保有できない場合は、輸出者申告方式の利用や資料提供体制を検討する
輸送手配時 輸出者、輸入者、フォワーダー 直送、第三国経由、トランシップ、積送基準 第三国経由がある場合は、Through B/Lや保税管理資料の取得可否を確認する
輸入申告時 輸入者、通関業者 EPA税率申告、申告文の有効性、貨物内容との一致 不一致がある場合は、補足説明、修正、通常税率申告を検討する
税関事後確認時 輸入者、輸出者、生産者 原産性の根拠、材料、工程、原価、積送基準、保存資料 不足資料を追加取得し、必要に応じて過去申告への影響も確認する

主要書類

日EU EPAの原産地規則を確認する際に重要となる主な書類は次のとおりです。

書類・資料 確認する目的 確認する相手 注意点
原産地申告文を記載したインボイスまたは商業書類 輸出者による自己申告を確認する 輸出者、輸入者、通関業者 対象貨物、原産国、輸出者参照番号、原産性の基準を確認する
REX番号が記載された書類 EU側輸出者を確認する EU側輸出者、日本側輸入者 EU発日本向けで、6,000ユーロ基準との関係を確認する
日本側輸出者の法人番号を確認できる資料 日本側輸出者の輸出者参照番号を確認する 日本側輸出者、EU側輸入者 日本発EU向けではREX番号と混同しない
インボイス・パッキングリスト 貨物内容、価格、数量、対象品目を確認する 輸出者、輸入者、フォワーダー 申告文がどの貨物に適用されるか明確にする
HSコード確認資料 対象品目とPSRを特定する 輸入者、輸出者、通関業者 HSコードを誤ると原産地判定も誤る
品目別原産地規則の確認資料 どの原産地基準を満たす必要があるか確認する 輸入者、輸出者、原産地管理担当者 日EU EPA上のPSRを確認する
原材料リスト・部品表・材料表 原産材料と非原産材料を整理する 生産者、輸出者、輸入者 CTC、RVC、累積確認で重要になる
製造工程表 どの国でどの工程が行われたか確認する 生産者、輸出者 加工工程基準や製造実態の説明に使う
RVC計算資料 付加価値基準を満たすか確認する 生産者、輸出者、輸入者 価格情報や原価資料を保存する
サプライヤー証明書 材料の原産性や価額を確認する サプライヤー、生産者、輸出者 材料を原産材料として扱う場合に重要になる
B/L、Sea Waybill、航空運送状 輸送経路と積送基準を確認する フォワーダー、船会社、航空会社、輸入者 第三国経由がある場合は追加資料を確認する
第三国経由時の保税管理資料・非加工証明 経由地で原産品資格が維持されているか確認する 輸入者、フォワーダー、現地代理店 積替えや一時保管の状況を説明できるようにする
税関確認に備える保存資料 事後確認で原産性を説明する 輸入者、輸出者、生産者 申告文だけでなく根拠資料一式を保存する

フォワーダーの関与範囲

フォワーダーは、日EU EPAの原産地規則そのものを判断する責任主体ではありません。

原産性の判断には、HSコード、原材料、製造工程、原価計算、サプライヤー情報などが必要であり、これは輸入者、輸出者、生産者が管理すべき情報です。

一方で、フォワーダーは、インボイス、パッキングリスト、B/L、Sea Waybill、Arrival Noticeなどの書類整合を確認したり、原産地申告文やREX番号の有無を確認したりする立場にあります。

また、第三国経由がある場合には、積送基準に関係する輸送書類の整理を支援することがあります。

フォワーダーが支援できること・断定すべきでないこと

項目 フォワーダーが支援しやすいこと フォワーダーが断定すべきでないこと 実務上の対応
書類整合 Invoice、Packing List、B/L、Sea Waybillの記載整合を確認する 日EU EPA上の原産品であるかの最終判断 不一致があれば、輸入者、輸出者、通関業者へ確認を促す
原産地申告文 申告文の有無、対象貨物、原産国、番号記載の有無を形式的に確認する 申告文の内容が原産地基準を満たすか保証すること 申告文とインボイス、対象貨物、番号の整合を確認する
REX番号・法人番号 EU発か日本発かに応じて、確認すべき番号の有無を整理する 番号があることをもって原産性を保証すること 輸出方向と番号の種類を分けて荷主へ確認する
積送基準 第三国経由、トランシップ、通し船荷証券、経由地資料を整理する 協定上の積送基準を満たすか法的に断定すること Through B/L、保税保管資料、非加工証明の取得可否を確認する
荷主への案内 輸出者、輸入者、生産者に必要資料の確認を促す CTC、RVC、加工工程基準の充足を保証すること 原産性判断は荷主、輸出者、生産者、通関業者側で確認させる
税関確認への備え 輸送書類や船積書類の再取得を支援する 原産性資料の十分性を保証すること 輸送資料と原産性資料の担当者を分けて管理する

