体外診断用医薬品―輸入実務と薬機法上の確認ポイント

In Vitro Diagnostics (IVD) — Import Procedures and PMD Act Checks

体外診断用医薬品とは

体外診断用医薬品とは、血液、尿、組織、分泌物など人体由来の検体を用いて、疾病の診断、健康状態の把握、検査項目の測定などを行うための薬機法上の規制対象品です。

人の体に直接投与する医薬品とは異なり、人体から採取された検体を体外で検査・測定するために使用される試薬、検査キット、診断薬などが中心になります。

輸入実務では、海外で「research use only」「laboratory reagent」「test kit」「diagnostic reagent」「self check kit」などとして販売されている商品であっても、日本で診断、検査、判定、健康状態の評価を目的として使用・販売する場合には、体外診断用医薬品に該当する可能性があります。

そのため、単に品名が試薬や検査キットであるかどうかではなく、使用目的、表示内容、販売先、検査項目、人体由来検体の使用有無、国内での販売方法を確認することが重要です。

この記事で扱う範囲

扱う範囲 この記事で整理する内容 別途確認すべき内容
体外診断用医薬品の基本 人体由来検体を用いて、疾病の診断や健康状態の評価に使われる検査薬・診断薬として整理します。 薬機法上の最終該当性、承認・認証・届出の要否は専門家・行政窓口へ確認します。
研究用試薬との違い 研究・実験目的の試薬と、診断・検査・判定目的の商品との違いを整理します。 個別商品の表示、販売方法、広告、実際の使用目的を確認する必要があります。
医療機器との違い 測定器本体、ソフトウェア、試薬、カートリッジを分けて整理します。 医療機器、プログラム医療機器、測定装置本体の規制は別途確認します。
輸入販売手続 製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、品目ごとの承認・認証・届出を整理します。 品目分類、一般的名称、クラス分類、手続の詳細は薬事確認が必要です。
表示・広告 検査項目、使用目的、疾病名、判定、健康状態評価の表現を整理します。 広告審査、販売ページ、SNS表現、添付文書の適否は専門家確認が必要です。
通関・フォワーダー実務 test kit、diagnostic reagent、laboratory reagentなどの貨物名を見た場合の確認事項を整理します。 フォワーダーは薬機法該当性を断定せず、輸入者・通関業者へ確認を促します。
対象外・別制度との切り分け 研究用試薬、雑品、医療機器、医薬品、健康食品、化粧品との違いを整理します。 商品ごとの該当性は、成分、用途、広告、販売先、表示内容により個別判断が必要です。

概要

体外診断用医薬品は、人体から採取された検体を体外で検査するために使用されるものです。

一般には、検査キット、診断薬、測定試薬、診断用試薬、判定キットなどとして流通することがあります。

医療機関、検査機関、薬局、一般消費者向け、研究機関向けなど、販売先や使用場面によって確認すべき規制内容が変わることがあります。

同じ試薬やキットであっても、研究用として使うのか、診断目的で使うのか、一般消費者が自己判断に使うのか、医療機関や検査機関が診療や検査に使うのかによって、薬機法上の整理が変わる可能性があります。

制度の目的・背景

体外診断用医薬品は、検査結果が疾病の診断、治療方針、受診判断、健康状態の評価に影響するため、品質、有効性、安全性、表示、使用目的の管理が重要になります。

検査薬や診断キットは、人の体に直接使用されない場合でも、検査結果の誤りや不適切な表示により、誤診、受診遅れ、不必要な不安、誤った自己判断につながる可能性があります。

このため、薬機法上、体外診断用医薬品については、製造販売業者、製造業者、外国製造業者、品目ごとの承認・認証・届出、添付文書、表示、広告などの確認が必要になります。

輸入実務では、海外メーカーが「研究用」「検査用」「簡易キット」として販売していても、日本国内で診断・判定・健康状態評価を目的として販売する場合には、日本の薬機法上の整理を別途確認する必要があります。

