輸入貨物納品時の受領確認

Proof of Delivery and Receipt Confirmation at Imported Cargo Delivery

輸入貨物納品時の受領確認

輸入貨物納品時の受領確認とは、国内配送された貨物を納品先が受け取った事実について、受領日時、納品場所、受取人、梱包個数、外装状態及び異常の有無を確認し、後日検証できる形で記録する実務です。

受領確認には、受領印、受取人のサイン、氏名・所属、納品書控え、POD、電子配達記録、写真、納品完了時刻及び配送会社の運行記録などが使用されます。

重要なのは、単に受領印やサインを取得することではありません。その記録によって、「いつ、どこで、誰が、何を、何個、どのような状態で受け取ったのか」を確認できることが必要です。

受領確認が不十分な場合、後日、未着、数量不足、破損、誤納品、納品時間の相違又は受取人不明などが問題になっても、納品時点の事実を確認できません。

特に輸入貨物では、輸入者、貨物所有者、フォワーダー、倉庫、配送会社、納品先及び実際の受取人が一致しないことがあります。そのため、受領確認は、国内配送を完了させる手続であると同時に、クレーム対応と責任切り分けの基礎資料を作る作業でもあります。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 他記事で扱う内容
受領確認 輸入貨物の納品完了を確認し、受領日時、受取人、数量及び貨物状態を記録する方法 売買契約上の所有権移転や危険負担そのものは扱わない
受領印・サイン 受領印、署名、氏名、所属及び受領権限の確認 電子署名制度又は印章制度一般の法的解説は扱わない
POD 紙POD、電子POD、写真、配送完了記録等の取得方法と必要情報 クレーム発生後のPODの証拠評価は輸入貨物の受領書と責任範囲で扱う
数量確認 パレット数、梱包数、ケース数等を納品時に確認する方法 数量不足の原因調査は輸入貨物の数量差異と責任確認で扱う
外装状態 破れ、へこみ、濡れ、荷崩れ等を受領時に記録する方法 納品後の破損申告は輸入貨物の納品後破損申告で扱う
通常受領 明確な数量差異又は外装異常がない場合の受領記録 貨物の内部品質又は性能保証までは意味しない
条件付き受領 外装異常、数量差異等を留保して貨物を受け取る場合の記録 損害額、保険金及び賠償責任の最終判断は別途行う
受領拒否 納品先が貨物を受け取らない場合の理由、持ち戻り及び指示記録 持ち戻り後の保管・再配達は輸入貨物の納品不能・持ち戻りで扱う
納品時刻 指定時間、受付時間及び作業完了時刻の証拠化 時間指定条件の詳細は輸入貨物の時間指定納品で扱う
クレーム通知 受領日及び異常発見日を記録する実務上の意味 具体的な通知期限は個別契約、約款及び適用条件により確認する

受領確認と受領書の責任評価は役割が異なる

本記事の中心は、納品時にどのような受領記録を取得するかという手続です。

これに対し、「輸入貨物の受領書と責任範囲」は、破損、数量不足、誤納品等の申告を受けた後に、受領書、POD、写真及び配送記録をどのように評価するかを扱います。

比較項目 輸入貨物納品時の受領確認 輸入貨物の受領書と責任範囲 実務上の関係
主な時点 納品前から納品完了直後 クレーム又は事故申告の発生後 前者で作成した記録を後者で評価する
主な目的 納品事実と貨物状態を記録する 事故発生区間と責任範囲を検討する 受領記録が弱いと責任評価も難しくなる
主な資料 受領印、サイン、POD、写真、数量記録 受領資料に加えて出庫記録、運行記録、事故報告等 単一資料ではなく複数資料を照合する
主な担当 顧客、フォワーダー、配送会社、納品先 顧客、フォワーダー、配送会社、倉庫、保険関係者 納品時とクレーム時で確認範囲が異なる
結論 納品がどの条件で完了したか 誰の責任がどの範囲で問題になるか 受領確認だけで責任が自動的に確定するものではない

