Institute Strikes Clauses(Cargo)とは

Institute Strikes Clauses(Cargo)とは

Institute Strikes Clauses(Cargo)とは、外航貨物海上保険において、通常の協会貨物約款では免責となるストライキ危険、労働争議、騒じょう、暴動、テロ行為などを、別途担保するための協会ストライキ約款です。

ICC(A)、ICC(B)、ICC(C)では、ストライキ、職場閉鎖、労働争議、騒じょう、暴動、テロ行為、政治的・思想的・宗教的動機による行為などは、原則として免責とされています。

そのため、これらの危険を補償対象にするには、通常のICC本体だけでなく、Institute Strikes Clauses(Cargo)などのストライキ危険担保約款が付帯されているかを確認する必要があります。

本記事で扱う範囲

本記事では、Institute Strikes Clauses(Cargo)について、どのような危険が担保され、どのような損害・費用が免責または対象外になりやすいかを整理します。

特に、ストライキ参加者等による直接の貨物損害、労働者不足や作業停止による追加費用、遅延損害、航海中絶、戦争危険、悪意ある損傷との違いを確認します。

Institute Strikes Clauses(Cargo)は、ICC2009本体とは別の付帯約款ですが、保険期間、通知義務、共同海損、損害軽減義務、B/L、NVOCC責任とは密接に関係します。

本記事を構成する3つの柱

Institute Strikes Clauses(Cargo)は、次の3つの柱で整理すると理解しやすくなります。

主な内容 実務上の確認点
担保される危険 ストライキ参加者、労働争議、暴動、騒じょう、テロ行為、政治的・思想的・宗教的動機による行為など 貨物の滅失・損傷が担保危険によって直接生じたかを確認する
主な免責・対象外となりやすいもの 遅延、労働者不足による費用、航海中絶、通常損耗、梱包不十分、戦争危険など ストライキが関係していても、すべての費用が対象になるわけではない
保険期間・請求・通知 保険期間、運送打切り、仕向地変更、共同海損、損害軽減、通知義務など 長期滞留、積替え、仕向地変更、保険者通知を確認する

本記事で最も重要なのは、「ストライキや暴動が発生した」という事実だけではなく、それによって何が直接生じたのかを確認することです。

通常のICC本体との関係

ICC(A)、ICC(B)、ICC(C)の本体約款では、ストライキ危険やテロ危険は免責条項の中で整理されています。

Institute Strikes Clauses(Cargo)は、これらの免責危険のうち、ストライキ、労働争議、騒じょう、暴動、テロ行為、政治的・思想的・宗教的動機による行為などを、別約款で担保するためのものです。

つまり、通常の貨物危険はICC(A)(B)(C)で確認し、ストライキ・テロ関連の危険についてはInstitute Strikes Clauses(Cargo)で確認する、という切り分けが必要です。

ただし、Institute Strikes Clauses(Cargo)が付いていても、遅延、通常損耗、梱包不十分、貨物固有の性質、船社倒産、戦争危険などが無条件に補償されるわけではありません。

担保される主な危険

Institute Strikes Clauses(Cargo)では、ストライキに参加する者、職場閉鎖を受けた労働者、労働争議・騒じょう・暴動に参加している者によって生じる被保険貨物の滅失または損傷が対象になります。

また、政体を武力または暴力によって転覆させ、または影響を与えることを目的とする組織のために行動する者によるテロ行為も対象になります。

さらに、政治的、思想的、または宗教的動機から行動する者によって生じる貨物損害も、担保危険として整理されています。

重要なのは、これらの行為によって被保険貨物に滅失または損傷が生じたかどうかです。単に港が止まった、荷役が遅れた、保管料が増えたというだけでは、貨物損害とは別に考える必要があります。

