直行混載と経由混載の違い

Difference Between Direct LCL and Transshipment LCL

直行混載と経由混載の違いとは

直行混載と経由混載の違いとは、LCL貨物を船積港側のCFSから最終仕向地側のCFSまで、原則として途中で別本船又は別の混載サービスへ積み替えずに輸送するのか、中継港で接続又は再混載して輸送するのかという違いです。

直行混載は、輸送経路、到着予定、貨物追跡及び事故区間を比較的整理しやすい特徴があります。経由混載は、直行サービスがない仕向地や貨物量の少ない地域にもLCLサービスを提供しやすい一方、中継港での接続、本船変更、情報連携及びArrival Notice発行に追加の確認が必要になります。

ただし、直行混載が常に速く、経由混載が常に遅いとは限りません。運航頻度、出港曜日、接続余裕、混雑状況、仕向地側CFSの作業日程及び輸入手続によって、実際の到着日や引取可能日は変わります。

また、直行混載は「途中港へ一切寄港しない輸送」を意味するものではありません。同じ本船又は同じ混載コンテナのまま途中港へ寄港しても、別本船や別サービスへの積替えがなければ、実務上は直行混載として扱われる場合があります。

本記事は、直行混載と経由混載の比較及び選定判断を中心に扱います。中継港での積替方法、再混載、接続本船の追跡及び事故区間の詳細な確認方法は、別記事「トランシップ混載」で扱います。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 他記事で扱う内容
直行混載の定義 途中で別本船又は別混載サービスへ接続しないLCL輸送の基本 個別航路の運航スケジュール
経由混載の定義 中継港で本船又は混載サービスへ接続するLCL輸送の基本 トランシップ混載の詳細な作業構造
直行・経由の比較 納期、追跡、費用、Arrival Notice及び事故対応の違い 各費用項目の詳細な料金計算
選定判断 貨物特性、納期及び総費用に応じた選定軸 個別案件における最終的な輸送契約判断
中継港 経由港及び接続本船を確認する必要性 積替え、デバン及び再混載の詳細
貨物追跡 直行と経由で必要となる追跡情報の違い トランシップ混載の区間別追跡手順
Arrival Notice 最終ETA及び輸入側CFS確定の遅れが与える影響 輸入混載のArrival Notice遅延
CFS引取り 到着変更が通関、搬出及び保管料へ与える影響 輸入混載のCFS引取り及びCFS保管料
Co-load 元請フォワーダーと実際の混載手配者が異なる場合の確認 Co-loadの契約構造及び責任関係
事故対応 積替工程の有無による事故区間確認の違い トランシップ混載及び混載貨物の事故通知先
フォワーダーの関与範囲 標準五分類を用いた説明・手配範囲の整理 各分類に適用される契約及び約款の詳細

直行混載とは

直行混載とは、船積港側のCFSで複数荷主の貨物を一つのコンテナへバンニングし、原則として途中で別本船又は別混載サービスへ接続せず、最終仕向地側のCFSまで輸送するLCLサービスです。

直行混載では、船積港側で仕立てた混載コンテナが、そのまま最終仕向港まで輸送される形が基本です。途中港へ寄港する場合でも、別本船への積替えや中継港での再混載を行わない場合があります。

積替工程が少ないため、次の点を整理しやすい傾向があります。

  • 予定本船及び最終ETA
  • コンテナ番号及び貨物所在
  • 輸入側代理店及びArrival Notice発行元
  • 輸入側CFS
  • 事故が疑われる輸送区間
  • 通関及び国内配送の予定

ただし、直行混載であっても、本船遅延、港湾混雑、抜港、輸入側CFSの混雑又は書類遅延が発生する可能性はあります。直行混載であることだけで到着日が保証されるわけではありません。

