Institute War Clauses(Cargo)の保険期間とは
Institute War Clauses(Cargo)の保険期間とは、協会戦争約款において、戦争危険がいつからいつまで保険で担保されるかを定める部分です。
通常のICC2009本体では、貨物が倉庫または保管場所で輸送開始のために最初に動かされた時から、最終倉庫等で荷卸しが完了する時までを中心に保険期間を考えます。
これに対し、Institute War Clauses(Cargo)では、原則として被保険貨物が航洋船舶に積み込まれた時に保険が開始し、航洋船舶から荷卸しされた時、または一定期間の経過により終了します。
戦争危険は、通常の貨物危険よりも海上輸送中の危険に強く結びついているため、通常のICC本体と同じ「倉庫から倉庫まで」の感覚で判断しないことが重要です。
本記事で扱う範囲
本記事では、Institute War Clauses(Cargo)のうち、保険期間、航海変更、優先条項について整理します。
特に、航洋船舶への積込み、荷卸し、15日ルール、中間港・避難港での荷卸し、運送契約の打切り、再積送、航空機による継搬、機雷危険の60日拡張、航海変更時の通知義務を扱います。
本記事は、Institute War Clauses(Cargo)シリーズのうち、戦争危険特有の保険期間を深掘りする記事です。
本記事を構成する3つの条項
Institute War Clauses(Cargo)の保険期間と航海変更は、主に次の3つの条項で整理できます。
| 条項 | 主な内容 | 実務上の確認点 |
|---|---|---|
| 第5条 Transit Clause | 戦争危険における保険始期、保険終期、15日ルール、積替え、再積送、機雷危険など | 貨物が航洋船舶に積み込まれたか、荷卸しされたか、15日を経過していないか |
| 第6条 Change of Voyage | 仕向地変更、航海変更、保険者への通知、保険料率・条件の協定 | 仕向地変更を誰が、いつ知り、保険者へ通知したか |
| 第7条 Paramount Clause | 航海事業の喪失・中絶、核兵器等、保険期間規定との抵触時の優先関係 | 他条件より戦争危険約款の特定規定が優先する場面がないか |
戦争危険の保険期間では、第5条のTransit Clauseが中心になります。第6条は仕向地変更や航海変更、第7条は他の条件との抵触時の優先関係を整理する条項です。
通常のICC本体との違い
Institute War Clauses(Cargo)の保険期間は、通常のICC2009本体の保険期間とは大きく異なります。
| 確認項目 | 通常のICC2009本体 | Institute War Clauses(Cargo) | 実務上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 保険始期 | 輸送開始のために貨物が倉庫・保管場所内で最初に動かされた時 | 被保険貨物またはその一部が航洋船舶に積み込まれた時 | 陸上輸送中は戦争危険の保険期間外となることがある |
| 保険終期 | 最終倉庫等で輸送用具からの荷卸しが完了した時など | 最終荷卸港・荷卸地で航洋船舶から荷卸しされた時、または到着後15日経過時など | 最終倉庫到着ではなく、航洋船舶からの荷卸しと15日を確認する |
| 通常の輸送過程 | 倉庫から倉庫までの通常輸送過程が中心 | 航洋船舶による海上輸送中が中心 | 港湾滞留や陸上保管を同じ感覚で扱わない |
| 60日条項 | 最終荷卸港での荷卸し後60日などが問題になる | 通常は15日ルールが中心。機雷危険では別途60日拡張が問題になることがある | 同じ「60日」でも趣旨が異なるため混同しない |
| 仕向地変更 | 保険者への通知、追加保険料、条件協定が問題になる | 同様に通知が重要だが、戦争危険の保険期間・条件が別途問題になる | 通常のICC本体と戦争危険の双方を確認する |
| 被保険者が知らない航海変更 | 被保険者が知らないまま本船が別仕向地へ向かった場合の扱いが問題になる | 戦争危険でも同様に問題になるが、保険期間や通知義務を別途確認する | 知った時点で保険者へ早期に確認する |
最大の違いは、通常のICC本体が倉庫から倉庫までの輸送過程を中心に考えるのに対し、Institute War Clauses(Cargo)は航洋船舶による海上輸送中の戦争危険を中心に考える点です。