担保される危険と免責事由の対比

ストライキやテロが関係する事故では、何が担保され、何が免責または対象外になりやすいかを切り分けることが重要です。

事象・損害の例 Institute Strikes Clauses(Cargo)での見方 実務上の注意点
ストライキ参加者による貨物の直接損傷 担保対象になり得る 行為者、場所、損傷原因、写真、警察・港湾記録を確認する
暴動・騒じょうにより倉庫内貨物が破壊された場合 担保対象になり得る 暴動・騒じょうと貨物損害の直接関係を確認する
政治的・思想的・宗教的動機による貨物損害 担保対象になり得る 通常の悪意損害、戦争危険、テロ行為との切り分けが必要
担保危険を避けるための共同海損・救助料 対象になり得る 共同海損宣言、救助料、保証状、保険者通知を確認する
港湾ストライキによる荷役停止・保管料増加 通常は注意が必要 労働者不足や作業停止による費用は当然に補償されない
労働者不足による転送費用・追加輸送費 通常は注意が必要 継搬費用として扱えるかは、原因・保険条件・合理性を確認する
遅延による販売機会喪失・ライン停止・違約金 原則として対象外になりやすい 貨物の物的損害と間接損害を分けて整理する
航海または航海事業の喪失・中絶 免責として整理される 貨物保険ではなく運送契約・費用負担の問題としても確認する
戦争、内乱、革命、反乱、敵対行為 Institute War Clauses側で確認する ストライキ約款と戦争約款を混同しない
通常損耗、梱包不十分、貨物固有の性質 免責になり得る ストライキが背景にあっても、損害原因を個別に確認する

この表のとおり、Institute Strikes Clauses(Cargo)の中心は、担保危険によって生じた貨物の滅失または損傷です。追加費用、遅延損害、保管料、転送費用は、貨物損害とは分けて確認する必要があります。

労働者不足・不在による損害

Institute Strikes Clauses(Cargo)で特に注意すべきなのが、労働者の不在、不足、引上げから生じる損害や費用です。

港湾ストライキや労働争議では、実務上もっとも多い問題は、貨物が直接破壊されることではなく、荷役が止まる、搬出できない、港に滞留する、保管料が発生する、次の輸送に間に合わないという問題です。

しかし、労働者不足による保管費用、転送費用、作業遅延、追加費用は、Institute Strikes Clauses(Cargo)が付帯されていても、当然に補償されるわけではありません。

この約款は、ストライキ参加者等の行為によって生じる被保険貨物の滅失または損傷を中心に担保するものです。労働力不足から生じる費用損害や間接損害は、約款上の免責や保険条件を慎重に確認する必要があります。

継搬費用との関係

ストライキや暴動により、当初の輸送経路で貨物を運べなくなり、別ルートや別港を使って貨物を継搬することがあります。

この場合、追加輸送費用が発生しても、それが直ちにInstitute Strikes Clauses(Cargo)で補償されるとは限りません。

継搬費用として扱えるかどうかは、輸送がどこで、なぜ打ち切られたのか、その原因が担保危険に該当するのか、支出が合理的か、保険者へ遅滞なく通知したか、免責に該当しないかを確認します。

特に、単なる労働者不足、港湾混雑、遅延、商業上の判断による転送の場合には、貨物保険で扱える費用かどうかを慎重に確認する必要があります。

遅延・航海中絶の免責

遅延によって生じる滅失、損傷または費用は、たとえ遅延が担保危険によって生じた場合でも、原則として免責です。

また、航海または航海事業の喪失・中絶に基づく保険金請求も免責とされています。

たとえば、港湾ストライキで荷卸しが遅れ、納品遅延、販売機会喪失、生産ライン停止、違約金、保管料増加が発生した場合、それらが貨物の物的損害として扱えるか、遅延損害や間接損害にすぎないかを確認する必要があります。

ストライキが原因であっても、すべての遅延費用が保険で支払われるわけではありません。

テロ行為との関係

ICC2009では、テロ行為の範囲が明確化され、政治的動機だけでなく、思想的または宗教的動機による行為も問題になります。

Institute Strikes Clauses(Cargo)では、テロ行為や政治的・思想的・宗教的動機による行為によって生じる貨物損害が、担保危険として整理されています。

ただし、テロ行為に関係するすべての費用や間接損害が自動的に補償されるわけではありません。

貨物に直接損害が生じたのか、単に港湾や積替え地が閉鎖されて遅延や追加費用が発生したのかを分けて確認する必要があります。

Institute War Clausesとの境界

Institute Strikes Clauses(Cargo)とInstitute War Clauses(Cargo)は、いずれも通常のICC本体では免責となる危険を別途担保するための約款ですが、対象となる危険が異なります。

