Co-load―LCL混載の契約階層・CFS搬入・責任・求償
Co-load―LCL混載の契約階層・CFS搬入・責任・求償
Co-load又はCo-loadingとは、フォワーダー又はNVOCCが、自社だけでLCL混載コンテナを組まず、他のNVOCC又は混載業者が運営する混載サービスへ貨物を載せる取引形態です。
特定仕向地向けの貨物量が少ない場合、自社混載便を持たない場合、自社便より早いスケジュールを利用する場合又は自社スペースが不足した場合に、他社の混載サービスを利用することで荷主へLCL輸送を提供できます。
ただし、Co-loadは単なるスペース購入ではありません。
荷主から見える元請フォワーダー、実際に混載を運営するCo-Loader、貨物を取り扱うCFS、海上区間を実行するshipping line及び仕向地業務を行う海外代理店が、異なる契約階層で関与します。
元請フォワーダーが荷主へHouse B/Lを発行し、Co-Loaderが元請フォワーダーへ別のHouse B/L又はNVOCC B/Lを発行し、shipping lineがCo-LoaderへMaster B/Lを発行する場合もあります。
この三層構造では、荷主に対する元請フォワーダーの責任条件、元請フォワーダーがCo-Loaderへ求償できる条件、Co-Loaderがshipping lineへ求償できる条件が一致するとは限りません。
Co-load実務では、誰がContracting Carrierであり、誰がActual Carrierであるか、どのCFSへ搬入するか、各B/Lが誰から誰へ発行されているか、事故時にどの契約階層へ通知・求償するかを確認する必要があります。
この記事の位置付け
本記事は、Maritime WikiにおけるCo-load専門記事です。
元請フォワーダーとCo-Loaderの契約関係、House B/Lの重層化、CFS搬入、現地代理店、責任差額、事故通知及び求償の実務を扱います。
| 項目 | この記事で扱う内容 | 他記事で扱う内容 |
|---|---|---|
| Co-loadの基本 | 他のNVOCC・混載業者のLCL混載サービスを利用する構造 | 本記事 |
| 元請フォワーダーとCo-Loader | 荷主窓口と実際の混載主催者の契約関係 | 本記事 |
| House B/Lの重層化 | 荷主向け、Co-load契約向け及びMaster B/Lの三層構造 | House B/L・Master B/L一般論は専門記事 |
| CFS搬入 | 搬入先、Cut-off、ラベル、横持ち及び費用負担 | CFS作業の一般論は混載専門記事 |
| Vanning・Devanning | Co-Loader指定CFSで行われる作業との接続 | 個別の作業方法は混載・CFS専門記事 |
| 現地代理店 | D/O、Local Charges、Devanning及び貨物引渡し | D/O・貨物引渡しは輸入実務記事 |
| Contracting Carrier | 荷主に対する元請フォワーダー又はNVOCCの地位 | NVOCCの一般的な地位はNVOCC基幹記事 |
| Actual Carrier | shipping line、CFS、倉庫及び内陸運送人との区別 | 運送人責任の一般論は責任専門記事 |
| 責任差額 | 荷主への責任額とCo-Loader等からの回収額の差 | 責任限度一般はHouse・Master B/L専門記事 |
| 貨物事故 | 多段階の通知、Survey、証拠保全及び求償 | Claim Letter・Surveyは事故専門記事 |
| 貨物保険 | 貨物保険とフォワーダー責任保険の接続 | 保険条件・保険金請求は保険専門記事 |
Co-loadが利用される理由
| 利用場面 | Co-loadを使う理由 | 実務上の利点 | 追加される確認事項 |
|---|---|---|---|
| 自社貨物量が少ない | 自社だけでは安定してコンテナを組めない | 少量でも定期的なLCLサービスを提供できる | Co-Loader、CFS、最低料金を確認する |
| 自社混載便がない航路 | 他社が運営する航路を利用する | 取扱仕向地を拡大できる | 経由地、現地代理店、D/O発行者を確認する |
| 希望納期が早い | 自社便より早い他社便を利用する | 荷主の希望スケジュールに対応できる | Cut-off、積替え、Rollover時の対応を確認する |
| 自社スペース不足 | 自社便が満載又はBooking制限を受けている | No Show又は翌便送りを回避できる | 変更後のCFS、費用及び書類を確認する |
| 地方港・地方CFS発 | 地方発貨物を主要港の混載便へ接続する | 地方荷主へLCLサービスを提供できる | 横持ち、経由地、搬入締切を確認する |
