加工工程基準とは
概要
加工工程基準とは、特定の製造や加工工程が協定締約国内で行われたことを条件に、貨物を原産品と認める基準です。関税分類変更基準(CTC)や付加価値基準(RVC)とは異なり、実際にどのような加工が行われたかを重視する点が特徴です。特に繊維製品、化学品、食品加工品などで重要となります。
実務の流れ
1. 対象貨物の品目ごとに協定で定められた加工工程を確認します。
2. 製造現場で実際に行われた工程を記録・整理します。
3. 工程表や製造記録などの証拠資料を準備します。
4. 原産地証明書の申請時に、必要に応じてこれらの資料を提出します。
主要書類
- 工程表
- 製造記録
- 作業指図書
- 外注工程がある場合は委託先の資料
実務上のポイント
- どの工程が、どの国で、誰によって行われたかを説明できる資料が必要です。
- 包装やラベル貼付、選別、洗浄、単純な組立などの単純加工は、原則として原産性を与える加工とは認められません。
- 繊維製品では、糸・生地・縫製など、どの段階から域内加工が必要かが細かく定められています。
- フォワーダーは書類確認支援が中心で、工程内容の真偽判断は荷主・製造者側の責任です。
注意点
- 工程名だけでは不十分で、実際の作業内容を説明できる必要があります。
- 外注工程がある場合は委託先の資料も必要です。
- 証拠資料が不足すると税関で否認されることがあります。
具体例
- 繊維製品:第三国産の生地を輸入し、締約国内で単に縫製しただけでは、協定によっては原産品と認められない場合があります。
- 化学品:特定の化学反応工程が締約国内で行われた場合に原産品と認められることがあります。
- 食品加工:単なる小分け包装では原産品と認められず、実質的な加工工程が必要です。
まとめ
加工工程基準は、貨物がどの国でどのような実質的加工を受けたかを判断する基準です。特に繊維・化学品・食品分野で重要となり、工程表や製造記録などの証拠資料が不可欠です。単純加工では原産品と認められないため、製造工程を説明できる体制を整えておくことが求められます。