受領確認は受領印をもらうだけの作業ではない

受領印又はサインがあっても、受取人、数量、納品場所又は貨物状態が確認できなければ、後日の証拠として十分に機能しない場合があります。

確認資料 主に確認できる事実 長所 限界 補完すべき資料
受領印 納品先名義で受領したこと 紙の納品書に残しやすい 実際の受取人や数量が分からない場合がある 氏名、所属、数量及び受領時刻
受取人のサイン 特定の人物が受け取ったこと 印章がない納品先でも取得できる 判読不能又は所属不明になることがある 活字体による氏名、所属及び連絡先
紙POD 納品先、数量、日時及び受領記録 関係者間で共有しやすい 記載漏れ、紛失又は回収遅延がある 電子保存及び配送会社の運行記録
電子POD 配達完了時刻、位置、受取人等 迅速に確認・共有できる 入力項目や保存期間が配送会社ごとに異なる 画面保存、データ出力及び紙資料
貨物写真 外装状態、数量の一部、納品場所 文字資料で分からない状態を補完できる 撮影時刻、撮影場所及び全数量が分からない場合がある POD、位置情報、全体写真及び詳細写真
配送会社の完了記録 配達完了処理を行った日時 運行管理記録と照合できる 受取人や貨物状態が記録されないことがある 受領印、サイン、写真及びドライバー報告
受付・入場記録 施設へ入場又は受付した時刻 時間指定や待機時間の確認に役立つ 貨物の受領完了まで示さない POD、荷役完了時刻及び退出記録

受領確認で記録すべき基本事項

確認項目 記録する内容 確認する理由 確認不足で起きる問題
受領日 実際に貨物を引き渡した年月日 納品完了日及びクレーム確認の起点を残すため 納品日又は異常発見時期を確認できない
受領時刻 到着、受付、荷役開始及び荷役完了時刻 時間指定、待機及び遅延を確認するため 遅延の有無や待機時間を判断できない
納品場所 施設名、棟、部署、バース、店舗、現場等 正しい場所へ納品したことを確認するため 別部署又は別拠点への誤納品を判別できない
受取人 氏名、所属、役職又は受領権限 誰が貨物を受け取ったかを確認するため 関係者以外又は権限不明者への引渡しになる
梱包個数 パレット数、ケース数、木箱数、ドラム数等 数量不足又は過剰納品を確認するため 納品後の数量差異を切り分けられない
貨物識別情報 納品書番号、注文番号、貨物番号、荷印等 対象貨物を特定するため 別貨物又は別注文との混同が起きる
外装状態 破れ、へこみ、濡れ、荷崩れ、封印状態等 納品時点の貨物状態を残すため 配送中損傷と納品後損傷を区別しにくくなる
留保事項 数量差異、外装異常、未検品、開梱前等 異常又は未確認事項を明確にするため 無留保受領と誤解される可能性がある
受領方法 通常受領、条件付き受領、仮受領又は受領拒否 納品結果と次の対応を明確にするため 貨物を置いたまま責任関係が曖昧になる
写真 貨物全体、異常箇所、納品場所及び受領状況 書面記録を補完するため 現場状態を後から確認できない

受領確認の判断フロー

  1. 配送手配前に、顧客が必要とする受領記録の形式を確認する。
  2. 紙POD、電子POD、受領印、サイン又は写真のどれが必要かを決める。
  3. 納品書、梱包個数、貨物番号及び納品先情報を配送会社へ伝える。
  4. 受取人の氏名・所属を記録する必要があるかを指定する。
  5. 数量確認をパレット単位、梱包単位又は商品単位のどこまで行うかを決める。
  6. 外装異常がある場合の記載方法及び連絡先を決める。
  7. 受領拒否又は条件付き受領となった場合の連絡手順を決める。
  8. 車両到着後、正しい納品場所及び受取人であることを確認する。
  9. 数量、貨物番号及び外装状態を確認する。
  10. 異常がなければ通常受領として受領記録を取得する。
  11. 異常がある場合は、条件付き受領、仮受領又は受領拒否を判断する。
  12. POD、写真、受領時刻及び留保事項を配送会社から回収する。
  13. 顧客へ納品完了又は異常の発生を報告する。
  14. 記録を案件単位で保存し、後日の確認に備える。