対象となる商品

体外診断用医薬品に該当する可能性がある商品には、疾病や身体状態に関する検査を目的とするものが含まれます。

商品例 使用目的の例 確認すべき点 注意点
感染症検査キット 感染の有無、抗原、抗体、病原体の検出 対象疾患、対象検体、判定方法、一般用か医療機関向けか 海外で販売されていても、日本で同じように販売できるとは限りません。
妊娠検査薬・排卵検査薬 尿などを用いた妊娠・排卵に関する判定 一般用としての可否、表示、使用方法、判定方法 一般消費者向けでは説明書と誤判定時の注意表示が重要です。
血糖・脂質・尿成分測定試薬 血液、尿などによる身体状態や検査項目の測定 測定器本体、専用試薬、使用者、販売先 医療機器と体外診断用医薬品の両方が関係する場合があります。
腫瘍マーカー・ホルモン・抗体検査試薬 疾患リスク、診断補助、治療判断に関係する検査 使用目的、対象疾患、医療機関向けか、検査機関向けか 診断や治療方針に関係する場合は専門的な薬事確認が必要です。
医療機関・検査機関向け診断用試薬 臨床検査、診療補助、検査室での測定 一般的名称、承認・認証・届出、添付文書 研究用試薬として輸入できるかは用途により異なります。
一般消費者向け簡易検査キット 自宅での検査、自己チェック、健康状態の確認 一般用としての適否、広告表現、販売方法 「自宅で診断」などの表現は慎重な確認が必要です。
専用カートリッジ・反応液・試験紙 測定装置と組み合わせた検査・判定 装置本体、試薬、ソフトウェアの分類 付属品や消耗品でも体外診断用医薬品に該当する可能性があります。

規制適用の場面一覧

場面 規制が問題になる理由 確認すべき資料 止まりやすい原因
海外から検査キットを輸入する場合 日本で診断・検査・判定目的に使う場合、体外診断用医薬品に該当する可能性があります。 商品カタログ、使用目的、対象検体、販売資料 海外メーカーの商品説明だけで研究用・雑品と判断している場合です。
研究用試薬として輸入する場合 研究用表示があっても、国内販売時に診断用途をうたうと薬機法上問題になります。 RUO表示、販売ページ、広告文、販売先資料 輸入時説明と国内販売時表示が一致していない場合です。
一般消費者向けに販売する場合 自己判断に使われるため、一般用としての適否、表示、広告が重要になります。 添付文書、使用説明書、ECページ、広告文 「自宅で診断できる」など承認範囲を超える表現を使う場合です。
医療機関・検査機関向けに販売する場合 臨床検査や診療補助に使われるため、品目手続や使用目的の確認が必要です。 承認・認証・届出資料、添付文書、販売先説明 研究用試薬を実質的に診断用途へ流通させる場合です。
検査装置と専用試薬をセットで輸入する場合 装置本体は医療機器、専用試薬は体外診断用医薬品に該当する可能性があります。 装置仕様書、試薬説明書、ソフトウェア資料 一式商品として扱い、それぞれの分類確認をしていない場合です。
国内でラベル貼付・小分け・包装を行う場合 製造業登録や表示・包装管理が問題になることがあります。 作業内容、保管場所、日本語表示、包装仕様 輸入後の国内作業を単なる物流作業と考えている場合です。
広告・SNSで検査効果を訴求する場合 診断、判定、疾病名、健康状態評価の表現が薬機法上問題になることがあります。 広告文、LP、SNS投稿、動画、パンフレット 承認・認証・届出の範囲を超える効能効果表現を使う場合です。

