LCL貨物不明と確認費用

LCL貨物不明とは

LCL貨物不明とは、輸入混載貨物がCFSに到着しているはずであるにもかかわらず、貨物の所在、個数、マーク、荷姿などがすぐに確認できない状態をいいます。

LCL貨物は、複数荷主の貨物を一つのコンテナに混載して輸送します。日本到着後、CFSでコンテナを開け、貨物を荷主別、B/L別、納品先別に仕分けます。この段階で、書類上の貨物と実際の貨物が一致しない場合、貨物不明として確認作業が必要になることがあります。

貨物不明は、単に「貨物がない」という意味だけではありません。CFS内にはあるが対象貨物として特定できない、別貨物と混在している、マークが一致しない、個数が足りない、別の場所に誤って仕分けられている可能性がある、といった状態も含まれます。

LCL貨物不明では、貨物そのものの所在確認だけでなく、確認作業費用、CFS保管料、納品予約変更費用、配送再手配費用、貨物事故対応費用が問題になることがあります。

この記事で扱う範囲

本記事では、輸入LCL貨物がCFSで確認できない、特定できない、個数が合わない、マークが一致しない場合に、どのように確認作業を進め、発生費用を整理するかを扱います。

本記事の中心は、貨物が一時的に見つからない場合の確認実務です。特に、仕分け未了として待つべき段階と、正式に貨物不明としてNVOCC、CFS、海外側、荷主、保険会社への確認を進める段階を分けて整理します。

また、貨物不明に伴って発生する確認費用、CFS保管料、配送再手配費用、納品遅延費用、貨物事故としての確認費用を分けて整理します。

仕分け遅れとの関係

LCL貨物不明は、LCL貨物の仕分け遅れと近い関係にあります。

仕分け遅れは、貨物がCFS内に存在していることは確認できるものの、荷主別、B/L別、納品先別の分類や照合がまだ終わっていない状態です。

一方、貨物不明は、対象貨物の所在や存在自体が確認できない、または対象貨物として特定できない状態です。

区分 状態 実務上の扱い 主な確認作業
仕分け遅れ 貨物はCFS内にあると考えられるが、分類や照合が未了。 CFS作業状況を確認し、搬出可能予定を待つ。 仕分け状況、デバン日、マーク、個数、搬出可能予定の確認。
仕分け未了に近い貨物不明 対象貨物らしきものはあるが、マークや個数が一致せず特定できない。 写真、荷姿、マーク、海外側資料を照合する。 CFS写真、パッキングリスト、出荷写真、海外倉庫記録の確認。
正式な貨物不明 CFS内再確認をしても対象貨物の所在や存在が確認できない。 貨物不明として、関係先への正式確認や事故対応を進める。 CFS内再確認、デバン記録、入出庫記録、NVOCC・海外側照会。
数量不足・紛失の可能性 一部貨物が最終的に見つからない、または個数不足が解消しない。 貨物事故、数量不足、未積み、誤積み、誤仕分けとして整理する。 Claim通知、貨物保険確認、CFS・NVOCC・配送会社への確認。

貨物不明の記事では、仕分け遅れとして待つ段階を過ぎた後、どのように正式確認へ進めるかが重要になります。

仕分け遅れから貨物不明へ切り替える判断基準

貨物がすぐに見つからない場合でも、最初から貨物不明として扱うとは限りません。CFS内で仕分け中であり、対象貨物を特定できる見込みがある場合は、まず仕分け未了または確認中として扱います。

しかし、一定の確認を行っても対象貨物が特定できない場合は、貨物不明として正式な確認手続へ進める必要があります。

判断材料 仕分け遅れとして扱う段階 貨物不明として扱う段階
CFS作業状況 デバンニング後の仕分け作業中で、対象貨物の確認予定がある。 仕分け完了後も対象貨物が確認できない。
対象貨物らしき貨物の有無 マークや荷姿が近い貨物があり、照合で特定できる可能性がある。 対象貨物らしき貨物がCFS内で確認できない。
マーク情報 マークの一部、略称、ラベル、梱包番号から推定できる余地がある。 マーク情報と現物が結びつかず、他情報でも特定できない。
個数情報 個数差があっても、パレット内数や梱包単位の確認で説明できる可能性がある。 デバン記録やCFS入庫記録と照合しても不足が残る。
海外側資料 出荷写真、倉庫出庫記録、梱包明細で特定できる可能性がある。 海外側資料を確認しても、対象貨物の積込や所在が確認できない。
搬出予定 確認完了後に搬出予定を再設定できる。 搬出予定を立てられず、納品予約や配送手配を維持できない。