経由混載とは

経由混載とは、船積港から最終仕向港まで直接輸送せず、途中の中継港で別本船又は別の混載サービスへ接続して輸送するLCLサービスです。

実務上は、T/S混載、トランシップ混載又は積替混載と呼ばれることがあります。

経由混載には、主に次のような形があります。

経由方法 概要 貨物の取扱い 主な確認事項
コンテナ単位の本船積替え 混載コンテナを開封せず、別本船へ積み替える 貨物は同じコンテナ内に留まる 接続本船、積替港、コンテナ動静及び接続日
中継港での再混載 コンテナを開封し、仕向地別に別コンテナへ積み替える デバン、仕分け及び再バンニングが発生する 個数、ケースマーク、再混載記録及び次区間のコンテナ番号
別サービスへの接続 中継港で別NVOCC又は別混載サービスへ引き継ぐ 関係者及び書類経路が増える場合がある 接続先、代理店、B/L関係及びArrival Notice発行元
フィーダー接続 主要港から周辺港まで小型船又は地域航路へ接続する コンテナ単位又は貨物単位で接続される フィーダー本船、最終港ETA及び現地代理店

これらの具体的な接続構造、再混載の記録及び事故区間の確認方法は、別記事「トランシップ混載」で詳しく扱います。

直行混載と経由混載の基本比較

比較項目 直行混載 経由混載 実務上の判断ポイント
輸送経路 原則として別本船又は別混載サービスへの接続なし 中継港で別本船又は別サービスへ接続 途中寄港と積替えを区別します。
対応仕向地 直行サービスが設定された仕向地 直行サービスがない地域にも対応しやすい サービスの有無と出港頻度を確認します。
輸送日数 比較的短くなる場合が多い 接続待ちを含め長くなる場合がある 表示されたTransit Timeだけでなく余裕日数を確認します。
スケジュール変動 積替接続による変動が少ない 前区間の遅延が接続本船へ影響する 接続余裕と次便頻度が重要です。
貨物追跡 本船、コンテナ及びETAを比較的追いやすい 接続本船、積替港及び再混載情報が必要 House B/L番号だけで追跡できない場合があります。
Arrival Notice 最終本船及び輸入側代理店を確認しやすい 接続確定後まで最終ETA等が確定しない場合がある 到着案内を待つだけでなく接続状況を確認します。
事故区間 輸出CFS、海上区間、輸入CFSを中心に整理 中継港の積替え、保管及び再混載が加わる 経由港の記録を取得できるか確認します。
貨物への荷役 中継港で貨物単位の荷役がない場合が多い 再混載の場合は荷役回数が増える 壊れやすい貨物では再混載の有無が重要です。
海上運賃 航路によっては高くなる場合がある ハブ港集約により選択肢が増える場合がある 運賃だけでなく総費用を比較します。
適する貨物 納期、追跡性及び事故区間の単純化を重視する貨物 直行サービスのない仕向地又は納期に余裕のある貨物 貨物価値、納期及びリスク許容度で判断します。

直行混載は必ず早いとは限らない

直行混載は積替工程が少ないため、一般的には経由混載より輸送日数を短くしやすい傾向があります。

しかし、直行混載の出港頻度が低く、次回出港まで長期間待つ場合は、出港頻度の高い経由混載の方が最終仕向地へ早く到着することがあります。

比較要素 直行混載で確認する点 経由混載で確認する点 選定時の考え方
出港頻度 週何便又は月何便あるか 第一区間と接続区間の頻度 次回出港までの待ち日数を含めます。
表定輸送日数 船積港から仕向港までの予定日数 中継港での予定接続日数を含むか 表示日数の起算点と終点を確認します。
接続余裕 通常は積替接続なし 前本船到着から接続本船出港までの余裕 接続余裕が短いほど乗り遅れリスクが高くなります。
次便待ち 本船遅延後も同一本船で進む場合がある 接続に失敗すると次便待ちになる 次の接続便までの日数を確認します。
輸入側作業 到着後のCFS搬入及びデバン日程 最終ETA確定後のCFS作業日程 港到着日ではなく搬出可能日で比較します。