医療機器との違い

医療機器は、疾病の診断、治療、予防や身体の構造・機能への作用を目的とする機械器具等です。

一方、体外診断用医薬品は、人体由来の検体を用いて検査・測定を行うための試薬やキットが中心です。

ただし、検査装置、測定器、試薬、カートリッジ、ソフトウェアが組み合わさる場合には、医療機器と体外診断用医薬品の両方の確認が必要になることがあります。

例えば、測定器本体は医療機器、専用試薬やカートリッジは体外診断用医薬品として整理される可能性があります。

輸入者は、機器本体、試薬、消耗品、ソフトウェア、アプリ、判定アルゴリズムを一体の商品として扱う場合でも、それぞれの薬機法上の分類を確認する必要があります。

研究用試薬との違い

輸入実務で特に混同されやすいのが、研究用試薬と体外診断用医薬品です。

研究用試薬は、研究、実験、分析などを目的として使われる試薬です。

一方、体外診断用医薬品は、人体由来検体を用いて疾病や健康状態に関する検査・判定を行う目的で使用されるものです。

海外で「Research Use Only」「RUO」「laboratory reagent」と表示されていても、日本で診断目的、検査目的、健康状態の判定目的で販売・広告する場合には、研究用として扱えるとは限りません。

特に、ECサイトやパンフレットで「自宅で簡単に検査できる」「感染の有無が分かる」「健康状態をチェックできる」「病気のリスクを判定できる」といった表現を使う場合は、薬機法上の確認が必要になります。

一般用検査薬・医療機関向け検査薬との違い

体外診断用医薬品には、一般消費者が使用する検査薬と、医療機関や検査機関で使用される検査薬があります。

一般消費者向けの商品では、使用者が医療従事者でないため、使用方法、判定方法、表示、説明書、広告表現、安全性、誤判定時の注意表示が重要になります。

医療機関や検査機関向けの商品では、専門的な検査環境、測定装置、検査手順、品質管理、検査項目、使用目的が確認されます。

輸入者は、販売先が医療機関向けか、検査機関向けか、薬局向けか、一般消費者向けかを明確にする必要があります。

販売先や使用者を曖昧にしたまま輸入手配を進めると、必要な手続や表示内容の確認が後手に回ることがあります。

他制度・類似品との比較

区分 主な意味 体外診断用医薬品との違い 確認すべき資料 実務上の注意点
体外診断用医薬品 人体由来検体を用いて疾病の診断や健康状態の評価に使う検査薬・診断薬です。 人の身体に直接使用しないが、診断目的の医薬品として扱われます。 使用目的、対象検体、検査項目、承認・認証・届出資料 商品名ではなく国内での使用目的・販売方法を確認します。
医療機器 疾病の診断、治療、予防などを目的とする機械器具等です。 測定器本体や装置、プログラムが医療機器に該当する場合があります。 装置仕様書、ソフトウェア資料、使用目的、医療機器分類 装置と試薬をセットで輸入する場合は両方を確認します。
研究用試薬 研究、実験、分析を目的とする試薬です。 診断・判定・健康状態評価を目的に販売する場合は研究用とは限りません。 RUO表示、販売先、広告、使用説明書、国内用途 海外のResearch Use Only表示だけで判断しないようにします。
一般用検査薬 一般消費者が使用する検査薬です。 自己検査で使われるため、表示・説明・誤判定リスクが重要になります。 添付文書、使用説明書、広告、販売先情報 一般向けに販売できるか、広告表現が適切かを確認します。
医療機関向け検査薬 医療機関や検査機関で使用される検査薬です。 専門的な検査環境や診療補助の用途が前提になります。 販売先、使用環境、添付文書、承認等資料 一般消費者向け販売に転用しないよう注意します。
雑品・一般試薬 診断や疾病判定を目的としない一般的な試薬・用品です。 人体由来検体を使わず、診断・判定をうたわない場合は別整理になることがあります。 用途説明、販売資料、広告、対象者 広告で疾病名や診断表現を使うと規制対象になる可能性があります。
健康食品・ヘルスケア商品 健康維持や栄養補給を目的とする商品です。 検査・診断を行うキットとは制度目的が異なります。 商品説明、広告、効能効果表現、販売方法 検査結果に基づく疾病リスク判定をうたう場合は別途確認が必要です。