この判断を早めに行わないと、CFS保管料、納品予約変更、配送再手配、貨物事故対応が遅れます。仕分け遅れとして待つのか、貨物不明として正式確認へ進めるのかを、時系列で判断することが重要です。

LCLで貨物不明が起きやすい理由

LCL貨物では、一つのコンテナに複数の荷主の貨物が混載されています。

そのため、FCLのようにコンテナ単位で貨物を把握するのではなく、CFSで個別貨物として識別する必要があります。B/L番号、貨物マーク、個数、荷姿、重量、容積、送り先などを照合しながら、対象貨物を特定します。

この照合作業の中で、書類記載と現物が合わない場合、貨物の確認に時間がかかります。特に、似たようなカートン、同じようなマーク、パレット内混載、分割貨物がある場合は、貨物不明が起きやすくなります。

原因 貨物不明につながる理由 確認すべきこと
マーク相違 書類上のマークと現物マークが一致せず、対象貨物を特定できない。 B/L、インボイス、パッキングリスト、現物写真、海外出荷写真。
個数相違 書類上の個数とCFSで確認された個数が合わない。 外装単位、内数、パレット数、カートン数、分割貨物の有無。
書類記載ミス B/L、パッキングリスト、Invoiceの情報が現物と一致しない。 海外側作成書類、訂正書類、出荷指示、梱包明細。
CFS内の誤仕分け 別B/L貨物や別納品先貨物として仕分けられている可能性がある。 CFS内再確認、入出庫記録、仮置き場所、デバン写真。
海外側の誤積み・未積み 本来のコンテナに積まれていない、または別コンテナへ積まれている可能性がある。 海外倉庫出庫記録、積込記録、コンテナ番号、混載明細。
誤配送・誤搬出 対象貨物が別の納品先や別倉庫へ出ている可能性がある。 CFS搬出記録、配送伝票、受領記録、他貨物との照合。

確認作業の優先順位

LCL貨物不明が発生した場合は、思いつく順に確認するのではなく、優先順位を決めて進めます。

手順 確認すること 目的
1. 仕分け未了か確認する CFSのデバン状況、仕分け状況、搬出可能予定を確認する。 単なる仕分け遅れなのか、貨物不明として扱うべきかを分けるため。
2. 書類情報を確認する B/L、インボイス、パッキングリスト、Arrival Noticeのマーク、個数、荷姿を確認する。 書類上の対象貨物を特定するため。
3. CFS記録を確認する CFS入庫記録、デバンニング記録、仮置き場所、仕分け記録を確認する。 貨物がCFS内に入ったか、どこで止まっているかを確認するため。
4. 現物写真を確認する マーク、荷姿、ラベル、梱包番号、外装状態を確認する。 書類情報と現物を照合するため。
5. 海外側へ照会する 出荷写真、倉庫出庫記録、梱包明細、積込記録を確認する。 書類と現物が一致しない理由を確認するため。
6. 誤仕分け・誤搬出を確認する 別B/L、別納品先、別倉庫、別コンテナとの混在可能性を確認する。 貨物が別扱いされていないかを確認するため。
7. 貨物事故として扱うか判断する 最終的に見つからない場合、数量不足、未積み、紛失、誤配送の可能性を確認する。 NVOCC通知、貨物保険確認、Claim対応へ進めるため。

