付加価値基準(RVC)とは
概要
付加価値基準(RVC)とは、製品の価値のうち一定割合以上が特定の国または協定域内で生み出されていることを要件として原産品と認定する基準である。関税分類変更基準(CTC)を満たさない場合の代替手段として用いられることが多く、特恵原産地規則における重要な判定方法の一つである。
目的・役割
RVCの主な役割は以下の通りである。
- 域内での経済的貢献度の評価
- 単純組立による迂回輸出の防止
- 産業育成・サプライチェーン強化
「どれだけその国で価値が生まれたか」を数値で評価する基準である。
計算方法
RVCは主に以下の方法で算出される。
① 積上げ方式(Build-up Method)
域内材料・加工費の合計から算出
② 控除方式(Build-down Method)
非原産材料の価値を総額から差し引いて算出
■ 基本式(例)
- Build-down
RVC =(FOB価格 − 非原産材料)÷ FOB価格 × 100
特徴
① 数値で判断できる
CTCと異なり、計算結果により明確に判定可能。
② 原価情報が必要
製品コスト構造の詳細把握が前提となる。
③ 協定ごとに基準値が異なる
例:
- 40%以上
- 45%以上
など品目・協定ごとに設定される。
④ 他基準との選択制
「CTCまたはRVC」のように代替条件として使われるケースが多い。
実務上のポイント
■ 原価データの整備が必須
- 原材料費
- 労務費
- 製造間接費
を明確に区分して管理する必要がある。
■ 為替変動の影響
輸入部品価格が変動するとRVC比率が変わるため、適用可否に影響する。
■ 継続案件で有効
同一製品の継続輸出では、安定したRVC管理によりEPA活用が容易になる。
■ フォワーダーの関与は限定的
計算自体は荷主業務であり、フォワーダーは基本関与しない。
注意点
- 計算根拠がないと税関で否認
- 原価配分ミスでRVC未達となる
- 為替・価格変動で基準割れする可能性
- 書類保存義務(通常5年)あり
具体例
ケース①:RVC未達
非原産材料比率が高く、40%基準を満たせずEPA適用不可。
ケース②:CTC不可→RVCで適用
分類変更が起きない製品でも、付加価値が十分であればRVCで適用可能。
ケース③:計算ミス
原価計算に誤りがあり、輸入後に税関で否認・追徴課税。
参考元
- World Customs Organization(WCO)|原産地規則
- World Trade Organization(WTO)|Rules of Origin
- JETRO|EPA原産地証明ナビ
