売却処分
売却処分とは
売却処分とは、輸入貨物に破損、濡損、汚損、変形、品質低下などが発生した場合に、その貨物を事故品、値引き品、部品取り品、スクラップ品などとして売却する処理です。
貨物事故では、損害品であっても完全に価値がなくなるとは限りません。通常販売はできなくても、一定の価値が残っている場合には、廃棄ではなく売却処分が検討されることがあります。
売却処分が行われる場面
売却処分は、貨物に損害があるものの、何らかの形で利用価値や換金価値が残っている場合に行われます。
- 外装破損により通常販売できない場合
- 一部破損があるが使用可能な場合
- 新品としては販売できないが値引き販売できる場合
- 部品取りとして利用できる場合
- スクラップとして売却できる場合
- 修理費用が高く、処分売却の方が合理的な場合
- 保管費用を抑えるため、早期処分が必要な場合
残存価額との関係
売却処分によって得られた金額は、残存価額として損害額から控除されることがあります。
例えば、正常品の価額が100万円で、事故後に30万円で売却できた場合、損害額を整理する際には、100万円から30万円を差し引いて考えることがあります。この売却額が、事故貨物に残っていた価値を示す資料になります。
廃棄処分との違い
廃棄処分は、貨物に利用価値や売却価値がなく、処分費用を支払って捨てる対応です。
一方、売却処分は、損害品に一定の価値が残っており、第三者への販売、スクラップ売却、部品取りなどによって換金できる場合の対応です。損害額を整理する際は、廃棄費用と売却処分額を分けて考える必要があります。
売却処分に必要な資料
売却処分を行う場合は、売却内容が分かる資料を残しておくことが重要です。
- 売却明細
- 売却先の情報
- 売却数量
- 売却単価
- 売却総額
- 入金記録
- 事故品の写真
- 検品記録
- 売却理由の説明資料
売却前の写真と検品記録
売却処分を行う前には、事故貨物の状態を写真と検品記録で残しておくことが重要です。
売却後は、貨物の状態を確認できなくなることがあります。そのため、破損箇所、汚損状態、数量、品番、ケース番号、荷姿、保管状態などを記録しておく必要があります。
売却金額の妥当性
売却処分では、売却金額が妥当かどうかが問題になることがあります。
極端に低い金額で処分した場合、保険会社や相手方から、なぜその金額になったのかを確認されることがあります。売却先、相場、貨物状態、処分理由、保管費用との関係などを説明できるようにしておくことが重要です。
保険会社へ提出する場合の注意点
保険会社へ損害額資料を提出する場合、売却処分の有無を確認されることがあります。
損害品を売却した場合は、売却代金が損害額から控除される可能性があります。そのため、売却明細、入金記録、売却数量、写真、検品報告を整理し、最終的な損害額の計算根拠を明確にしておく必要があります。
運送人・NVOCCへ提出する場合の注意点
運送人やNVOCCへClaim Letterを提出する場合も、売却処分額は請求金額の根拠に関係します。
請求額を説明する際には、正常品価額、損害数量、売却処分額、残存価額、最終請求額を整理します。売却処分を行った場合は、相手方に対して、損害品がいくらで処分されたのかを説明できるようにしておくことが重要です。
実務上の注意点
売却処分は、保管費用の増加や納品遅延を避けるために、早期に判断されることがあります。
ただし、関係者への確認や記録を残さないまま処分してしまうと、後から損害額の根拠を説明しにくくなります。高額貨物や数量が多い事故では、売却前に写真、検品記録、売却見込み額、関係者との確認内容を残しておくことが重要です。
まとめ
売却処分は、事故貨物に残っている価値を回収するための実務対応です。
売却額は残存価額として損害額計算に影響するため、売却理由、売却数量、売却金額、入金記録、写真、検品記録を整理しておくことが重要です。これにより、保険会社、運送人、NVOCCに対して、最終的な請求金額の根拠を説明しやすくなります。
同義語・別表記
関連用語
公式情報
- 公式ホームページ: https://marineinsurance.jp/