確認の順番を誤ると、CFS保管料や納品予約変更費用が増えるだけでなく、貨物事故としての通知や保険確認も遅れます。

発見段階別の確認方法

貨物不明は、どの段階で発見されたかによって確認先と確認資料が変わります。

発見段階 典型的な状態 主な確認資料 確認先
CFSデバン直後 混載貨物の中から対象貨物がすぐに見つからない。 デバン記録、CFS写真、マーク、仮置き記録。 CFS、NVOCC、フォワーダー。
仕分け中 貨物らしきものはあるが、B/Lやマークと一致しない。 B/L、パッキングリスト、現物写真、海外出荷写真。 CFS、フォワーダー、荷主、海外代理店。
CFS搬出予定時 搬出予定の貨物がCFSで特定できない。 搬出指示、CFS搬出記録、入庫記録、仕分け記録。 CFS、NVOCC、フォワーダー、配送会社。
納品前の配送手配時 配送手配済みだが、貨物が搬出可能にならない。 配送依頼、納品予約記録、CFS確認記録。 フォワーダー、CFS、配送会社、荷主。
納品先で不足判明 CFSでは搬出済みだが、納品先で一部不足が分かる。 納品書、受領書、配送伝票、開梱記録、写真。 配送会社、フォワーダー、CFS、荷主、必要に応じて保険会社。

マーク相違による貨物不明

LCL貨物不明で多いのが、貨物マークの相違です。

書類上のマークと実際の貨物に表示されているマークが異なる場合、CFS側で対象貨物をすぐに特定できないことがあります。

例えば、書類には英数字のマークが記載されているが、現物には別の略称が貼られている場合、マークが一部しか表示されていない場合、海外側で貼付したラベルが剥がれている場合、外装が汚れて読めない場合などです。

確認項目 確認する理由
書類上のマーク B/L、インボイス、パッキングリストの記載を確認するため。
現物マーク CFSで確認された貨物のラベルや表示を確認するため。
荷姿・梱包形状 マークが違っても、貨物の形状や梱包で特定できる場合があるため。
海外出荷写真 出荷時点のマークや外装を確認するため。
荷主確認 現物写真を荷主へ確認し、対象貨物か判断するため。

個数不足との関係

貨物不明は、個数不足として現れることがあります。

書類上は10カートンと記載されているのに、CFSで9カートンしか確認できない場合、1カートンが不明という扱いになります。

ただし、実際にはパレット単位で搬入されており、内数の確認がまだできていない場合や、書類上の単位と現物の単位が異なる場合もあります。

状態 確認の方向性 費用整理上の注意点
書類上の個数と現物個数が違う パレット数、カートン数、内数、梱包単位を確認する。 実際の不足か、単位違いかを分ける。
一部貨物が見つからない CFS内再確認、他貨物との混在、誤仕分けを確認する。 確認費用やCFS保管料の発生原因を整理する。
納品先で不足が判明した CFS搬出記録、配送記録、受領記録、開梱記録を確認する。 CFS段階の不足か、配送中の問題か、納品後判明かを分ける。
最終的に不足が解消しない NVOCC、CFS、海外側、貨物保険への確認を進める。 貨物事故または数量不足として整理する。

確認費用とは

確認費用とは、貨物不明や個数相違、マーク相違などが発生した場合に、貨物の所在や状態を確認するために発生する費用です。

具体的には、CFS内での再確認作業、貨物捜索、写真撮影、入出庫記録確認、現認対応、再仕分け、追加検品、関係先への照会などに関係する費用が考えられます。

確認作業 通常作業に含まれやすいか 追加費用になりやすい場合
CFS内の通常確認 通常のCFS取扱範囲に含まれることがある。 複数回の再確認、広範囲な捜索、作業時間の追加が必要な場合。
写真撮影 簡易確認で対応される場合がある。 複数貨物の撮影、状態確認、事故資料としての撮影が必要な場合。
再仕分け 通常仕分けの延長で済む場合がある。 誤仕分け、混在、マーク不一致により追加作業が必要な場合。
記録確認 通常確認で済むことがある。 デバン記録、入出庫記録、別B/L貨物との照合が必要な場合。
追加検品・現認 通常作業には含まれにくい。 数量不足、破損、誤搬出、事故確認のために必要な場合。
海外側照会 通常作業とは別に扱われることがある。 出荷写真、倉庫出庫記録、積込記録の確認が必要な場合。