第5条 Transit Clauseの基本
第5条では、戦争危険に関する保険始期、保険終期、積替え、再積送、機雷危険、離路や危険の変更について定めています。
戦争危険は、通常の倉庫から倉庫までの危険とは異なり、航洋船舶に積み込まれている間を中心に担保される点が特徴です。
そのため、貨物が陸上輸送中にあるのか、艀に積まれているのか、航洋船舶に積まれているのか、すでに荷卸しされたのかを確認する必要があります。
航洋船舶とは
Institute War Clauses(Cargo)では、保険始期・終期を判断するうえで、航洋船舶への積込みと、航洋船舶からの荷卸しが重要になります。
航洋船舶とは、一般に外洋航海を行う本船を意味します。これに対し、港内艀、内航輸送用具、トラック、鉄道、倉庫内保管とは区別して考えます。
戦争危険の保険期間では、貨物が本船に積み込まれたか、本船から荷卸しされたかが大きな分岐点になります。
保険始期
Institute War Clauses(Cargo)では、被保険貨物またはその一部が航洋船舶に積み込まれた時に、その部分について保険が開始します。
これは、通常のICC本体のように、輸送開始のために倉庫内で最初に動かされた時から始まるわけではありません。
たとえば、輸出倉庫から港へ向かう国内輸送中、CY搬入後の保管中、航洋船舶に積み込まれる前の段階では、通常のICC本体の保険期間と戦争危険の保険期間が一致しないことがあります。
戦争危険については、貨物のどの部分が、いつ航洋船舶に積み込まれたかを確認します。
保険終期と15日ルール
戦争危険約款では、保険は原則として、被保険貨物またはその一部が最終荷卸港または荷卸地で航洋船舶から荷卸しされた時に終了します。
また、最終荷卸港または荷卸地に航洋船舶が到着した日の深夜から起算して15日を経過した時にも終了します。
つまり、荷卸しが完了した時と、到着後15日を経過した時のうち、いずれか早い時点で保険終了が問題になります。
この15日ルールは、通常のICC本体の60日条項とは異なります。戦争危険は、航洋船舶による海上輸送中の危険を中心に担保するため、陸上滞留や港湾保管を長期に広く担保するものではありません。
15日ルール・機雷危険の60日拡張・ICC本体の60日条項の違い
戦争危険の保険期間では、「15日」と「60日」という複数の期間が出てきます。通常のICC本体にも60日条項があるため、混同しないことが重要です。
| 期間ルール | 対象 | 意味 | 混同しやすい点 |
|---|---|---|---|
| 戦争危険の15日ルール | Institute War Clauses(Cargo)の通常の保険終期 | 航洋船舶が最終荷卸港等に到着した日の深夜から15日経過で終了が問題になる | 通常のICC本体の60日条項とは趣旨が異なる |
| 機雷危険の60日拡張 | 浮遊または水面下の機雷・遺棄魚雷などの危険 | 艀などで航洋船舶へ輸送中または航洋船舶から輸送中の一定危険について、荷卸後60日を上限に問題になる | ICC本体の60日条項と同じ意味ではない |
| 通常のICC本体の60日条項 | 通常貨物危険の保険期間 | 最終荷卸港での荷卸し後、一定期間内の保険終期を判断するための期間 | 戦争危険の保険期間とは別に確認する |
同じ「60日」という数字が出てきても、対象となる危険、保険期間の考え方、趣旨が異なります。戦争危険では、まず15日ルールを確認し、機雷危険については別途60日拡張の有無を確認します。
荷卸しせずに再出航した場合
最終荷卸港または荷卸地に到着したにもかかわらず、被保険貨物を荷卸しせずに船舶が再出航する場合があります。
この場合、遅滞なく保険者へ通知し、必要に応じて割増保険料を支払うことを条件として、保険が再開する仕組みが定められています。
その後、最終または代替の荷卸港で荷卸しされた時、または再到着・代替港到着から15日を経過した時に、保険終了が問題になります。
実務上は、最終荷卸港に到着した時点、荷卸しされなかった理由、再出航した時点、代替港に到着した時点、保険者への通知時点を時系列で整理します。
中間港・避難港での荷卸し
航海中に、中間港で他の航洋船舶または航空機へ継搬するために荷卸しされる場合や、避難港で荷卸しされる場合があります。