納品先の種類による受領確認の違い

納品先 一般的な受領方法 問題になりやすい点 確認方法
物流センター 受付番号、納品予約番号、電子記録、入庫伝票 受付完了と検品完了が別になる どの記録を最終PODとするか確認する
工場 守衛所、荷受部署又は現場担当者の受領印 受領窓口と実際の使用部署が異なる 有効な受領者及び引渡し場所を事前に確認する
倉庫 入庫伝票、倉庫システム、受領印 数量確認前に仮受領となる場合がある 本受領、仮受領及び入庫保留を区別する
店舗 店舗担当者のサイン又は受領印 担当者不在、繁忙時間、バックヤードへの代理搬入 店舗名、受取人名、時刻及び置き場所を記録する
小規模事務所 担当者又は代理受領者のサイン 受付、他部署又はビル管理者が受け取ることがある 代理受領の可否と社内引渡し方法を確認する
建設現場 現場責任者、警備員、職人等のサイン 受取人が一定せず、置き場所も変動する 現場名、受取人、置き場所及び写真を保存する
展示会場 指定荷役業者、搬入受付又はブース担当者の記録 会場受付と出展者への引渡しが別になる ブース番号、搬入時刻、受領者及び写真を記録する
個人宅 本人又は同居者のサイン 代理受領、置き配又は大型貨物の仮置き 受取人、置き場所及び事前承認を確認する

通常受領・条件付き受領・仮受領・受領拒否

受領方法 主な場面 受領記録に残す事項 その後の対応
通常受領 外装及び梱包個数に明確な異常がない場合 受領日、時刻、受取人、数量及び受領印・サイン PODを回収し、納品完了を報告する
条件付き受領 外装破損、濡れ、数量差異、未検品等がある場合 具体的な異常、未確認事項、写真及び受取人の留保 関係者へ直ちに連絡し、貨物・梱包材を保全する
一部受領 一部の貨物のみ受け取り、残りを拒否する場合 受領した貨物と拒否した貨物の番号・数量 残貨物の持ち戻り、保管及び再配達を決める
仮受領 数量又は内容の最終検品前に施設へ搬入する場合 未検品であること、検品予定及び担当者 検品結果の報告期限と連絡方法を決める
受領拒否 誤納品、著しい破損、受入条件不適合等の場合 拒否理由、拒否者、貨物状態、指示及び時刻 貨物を安全に保持し、持ち戻り先を確認する

受領書に異常の記載がないことは重要な事実ですが、それだけで貨物内部に損傷がなかったことや、納品後のクレームがすべて否定されることを意味しません。

一方、明確な外装異常又は数量差異があるにもかかわらず、無留保で受領すると、後日の事故発生区間や数量差異の調査が難しくなります。

クレーム通知期間との関係

受領確認は、クレーム通知に関する日付を確認するうえでも重要です。受領日、受領時刻、異常発見日及び最初の連絡日が記録されていなければ、いつ貨物が引き渡され、いつ問題が判明したかを確認できません。

運送契約、標準取引条件、保険契約等では、貨物の損傷、数量不足、不着又は遅延について、一定期間内の通知を求める場合があります。ただし、具体的な期間、通知方法及び効果は、個別契約、約款、適用法令及び事故内容によって異なります。

したがって、受領確認の記事だけを根拠として一律の通知期限を判断せず、実際に適用される契約書、運送約款、保険条件及び関係資料を確認する必要があります。

実務で問題になりやすいケース

ケース 主な原因 確認資料 判断のポイント 初動対応
受領印もサインもない 受領記録の取得を指示していなかった 配送指示、配送会社の完了記録、運行記録 誰にどこで引き渡したかを確認できるか ドライバー報告と納品先記録を直ちに確認する
サインが判読できない 氏名・所属を別途記録していなかった POD、納品先名簿、ドライバー報告 受取人を特定できるか 納品先へ受領者を照会する
後日数量不足を申告された 納品時の梱包個数が記録されていなかった 出庫記録、積込記録、POD、検品記録 外装個数と内数のどちらが不足しているか 現物と梱包材を保全し、工程別記録を照合する
外装破損がPODに記載されていない 受取人又はドライバーが異常を記録しなかった 納品時写真、受領書、開梱後写真 納品時点の外装状態を他資料で確認できるか 写真、梱包材及び関係者証言を確保する
受付へ納品したが担当部署へ届いていない 代理受領後の社内引渡し方法が不明確だった 受付記録、受領者名、施設内記録 配送完了地点がどこで合意されていたか 施設内で貨物所在を確認する
別部署が誤って受領した 納品先部署又は注文番号の照合不足 配送指示、荷札、納品書、POD 貨物が正しい施設内に存在するか 貨物を保全し、正しい部署への移動を手配する
指定時間に納品したか争いになった 受領時刻又は受付時刻が残っていなかった 位置情報、運行記録、受付記録、POD 到着時刻と荷役完了時刻を区別できるか 各時刻を時系列で整理する
受領拒否後に貨物が現場へ残された 持ち戻り指示と貨物保管主体が不明確だった 拒否記録、現場写真、連絡履歴 誰が貨物を管理しているか 無断放置せず、持ち戻り又は保管を決定する
電子PODの保存期間が過ぎた 画面又はデータを自社保存していなかった 配送会社システム、請求記録、運行日報 代替資料で納品を証明できるか 必要資料を案件完了時に保存する運用へ変更する