経由混載のハブ港利用

経由混載では、貨物量や航路が集まる主要港へLCL貨物を集約し、そこから複数の仕向地へ接続することがあります。

この仕組みにより、直行混載サービスが設定されていない仕向地や、単独では混載コンテナを定期的に仕立てにくい地域にもLCL輸送を提供できます。

一方、ハブ港では、次のような確認が必要になります。

  • 経由する中継港
  • コンテナ単位の積替えか再混載か
  • 接続本船名及び航海番号
  • 接続予定日及び接続余裕
  • 中継港での貨物保管の有無
  • 次区間のコンテナ番号
  • 中継港代理店及び最終仕向地代理店

中継港での具体的な接続確認、再混載記録及び接続失敗時の対応は、「トランシップ混載」を参照してください。

貨物追跡の違い

直行混載では、House B/L番号、本船名、コンテナ番号及び最終ETAをもとに、貨物所在を比較的確認しやすい傾向があります。

経由混載では、最初の本船情報だけでは最終仕向地までの状況を把握できない場合があります。中継港到着後、接続本船又はコンテナ番号が変更されることもあります。

追跡情報 直行混載 経由混載 確認上の注意点
House B/L番号 個別貨物の基本識別情報 引き続き基本識別情報となる House B/Lだけで接続状況が分からない場合があります。
Master B/L番号 船会社側の輸送確認に使用 区間又はサービスごとに確認が必要な場合がある House B/Lとの対応関係を確認します。
コンテナ番号 同じ番号で仕向港まで進む場合が多い 再混載では変更される可能性がある 中継前後の番号を記録します。
本船名 原則として最終仕向港まで同一本船 第一区間と接続区間で異なる 接続後の本船名を取得します。
ETA 本船スケジュールを中心に確認 接続確定後に最終ETAが変わる場合がある 最終仕向港のETAか確認します。
CFS情報 輸入側CFSを比較的確認しやすい 接続又は代理店確定後まで未確定の場合がある Arrival Notice発行前にも確認を進めます。

経由混載の区間別追跡方法及び再混載時のコンテナ番号変更については、「トランシップ混載」で詳しく扱います。

Arrival Notice及びCFS引取りへの影響

輸入LCLでは、Arrival Noticeにより、最終ETA、輸入側CFS、D/O発行元、CFS費用及び引取条件を確認します。

経由混載では、中継港での接続本船又は最終仕向地側の代理店が確定しないと、Arrival Noticeの発行に必要な情報が揃わない場合があります。

確認事項 直行混載 経由混載 実務対応
最終ETA 比較的早い段階で確認しやすい 接続本船確定後に変更される場合がある 中継港出港後に再確認します。
Arrival Notice発行元 輸入側代理店を把握しやすい 複数代理店が関与する場合がある 最終仕向地での正規発行元を確認します。
輸入側CFS Booking時又は到着前に確認しやすい 接続サービスにより変更又は確定が遅れる場合がある CFS名称と住所を確定後に配送手配します。
D/O発行元 House B/L発行者の代理店等が担当 接続先代理店が担当する場合がある 支払先及び発行条件を確認します。
搬出可能日 本船到着及びデバン予定から判断 接続遅延により通関・配送予定が連動して変わる 車両予約前に正式な搬出可能日を確認します。
CFS保管料 到着案内後に起算条件を確認 到着情報の把握が遅れると対応が後手になる 無料保管期間の起算日を早期確認します。

Arrival Noticeが遅れた場合の原因、確認先及び費用影響は、別記事「輸入混載のArrival Notice遅延」で詳しく扱います。

料金は海上運賃だけで比較しない

経由混載は、ハブ港へ貨物を集約することで海上運賃に選択肢が生じる場合があります。しかし、表示された海上運賃が安くても、最終的な総費用が直行混載より安いとは限りません。