この場合、必要に応じて割増保険料を条件として、船舶がその港または地に到着した日の深夜から起算して15日間、保険が継続します。
ただし、その15日間は、被保険貨物がその港または地にある間に限って保険が有効に存続します。
その後、貨物が他の航洋船舶または航空機に積み込まれる場合は、その継搬手段に応じて保険の継続や切替えを確認します。
中間港での荷卸しと運送打切りの違い
中間港での荷卸しと、運送契約の打切りは、どちらも予定外の港で貨物が荷卸しされる点で似ています。しかし、保険期間上の扱いは異なります。
| 区分 | 典型例 | 保険期間上の見方 | 確認すべきこと |
|---|---|---|---|
| 中間港・避難港での荷卸し | 他船・航空機へ継搬するために一時的に荷卸しされる場合 | 一定条件のもと、その港にある間、15日間の継続が問題になる | 継搬予定、積替え先、貨物がその港にある期間、保険者通知 |
| 運送契約の打切り | 本来の仕向地以外の港で運送契約上の航海が終了する場合 | その港が最終荷卸港とみなされ、保険終了が問題になる | 運送契約が打ち切られたか、再積送の予定、保険再開の通知 |
判断のポイントは、一時的な積替え・継搬のための荷卸しか、運送契約上その港で航海が打ち切られたのかです。
航空機による継搬
中間港などから航空機で継搬される場合には、現行の協会戦争約款(航空貨物)が保険契約の一部を構成するものとして扱われることがあります。
このため、海上輸送から航空輸送へ切り替わる場合には、通常の貨物保険だけでなく、戦争危険の航空貨物約款の適用も確認する必要があります。
実務上は、航空機への積込み時点、航空貨物約款の適用、航空運送状、仕向地、保険者への通知、追加保険料を確認します。
運送契約が途中で打ち切られた場合
運送契約上の航海が、本来の仕向地以外の港または地で打ち切られる場合、その港または地が最終荷卸港とみなされます。
その場合、戦争危険保険は、最終荷卸港に関する規定に従って終了します。
その後、貨物が元の仕向地または別の仕向地へ再び積送される場合には、再輸送の開始前に保険者へ通知し、必要に応じて割増保険料を支払うことを条件として、保険が再開することがあります。
この場面では、運送契約の打切り時点、荷卸し時点、再積送の予定、保険者への通知、追加保険料、B/L上の運送人責任を分けて確認します。
機雷・遺棄魚雷の危険
浮遊または水面下に沈んでいる機雷や遺棄魚雷の危険については、航洋船舶への輸送中または航洋船舶からの輸送中に、貨物が艀に積まれている間にも担保が拡張されます。
ただし、保険者が特に認めた場合を除き、航洋船舶からの荷卸後60日を超えて担保されることはありません。
この点は、通常の戦争危険の15日ルールとは別に確認すべき重要な期間制限です。
機雷危険の60日拡張は、通常のICC本体の60日条項と同じものではありません。艀による本船への往復輸送中の特定危険として確認する必要があります。
第6条 航海変更
第6条では、保険の危険開始後に仕向地が変更された場合の扱いが定められています。
被保険者が仕向地を変更する場合には、遅滞なく保険者へ通知し、保険料率および保険条件について協定する必要があります。
協定前に損害が発生した場合でも、市場で合理的な条件により担保が得られる場合に限り、補償が提供される可能性があります。
戦争危険が関係する航海変更では、単に仕向地が変わるだけでなく、危険地域の通過、別港揚げ、軍事情勢、港湾閉鎖、運送打切りが関係することがあります。そのため、通常のICC本体よりも早期の保険者確認が重要になります。
被保険者が知らない航海変更
被保険貨物が予定された輸送を開始した後、被保険者およびその使用人が知らないまま、船舶が別の仕向地に向けて出帆する場合があります。
この場合でも、約款上は、保険はその輸送開始時に開始したものと扱われます。
ただし、戦争危険では保険期間や通知義務が通常のICC本体と異なるため、被保険者が航海変更を知った時点で、早期に保険者へ確認することが重要です。
第7条 優先条項
第7条では、保険契約中の規定が、航海事業の喪失・中絶、核兵器等の敵対的使用、または第5条の保険期間に関する規定と抵触する場合、その抵触する範囲で無効となることが定められています。
これは、戦争危険約款において、特定の免責や保険期間の規定を他の条件よりも優先させる趣旨です。