見積書・配送指示に明記すべき条件

  • 受領印、サイン又は電子PODのどれを取得するか
  • 受取人の氏名及び所属を記録するか
  • パレット数、梱包数又は商品数のどこまで確認するか
  • 外装異常がある場合の記載方法
  • 写真撮影が必要か、どの範囲を撮影するか
  • 条件付き受領又は受領拒否時の連絡先
  • 紙POD又は納品書控えの返却期限
  • 電子PODの提出方法及び保存形式
  • 指定時間納品で記録する時刻の種類
  • 受領者不在時の代理受領又は置き渡しの可否

例えば、「受領印付き納品書控えを回収し、受取人の氏名・所属、梱包個数及び受領時刻を記載する。外装異常又は数量差異がある場合は、受領書へ具体的に留保し、写真撮影後、直ちに連絡する」と記載すれば、必要な証拠水準を具体化できます。

フォワーダーの関与範囲対比

本記事における五分類は、法令上又は業界全体で確立された分類ではなく、本シリーズにおいてフォワーダーの関与範囲を整理するために使用する分析上の枠組みです。

標準五分類 受領確認への主な関与 確認すべき契約・資料 責任判断上の注意点
Simple Intermediary(単純取次) 配送会社へ受領方法を伝達し、POD回収を補助する 取次範囲、メール、配送依頼 受領記録の取得まで引き受けたのか、情報伝達のみかを確認する
Cargo Transportation Service Provider(貨物利用運送事業者) 国内配送サービスの一部として受領記録の取得・提出を手配する 利用運送契約、運送約款、配送指示 顧客に約束したPOD水準と実運送事業者への指示を照合する
NVOCC / House B/L Issuer 複合運送又は海上運送後の国内配送で受領確認を調整する House B/L、運送約款、見積書 House B/L上の引渡地点と実際の納品完了地点を確認する
Door-to-Door Single Contractor 輸入通関後の国内配送を含む一体的なサービスとして納品完了を管理する 一貫輸送契約、見積条件、POD要件 Door-to-Doorでも検品、開梱又は内部品質確認まで当然に含むとは限らない
Agent / Coordinator for Specific Operations(特定業務の代理・調整者) POD回収、納品確認又は異常時連絡等の特定業務を調整する 個別委任内容、作業依頼、承認記録 委任された確認範囲と配送全体の責任を区別する

Contracting Carrier及びActual Carrier等は、法的又は契約上の地位を示す概念であり、五分類を置き換える代替分類ではありません。

また、受領印取得、サイン取得、数量確認、写真撮影、POD回収及び電子記録保存等の実作業は、それ自体で第六の分類を構成するものではありません。契約上の地位と実際に委任された作業を別々に確認します。

具体例1:サインだけで受領し、後日数量不足を申告された場合

複数梱包の輸入貨物を店舗へ納品し、配送会社が受取人のサインだけを取得したケースです。PODには梱包個数、受取人の氏名・所属及び受領時刻が記載されていませんでした。

納品から数日後、貨物所有者から「1ケース不足している」と申告がありました。しかし、サインが何個の貨物を受け取ったことを意味するのか確認できません。

この場合は、倉庫出庫個数、積込時写真、配送車両の残貨物、納品先の検品記録及び梱包材の有無を照合します。

納品時に梱包個数、受取人名及び受領時刻を記載していれば、外装個数が納品時点で一致していたかを確認しやすくなります。

具体例2:外装破損を留保せずに受領した場合

木箱梱包された輸入機械を工場へ納品した際、木箱の角にへこみがありましたが、受取人は受領書へ異常を記載せず、通常受領としてサインしました。

開梱後に内部機械の損傷が判明しても、納品時点の外装状態を示す写真又は留保記録がなければ、配送中に発生したのか、納品後の移動・保管中に発生したのかを確認しにくくなります。