危険の種類 主に確認する約款 実務上の確認点
ストライキ、労働争議、職場閉鎖 Institute Strikes Clauses(Cargo) 労働争議参加者等による直接の貨物損害かを確認する
暴動、騒じょう Institute Strikes Clauses(Cargo) 暴動・騒じょうと貨物損害の直接関係を確認する
政治的・思想的・宗教的動機による行為 Institute Strikes Clauses(Cargo) テロ行為、悪意損害、戦争危険との切り分けを行う
戦争、内乱、革命、反乱、敵対行為 Institute War Clauses(Cargo) 国家間・内戦・戦争危険として整理すべきかを確認する
機雷、魚雷、爆弾などの戦争兵器 Institute War Clauses(Cargo) 通常貨物危険やストライキ危険とは分けて確認する

実務では、ストライキ約款、戦争約款、悪意損害特約を混同しないことが重要です。事故原因が何に分類されるかによって、確認すべき約款が変わります。

Institute Malicious Damage Clauseとの関係

ICC(B)およびICC(C)では、不法行為による故意の損傷または故意の破壊が免責となる場面があります。

このような悪意ある損傷、破壊行為、破壊工作、妨害行為については、Institute Malicious Damage Clauseなどの特約によって担保範囲を調整することがあります。

ただし、悪意ある損傷が常にInstitute Malicious Damage Clauseだけの問題になるわけではありません。行為の動機が政治的・思想的・宗教的なものか、労働争議や暴動に関係するものか、単なる悪意ある破壊行為かによって、確認すべき約款が変わります。

そのため、ストライキ危険、テロ危険、悪意ある損傷、戦争危険を混同せず、どの約款または特約で担保されるのかを確認する必要があります。

共同海損と救助料

Institute Strikes Clauses(Cargo)では、この約款で担保される危険による損害を避けるため、または避けることに関連して発生した共同海損および救助料も対象になります。

共同海損や救助料は、通常の貨物損害とは異なり、船舶と貨物を共同の危険から守るために発生する費用や分担額です。

ストライキ危険やテロ危険に関連して共同海損が問題となる場合には、通常のICC本体だけでなく、ストライキ危険担保約款の内容も確認する必要があります。

共同海損宣言、保証状、救助料、貨物引取りへの影響がある場合には、保険者へ早期に通知します。

保険期間と長期滞留

Institute Strikes Clauses(Cargo)でも、保険期間、運送契約打切り、航海変更、通知義務について、ICC2009本体と同様の考え方が関係します。

ストライキが発生すると、貨物が港湾、CFS、CY、倉庫、積替え港に長期間滞留することがあります。

この場合、ストライキ危険の有無だけでなく、保険期間が継続しているか、通常の輸送過程内といえるか、60日条項に関係しないか、運送契約が打ち切られていないか、仕向地変更が発生していないかを確認します。

特に、長期滞留中に貨物のカビ、変質、温度逸脱、盗難、破損が発生した場合には、それがストライキ危険による直接損害なのか、遅延、貨物固有の性質、梱包不十分、保管環境によるものなのかを切り分ける必要があります。

保険者への通知と損害軽減義務

ストライキ、暴動、テロ行為、港湾閉鎖、積替え港の停止などが発生した場合には、保険者への早期通知が重要です。

特に、仕向地変更、運送打切り、長期滞留、継搬、共同海損、救助料、貨物損傷が関係する場合には、保険者へ状況を伝え、保険期間、補償範囲、追加保険料、条件変更、サーベイ要否を確認します。

また、被保険者は、損害を拡大させないために合理的な措置を取る必要があります。

貨物状態の確認、写真撮影、サーベイ手配、保管環境の確認、運送人へのClaim Letter、NVOCCやフォワーダーへの連絡を遅らせないことが重要です。

貨物保険・B/L・NVOCC責任との関係

ストライキ危険やテロ危険が関係する事故では、貨物保険で補償されるかどうかと、B/LやNVOCC責任の問題を分けて整理する必要があります。

港湾ストライキ、作業員不足、暴動、港湾閉鎖、テロ行為、仕向地変更、積替え、保管費用、追加輸送費用などが発生した場合、保険約款だけでなく、B/L裏面約款やNVOCC約款上の責任範囲も確認します。