コンパニオン診断薬との関係

コンパニオン診断薬とは、特定の医薬品の適応判断、投与可否、効果予測、副作用リスク評価などに関係する検査に用いられる体外診断用医薬品です。

通常の検査試薬よりも、対象疾患、対象医薬品、検査目的、判定結果の使われ方が重要になります。

輸入実務では、単なる検査試薬として扱うのではなく、医薬品の使用判断と結びつく検査であるかを確認する必要があります。

このような商品では、承認内容、使用目的、対象患者、添付文書、医療機関での使用条件などが問題になりやすく、輸入者側で専門的な薬事確認が必要です。

適用要件・対象外となるもの

区分 適用・対象外の考え方 確認すべき資料 注意点
体外診断用医薬品に該当しやすいもの 人体由来検体を用いて、疾病の診断、検査、判定、健康状態評価を目的とするものです。 使用目的、対象検体、検査項目、表示、広告 商品名ではなく、日本国内での使用目的で確認します。
研究用として整理される可能性があるもの 研究、実験、分析のみに使い、診断・判定・健康評価をうたわないものです。 RUO表示、販売先、研究計画、販売資料 国内販売ページで診断用途をうたうと問題になります。
医療機器として確認が必要なもの 測定器、検査装置、判定装置、ソフトウェアなどです。 装置仕様、ソフトウェア機能、使用目的、判定機能 試薬と装置を別々に分類確認します。
一般消費者向け販売 一般用として販売できるか、表示・説明・広告が適切かを確認します。 使用説明書、広告、添付文書、販売先情報 海外で一般販売されていることは、日本での販売可否を意味しません。
医療機関・検査機関向け販売 専門的な検査環境や医療現場での使用を前提に確認します。 販売先、使用施設、検査手順、品質管理資料 一般消費者向けに転用しないよう確認します。
対象外と判断しにくいもの self check、rapid test、wellness testなど、健康状態の判定をうたう商品です。 広告、ECページ、商品パッケージ、販売先 疾病名を出していなくても、診断・判定に近い表現は確認が必要です。
輸入後に国内作業を行うもの ラベル貼付、小分け、包装、添付文書封入、保管などを国内で行う場合です。 作業内容、保管場所、表示内容、業許可・登録資料 物流作業に見えても、薬機法上の製造行為に関係する場合があります。

輸入販売における主な手続

体外診断用医薬品を営業目的で輸入販売する場合、製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者に関する登録、品目ごとの承認・認証・届出などが関係することがあります。

必要な手続は、検査項目、使用目的、リスク分類、一般的名称、販売先、国内での保管・表示・包装作業の有無などによって変わります。

輸入者は、単に海外メーカーから商品を買えば販売できるわけではありません。日本国内で誰が製造販売業者となるのか、どこで保管・表示・包装を行うのか、海外製造元の登録が必要か、品目ごとの手続が完了しているかを確認する必要があります。

確認項目 主な内容 止まりやすい原因
薬機法上の分類 体外診断用医薬品、医療機器、研究用試薬、雑品のいずれに該当するか 海外の商品名だけで判断し、国内での使用目的を確認していない
販売目的 研究用、医療機関向け、検査機関向け、一般消費者向けのいずれか 研究用として輸入しながら、販売ページで診断・判定をうたっている
業許可・登録 製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録の要否 輸入者が販売者にすぎず、製造販売業者の体制がない
品目手続 承認、認証、届出など品目ごとの手続の要否 海外で販売済みであることを理由に、日本の手続を省略できると誤解している
表示・添付文書 使用目的、検査項目、使用方法、判定方法、注意事項の表示 日本語表示や承認・認証・届出範囲との整合性が確認されていない
広告・販売ページ 診断、判定、疾病名、健康状態の評価に関する表現 ECサイトやSNSで薬機法上問題になり得る効能効果表現を使っている

