重大製品事故
重大製品事故とは、消費生活用製品によって、消費者の生命や身体に重大な危害が発生した事故をいいます。
死亡事故、重傷病事故、後遺障害事故、一酸化炭素中毒事故、火災事故などが代表的な対象です。
輸入実務では、海外で製造された製品を日本国内で販売した後に事故が発生した場合、輸入事業者が国内での報告、原因調査、回収、注意喚起などの対応を求められることがあります。
そのため、輸入前の規制確認だけでなく、販売後の事故対応体制も重要になります。
概要
重大製品事故は、消費生活用製品安全法に基づく製品事故情報報告・公表制度の中心となる概念です。
製造事業者または輸入事業者は、自社が製造または輸入した消費生活用製品について重大製品事故を知った場合、所定の期限内に国へ報告する必要があります。
事故原因が製品の欠陥によるものか、使用者の誤使用によるものか、設置・保守上の問題によるものかが直ちに分からない場合でも、重大製品事故に該当する可能性があるときは、速やかな確認が必要です。
重大製品事故に該当する主な事故
- 死亡事故
- 重傷病事故
- 後遺障害事故
- 一酸化炭素中毒事故
- 火災事故
重傷病事故には、一定期間以上の治療を要する負傷や疾病が含まれます。
また、火災事故については、消防による火災認定の有無が問題になることがあります。
事故の名称や被害の大きさだけで判断せず、法令上の定義に照らして確認することが重要です。
輸入事業者の注意点
- 輸入品であっても、日本国内で販売した事業者に対応責任が生じる場合がある
- 海外メーカーに確認している間に、国内の報告期限を過ぎるリスクがある
- 事故品の型式、ロット、販売日、販売先を追跡できる管理が必要
- 事故原因が不明でも、報告対象となる可能性を先に確認する必要がある
- 報告後、回収、修理、販売停止、注意喚起に発展する場合がある
特に、海外製品を日本向けに輸入販売する場合、国内に製造者が存在しないことがあります。
この場合、輸入者が行政対応、顧客対応、販売先への連絡、リコール対応の中心になる可能性があります。
販売後管理との関係
重大製品事故への対応では、事故が発生した後に製品情報を集めるのでは遅れることがあります。
輸入者は、販売前から型式、ロット番号、仕入先、販売先、販売数量、取扱説明書、警告表示などを管理しておくことが重要です。
また、EC販売や小売店経由で広く販売した製品では、購入者への連絡が困難になる場合があります。
リコールや注意喚起が必要になった場合に備え、販売経路ごとの連絡体制を整理しておく必要があります。
リコールとの関係
重大製品事故が発生した場合、報告だけで終わるとは限りません。
同種事故の再発を防ぐため、製品の回収、無償修理、部品交換、使用中止の呼びかけ、販売停止などのリコール対応が必要になる場合があります。
重大製品事故は、製品安全上の危険が現実化した状態です。
輸入販売を行う事業者は、事故発生時に迅速に動けるよう、製品情報、販売記録、社内連絡体制、海外メーカーとの責任分担をあらかじめ整理しておくことが重要です。