確認費用を整理する際は、通常のCFS取扱範囲なのか、通常作業を超える追加確認なのかを分けることが重要です。

CFS保管料・納品遅延費用との関係

貨物不明の確認に時間がかかると、CFSからの搬出が遅れ、CFS保管料が発生することがあります。

また、すでに納品予約や配送車両を手配していた場合、予約変更、配送再手配、キャンセル料、待機料、再配達費用が発生することがあります。

発生費用 発生する理由 原因別の整理
確認費用 貨物の所在、マーク、個数、荷姿を確認するため。 書類不備、マーク相違、CFS誤仕分け、海外側誤積みなど、確認が必要になった原因で整理する。
CFS保管料 確認中に貨物をCFSから搬出できないため。 貨物不明の原因が荷主側情報不足か、CFS側作業問題か、海外側問題かを確認する。
納品予約変更費用 貨物が搬出できず、納品予約を変更する必要があるため。 納品予約を取った時点で貨物確認が済んでいたかを確認する。
配送再手配費用 車両手配後に貨物が搬出できないことが判明したため。 誰がどの時点で搬出可能と判断したかを確認する。
貨物事故対応費用 最終的に不足、紛失、誤配送、未積みの可能性が出るため。 NVOCC通知、貨物保険確認、Claim対応として整理する。

貨物不明による費用は、確認費用だけではありません。確認が長引くことで、保管、配送、納品予約、保険確認に波及します。

貨物事故・NVOCC責任・貨物保険との関係

貨物不明が最終的に解消しない場合、数量不足、紛失、誤配送、未積みなどの貨物事故として扱う必要があります。

この場合、NVOCC、CFS、船会社、海外代理店、輸出者、国内配送会社のどの段階で貨物が失われたのか、または誤って扱われたのかを確認します。

ただし、NVOCCへ通知することと、貨物保険で補償を確認することは別の手続です。NVOCCや運送人に責任を問えるかどうかは、事故原因、発生区間、責任制限、通知時期、免責などによって変わります。

一方、貨物保険は、荷主側が貨物そのものの損害に備えて手配する保険です。保険で対象になるかどうかは、保険条件、事故原因、損害内容、証拠資料、免責事由によって変わります。

区分 主な意味 注意点
NVOCCへの通知 運送中またはCFS取扱中の貨物不明・不足を通知し、確認を求める手続。 通知が遅れると、発生区間や状態確認が難しくなる。
NVOCC責任 NVOCCが運送契約上の責任を負うかどうかの問題。 責任制限、免責、発生区間、証拠資料により判断が変わる。
NVOCCの賠償責任保険 NVOCC自身の賠償責任リスクに備える保険。 荷主の貨物損害を無条件に全額補償する保険ではない。
荷主側の貨物保険 荷主または売買当事者が貨物損害に備えて手配する保険。 対象可否は保険条件、事故原因、資料、免責によって変わる。
確認費用・周辺費用 確認作業、保管、再配送、検品、サーベイなどの費用。 貨物保険で確認できる場合もあるが、自動的にすべて対象になるわけではない。

貨物不明が事故に発展する可能性がある場合は、貨物保険に詳しい専門代理店や保険会社へ早めに確認することが重要です。貨物を移動、廃棄、再梱包する前に、写真、記録、通知履歴を残しておく必要があります。

よくある誤解

LCL貨物不明では、確認作業、責任、保険をめぐって誤解が生じやすくなります。

誤解 実務上の考え方 注意点
貨物が見つからないなら、すぐに紛失として請求できる。 まず仕分け未了、マーク相違、個数単位違い、CFS内誤仕分けを確認します。 貨物不明と確定する前に確認手順を踏む。
CFSで見つからないなら、必ずCFSの責任である。 書類不備、マーク相違、海外側誤積み、未積みなどが原因の場合もあります。 原因を確認せずに負担者を決めない。
確認費用はすべて通常のCFS Chargeに含まれる。 通常範囲の確認と、追加捜索・再仕分け・検品は分けて扱う必要があります。 通常作業を超えた理由を確認する。
NVOCCの保険で全額カバーされるはず。 NVOCCの保険は、NVOCCの賠償責任に備えるものであり、荷主の貨物損害を無条件に全額補償するものではありません。 荷主側の貨物保険を別途確認する。
貨物が後で見つかれば、追加費用は問題にならない。 見つかっても、確認費用、CFS保管料、納品予約変更、配送再手配が発生している場合があります。 貨物発見と費用整理は別に確認する。
納品遅延費用はすべて貨物不明の責任者に請求できる。 納品遅延費用は、予約時点、情報共有、回避可能性、見積条件によって整理が変わります。 遅延の直接原因と費用拡大の原因を分ける。