たとえば、通常のICC本体では60日条項により保険期間が継続するように見える場合でも、戦争危険についてはInstitute War Clauses(Cargo)の15日ルールや戦争危険特有の保険期間が優先して問題になることがあります。
また、航海事業の喪失・中絶や核兵器等の敵対的使用については、他の条件で補償が広がるように見えても、戦争危険約款上の優先規定により制限される可能性があります。
したがって、戦争危険については、通常の貨物保険と同じ感覚で保険期間や補償継続を判断しないことが重要です。
貨物保険・B/L・NVOCC責任との関係
戦争危険の保険期間と航海変更は、B/LやNVOCC責任とも密接に関係します。
港湾閉鎖、航路変更、途中港での荷卸し、運送打切り、代替港への輸送、再積送、航空機への継搬などが発生した場合、貨物保険の保険期間だけでなく、B/L裏面約款やNVOCC約款上の責任範囲も確認する必要があります。
特に、追加費用、保管費用、継搬費用、仕向地変更に伴う費用については、保険で支払われるものなのか、運送契約上の費用なのか、荷主負担なのかを切り分ける必要があります。
NVOCCやフォワーダーが関与する場合には、荷主への説明、保険者への通知、B/L条件の確認、運送人との調整、追加費用の整理を並行して進めます。
実務シナリオ1:最終荷卸港到着後、荷卸しまで20日かかった場合
航洋船舶が最終荷卸港に到着したものの、港湾混雑や戦争危険に伴う港湾事情により、貨物の荷卸しまで20日かかったとします。
この場合、戦争危険約款では、荷卸し完了時だけでなく、到着日の深夜から起算して15日を経過した時点も保険終期として確認します。
荷卸しが20日目であっても、15日ルールにより、その前に戦争危険の保険期間が終了している可能性があります。
通常のICC本体の60日条項と混同せず、Institute War Clauses(Cargo)上の15日ルールを確認することが重要です。
実務シナリオ2:中間港で航空機へ継搬された場合
戦争危険や港湾閉鎖により、貨物が中間港で荷卸しされ、その後航空機で仕向地へ継搬されることがあります。
この場合、中間港での15日間の保険継続、航空機への積込み、航空貨物向け協会戦争約款の適用、保険者への通知、追加保険料を確認します。
海上輸送の戦争危険約款だけでなく、航空輸送へ切り替わった後の戦争危険担保がどう扱われるかを確認する必要があります。
フォワーダーやNVOCCは、海上B/L、航空運送状、再輸送費用、保険者通知を時系列で整理します。
実務シナリオ3:運送打切り後、再積送まで時間がかかった場合
本来の仕向港ではない港で運送契約が打ち切られ、その港が最終荷卸港とみなされた後、貨物を別の仕向地へ再積送するまでに時間がかかったとします。
この場合、まず運送打切りによって戦争危険保険が終了しているかを確認します。
その後、再積送について保険を再開するには、再輸送の開始前に保険者へ通知し、必要に応じて割増保険料や条件協定を行う必要があります。
通知が遅れた場合、再積送中の戦争危険がどこまで担保されるかが問題になります。
実務シナリオ4:機雷危険により艀輸送中に損害が発生した場合
航洋船舶から荷卸しされた貨物を艀で輸送中、浮遊機雷または遺棄魚雷により損害が発生したとします。
この場合、通常の戦争危険の15日ルールだけでなく、機雷危険の60日拡張が問題になることがあります。
確認すべき点は、貨物が航洋船舶からの輸送中であったか、艀に積まれていたか、荷卸しから何日経過していたか、保険者が特に認めた延長があるかです。
通常のICC本体の60日条項とは趣旨が異なるため、機雷危険に関する期間制限として個別に確認します。
実務シナリオ5:通常ICC本体では保険期間内に見えるが、戦争危険では期間外になる場合
最終荷卸港で本船が到着してから20日後に、港湾内で戦争危険に関係する損害が発生したとします。
通常のICC本体では60日条項との関係で保険期間内に見える場合でも、戦争危険については15日ルールにより、すでに保険期間が終了している可能性があります。
このような場面で第7条の優先条項が重要になります。
戦争危険については、通常の貨物危険の保険期間ではなく、Institute War Clauses(Cargo)の保険期間を優先して確認する必要があります。
よくある誤解
戦争危険の保険期間も倉庫から倉庫までだという誤解