外装異常が確認された場合は、「木箱右下角にへこみあり」「開梱・内部確認前」など、具体的な状態を受領書へ記載し、全体写真と詳細写真を保存します。

条件付き受領は賠償責任を確定するものではありませんが、納品時点の異常を記録する重要な手続です。

具体例3:建設現場で受取人が特定できなかった場合

建設現場へ輸入部材を納品し、現場入口にいた作業員が貨物を受け取ったものの、氏名、所属会社及び置き場所が記録されなかったケースです。

後日、現場責任者から貨物未着の連絡を受けても、誰へ引き渡したのか確認できません。建設現場では複数の施工業者、警備員及び作業員が出入りするため、現場にいる人物へ渡しただけでは十分な受領確認にならない場合があります。

この場合は、ドライバー報告、通話履歴、車両位置情報、現場写真及び施設の入退場記録を照合します。

現場納品では、現場名、工事番号、受取人の氏名・所属、連絡先、置き場所及び貨物写真を記録する必要があります。

納品時に保存すべき証拠

記録 記録する内容 使用する場面 注意点
受領書・POD 受領日、時刻、場所、受取人、数量及び留保事項 納品完了、数量差異、外装異常の確認 受領印又はサインだけで終わらせない
納品時写真 貨物全体、梱包個数、外装状態及び納品場所 破損、誤納品、置き場所の確認 全体写真と異常箇所の詳細写真を分ける
出庫記録 出庫日時、貨物番号、個数及び引渡先 倉庫出庫個数と納品個数の照合 納品記録と同じ識別番号で管理する
運行記録 出発、到着、受付、荷役完了及び退出時刻 納品時間、待機及び配送経路の確認 到着時刻と納品完了時刻を区別する
電子完了記録 配達完了時刻、位置情報、受領者入力等 紙PODの補完 システム保存期限前に自社保存する
連絡履歴 顧客、納品先、配送会社及び倉庫との指示 異常時の連絡及び対応判断 口頭指示はメール等で追認する
梱包材 木箱、段ボール、パレット、封印及び緩衝材 破損原因及び数量差異の調査 事故調査前に廃棄しない
検品記録 開梱日時、検品者、内数及び異常内容 外装個数と内数の差異確認 受領確認と開梱検品を区別する

異常が判明した場合の初動対応

  • 貨物、外装及び梱包材を移動・廃棄せず保全する
  • POD、受領書及び納品時写真を確保する
  • 受領日時、受取人及び異常発見日時を確認する
  • 外装個数、内数及び貨物番号を確認する
  • 倉庫出庫記録、積込記録及び配送記録を回収する
  • 配送会社へドライバー報告及び運行記録を依頼する
  • 受領時点と開梱・検品時点を区別する
  • 損害拡大を防ぐため、貨物を安全な場所へ保管する
  • 保険事故の可能性がある場合は、保険代理店又は保険会社へ早期に連絡する
  • 責任を即断せず、資料と時系列を整理する

よくある誤解

誤解 実際の考え方 実務上の注意点
受領印があれば受領確認は十分である 受取人、数量、日時及び貨物状態も確認できる必要がある 受領印以外の記録を組み合わせる
PODがあれば責任者が確定する PODは重要資料だが、責任判断には他の記録も必要である 出庫、運行、写真及び検品記録を照合する
無留保受領なら内部損傷は存在しない 通常受領は、未開梱の内部状態まで確認したことを意味しない 受領時の確認範囲を明確にする
サインがあれば誰が受け取ったか分かる 判読不能又は所属不明の場合がある 氏名と所属を活字体でも記録する
配送会社の完了画面だけで十分である 完了処理だけでは受取人、数量又は異常を確認できない場合がある 必要なPOD水準を事前に指定する
受付へ渡せば必ず納品完了になる 契約上の納品地点又は指定受取人によって判断が異なる 代理受領の可否を確認する
受領拒否されたら貨物を現場へ置いてよい 受領されていない貨物の管理主体と持ち戻り先を決める必要がある 無断放置を行わない
写真があれば数量も証明できる 全貨物が写っていない、重複又は死角がある場合がある 数量記録と写真を併用する
受領確認は追加費用に関係しない 受領拒否、待機、持ち戻り、再配達等の費用判断にも関係する 時刻、理由及び指示を記録する
受領確認は配送会社だけの仕事である 必要な証拠水準は顧客、フォワーダー、納品先との調整が必要である 配送手配前に受領方法を決める