費用・影響項目 直行混載 経由混載 比較上の注意点
海上運賃 直行サービスの料金 ハブ港経由で低くなる場合がある 最低運賃及び課金単位も比較します。
輸送日数 積替待ちが少ない 接続待ちが発生する場合がある 在庫及び納期遅延の影響を含めます。
CFS保管料 通常の到着・搬出遅延で発生 Arrival Notice又は接続情報の遅れが影響する場合がある 無料保管期間の起算条件を確認します。
ドレージ費用 CFS変更等がなければ発生しにくい 接続変更や別CFS移送で発生する場合がある 追加移送の原因と負担者を確認します。
配送待機・空車費用 ETA変更が少なければ抑えやすい 接続変更後の車両再手配が必要になる場合がある 搬出可能日確定前に車両を固定しません。
在庫・生産影響 納期を読みやすい場合がある 接続失敗で生産又は販売へ影響する場合がある 貨物価値及び納期遅延損失も考慮します。
事故調査費用 確認区間が比較的少ない 中継港記録の取得等が必要になる場合がある サーベイ及び検査費用も確認します。

直行混載と経由混載を比較する場合は、海上運賃、CFS Charge、D/O Fee、Storage Charge、ドレージ、国内配送、在庫負担及び納期遅延の影響を含めた総費用で判断します。

直行混載を選びやすい場面

貨物・条件 直行混載が適しやすい理由 確認事項 代替案
展示会貨物 到着期限が固定され、接続遅延の影響が大きい 実際の搬出可能日及び代替便 航空輸送又は早期船積み
工場納入品 生産予定に直結する 納入期限、在庫余裕及び通関日数 FCL、航空輸送又は分割出荷
季節商品 販売可能期間が短い 最終販売日及び遅延許容日数 早期出荷又は航空輸送
壊れやすい貨物 中継港での再混載及び荷役回数を減らしやすい コンテナ単位積替えの有無 FCL又は梱包補強
高額貨物 追跡及び事故区間を整理しやすい 保険、セキュリティ及びCFS条件 専用輸送又は航空輸送
通関後即日納品する貨物 輸入側CFS及び到着予定を把握しやすい デバン予定、Import Permit及び車両予約 納期に余裕を持った船積み

経由混載を選びやすい場面

貨物・条件 経由混載が適しやすい理由 確認事項 注意点
直行サービスがない仕向地 ハブ港から地域航路へ接続できる 中継港、接続本船及び最終代理店 次便待ちの可能性を確認します。
貨物量の少ない地域 主要港へ集約してLCLサービスを維持できる 出港頻度及び再混載の有無 貨物追跡に追加情報が必要です。
納期に一定の余裕がある貨物 料金又は航路の選択肢を広げられる 許容遅延日数及び在庫余裕 最短日数ではなく通常時・遅延時の両方を確認します。
定期的に同じ仕向地へ送る貨物 安定したハブネットワークを利用できる場合がある 実績、定時性及び現地代理店 過去の接続実績を確認します。
直行便の出港頻度が低い貨物 経由便の方が早く出港できる場合がある 出港日、接続余裕及び最終ETA 直行・経由を出港待ち込みで比較します。
総費用を抑えたい貨物 ハブ集約で海上運賃が低くなる場合がある 付帯費用、保管料及び遅延影響 海上運賃だけで判断しません。

直行混載・経由混載の選定フロー

  1. 最終仕向地に直行混載サービスがあるか確認します。
  2. 直行と経由それぞれの次回出港日及び出港頻度を確認します。
  3. 表定輸送日数ではなく、CFS搬入から輸入側搬出可能日までを比較します。
  4. 経由混載の場合は、中継港、積替方法、接続本船及び接続余裕を確認します。
  5. 貨物の納期、価値、壊れやすさ及び荷役回数への耐性を確認します。
  6. Arrival Notice発行元、輸入側CFS及びD/O発行元を確認します。
  7. 海上運賃だけでなく、CFS費用、保管料、ドレージ及び配送影響を含む総費用を比較します。
  8. 接続失敗又は本船変更が生じた場合の次便及び代替ルートを確認します。
  9. 事故時に中継港記録及び再混載記録を取得できるか確認します。
  10. 貨物保険及び事故通知先を確認します。
  11. 比較結果と選定理由を書面で残したうえでBookingを確定します。