通常のICC本体では、倉庫から倉庫までの通常輸送過程を中心に保険期間を考えます。
しかし、Institute War Clauses(Cargo)では、原則として航洋船舶への積込みから、航洋船舶からの荷卸しまたは15日経過までが中心になります。
15日ルールと通常ICC本体の60日条項は同じ趣旨という誤解
15日ルールと通常のICC本体の60日条項は、期間も趣旨も異なります。
戦争危険は航洋船舶による海上輸送中の危険に強く結びついており、陸上保管中の危険を長く広く担保するものではありません。
中間港での荷卸しはすべて運送打切りと同じ扱いになるという誤解
中間港での荷卸しと運送契約の打切りは、同じではありません。
一時的な積替え・継搬のための荷卸しなのか、運送契約上その港で航海が終了したのかを確認する必要があります。
機雷危険の60日拡張があれば陸上保管中も安心という誤解
機雷危険の60日拡張は、通常のICC本体の60日条項と同じ意味ではありません。
浮遊機雷や遺棄魚雷など特定の危険について、艀による航洋船舶への輸送中または航洋船舶からの輸送中に問題になる期間制限です。
仕向地変更は決まってから保険者へ連絡すればよいという誤解
戦争危険が関係する仕向地変更や航海変更では、早期の保険者通知が重要です。
危険地域、別港揚げ、再積送、追加保険料、条件変更が関係するため、最終確定を待たずに保険者へ相談することが実務上重要です。
通常のICC本体で保険期間内なら、戦争危険も同じく保険期間内という誤解
通常のICC本体とInstitute War Clauses(Cargo)では、保険期間の考え方が異なります。
通常貨物危険では保険期間内に見える場合でも、戦争危険については15日ルールや優先条項により、保険期間外となる可能性があります。
実務上確認すべき資料
Institute War Clauses(Cargo)の保険期間と航海変更が問題になる場合は、次の資料を確認します。
- 保険証券
- Institute War Clauses(Cargo)の付帯有無
- ICC(A)、ICC(B)、ICC(C)の条件
- 航洋船舶への積込み日・積込み時刻
- 最終荷卸港・荷卸地への到着日
- 航洋船舶からの荷卸し日・荷卸し時刻
- 中間港・避難港での荷卸し記録
- 再積送、積替え、航空機継搬に関する記録
- 運送契約の打切り通知
- 仕向地変更、航海変更、別港揚げの通知
- 保険者への通知記録
- 追加保険料、条件変更に関する保険者との協定記録
- B/L、House B/L、Arrival Notice、D/O
- 船会社、NVOCC、フォワーダーからの通知
- 本船動静、港湾閉鎖情報、当局発表
- 追加費用、継搬費用、保管料、転送費用の明細
戦争危険の保険期間では、日付だけでなく、貨物がどの輸送用具に積まれていたか、どの港にあったか、いつ保険者へ通知したかを時系列で整理することが重要です。
実務上の注意点
戦争危険が関係する輸送では、保険がいつ開始し、いつ終了するかを通常のICC本体とは分けて確認する必要があります。
特に、航洋船舶への積込み時、最終荷卸港での荷卸し時、到着後15日、中間港での荷卸し、運送打切り、再積送、航空機への継搬、機雷危険の60日制限は重要です。
また、仕向地変更や航海変更が発生した場合には、保険者への遅滞ない通知と、割増保険料・保険条件の確認が必要になります。
NVOCCやフォワーダーが関与する場合には、荷主への説明、保険会社への連絡、B/L条件の確認、追加費用の整理を同時に進めることが重要です。
まとめ
Institute War Clauses(Cargo)の保険期間は、通常のICC2009本体とは異なる考え方で整理されています。
通常のICC本体では倉庫から倉庫までの輸送過程が中心になりますが、戦争危険約款では、原則として被保険貨物が航洋船舶に積み込まれた時に開始し、航洋船舶から荷卸しされた時または到着後15日経過などにより終了します。
また、中間港での荷卸し、運送契約の打切り、再積送、航空機による継搬、機雷危険の60日拡張、仕向地変更、航海変更では、保険者への通知と条件確認が重要になります。
戦争危険については、通常のICC本体の60日条項と、Institute War Clauses(Cargo)の15日ルール、機雷危険の60日拡張を混同しないことが重要です。

Institute War Clauses(Cargo)の免責条項