制度適用フロー

  1. 商品の品名だけで判断せず、使用目的、対象検体、検査項目、販売先を確認します。
  2. 人体由来検体を使用する商品かを確認します。
  3. 診断、検査、判定、健康状態の評価を目的としているかを確認します。
  4. 研究用、医療機関向け、検査機関向け、一般消費者向けのどれに該当するかを整理します。
  5. 体外診断用医薬品、医療機器、研究用試薬、雑品などの薬機法上の分類を確認します。
  6. 体外診断用医薬品に該当する可能性がある場合、製造販売業者、製造業者、外国製造業者の体制を確認します。
  7. 品目ごとの承認、認証、届出の要否を確認します。
  8. 日本語表示、添付文書、使用方法、判定方法、注意事項を確認します。
  9. ECサイト、パンフレット、SNS、動画広告などの広告表現を確認します。
  10. 通関前に、輸入者、通関業者、薬事担当者、必要に応じて専門家へ確認します。
  11. 輸入後の保管、ラベル貼付、小分け、包装、販売開始までの作業内容を確認します。

輸入実務の流れ

段階 主な確認事項 止まりやすい原因
仕入前 使用目的、検査項目、対象検体、販売先、表示内容を確認 海外メーカーの商品説明だけで研究用・雑品と判断してしまう
輸入手配前 薬機法上の分類、承認・認証・届出、業許可、製造元情報を確認 輸入者が薬事確認を終えていないまま貨物を出荷してしまう
通関申告時 品名、用途、販売目的、規制該当性、必要書類を整理 インボイスに「test kit」「diagnostic reagent」とだけ記載され、用途が不明確
税関・通関業者確認 人体由来検体を使うか、診断・判定目的か、薬機法手続済みかを確認 研究用と説明しているが、販売資料では診断用途をうたっている
国内保管・表示 保管条件、日本語表示、添付文書、包装作業、製造業登録の要否を確認 国内でラベル貼付や小分けを行うのに登録・管理体制を確認していない
販売開始前 広告表現、ECサイト、パンフレット、SNS投稿が承認等の範囲内か確認 輸入後に販売ページで診断・疾病名・判定効果を過剰に表示してしまう

輸入実務で問題になりやすい場面

体外診断用医薬品は、貨物名だけでは判断しにくいことがあります。

特に、研究用試薬、検査キット、セルフチェック用品、簡易判定キット、分析用試薬などは、用途や表示によって薬機法上の扱いが変わる可能性があります。

ケース 何が問題になるか 確認すべき資料 実務上の対応
研究用試薬として輸入するが、実際には診断目的で販売する 研究用と診断用途の境界が問題になります。 RUO表示、販売ページ、広告文、販売先資料 国内での実際の使用目的と広告表現を確認します。
海外の一般消費者向け検査キットを輸入する 海外で一般販売されていても、日本で一般販売できるとは限りません。 商品説明、添付文書、販売先、承認等資料 一般用としての可否と必要手続を確認します。
感染症、妊娠、排卵、血糖などの判定をうたう 疾病・身体状態の判定に関係するため薬機法上の確認が必要です。 広告文、パッケージ、使用説明書、検査項目資料 承認・認証・届出範囲と表示内容の整合を確認します。
医療機関、検査機関、薬局向けに販売する 販売先や使用者により必要な表示・手続が変わります。 販売先資料、使用環境、添付文書、取扱説明書 一般向けと医療機関向けを混同しないようにします。
検査結果を疾病判断や健康状態評価に使う 単なる分析用品ではなく診断・判定用途と見られる可能性があります。 検査結果の説明資料、広告、販売ページ 用途表現を薬事担当者に確認します。
検査装置と専用試薬をセットで輸入する 医療機器と体外診断用医薬品の両方が関係することがあります。 装置仕様書、試薬資料、ソフトウェア資料 構成品ごとに分類と手続を確認します。
ECサイトやSNSで診断・判定に関する広告を行う 承認等の範囲を超える効能効果表現が問題になる可能性があります。 LP、広告文、SNS投稿、動画、パンフレット 販売開始前に広告表現を確認します。
国内でラベル貼付や小分けを行う 製造業登録や品質管理体制が問題になることがあります。 作業内容、保管場所、ラベル、包装仕様 物流作業と薬機法上の製造行為を区別して確認します。