| 特殊貨物 | 特定貨物を受け入れる混載サービスを利用する | 自社で扱えない貨物を輸送できる場合がある | 危険品、温度、重量、梱包及び貨物相性を確認する |
Co-loadの選択は、運賃だけで判断するものではありません。
本船スケジュール、積替え、CFS搬入条件、現地費用、D/O、貨物引渡し、事故対応力、契約約款及び求償可能性を含めて判断します。
Co-loadの基本的な契約階層
| 契約階層 | 典型的な当事者 | 主な書類 | Contracting Carrier | Actual Carrier・実作業者 |
|---|---|---|---|---|
| 第1層 | 荷主―元請フォワーダー | 見積、Booking、元請House B/L | 元請House B/L発行者となる場合がある | Co-Loader、CFS、shipping line等 |
| 第2層 | 元請フォワーダー―Co-Loader | Co-load Booking、Co-Loader House B/L | Co-Loader | Co-Loader指定CFS、shipping line等 |
| 第3層 | Co-Loader―shipping line | Master B/L、Ocean Booking | shipping line | 船舶、フィーダー船、ターミナル等 |
| 輸出CFS層 | Co-Loader―CFS | 搬入指図、Dock Receipt、Vanning Report | 契約内容によりCo-Loader又はCFS | CFS・荷役作業者 |
| 仕向地層 | Co-Loader―海外代理店・現地CFS | Pre-alert、Arrival Notice、D/O | Co-Loader又は現地契約者 | 現地CFS、倉庫、配送業者 |
同じ事業者が、ある契約階層ではShipperとなり、別の契約階層ではContracting Carrierとなる場合があります。
例えば、元請フォワーダーは荷主との関係ではContracting Carrierとなる一方、Co-Loaderとの関係ではShipper又はCo-load依頼者となることがあります。
Co-Loaderは元請フォワーダーとの関係ではContracting Carrierとなり、shipping lineとのMaster B/LではShipperとなる場合があります。
Standard Five Classificationsとの接続
この五分類は、法令上又は業界全体で確立された法的分類ではない。Maritime Wikiにおいて、フォワーダーが契約上及び実務上どこまで関与しているかを整理するための分析枠組みである。
| Standard Five Classifications | Co-loadとの関係 | 典型的な業務・書類 | 責任判断の中心 |
|---|---|---|---|
| 1. Simple Intermediary | 荷主へCo-Loaderを紹介又はBookingを取り次ぐ | 紹介、Booking伝達、限定的な連絡 | 誰のために何を取り次いだか |
| 2. Cargo Transportation Service Provider | CFS搬入、書類、集荷等の特定業務を提供する | 集荷、ラベル、搬入、書類作成 | 自己実施範囲と外注範囲 |
| 3. NVOCC / House B/L Issuer | 元請又はCo-Loaderが自己名義のHouse B/Lを発行する | House B/L、販売運賃、D/O、Claim対応 | Contracting Carrierとして引き受けた区間 |
| 4. Door-to-Door Single Contractor | 元請フォワーダーが集荷から配送まで一括して引き受ける | 一括見積、集荷、Co-load、通関、配送 | Co-load区間を含む全体の契約責任 |
| 5. Agent / Coordinator for Specific Operations | 海外代理店又は特定業務担当者が元請・Co-Loaderのために行動する | Arrival Notice、D/O、費用回収、引渡し | 委任業務、権限及び指示の範囲 |
Co-load案件では、元請フォワーダーとCo-Loaderの双方が第3分類に該当する場合があります。
その場合でも、荷主に対するContracting Carrierと、元請フォワーダーに対するContracting Carrierは別の契約階層に存在します。
五分類とは別に、誰がContracting Carrier、Actual Carrier、Co-Loader、元請フォワーダー、海外代理店又は下請事業者であるかを確認します。
また、Booking、House B/L、Master B/L、CFS搬入、Vanning、D/O、費用回収、貨物引渡し及び事故対応の権限を個別に確認します。
自社混載とCo-loadの比較
