ICC2009 保険の利益条項
ICC2009の保険の利益条項とは
ICC2009の保険の利益条項とは、貨物保険の利益を誰が受けることができるかを定める条項です。
第15条では、保険の対象となる者として、保険契約を締結した者、その者のために保険契約が締結された者、または保険契約の譲受人として保険金請求を行う者が含まれることが明記されています。
保険契約の譲受人も含まれる
ICC2009では、保険契約の譲受人も被保険者に含まれる旨が明確化されています。
これは、外航貨物海上保険では、保険証券が売買契約、L/C取引、B/L、Invoiceなどとあわせて譲渡されることがあるためです。
貨物の買主や保険証券の譲受人が、損害発生時に被保険利益を有している場合には、保険金請求権を持つことがあります。
運送人を利するための保険ではない
第15条では、この保険が運送人その他の受託者を利するために利用されてはならないことも定められています。
つまり、貨物保険は、荷主や保険契約の譲受人を保護するための保険であり、運送人、NVOCC、フォワーダー、倉庫業者などの責任を免れさせるためのものではありません。
運送人がB/Lや運送契約で責任制限や免責を主張する場合でも、貨物保険の存在によって当然に運送人の責任が消えるわけではありません。
代位求償との関係
保険者が貨物損害について保険金を支払った場合、保険者は被保険者の権利を代位取得し、責任を負う者に対して求償することがあります。
第15条は、貨物保険が運送人や受託者のための保険ではないことを明確にすることで、保険者の代位求償を妨げない役割を持っています。
そのため、貨物保険で保険金が支払われた後でも、事故原因によっては、船会社、NVOCC、フォワーダー、倉庫業者、その他の関係者に対する求償が問題になります。
B/L・NVOCC責任との関係
Benefit of Insurance条項は、B/L裏面約款やNVOCC責任と深く関係します。
貨物事故では、まず貨物保険で荷主側の損害を回復し、その後、保険者が運送人やNVOCCに対して代位求償を行う流れになることがあります。
このとき、運送人側が「荷主は貨物保険に入っているから自分は責任を負わない」と当然に主張できるわけではありません。
貨物保険は、運送人の責任を肩代わりするための保険ではなく、あくまで被保険者の貨物損害を補償するための保険です。
実務上の注意点
外航貨物海上保険では、保険証券の譲渡、L/C取引、売買条件、B/L名義、被保険利益の所在が問題になることがあります。
そのため、保険金請求時には、誰が保険契約上の被保険者なのか、誰が保険証券の譲受人なのか、損害発生時に誰が被保険利益を有していたのかを確認する必要があります。
また、保険金支払後に代位求償が予定される場合には、B/L、運送契約、NVOCC約款、事故通知、Claim Letter、サーベイレポートなどを保存しておくことが重要です。

ICC2009 保険金請求条項の基本構造New!!