外航貨物海上保険の保険価額と保険金額
1. 保険価額(Insurable Value)
貨物海上保険における保険価額(Insurable Value)とは、
保険の対象となる貨物の被保険利益の評価額をいいます。
貨物海上保険では通常、売買契約上の価格を基準として、
被保険者と保険会社があらかじめ保険価額を協定します。
このように事前に価額を定めた保険証券を
評価済み保険証券(Valued Policy)
といいます。
協定された保険価額は、
保険期間中に変更することはできません。
英国海上保険法(Marine Insurance Act 1906)
英国海上保険法(MIA)第16条では、
保険価額について次のように規定されています。
保険価額は以下のいずれかによります。
①
貨物原価 + 船賃 + 保険料
(CIF価額)
②
契約当事者間で協定された価額
ポイント(実務)
実務では通常、
CIF価額 × 110%
を保険価額として協定します。
この 10% は次の費用を見込むためです。
- 期待利益
- 追加費用
- 市場価格変動
したがって、
協定保険価額 = 被保険利益の見積額
となります。
2. 保険金額(Sum Insured)
**保険金額(Sum Insured)**とは、
1回の事故について保険会社が支払う補償の最高限度額
をいいます。
保険金額と保険価額の関係
全部保険(Full Insurance)
保険金額 = 保険価額
最も一般的な形です。
超過保険(Over Insurance)
保険金額 > 保険価額
超過部分は無効となります。
一部保険(Under Insurance)
保険金額 < 保険価額
この場合、損害が発生したときは
**比例てん補(Proportionate Indemnity)**となり、
不足部分は被保険者の自己負担になります。
ポイント(実務)
外航貨物海上保険では通常、
協定保険価額 = CIF × 110%
保険金額 = CIF × 110%
として契約されます。
そのため実務では
保険価額 = 保険金額
となるケースがほとんどです。