| 比較項目 | 自社混載 | Co-load | 元請フォワーダーの管理課題 | 荷主側の確認事項 |
|---|---|---|---|---|
| 混載主催者 | 元請又は同一企業グループのNVOCC | 別のNVOCC・混載業者 | 下請契約と実作業者を把握する | 必要に応じてCo-load利用を確認する |
| CFS搬入先 | 自社指定CFSとなることが多い | Co-Loader指定CFSとなる | 最新の搬入指図を正確に伝える | 搬入先・Cut-off・ラベルを保存する |
| B/L構造 | House B/LとMaster B/Lの二層が中心 | House B/Lが二段階以上になる場合がある | 各B/Lの相手方・約款を管理する | 荷主向けB/L発行者を確認する |
| 現地代理店 | 自社代理店を使用しやすい | Co-Loader指定代理店となる場合がある | D/O・費用・Release権限を確認する | Arrival Noticeと費用請求者を確認する |
| 事故資料 | 自社経路から入手しやすい | Co-Loaderを経由して入手する場合がある | 資料提出期限と保存義務を定める | 写真・Surveyを早期に依頼する |
| 責任・求償 | 荷主契約とshipping line契約の差が中心 | Co-Loader契約が中間に加わる | 二段階の求償期限を管理する | 貨物保険による補完を確認する |
| スケジュール変更 | 自社で判断・連絡しやすい | Co-Loaderからの情報に依存する | 変更連絡経路を固定する | 本船・CFS変更を確認する |
House B/Lが重層化する構造
| 書類 | 典型的な発行者 | 典型的な相手方 | 示す契約関係 | 主な確認事項 |
|---|---|---|---|---|
| 元請House B/L | 元請フォワーダー・元請NVOCC | 荷主 | 荷主と元請フォワーダーの運送契約 | Carrier、区間、Package、約款、責任限度 |
| Co-Loader House B/L | Co-Loader・混載主催NVOCC | 元請フォワーダー | 元請フォワーダーとCo-Loaderの運送契約 | Shipper、Consignee、区間、通知・出訴期限 |
| Master B/L | shipping line | Co-Loader | Co-Loaderとshipping lineの海上運送契約 | Master Shipper、Package、準拠法、管轄 |
| Dock Receipt | CFS・倉庫 | 搬入者・Co-Loader | CFSへの貨物搬入・受領状態 | 数量、外装、重量、Remarks、受領時刻 |
| Arrival Notice・D/O | 海外代理店・Co-Loader | Consignee・元請代理店 | 仕向地費用及び貨物引渡し手続 | 発行権限、Local Charges、Release条件 |
各B/Lは、同じ貨物を対象としていても、発行者、相手方及び適用約款が異なります。
元請House B/L上のShipper・Consigneeと、Co-Loader House B/L又はMaster B/L上のShipper・Consigneeが異なること自体は、直ちに誤りではありません。
ただし、貨物情報、Package数、重量、航路、危険品情報、温度条件及び貨物引渡し指図について、契約階層間で必要な情報が正確に伝達されているかを確認します。
元請フォワーダーとCo-Loaderの地位
| 確認項目 | 元請フォワーダー | Co-Loader | shipping line | 実務上の注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 荷主との契約 | 荷主窓口・Contracting Carrierとなり得る | 通常は荷主から直接見えない | 通常は荷主と直接契約しない | 誰が荷主向け運送を引き受けたか確認する |
| House B/L | 荷主向けに発行する場合がある | 元請向けに発行する場合がある | 通常は発行しない | 同じ名称でも契約階層が異なる |
| Master B/L | 直接の当事者でない場合がある | Master Shipperとなる場合が多い | Master B/Lを発行する | 元請がMaster条件を把握できない場合がある |
| CFS | 荷主へ搬入先を案内する | CFSを選定・指示する | コンテナ受領後の海上輸送を行う | 案内変更を荷主へ即時伝達する |
| 事故対応 | 荷主Claimを受ける場合がある | 元請からのClaim・通知を受ける | Co-LoaderからのRecourseを受ける | 各階層へ並行して通知する |
| 責任限度 | 元請House B/L・契約条件 | Co-Loader B/L・約款 | Master B/L・適用法 | 各限度が一致するとは限らない |