Co-loadとの関係

経由混載では、Co-loadが重なることがあります。荷主からBookingを受けた元請フォワーダーと、最初の混載を仕立てるコーローダー、中継港で接続を手配する事業者及び最終仕向地側代理店が異なる場合があります。

この場合は、少なくとも次の関係者を確認します。

  • 元請フォワーダー
  • House B/L発行者
  • 実際のコーローダー
  • 中継港での接続手配者
  • Master B/L側の契約窓口
  • 最終仕向地側代理店
  • Arrival Notice発行元
  • D/O発行元
  • 輸入側CFS

元請フォワーダーが荷主との関係でNVOCC又は契約運送人として運送を引き受けている場合、実際の接続手配をコーローダーへ委託したことだけで、経路、遅延又は到着情報に関する荷主への説明責任が当然に消えるわけではありません。

一方、単純取次又は特定業務の代理・調整者として関与する場合は、委任された確認事項、案内内容及び実際の対応に基づいて責任範囲を判断します。

フォワーダー標準五分類から見た直行・経由混載への関与

本記事における五分類は、法令上又は業界全体で確立された分類ではなく、本シリーズにおいてフォワーダーの関与範囲を整理するために使用する分析上の枠組みです。

標準五分類 直行・経由混載における典型的な関与 荷主との契約上の位置付け 主な確認事項 実務上の注意点
Simple Intermediary(単純取次) 直行・経由の情報、ETA及びCFS情報を取り次ぐ 自己の名で運送を引き受けない場合 経由地及び接続情報を正確に伝達したか 情報窓口であることと輸送結果の保証を混同しません。
Cargo Transportation Service Provider(貨物利用運送事業者) 実運送事業者を利用して直行又は経由LCLサービスを提供する 利用運送契約上の責任を負う場合 航路、接続、CFS及び下請事業者の選定 下請先の責任と荷主への契約責任を分けて整理します。
NVOCC / House B/L Issuer House B/Lを発行し、最終仕向地までのLCL運送を引き受ける 契約運送人となる可能性が高い 運送経路、引渡地点、遅延条項、責任制限及び通知期限 Master B/L側への求償と荷主への責任は一致しない場合があります。
Door-to-Door Single Contractor 集荷、CFS、海上輸送、通関及び配送を一体手配する 複数工程を一つのサービスとして提供 経由地を含む全区間の委託先及び代替手配 すべての遅延又は全区間について無制限責任を負う意味ではありません。
Agent/Coordinator for Specific Operations(特定業務の代理・調整者) 接続本船確認、Arrival Notice確認又は搬出予約等を個別に調整する 委任された特定業務のみを担当 委任範囲及び実際に確認した内容 経由混載全体の運送責任を当然に負うとは限りません。

Contracting Carrier(契約運送人)及びActual Carrier(実運送人)は、法的又は契約上の地位を示す概念であり、本記事の標準五分類を置き換える代替分類ではありません。

梱包、保管、検品、積付け、バンニング、デバン、積替え、再混載又は国内配送等の実作業も、それ自体で第六の分類を構成するものではありません。

例えば、元請フォワーダーがNVOCC / House B/L Issuerとして荷主から運送を引き受け、コーローダーが第一区間を手配し、中継港代理店が接続本船を調整し、船会社が各海上区間を運送する場合があります。

各者の契約上の地位、五分類上の関与及び実際の積替作業を分けて確認する必要があります。

事故対応での違い

直行混載では、輸出側CFS、海上輸送、輸入側CFS及び国内配送を中心に事故区間を整理します。

経由混載では、中継港での積替え、保管、デバン、再混載及び接続本船への積込みが追加されるため、事故区間の確認が複雑になる場合があります。

確認事項 直行混載 経由混載 主な資料
海上区間 船積港から仕向港までの本船区間 第一区間及び接続区間を分けて確認 Master B/L、本船動静及びコンテナ記録
中継港作業 通常は確認対象外 積替え、保管又は再混載を確認 積替記録、再混載記録及び写真
コンテナ番号 同一番号で進む場合が多い 再混載で番号が変わる場合がある 中継前後のコンテナ情報
数量確認 輸出CFSと輸入CFSの記録を比較 中継港の検数記録も比較 各CFSのバンニング・デバン記録
外装異常 最初に異常が記録された区間を確認 中継港前後の貨物状態を追加確認 写真、CFSリマーク及び搬出記録