原因別の費用負担

LCL貨物不明に伴う費用負担は、貨物不明になった原因と、どの費用が発生したかで整理します。

原因 発生しやすい費用 負担整理の見方
仕分け未了・CFS混雑 確認費用、CFS保管料、納品予約変更費用。 CFS作業状況、通常範囲の遅れか、特定貨物だけの問題かを確認する。
マーク相違 写真撮影、現物確認、CFS再確認、搬出遅れ。 海外側書類、荷主指示、現物マークのどこに原因があるかを確認する。
書類記載ミス 確認費用、通関確認費用、CFS保管料。 荷主側、海外売主側、海外代理店側の情報不備として整理されやすい。
個数単位の不一致 検品費用、個数確認費用、CFS保管料。 不足なのか、パレット内数や梱包単位の違いなのかを確認する。
CFS内誤仕分け 捜索費用、再仕分け費用、搬出遅れ、配送再手配費用。 CFS内記録、仮置き場所、他貨物との混在を確認する。
海外側誤積み・未積み 確認費用、納品遅延費用、貨物事故対応費用。 海外出荷記録、倉庫出庫記録、積込記録を確認し、海外側と協議する。
最終的な紛失・数量不足 貨物損害、Claim対応費用、保険確認費用、周辺費用。 NVOCC通知、貨物保険確認、発生区間の特定を進める。
フォワーダーの連絡・確認遅れ 納品予約変更費用、配送再手配費用、保管料。 必要情報がいつ共有され、誰が対応を止めていたかを確認する。

具体的な時系列例

LCL貨物不明は、時系列で見ると、仕分け遅れとして扱う段階と、貨物不明として正式確認へ進める段階を整理しやすくなります。

例1:仕分け未了から対象貨物が発見されたケース

  • Day 0:本船が到着し、混載コンテナがCFSに搬入される。
  • Day 1:CFSでデバンニングを行うが、仕分け作業が未了で対象貨物がすぐに確認できない。
  • Day 2:フォワーダーがCFSへ貨物確認を依頼する。
  • Day 2:CFSから、対象貨物らしき貨物はあるが仕分け確認中との回答がある。
  • Day 3:マークと荷姿の照合が完了し、対象貨物と確認される。
  • Day 4:CFSから搬出し、納品先へ配送する。

このケースでは、最終的に貨物は確認されており、正式な貨物不明ではなく、仕分け未了に近い状態として整理できます。ただし、納品予約変更やCFS保管料が発生した場合は、確認に時間がかかった理由を整理します。

例2:マーク相違により貨物不明として確認費用が発生したケース

  • Day 0:LCL貨物がCFSに搬入される。
  • Day 1:CFSで仕分けを行うが、B/L記載のマークと一致する貨物が見つからない。
  • Day 1:CFSが似た荷姿の貨物写真をフォワーダーへ共有する。
  • Day 2:フォワーダーが荷主と海外側へマーク、梱包写真、出荷記録を照会する。
  • Day 3:海外側から、現物には略称マークを貼付していたとの回答がある。
  • Day 4:対象貨物が特定され、CFSから搬出可能になる。
  • Day 5:確認費用とCFS保管料の負担整理が問題になる。

このケースでは、貨物そのものはCFS内にありましたが、マーク相違により貨物不明として確認作業が必要になっています。費用負担を整理するには、なぜ書類マークと現物マークが違ったのか、誰が正しい情報を持っていたのかを確認します。

例3:最終的に数量不足として貨物事故確認へ進んだケース

  • Day 0:LCL貨物がCFSに搬入される。
  • Day 1:CFSでデバンニングを行うが、書類上10カートンのうち9カートンしか確認できない。
  • Day 2:CFS内を再確認するが、残り1カートンは見つからない。
  • Day 2:フォワーダーがNVOCCと海外代理店へ不足確認を依頼する。
  • Day 3:海外側の出荷記録では10カートン出庫済みだが、積込写真では9カートンしか確認できない。
  • Day 4:数量不足として、NVOCC通知と貨物保険確認を進める。
  • Day 5:不足分の貨物価額、確認費用、CFS保管料、納品遅延費用を分けて整理する。