| 求償 | Co-Loaderへ求償する | CFS・shipping line等へ求償する | 下請ターミナル等へ求償する場合がある | 荷主請求確定前に期限を保全する |
CFS搬入先・Cut-off・搬入指図
Co-loadでは、元請フォワーダーが通常利用するCFSではなく、Co-Loaderが指定するCFSへ搬入することがあります。
Booking後にCo-Loader、shipping line、本船又は混載計画が変更されれば、CFS搬入先、Cut-off、ラベル、搬入番号又は書類提出先が変更される場合があります。
| 確認項目 | 主な決定者 | 確認資料 | 誤りが生じた場合 | 責任・費用判断 |
|---|---|---|---|---|
| CFS搬入先 | Co-Loader | Booking Confirmation、搬入指図 | 横持ち又は再搬入が必要になる | 誰が誤った場所を指示・選択したか確認する |
| CFS Cut-off | Co-Loader・CFS | スケジュール、搬入案内 | 予定本船へ積載できない | 案内時刻、変更連絡、搬入実績を確認する |
| 搬入ラベル | Co-Loader・CFS | ラベル指図、Booking番号 | 貨物特定不能又は搬入保留となる | 作成者と原指図を確認する |
| 必要書類 | Co-Loader・CFS | 搬入票、危険品書類、許認可 | 受領拒否又は保管が発生する | 荷主情報不足と伝達漏れを区別する |
| 重量・容積 | CFS検量 | Measurement、Tally | 運賃・CFS Chargeが変更される | 見積数量と実測数量を比較する |
| 本船・航路 | Co-Loader・shipping line | Booking、Pre-alert | 遅延、積替え、到着地変更が生じる | 変更権限と荷主への連絡時期を確認する |
元請フォワーダーは、Co-Loaderから受けた最新の搬入指図を荷主又は集荷業者へ正確に伝える必要があります。
荷主が正しい案内を受けながら別のCFSへ搬入した場合と、元請フォワーダーが旧情報又は誤情報を案内した場合では、横持ち費用、保管料及び船積遅延の負担判断が異なります。
仕向地代理店・D/O・Local Charges
Co-loadでは、元請フォワーダーの通常代理店ではなく、Co-Loaderが指定する海外代理店又は現地CFSが貨物引渡しを担当する場合があります。
| 確認項目 | 主な担当者 | 確認内容 | 問題になりやすい点 |
|---|---|---|---|
| Arrival Notice | Co-Loader代理店・現地CFS | 送付先、到着日、費用及び必要書類 | Notify先の誤り、通知遅延 |
| D/O | Co-Loader又は海外代理店 | 発行権限、必要B/L、未収費用 | 元請側とCo-Loader側のRelease不一致 |
| Devanning | 現地CFS | 日時、Tally、損傷Remarks及び写真 | 事故発見時点と事故区間の争い |
| Local Charges | 海外代理店・現地CFS | D/O Fee、CFS Charge、Storage等 | 見積外費用、重複請求 |
| 貨物引渡し | 海外代理店・現地CFS | Consignee、Release、本人確認 | 誤引渡し、未収貨物引渡し |
| 事故通知 | 元請・Co-Loader・海外代理店 | 通知先、期限、Survey及び証拠 | 連絡経路が長く初動が遅れる |
Co-loadで生じる責任ギャップ
| 相違項目 | 荷主―元請フォワーダー | 元請フォワーダー―Co-Loader | Co-Loader―shipping line等 | 元請フォワーダーのリスク |
|---|---|---|---|---|
| 責任区間 | Door-to-Door又はCFS-to-CFS | CFS-to-CFS又はPort-to-Port | Port-to-Port | 内陸・CFS事故を上位へ求償できない |
| Package数 | 個別Carton又はCaseを記載 | Pallet単位等で記載 | Container又は別単位で記載 | 荷主向け限度が回収限度を上回る |
| 通知期限 | 元請契約上の期限 | Co-Loader約款上の期限 | Master B/L上の期限 | 下位契約の期限を先に失う |
| 出訴・仲裁期限 | 国内裁判等 | 外国裁判又は仲裁の場合がある | Master B/L指定地 | 荷主交渉中に求償権が消滅する |
| 準拠法・管轄 | 日本法・日本裁判所 | Co-Loader所在地法等 | shipping line約款指定法 | 海外回収費用が高額になる |