経由混載における事故区間の詳細な切り分けは「トランシップ混載」、事故通知先及び並行通知は「混載貨物の事故通知先」で扱います。

実務で問題になりやすいケース

問題になりやすいケース 主な原因 確認資料 判断のポイント 初動対応
直行混載と思っていたが経由混載だった 見積又はBooking時の経路説明不足 見積書、Booking Confirmation、航路案内 経由港及び積替条件が事前に示されていたか確認します。 接続本船、最終ETA及び代替案を確認します。
第一区間の本船遅延で接続に失敗した 接続余裕不足又は本船遅延 本船動静、接続予定、次便情報 通常の接続余裕及び次便頻度を確認します。 次便、別ルート及び最終ETAを取得します。
House B/L番号で接続状況を追跡できない 接続本船又は下位サービス情報が未共有 House B/L、Master B/L、コンテナ番号 誰が接続情報を保有しているか確認します。 元請フォワーダーからコーローダーへ照会します。
Arrival Noticeが予定時期に届かない 接続本船又は最終代理店が未確定 接続動静、代理店情報、House B/L 単なる書類遅延か貨物遅延かを区別します。 最終ETA、輸入側CFS及び発行元を確認します。
最終仕向地のCFSが変更された 接続サービス又は現地代理店の変更 Arrival Notice、代理店案内、CFS情報 誰がいつ変更を通知したか確認します。 通関・配送及び費用への影響を整理します。
経由便の運賃は安かったが総費用が増えた 保管料、ドレージ又は配送再手配が発生 見積、請求書、遅延記録 海上運賃と追加費用を分けて比較します。 追加費用の原因と契約上の負担を確認します。
中継港後に数量不足が見つかった 再混載時の誤仕分け又は積み残し 中継港検数記録、再混載記録、ケースマーク 中継前後の数量を比較します。 関係CFS、元請フォワーダー及び保険関係者へ通知します。
展示会貨物が接続遅れで間に合わない 経由便選択時の納期余裕不足 見積、予定日程、接続動静 選定時に納期の重要性が共有されていたか確認します。 航空転送、代替品又は展示会側対応を検討します。
直行便より経由便の方が早く到着した 直行便の出港待ちが長かった 各便のCFSカット、ETD及びETA Transit Timeだけでなく出港待ちを含めて比較します。 次回以降の選定基準へ反映します。

よくある誤解

誤解 実際の考え方 実務上の注意点
直行混載は途中港へ一切寄港しない 途中港へ寄港しても、別本船等へ積み替えなければ直行扱いとなる場合があります。 寄港の有無ではなく積替えの有無を確認します。
直行混載は必ず経由混載より早い 出港頻度や次回出港日によっては経由混載の方が早い場合があります。 CFS搬入から搬出可能日までを比較します。
経由混載は必ず運賃が安い 航路及び需給によって直行混載の方が安い場合もあります。 海上運賃と総費用を分けて比較します。
経由混載では必ず貨物をコンテナから出す コンテナを開封せず、コンテナ単位で別本船へ積み替える場合もあります。 再混載の有無を確認します。
House B/L番号だけで全区間を追跡できる 接続本船、Master B/L又はコンテナ番号が必要になる場合があります。 中継後の情報も取得します。
Arrival Noticeが遅いのは貨物が未到着だからである 接続情報又は代理店間の情報連携だけが遅れている場合もあります。 貨物動静と書類発行状況を分けて確認します。
経由混載は直行混載より常に危険である 適切な接続及び記録管理が行われれば合理的な輸送方法です。 貨物特性と荷役回数への耐性で判断します。
元請フォワーダーがすべての積替作業を行う コーローダー、中継港代理店、CFS又は船会社が実作業を行います。 契約責任と実作業を区別します。
最終ETAが表示されていれば接続は確定している 接続前の暫定ETAである場合があります。 接続本船への積載確認後に再確認します。
経由混載を選んだだけで遅延責任が発生する 遅延責任は契約、説明内容、原因、約款及び実際の対応により判断します。 予定日と保証日を区別します。