表示・広告上の注意点

体外診断用医薬品では、検査できる項目、使用目的、対象者、判定方法、使用上の注意、判定結果の解釈などの表示が重要です。

承認、認証、届出の範囲を超えた効能効果や用途を表示すると、薬機法上の問題になる可能性があります。

商品ラベル、添付文書、ECサイト、パンフレット、広告文、SNS投稿、動画広告などで、診断、判定、疾病名、健康状態の評価に関する表現が適切かを確認する必要があります。

特に、「病気が分かる」「感染しているか判定できる」「自宅で診断できる」「医師に行く前に判断できる」といった表現は、薬機法上の該当性や承認範囲との関係を慎重に確認する必要があります。

フォワーダー・通関実務での確認ポイント

フォワーダーや通関関係者は、貨物名が「test kit」「diagnostic reagent」「laboratory reagent」「rapid test」「self check kit」などとなっている場合、体外診断用医薬品に該当する可能性を確認することが重要です。

フォワーダーは薬機法該当性を最終判断する立場ではありません。

しかし、貨物名、商品説明、販売資料、用途説明から薬機法上の確認が必要と考えられる場合には、輸入者へ確認を促し、通関業者へ早めに情報共有する必要があります。

通関時に確認が入った場合には、フォワーダーは輸入者から用途説明、商品資料、販売資料、薬事確認結果、承認・認証・届出に関する資料を回収し、通関業者へ連携します。

フォワーダーが「研究用だから問題ありません」「医薬品ではありません」と断定することは避けるべきです。

4列判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
仕入検討時 輸入者、海外メーカー 使用目的、対象検体、検査項目、診断・判定目的の有無 用途が不明確な場合は薬事確認前に出荷しないようにします。
商品資料確認時 輸入者、薬事担当者 カタログ、添付文書、説明書、RUO表示、広告表現 診断・疾病名・健康評価表現があれば薬機法確認を行います。
輸入手配前 輸入者、通関業者、薬事担当者 薬機法分類、承認・認証・届出、業許可、登録 必要手続が不明な場合は、輸入を進める前に確認します。
通関確認時 通関業者、輸入者 品名、用途、販売目的、対象検体、販売先 用途説明、商品資料、薬事確認資料を提出できるようにします。
研究用として説明する時 輸入者、通関業者 研究目的、販売先、診断用途なし、広告内容との整合 販売ページで診断用途をうたっていないか確認します。
装置と試薬を同時輸入する時 輸入者、海外メーカー、薬事担当者 測定器本体、試薬、カートリッジ、ソフトウェアの分類 一式で判断せず、構成品ごとに分類を確認します。
国内販売開始前 輸入者、広告担当、薬事担当者 ECサイト、LP、SNS、パンフレット、添付文書、表示 承認等の範囲を超える広告表現を修正します。
通関・販売が止まった時 輸入者、通関業者、薬事担当者 不足資料、規制該当性、必要手続、保管料、納期影響 原因を整理し、追加資料提出または販売計画見直しを行います。

必要となる資料

資料 確認する内容 実務上の目的
商品カタログ 商品概要、使用目的、対象者、販売先 薬機法上の分類確認に使います。
取扱説明書・添付文書 使用方法、判定方法、注意事項、検査項目 承認等の範囲や表示内容を確認します。
検査項目の説明資料 何を測定し、何を判定する商品か 診断・健康状態評価との関係を確認します。
対象検体の説明資料 血液、尿、唾液、組織、分泌物などの使用有無 体外診断用医薬品該当性の判断材料になります。
販売先・使用者の説明資料 医療機関、検査機関、薬局、一般消費者、研究機関の区分 必要手続や表示内容を確認します。
承認・認証・届出に関する資料 品目ごとの薬機法手続の有無 輸入販売可否を確認します。
製造販売業許可・製造業登録資料 国内で誰が製造販売業者・製造業者となるか 輸入販売体制を確認します。
外国製造業者登録資料 海外製造元の登録・情報 海外メーカーからの輸入手続確認に使います。
販売ページ・広告資料 診断、疾病名、判定、健康状態評価の表現 広告表現の適否を確認します。
インボイス・パッキングリスト 品名、数量、用途記載、輸入者情報 通関時の説明資料と整合させます。