| 免責 | 荷主向けに限定的 | Co-Loader側で広い場合がある | shipping line側で別の免責がある | 荷主へ支払っても回収不能となる |
| 損害範囲 | 貨物損害・一定の追加費用 | 物的損害だけに限定される場合 | 間接損害を除外する場合 | 遅延費用・横持ち等が未回収となる |
| 証拠保有者 | 荷主・元請 | Co-Loader・CFS | shipping line・ターミナル | 必要資料を直接取得できない |
Co-loadを利用する元請フォワーダーは、荷主向け条件とCo-Loader条件を可能な範囲でBack-to-Backに設計する必要があります。
条件を一致させられない場合は、責任保険、料金、取扱貨物制限、Declared Value又は社内承認により差額リスクを管理します。
貨物事故時の通知・求償フロー
| 段階 | 主な当事者 | 確認事項 | 実施内容 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 事故発見 | 荷受人・貨物所有者 | 損傷、数量不足、発見日時及び場所 | 写真、検品記録、梱包を保全する | 廃棄・修理前に承認を得る |
| 2. 元請への通知 | 荷主・元請フォワーダー | 元請House B/L、事故概要、損害見込 | Claimを受け付け権利を留保する | 責任を即断せず初動を進める |
| 3. Co-Loader通知 | 元請フォワーダー・Co-Loader | Co-Loader B/L、CFS、Container、Seal | Recourse Noticeと資料請求を行う | 荷主責任確定を待たない |
| 4. 実作業者通知 | Co-Loader・CFS・shipping line | 事故候補区間、作業記録、Master B/L | CFS、Carrier、代理店へ通知する | Co-Loaderが通知したか元請も確認する |
| 5. Survey | 貨物保険会社・Surveyor | 現物、梱包、コンテナ、事故原因 | 共同Survey又は現地調査を行う | 全当事者へ立会機会を与える |
| 6. 契約責任判断 | 元請・Co-Loader・保険会社 | 各B/L、約款、事故区間、責任限度 | 契約階層別に責任を判断する | 一つの約款だけで全体を判断しない |
| 7. 荷主対応 | 元請フォワーダー | 元請責任、損害額、限度、免責 | 支払、和解又は否認を検討する | 求償権を害する示談を避ける |
| 8. 下請求償 | 元請・Co-Loader・Actual Carrier | 支払証明、Survey、期限及び限度 | 各契約に基づき段階的に求償する | 全額回収できるとは限らない |
実務で問題になりやすいケース
| ケース | 主な争点 | 確認資料 | 判断の中心 | 初動対応 |
|---|---|---|---|---|
| 元請がCo-load利用を把握していなかった | 下請選定・社内管理 | Booking、社内指図、請求書 | 誰がCo-Loaderを選定したか | 契約階層と全関係者を特定する |
| 旧案内のCFSへ搬入した | 変更連絡と横持ち費用 | 搬入案内、メール、送信時刻 | 最新指図を誰がいつ受領・伝達したか | 正しいCFSへの移送を優先する |
| House B/Lが二段階で発行された | 各B/Lの相手方と責任限度 | 元請B/L、Co-Loader B/L | 各契約階層のContracting Carrier | 発行関係を図示する |
| Package数が各B/Lで異なる | 責任限度の差 | B/L、Packing List、Manifest | 各契約でのPackage単位 | 損害見込と限度額を試算する |
| 到着地CFSで水濡れが見つかった | 事故区間と原因 | Dock Receipt、Vanning・Devanning記録 | 受領から引渡しまでの状態変化 | 全候補者へ通知しSurveyを行う |
| 現地代理店が見積外費用を請求した | Local Chargesと費用開示 | 見積、代理店Tariff、Arrival Notice | 誰が費用を設定・説明したか | 貨物引取りを止めず異議を留保する |
| 元請への通知後、Co-Loader通知が遅れた | 求償期限 | 事故通知、Co-Loader約款、送信記録 | 各契約の独立した期限 | 直ちに通知し期限延長を求める |
| Co-Loaderがshipping lineの責任を主張する | 元請の請求先と上位求償 | Co-Loader B/L、Master B/L、Survey | 元請契約とCo-Loaderの下請契約を分ける | Co-Loaderへの権利を維持する |
| 責任保険がCo-load貨物を対象外とした | 対象業務・下請構造の申告 | 責任保険証券、申告内容、B/L | Co-load・NVOCC責任が補償対象か | 示談前に保険会社へ確認する |