フォワーダー実務では、日EU EPAを使えるかどうかを断定するのではなく、申告文、REX番号、法人番号、輸送経路、通関書類の整合を確認し、税関確認に備える補助をする立場として整理するのが安全です。

日EU EPAの原産地規則で問題になりやすいケース

場面 問題になる点 確認すべきこと 実務上の対応
REX番号未記載 EU側輸出者のインボイスに原産地申告文はあるが、必要なREX番号が記載されていない 申告対象原産品の価額、6,000ユーロ基準、輸出者情報 申告前に輸出者へ確認し、必要に応じて書類修正を依頼する
6,000ユーロ基準の確認不足 貨物価額が6,000ユーロを超えているにもかかわらず、REX番号の要否を確認していない 申告対象品目、インボイス金額、原産品と非原産品の区分 申告文の対象範囲を明確にし、REX番号の要否を確認する
日本側輸出者の番号確認不足 日本からEU向けの輸出で、REX番号と法人番号の扱いを混同する 輸出方向、法人番号、原産地申告文の記載内容 日本発EU向けでは法人番号を輸出者参照番号として整理する
HSコード誤り 誤ったHSコードを前提に品目別原産地規則を確認し、後から原産性判断が誤っていたことが分かる 品目分類資料、PSR、材料HSコード 仕様書、材料、用途、必要に応じて事前教示を確認する
原産地申告文の不備 申告文の記載内容に不足があり、輸入申告時または税関確認時に追加確認が必要になる 申告文、原産国、輸出者参照番号、対象貨物との対応 輸入申告前に記載内容を照合し、不備があれば輸出者へ確認する
輸入者の知識の資料不足 輸入者の知識に基づいて申告しようとしたが、製造資料や原材料情報を十分に持っていない 材料表、工程表、RVC計算資料、サプライヤー証明書 資料を保有できない場合は、輸出者による原産地申告文の利用を検討する
積送基準不足 EU原産品ではあるが、第三国経由中の保税管理や非加工を説明する資料が不足している Through B/L、積替記録、保税管理資料、非加工証明 船積前にフォワーダーと必要な輸送資料を確認する
根拠資料不足 原産地申告文はあるが、税関の事後確認で製造工程や材料資料を提示できない PSR確認資料、材料表、工程表、原価資料、保存資料一式 申告時点から税関確認を想定して資料を保存する

制度適用シナリオ

シナリオ1:EU側輸出者のREX番号が未記載だったケース

EUから日本へ輸入する貨物について、インボイス上に原産地申告文は記載されているものの、REX番号が記載されていないケースがあります。

この場合、まず原産地申告文の対象となる原産品の価額を確認し、6,000ユーロ基準との関係を整理します。6,000ユーロ以下であれば、REX番号がなくても原産地申告文を作成できる場合がありますが、6,000ユーロを超える場合はREX番号の記載要否が問題になります。

実務では、インボイス全体の金額だけで判断せず、原産地申告文が対象としている品目、原産品と非原産品の区分、輸出者情報、金額を確認します。REX番号が必要と思われるのに記載がない場合は、輸入申告前にEU側輸出者へ確認し、必要に応じて通関業者と対応方針を整理します。

シナリオ2:6,000ユーロ以下なら申告文不要と誤解したケース

EU側輸出者から、貨物価額が6,000ユーロ以下であるためREX番号は不要だと説明され、そのまま原産地申告文も不要だと誤解してしまうケースがあります。

しかし、6,000ユーロ基準はREX番号の記載要否に関係する確認点であり、原産地申告文そのものや原産性資料まで不要になるという意味ではありません。

この場合は、原産地申告文が商業書類上に記載されているか、対象貨物と対応しているか、原産国や輸出者情報が確認できるかを確認します。さらに、税関事後確認に備え、HSコード、PSR、材料表、工程表、RVC資料などの根拠資料を取得または保存できる体制を整えます。