実務シナリオ1:研究用試薬として輸入したが販売ページで診断用途をうたうケース

輸入者が海外メーカーから「Research Use Only」と表示された検査用試薬を輸入するケースがあります。

輸入時には研究用試薬として説明していたものの、国内販売ページでは「自宅で簡単に健康チェック」「病気のリスクを確認できる」と表示して販売しようとします。

この場合、輸入時の商品説明と国内販売時の表示が一致せず、薬機法上の体外診断用医薬品該当性や広告表現が問題になる可能性があります。

輸入者は、研究用としての使用範囲、販売先、表示内容、診断目的の有無を整理し、必要に応じて薬事確認を行う必要があります。

実務シナリオ2:海外の一般消費者向け検査キットをそのまま輸入販売するケース

海外では一般消費者向けに販売されている検査キットを、日本国内でも同じように販売しようとするケースがあります。

しかし、海外で一般販売されていることと、日本で一般消費者向けに販売できることは同じではありません。

日本での販売にあたっては、検査項目、使用目的、対象者、判定方法、一般用としての可否、承認・認証・届出、表示・広告内容を確認する必要があります。

この確認をせずに輸入すると、通関時、国内販売開始時、広告審査、薬事監視の段階で問題になる可能性があります。

実務シナリオ3:検査装置と専用試薬をセットで輸入するケース

輸入者が海外メーカーから小型検査装置と専用カートリッジ、測定試薬をセットで輸入するケースがあります。

この場合、装置本体が医療機器に該当する可能性があり、専用試薬やカートリッジが体外診断用医薬品に該当する可能性があります。

さらに、判定ソフトウェアやアプリが含まれる場合には、プログラム医療機器や医療機器ソフトウェアとの関係も確認が必要になることがあります。

輸入者は、装置、試薬、ソフトウェアをまとめて一つの商品として見るのではなく、それぞれの薬機法上の分類と必要手続を確認する必要があります。

実務シナリオ4:フォワーダーに研究用だから問題ないと説明してほしいと依頼されるケース

通関時に「diagnostic reagent」や「test kit」と記載された貨物について確認が入り、荷主からフォワーダーに対して「研究用だから問題ないと説明してほしい」と依頼されることがあります。

しかし、フォワーダーは薬機法上の該当性を判断する立場ではありません。

この場合、フォワーダーは、輸入者から用途説明、商品カタログ、販売先、販売ページ、薬事確認結果、承認・認証・届出に関する資料を回収し、通関業者へ連携します。

フォワーダーが独自に「体外診断用医薬品ではありません」「研究用なので規制対象外です」と断定することは避けるべきです。

通関・販売が止まった場合の影響

体外診断用医薬品に該当する可能性がある貨物で確認が入ると、通関遅延、保管料、納期遅延、販売開始日の延期、医療機関・検査機関への納品遅延などが発生することがあります。