NVOCCやフォワーダーが関与する場合には、ストライキ危険担保の有無、追加費用の請求先、荷主への説明、保険会社への通知、運送人への権利保全をあわせて整理する必要があります。

保険で支払われるかどうかと、荷主・運送人・NVOCC・フォワーダーの間で誰が追加費用を負担するかは、別の問題です。

実務シナリオ1:港湾ストライキで荷卸しできず保管料が発生した場合

仕向港で港湾ストライキが発生し、本船は到着したものの荷卸しができず、貨物の引取りが大幅に遅れたとします。

この場合、Institute Strikes Clauses(Cargo)が付帯されていても、荷役停止による保管料、Demurrage、Detention、納期遅延損害が当然に補償されるわけではありません。

確認すべき点は、貨物に物的損害が発生したか、労働者不足による費用にすぎないか、保険期間が継続しているか、保険者への通知がされたかです。

フォワーダーやNVOCCは、荷主に対して、保険で支払われる可能性がある損害と、運送契約上または商業上の追加費用を分けて説明する必要があります。

実務シナリオ2:暴動により倉庫内貨物が破壊された場合

積替え港や仕向地の倉庫で暴動が発生し、倉庫が破壊され、保管中の貨物が損傷したとします。

この場合、Institute Strikes Clauses(Cargo)が付帯されていれば、暴動・騒じょうに参加している者による直接の貨物損害として、担保対象になる可能性があります。

確認すべき資料は、暴動発生の記録、警察・港湾当局の情報、倉庫からの報告、写真、サーベイレポート、貨物の保管場所、保険期間です。

一方で、損害が暴動とは無関係な保管環境、梱包不十分、貨物固有の性質による場合には、判断が変わる可能性があります。

実務シナリオ3:テロ行為で積替え港が閉鎖され追加費用が発生した場合

積替え港でテロ行為が発生し、港湾が一時閉鎖され、貨物が予定どおり積替えできなくなったとします。

この場合、テロ行為によって貨物自体が損傷したのか、単に港湾閉鎖により遅延や追加輸送費用が発生したのかを分けて確認します。

貨物に直接損害がない場合、港湾閉鎖による遅延、保管料、転送費用が当然にInstitute Strikes Clauses(Cargo)で補償されるとは限りません。

ただし、運送打切り、仕向地変更、継搬、保険期間、追加保険料の問題が生じることがあるため、保険者への早期通知が重要です。

実務シナリオ4:ストライキによる長期滞留中に貨物が変質した場合

港湾ストライキにより貨物がCFSやCYに長期間滞留し、その間にカビ、結露、変質、温度逸脱が発生したとします。

この場合、ストライキが背景にあっても、貨物の変質がストライキ参加者等の行為による直接損害なのか、遅延、貨物固有の性質、梱包不十分、保管環境によるものなのかを確認します。

特に温度管理品、食品、化学品、湿気に弱い貨物では、貨物固有の性質や保管環境が問題になりやすくなります。

保険期間、60日条項、保管場所、温湿度記録、サーベイレポート、保険者への通知記録を整理することが重要です。

実務シナリオ5:政治的動機による破壊行為で貨物が損傷した場合

政治的・思想的・宗教的動機による破壊行為により、ターミナル内の貨物が損傷したとします。

この場合、Institute Strikes Clauses(Cargo)、Institute War Clauses(Cargo)、Institute Malicious Damage Clauseのいずれで確認すべきかが問題になることがあります。