判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
見積比較時 元請フォワーダー 直行・経由の別、経由港、運賃及び総費用 同じ条件で再見積りを取得します。
Booking前 元請フォワーダー・NVOCC 本船、CFSカット、積替方法及び最終ETA 不明な経路のままBookingを確定しません。
納期確認時 荷主・納品先 必要納品日、遅延許容日数及び代替案 直行便、航空輸送又は早期出荷を検討します。
経由便選定時 元請フォワーダー・コーローダー 中継港、接続本船、接続余裕及び次便頻度 別ハブ又は直行便を比較します。
貨物特性確認時 荷主・梱包業者 壊れやすさ、温度条件、荷役回数及び高額性 FCL、梱包補強又は別輸送を検討します。
出港後 元請フォワーダー・NVOCC 本船動静、コンテナ番号及び中継港ETA 遅延時は接続可否を早期確認します。
中継港到着時 コーローダー・海外代理店 接続本船への積載、再混載及び次区間情報 次便又は代替ルートを確認します。
輸入到着前 輸入側代理店・通関業者 Arrival Notice、D/O発行元、輸入側CFS及び費用 情報未確定のまま車両を手配しません。
CFS搬出前 CFS・配送業者 デバン完了、搬出可能日、保管料及び予約 正式な搬出可能日へ配送を合わせます。
事故発生時 元請フォワーダー・CFS・保険関係者 事故発見区間、中継記録、写真及び通知期限 証拠を保全し、関係先へ並行通知します。
請求確認時 元請フォワーダー・代理店・CFS 海上運賃、保管料、ドレージ及び追加費用の原因 契約条件と発生原因を分けて整理します。
次回輸送検討時 荷主・フォワーダー 実績Transit Time、遅延、総費用及び追跡性 実績に基づいて選定基準を更新します。

具体例1:直行混載の出港待ちより経由混載の方が早い場合

直行混載は月二便で、次回出港まで十日ありました。一方、経由混載は毎週出港し、中継港での標準接続日数を含めても、最終仕向地への予定到着日は直行混載より早くなっていました。