シナリオ3:日本側輸出者がREX番号を取得すべきだと誤解したケース

日本からEUへ輸出する取引で、EU側の取引先から番号記載を求められたため、日本側輸出者がREX番号を取得しなければならないと誤解するケースがあります。

REX番号はEU側の登録輸出者制度に関係する番号であり、日本側輸出者がEU向けに原産地申告文を作成する場合は、通常、日本の法人番号を輸出者参照番号として扱います。

この場合は、まず輸出方向を確認し、日本発EU向けであることを整理します。そのうえで、インボイスその他の商業書類に記載する原産地申告文、法人番号、対象貨物、原産国、原産地基準への適合資料を確認します。EU側輸入者や現地通関業者が求める記載方法についても、事前に確認しておくことが重要です。

シナリオ4:輸入者の知識で申告しようとしたが資料が不足したケース

日本側輸入者が、輸入者の知識に基づいて日EU EPA税率を申告しようとしたものの、製造工程表、原材料情報、RVC計算資料、サプライヤー証明書などを十分に持っていないケースがあります。

輸入者の知識による申告は、輸入者自身が貨物の原産性を説明できる資料を保有していることが前提です。輸出者や生産者しか持っていない資料に依存する場合、税関確認時に輸入者側だけでは説明できない可能性があります。

この場合は、輸入前に輸出者または生産者から取得できる資料の範囲を確認します。必要資料を取得できない場合は、輸出者による原産地申告文を利用する、またはEPA税率の利用を保留するなど、申告方式を再検討する必要があります。

シナリオ5:PSRは満たしているが積送基準資料が不足したケース

EU原産品としてPSRを満たしている貨物であっても、第三国を経由して日本へ輸送される場合、積送基準に関する資料が問題になることがあります。

第三国経由自体が直ちにEPA税率の適用を妨げるわけではありませんが、経由地で加工や改変が行われていないこと、必要に応じて税関管理下または保税状態で保管されていたことを説明できる必要があります。

実務では、Through B/L、積替記録、経由地資料、保税管理資料、非加工証明などを確認します。フォワーダーは輸送経路や船積書類の整理を支援できますが、日EU EPA上の原産品であるかどうかの最終判断は、輸入者、輸出者、生産者、通関業者側で確認する必要があります。

実務チェックリスト

日EU EPAの原産地規則を確認する際は、次の点を確認します。

  • 日EU EPAを利用する取引か確認しているか
  • EU発日本向けか、日本発EU向けかを分けて整理しているか
  • 対象貨物のHSコードを確認しているか
  • 対象貨物にEPA税率が設定されているか確認しているか
  • 日EU EPA上の品目別原産地規則を確認しているか
  • CTC、RVC、加工工程基準のどれで原産性を説明するか整理しているか
  • EU側輸出者の場合、REX番号の要否を確認しているか
  • 6,000ユーロ基準をREX番号の要否と原産地申告文の要否に分けて理解しているか
  • 日本側輸出者の場合、法人番号の扱いを確認しているか
  • 原産地申告文の文言、原産国、対象貨物、番号を確認しているか
  • 輸入者の知識を使う場合、輸入者が根拠資料を保有しているか確認しているか
  • 第三国経由の場合、積送基準を確認しているか
  • 税関事後確認に備えて根拠資料を保存しているか
  • フォワーダーに原産性判断を丸投げしていないか

まとめ

日EU EPAの原産地規則は、自己申告制度を中心とする原産地証明方式を採用している点に特徴があります。

EU側輸出者のREX番号、日本側輸出者の法人番号、原産地申告文、HSコード、品目別原産地規則、積送基準、根拠資料の保存が実務上重要になります。

EU製と表示されているだけでは、日EU EPA上の原産品とは限りません。また、REX番号があるだけで原産性が証明されるわけでもありません。

実務では、EU発日本向けと日本発EU向けを分けて整理し、原産地申告文の記載内容、REX番号または法人番号の扱い、原産地基準への適合、輸送経路、税関の事後確認に対応できる資料を確認したうえで、EPA税率の適用を判断する必要があります。

同義語・別表記

  • 日EU EPAの原産地規則
  • 日EU・EPA原産地規則
  • 日EU EPA自己申告
  • 日EU EPA原産地申告文
  • EU REX番号
  • 輸入者の知識
  • Importer’s Knowledge
  • Japan-EU EPA Rules of Origin
  • origin declaration statement

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