判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
配送依頼受付時 顧客 必要なPOD形式、受領印、サイン及び写真の要否 必要な証拠水準を具体化する
貨物情報確認時 顧客、倉庫 貨物番号、梱包個数、納品書及び荷印 数量・識別情報を確定する
配送会社手配時 配送会社 POD取得方法、返却方法及び提出期限 配送指示へ明記する
納品先確認時 納品先 受取人、受付場所、代理受領及び受領権限 正しい受領者を指定する
数量確認方法決定時 顧客、納品先 パレット、梱包又は商品単位の確認範囲 確認範囲をPODへ記載する
車両到着時 ドライバー、納品先 納品場所、受取人及び対象貨物 相違があれば荷降ろしを開始しない
荷降ろし完了時 受取人 梱包個数、貨物番号及び外装状態 異常があれば留保記録を作成する
条件付き受領時 受取人、配送会社 異常内容、未確認事項、写真及び連絡先 現物と梱包材を保全する
受領拒否時 顧客、納品先、配送会社 拒否理由、貨物状態、持ち戻り先及び費用 無断放置せず次の指示を確定する
POD回収時 配送会社 記載漏れ、判読性、受取人及び時刻 不足情報を早期に補完する
納品完了報告時 顧客 納品結果、受領方法、異常及び添付資料 異常があれば通常完了と分けて報告する
クレーム発生時 顧客、納品先、配送会社、倉庫 受領記録、異常発見日時、写真及び検品記録 時系列を整理し、証拠を保全する
案件終了時 社内担当者 POD、写真、運行記録及び連絡履歴の保存 保存期限と保管場所を統一する

顧客への説明で重要なこと

顧客は、貨物が納品先へ到着すれば配送が完了したと考えることがあります。しかし、納品完了を示す記録がなければ、後日の未着、数量不足、破損又は誤納品の確認が難しくなります。

フォワーダーは、「PODは必要ですか」とだけ質問するのではなく、「受領印付きの納品書控えが必要ですか」「受取人の氏名・所属を記録しますか」「数量は梱包単位で確認しますか」「外装異常があれば留保してよいですか」「写真は必要ですか」と具体的に確認する必要があります。

また、顧客が必要な受領方法を納品先へ伝えていなければ、現場では通常のサインだけで処理される場合があります。必要に応じて、納品先及び配送会社にも受領方法を共有します。

受領確認の目的は、トラブルの発生を防ぐことを保証するものではありません。トラブルが起きた場合に、納品時点の事実を確認できる状態を作ることです。

まとめ

輸入貨物納品時の受領確認は、国内配送を完了させるための最終手続であると同時に、納品日時、場所、受取人、数量及び外装状態を証拠化する実務です。

受領印又はサインだけでは、必要な事実を確認できない場合があります。紙POD、電子POD、写真、数量記録、運行記録及び受付記録を組み合わせ、後日検証できる形で保存する必要があります。

外装異常、数量差異又は未検品事項がある場合は、通常受領、条件付き受領、仮受領又は受領拒否のどれに該当するかを判断し、具体的な留保事項を記録します。

受領確認は責任又は保険補償を自動的に確定するものではありません。クレーム発生後は、受領記録だけでなく、倉庫出庫、積込み、運行、荷降ろし、開梱及び検品の記録を照合して判断します。

顧客、フォワーダー、配送会社及び納品先の間で、必要な受領記録の形式と確認範囲を配送手配前に決めておくことが、納品完了の証明、クレーム初動及び責任切り分けを支える基本となります。

同義語・別表記

  • 受領確認
  • 受領印
  • 納品確認
  • 配達完了確認
  • POD
  • Proof of Delivery
  • 受領書
  • 納品書控え
  • 配送完了記録
  • Delivery Receipt

公式情報