この場合、「直行だから早い」と判断せず、CFS搬入可能日、次回ETD、中継港での接続余裕及び最終ETAを比較します。

ただし、経由混載には接続失敗のリスクがあります。標準接続便に間に合わなかった場合の次便日及び最悪時の到着予定も確認します。

通常時の最短日数だけでなく、接続失敗時の遅延幅まで含めて選定します。

具体例2:展示会貨物を経由混載で手配した場合

展示会開始日の数日前に到着する予定で、運賃の低い経由混載を選びました。しかし、第一区間の本船が遅れ、中継港で予定していた接続本船に間に合いませんでした。

次便まで一週間空いたため、貨物は展示会開始後に到着する見込みとなりました。

展示会貨物では、通常のETAだけでなく、接続失敗時の次便、通関、デバン及び国内配送に必要な日数を含めて余裕を設定する必要があります。

納期を外した場合の損失が大きい貨物では、直行混載、航空輸送又は早期出荷を比較します。

具体例3:経由混載でArrival Noticeが遅れた場合

中継港で接続本船が変更されましたが、その情報が最終仕向地側代理店へすぐに共有されず、Arrival Noticeの発行が遅れました。

輸入者は貨物到着に気づくのが遅れ、通関書類の準備及び国内配送の手配も後ろ倒しになりました。

この場合、貨物自体が遅延したのか、書類情報の連携だけが遅れたのかを分けて確認します。

中継港出港後は、最終ETA、輸入側CFS、Arrival Notice発行元及び無料保管期間の起算条件を確認します。

具体例4:再混載後に数量不足が見つかった場合

輸入側CFSでデバンしたところ、House B/L及びPacking List上は十二カートンでしたが、十一カートンしか確認されませんでした。

経由混載で中継港において再混載が行われていたため、輸出側CFSのバンニング記録、中継港でのデバン・再バンニング記録及び輸入側CFSのデバン記録を比較します。

輸出側で十二カートンが積載され、中継港で十一カートンしか確認されていない場合は、第一区間又は中継港到着時点までを中心に調査します。

中継港で十二カートンを再バンニングした記録があり、輸入側で十一カートンとなった場合は、接続区間又は輸入側仕分けを中心に確認します。

貨物保険及びフォワーダー賠償責任保険

直行混載と経由混載のいずれを利用する場合でも、貨物海上保険の付保内容を確認することが重要です。

経由混載では、中継港での積替え、保管又は再混載が発生するため、事故時には第一区間、中継港及び接続区間の記録を取得する必要があります。

貨物海上保険は、保険契約の条件に従い、貨物自体に生じた損害を補償します。一方、本船遅延、接続失敗又はArrival Notice遅延だけによる損害は、通常の貨物損害とは異なる問題であり、補償可否は保険条件により異なります。

元請フォワーダーが経由混載であることを説明しなかった場合、重要な接続変更を通知しなかった場合又は事故記録の取得を怠った場合は、フォワーダー賠償責任保険との関係を確認する必要があります。

ただし、経由混載を選定したこと又は接続遅延が発生したことだけで、元請フォワーダーの賠償責任が確定するわけではありません。契約上の地位、説明内容、予定日の性質、遅延原因、約款及び実際の対応を確認します。

貨物事故が発生した場合は、損害拡大防止及び権利保全のため、保険会社又は取扱保険代理店へ早期に連絡してください。株式会社インターリンクでは、貨物保険及びフォワーダー賠償責任保険に関する相談を受け付けています。

まとめ

直行混載と経由混載の違いは、LCL貨物を最終仕向地まで原則として別本船又は別混載サービスへ積み替えずに運ぶのか、中継港で接続して運ぶのかという点にあります。

直行混載は、輸送経路、貨物追跡、Arrival Notice、輸入側CFS及び事故区間を比較的整理しやすい特徴があります。

経由混載は、直行サービスのない仕向地や貨物量の少ない地域にもLCL輸送を提供しやすく、航路及び料金の選択肢を広げることができます。

ただし、直行混載が必ず早く、経由混載が必ず遅い又は安いとは限りません。次回出港日、出港頻度、接続余裕、次便頻度、輸入側CFSの作業日程及び総費用を比較する必要があります。

経由混載では、中継港、接続本船、再混載の有無、中継前後のコンテナ番号、最終ETA、最終仕向地側代理店及びArrival Notice発行元を確認します。

料金比較では、海上運賃だけでなく、CFS Charge、D/O Fee、Storage Charge、ドレージ、国内配送の再手配及び納期遅延の影響を含めた総費用で判断します。

展示会貨物、季節商品、工場納入品、高額貨物又は壊れやすい貨物では、接続失敗時の影響を考慮し、直行混載、FCL、航空輸送又は早期出荷を比較します。

経由混載の具体的な積替方法、再混載、区間別追跡及び事故区間の確認は「トランシップ混載」、Arrival Notice遅延は「輸入混載のArrival Notice遅延」、事故通知は「混載貨物の事故通知先」で詳しく扱います。

本記事は一般的な国際物流実務の整理を目的とするものであり、個別案件に関する法律、通関、保険又は契約上の助言を行うものではありません。実際の輸送経路、到着予定、責任、追加費用及び保険対応は、見積、Booking条件、運送契約、House B/L、Master B/L、約款、接続状況及び事故原因により異なります。

同義語・別表記

  • 直行混載
  • 経由混載
  • T/S混載
  • トランシップ混載
  • 積替混載
  • Direct LCL
  • Transshipment LCL
  • Direct Consolidation
  • Transshipment Consolidation

関連用語