このケースでは、貨物不明が最終的に数量不足または未積みの可能性へ進んでいます。貨物損害そのものと、確認費用、保管料、納品遅延費用を分けて整理する必要があります。

請求時に確認すべき資料

LCL貨物不明に伴う確認費用や追加費用を請求された場合は、費用名だけでなく、確認の経緯と根拠資料を確認します。

確認資料 確認する理由 確認不足で起きる問題
B/L 対象貨物、荷受人、マーク、個数、運送情報を確認するため。 どの貨物を探しているのか不明確になる。
インボイス・パッキングリスト 品名、個数、荷姿、マーク、梱包単位を確認するため。 個数不足か単位違いか判断できない。
CFS入庫記録 貨物がCFSに入ったかを確認するため。 未搬入、誤搬入、CFS内不明を分けられない。
デバンニング記録 コンテナから取り出された貨物の状態や個数を確認するため。 海外側未積みか、CFS内問題か判断しにくい。
現物写真 マーク、荷姿、ラベル、外装状態を確認するため。 対象貨物の特定が難しくなる。
CFS確認記録 誰が、いつ、何を確認したかを把握するため。 確認費用の妥当性を説明できない。
海外側出荷記録 出荷時に対象貨物が用意・積込されたか確認するため。 未積み、誤積み、別コンテナ積みの判断ができない。
納品予約・配送手配記録 貨物不明が納品遅延や再手配に影響したか確認するため。 配送関連費用との因果関係を確認できない。
貨物保険関連資料 貨物損害や周辺費用の保険確認に使うため。 保険確認や求償に必要な資料が不足する。

荷主側が注意すべき事項

荷主側では、輸入前に貨物マーク、個数、荷姿、パッキングリストの内容をできるだけ正確に確認しておくことが重要です。

  • B/L、インボイス、パッキングリストのマークを一致させる。
  • 現物に貼られているマークやラベルを確認する。
  • パレット数、カートン数、内数の関係を明確にする。
  • 分割出荷や同一マーク貨物がある場合は、識別情報を整理する。
  • 海外側の出荷写真や梱包明細を取得できるようにしておく。
  • 納期が厳しい場合は、LCLではCFS確認に時間がかかる可能性を見込む。
  • 貨物不明が発生した場合は、写真、書類、確認履歴を早めに共有する。
  • 最終的に不足や紛失の可能性がある場合は、貨物保険を早めに確認する。

フォワーダーが確認すべき事項

フォワーダーは、LCL貨物不明が発生した場合、まず仕分け未了なのか、貨物不明として扱うべき段階なのかを判断します。

  • CFS搬入日、デバンニング日、仕分け状況を確認する。
  • B/L番号、コンテナ番号、マーク、個数、荷姿を確認する。
  • CFSへの確認依頼内容、回答日時、確認者、未確認部分を記録する。
  • 現物写真を取得し、荷主や海外側へ照会する。
  • 海外側の出荷写真、梱包明細、倉庫出庫記録、積込情報を確認する。
  • 納品予約や配送手配への影響を早めに共有する。
  • 確認費用、CFS保管料、配送再手配費用を分けて記録する。
  • 貨物事故の可能性がある場合は、NVOCC通知と貨物保険確認を並行して進める。

貨物不明では、最終的に貨物が見つかる場合もあります。その場合でも、確認費用や保管料が発生していれば、なぜその確認が必要だったのかを説明できるよう、時系列の記録を残すことが重要です。

まとめ

LCL貨物不明とは、CFSで輸入混載貨物の所在、個数、マーク、荷姿などが確認できない状態です。

重要なのは、最初から紛失と決めつけるのではなく、仕分け未了、マーク相違、個数単位の違い、CFS内誤仕分け、海外側誤積み・未積みを順番に確認することです。

仕分け遅れとして待つ段階と、貨物不明として正式確認へ進める段階は分けて整理する必要があります。CFS内再確認や関係先照会をしても対象貨物が特定できない場合は、貨物不明としてNVOCC通知、海外側確認、貨物保険確認へ進みます。

貨物不明が発生すると、確認費用、CFS保管料、納品予約変更費用、配送再手配費用、貨物事故対応費用が発生することがあります。実務上は、貨物損害そのものと、確認・保管・再手配にかかった周辺費用を分けて整理することが基本です。

同義語・別表記

  • LCL貨物不明
  • 混載貨物不明
  • CFS貨物不明
  • 輸入LCL貨物確認
  • 貨物所在確認
  • LCL Missing Cargo
  • LCL Cargo Not Found
  • Cargo Tracing
  • Cargo Investigation Cost