必要な承認、認証、届出、業許可、登録が確認できない場合には、輸入後の販売ができない可能性もあります。

また、販売ページや広告表現が薬機法上問題になる場合、商品が通関できた後でも、国内販売や広告の段階で指摘を受ける可能性があります。

輸入者は、通関だけでなく、輸入後の保管、表示、広告、販売先、使用目的まで含めて事前に確認する必要があります。

よくある誤解

誤解 正しい理解 実務上の注意点
海外でResearch Use Onlyなら日本でも研究用として自由に売れる 日本で診断・判定・健康状態評価をうたう場合は、研究用として扱えるとは限りません。 国内販売ページと広告表現を確認します。
人の体に直接使わないので薬機法は関係ない 体外で使う試薬でも、疾病診断目的であれば体外診断用医薬品に該当する可能性があります。 対象検体と使用目的を確認します。
海外で一般消費者向けに販売されていれば日本でも販売できる 海外での販売可否と日本での薬機法上の販売可否は別です。 日本での承認・認証・届出や表示条件を確認します。
test kitと書いてあるだけなら雑品である test kit、diagnostic reagentなどの品名は、体外診断用医薬品該当性を疑う入口になります。 用途、検体、検査項目、販売先を確認します。
フォワーダーが研究用と説明すれば通関できる フォワーダーは薬機法上の判断者ではなく、輸入者の説明資料が必要です。 用途説明、商品資料、薬事確認資料を輸入者から回収します。
装置と試薬はセット商品なので一括で判断できる 測定器本体、専用試薬、カートリッジ、ソフトウェアは別々に分類確認が必要な場合があります。 構成品ごとに医療機器・体外診断用医薬品の確認を行います。
輸入できれば国内販売も問題ない 通関と国内販売は別であり、表示、広告、販売先、保管、業許可が問題になることがあります。 販売開始前に広告と表示を確認します。
疾病名を出さなければ薬機法上問題ない 疾病名がなくても、健康状態の判定や受診判断をうたう表現は確認が必要です。 「リスク判定」「セルフチェック」などの表現も確認します。

実務上の注意点

体外診断用医薬品は、検査薬や検査キットとして輸入されることが多く、研究用、一般用、医療用の区別を誤ると、通関や国内販売で問題になりやすい分野です。

輸入者は、用途、表示、販売先、検査項目、対象検体、承認・認証・届出、業許可・登録の有無を事前に確認する必要があります。

フォワーダーは薬機法上の判断者ではありませんが、貨物名や商品説明から体外診断用医薬品に該当する可能性がある場合には、輸入者へ確認を促し、通関業者へ早めに情報共有することが重要です。

特に、研究用試薬、簡易検査キット、感染症検査、妊娠・排卵検査、血糖・尿検査、医療機関向け診断用試薬では、輸入前の薬事確認が重要になります。

まとめ

体外診断用医薬品は、人体由来の検体を用いて、疾病や健康状態に関する検査・測定・判定を行うための薬機法上の規制対象品です。

海外で研究用、検査用、簡易キットとして販売されていても、日本で診断・検査・判定目的で使用または販売する場合には、体外診断用医薬品に該当する可能性があります。

輸入販売では、薬機法上の分類、製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、品目ごとの承認・認証・届出、表示・広告内容を確認する必要があります。

フォワーダーは薬機法上の判断者ではありませんが、test kit、diagnostic reagent、laboratory reagentなどの貨物名を見た場合には、輸入者への確認と通関業者への情報共有を行う立場です。

体外診断用医薬品は、研究用・一般用・医療用の区別、検査目的、表示・広告、販売先、必要手続が通関と国内販売に直結する分野であり、輸入前の薬事確認が最重要の予防策です。

同義語・別表記

  • 体外診断薬
  • 検査薬
  • 診断薬
  • 診断用試薬
  • 検査キット
  • 判定キット
  • IVD
  • In Vitro Diagnostics
  • In Vitro Diagnostic Products
  • Diagnostic Reagent
  • Test Kit
  • Rapid Test
  • Self Check Kit
  • Research Use Only
  • RUO

関連用語

  • 薬機法とは
  • 医薬品
  • 医療機器
  • 医療機器製造販売業許可
  • 医薬品製造販売業許可
  • 製造業登録
  • 外国製造業者登録
  • 医薬品的な効能効果
  • 健康食品と薬機法
  • 研究用試薬
  • コンパニオン診断薬
  • 一般用検査薬
  • 医療機関向け検査薬
  • PMDA
  • 厚生労働省
  • 通関確認
  • 輸入販売規制
  • 広告表示
  • 添付文書
  • 承認
  • 認証
  • 届出