行為の動機、行為者、発生場所、当局の発表、暴動・騒じょうとの関係、戦争・内乱との関係を確認します。

単なる悪意ある損傷なのか、政治的・思想的・宗教的動機による行為なのか、戦争危険に該当するのかを切り分けることが重要です。

よくある誤解

ICC(A)に入っていればストライキやテロも補償されるという誤解

ICC(A)は広い補償条件ですが、ストライキ危険やテロ危険は通常のICC本体では免責として扱われます。

これらを補償対象にするには、Institute Strikes Clauses(Cargo)などの付帯状況を確認する必要があります。

ストライキで荷役が止まった場合の保管料は当然に保険で払われるという誤解

港湾ストライキによって荷役が止まり、保管料や追加費用が発生しても、それらが当然に保険で支払われるわけではありません。

労働者不足、遅延、航海中絶、商業上の追加費用は、貨物の物的損害とは分けて確認します。

テロ行為による損害はすべてInstitute War Clausesの問題という誤解

テロ行為や政治的・思想的・宗教的動機による行為は、Institute Strikes Clauses(Cargo)側で扱われることがあります。

一方、戦争、内乱、革命、反乱、敵対行為などはInstitute War Clauses(Cargo)で確認する必要があります。

ストライキ危険が付いていれば遅延損害も補償されるという誤解

遅延によって生じる損害や費用は、たとえ遅延が担保危険によって生じた場合でも、原則として免責です。

納期遅延、販売機会喪失、ライン停止、違約金などは、貨物の物的損害とは別に整理します。

暴動や騒じょうが発生すれば自動的に保険金請求できるという誤解

暴動や騒じょうが発生しただけでは足りません。

その行為によって被保険貨物に滅失または損傷が生じたか、保険期間内か、免責に該当しないかを確認する必要があります。

保険で支払われない費用はNVOCCやフォワーダーが当然負担するという誤解

保険で補償されない費用であっても、NVOCCやフォワーダーが当然に負担するとは限りません。

B/L裏面約款、House B/L約款、標準取引条件、見積条件、荷主への説明、追加費用発生原因を確認する必要があります。

実務上確認すべき資料

Institute Strikes Clauses(Cargo)が問題になる場合は、次の資料を確認します。

  • 保険証券
  • Institute Strikes Clauses(Cargo)の付帯有無
  • ICC(A)、ICC(B)、ICC(C)の条件
  • Institute War Clauses(Cargo)の付帯有無
  • Institute Malicious Damage Clauseなどの特約
  • 事故発生地、事故発生日時、貨物現在地
  • ストライキ、暴動、騒じょう、テロ行為に関する港湾・当局・船会社の通知
  • 写真、サーベイレポート、警察・港湾当局の記録
  • インボイス、パッキングリスト
  • B/L、House B/L、Arrival Notice、D/O
  • 保管料、Demurrage、Detention、追加輸送費の明細
  • 保険者への通知記録
  • 運送人、NVOCC、フォワーダーへのClaim Letter
  • 温湿度記録、リーファーログ、保管環境記録

ストライキ危険やテロ危険では、事故そのものの記録だけでなく、損害が貨物に直接生じたのか、単なる遅延や追加費用なのかを説明できる資料が重要です。

実務上の注意点

ストライキや暴動、テロ行為が関係する輸送では、まずInstitute Strikes Clauses(Cargo)が付帯されているかを確認します。

次に、損害原因がストライキ危険・テロ危険として担保される行為によるものか、遅延、労働者不足、航海中絶、戦争危険、通常損耗、梱包不十分、貨物固有の性質などに該当するものかを整理します。

特に、港湾ストライキによる遅延や追加費用は、貨物の物的損害とは別に扱われることが多いため、保険で支払われるものなのか、運送契約上の費用なのか、荷主負担なのかを早めに確認することが重要です。

また、長期滞留、仕向地変更、運送打切り、継搬、共同海損が関係する場合には、保険者へ早期に通知し、保険期間、補償範囲、追加保険料、サーベイ要否を確認します。

まとめ

Institute Strikes Clauses(Cargo)とは、通常のICC(A)、ICC(B)、ICC(C)では免責となるストライキ危険、労働争議、暴動、騒じょう、テロ行為、政治的・思想的・宗教的動機による行為などを、別途担保するための協会ストライキ約款です。

ただし、この約款が付帯されていても、ストライキやテロに関連するすべての損害・費用が補償されるわけではありません。

中心となるのは、担保危険によって生じた被保険貨物の滅失または損傷です。労働者不足、遅延、保管料、転送費用、航海中絶、戦争危険、通常損耗、梱包不十分、貨物固有の性質は、個別に確認する必要があります。

ストライキ危険が関係する事故では、Institute Strikes Clauses(Cargo)、Institute War Clauses(Cargo)、Institute Malicious Damage Clause、ICC本体、B/L裏面約款、NVOCC約款を横断して確認することが重要です。

同義語・別表記

  • 協会ストライキ約款
  • ストライキ危険担保約款
  • Strikes Clauses
  • Institute Strikes Clauses
  • ISC
  • ストライキ危険
  • テロ危険
  • 騒じょう危険

公式情報