具体例1:CFS搬入先変更が伝達されなかった場合
名古屋の輸出者からシンガポール向けに、自動車部品8パレット、貨物価額1,800万円をLCLで輸送する案件を想定します。
元請フォワーダーA社は、当初、名古屋市内のCFS-Xを搬入先として荷主へ案内しました。
その後、Co-Loader B社が混載計画を変更し、搬入先をCFS-Yへ変更しましたが、B社からA社への変更メールは、退職済み担当者のアドレスへ送信されていました。
荷主のトラックは旧案内どおりCFS-Xへ搬入し、正しいCFS-Yへの横持ち費用9万5,000円、保管料3万8,000円が発生しました。
さらにCFS Cut-offに間に合わず、貨物は翌週便となり、納品は6日遅れました。
荷主は、A社が自ら指定したCFSへ搬入したため、横持ち費用、保管料及び遅延対応費用をA社が負担すべきだと主張しました。
A社は、B社が有効な担当者へ変更を通知せず、確認連絡も行わなかったため、Co-Loader側の案内不備であると主張しました。
B社は、A社から通知先変更の連絡を受けておらず、従来の登録アドレスへ送信したため通知義務を果たしたと主張しました。
判断では、Booking時の通知先、担当者変更記録、メールの到達状況、変更時刻、再確認手順及びA社から荷主への搬入案内を確認します。
荷主との関係では、A社が搬入先を案内した窓口として費用対応を求められる可能性がありますが、A社からB社への回収可否は両社の連絡義務及び登録情報管理に基づいて別に判断します。
Co-Loader変更時の通知先を共有アドレスへ統一し、変更受領確認を必須としていれば、誤搬入を防止できました。
具体例2:Package数の違いで回収額に差が生じた場合
横浜CFSからロサンゼルスCFSへ、電子機器140Cartons・14Pallets、貨物価額2,600万円を輸送した案件を想定します。
元請NVOCC C社は、荷主向けHouse B/Lに「140 Packages」と記載しました。
Co-Loader D社がC社へ発行したHouse B/Lには「14 Pallets」と記載され、shipping lineのMaster B/Lでは「1 Container Said to Contain 14 Pallets」と記載されていました。
到着地CFSで貨物が荷崩れし、損害額780万円が発生しました。
荷主は、C社が140Cartonsを個別Packageとして受領した以上、C社の責任限度も140単位で計算すべきだと主張しました。
C社は、実際の輸送・荷役単位は14Palletsであり、140Cartons全てを独立Packageとして扱うべきではないと主張しました。
D社は、自社B/L上の14Palletsを基礎とする責任限度を主張し、shipping lineはMaster B/L及び適用法に基づくさらに低い限度を主張しました。
判断では、各B/LのPackage表示、荷姿、Palletへの固定状態、Manifest、CFS受領記録、適用法及び各約款を確認します。
C社が荷主へ負担する金額と、D社から回収できる金額が一致しない場合、その差額はC社の自己負担又は責任保険の対象となり得ます。
元請House B/L発行前に、Co-Loader B/LとPackage表示を照合し、高額貨物についてDeclared Value又は追加保険を検討していれば、責任差額を管理できました。
具体例3:事故区間が特定できない水濡れ事故
神戸CFSからバンコクCFSへ、木箱入り機械部品10Cases、貨物価額1,600万円をLCLで輸送した案件を想定します。
元請フォワーダーE社は荷主へHouse B/Lを発行し、Co-Loader F社の混載サービスを利用しました。
バンコクでDevanningした際、4Casesに水濡れがあり、損害額は430万円でした。
輸出CFSのDock Receiptには外装異常の記載がなく、Vanning写真にも明確な水濡れはありませんでした。
一方、仕向地Devanning写真ではコンテナ床に湿潤跡がありましたが、コンテナ外板に穴はなく、塩分検査も明確な海水反応を示しませんでした。
荷主は、貨物がE社のHouse B/L区間内で損傷したためE社が責任を負うと主張しました。
E社は、F社指定CFSでのVanning又はshipping line管理下のコンテナに原因があると主張しました。
F社は、貨物内部の含水又は梱包材の乾燥不足が原因であり、CFS作業には異常がなかったと主張しました。
shipping lineは、コンテナ点検及び航海記録に異常がなく、外部からの水侵入は立証されていないと主張しました。
判断では、出荷前含水、梱包、CFS受領状態、Vanning、Container Inspection、EIR、航海記録、Devanning及びSurvey結果を時系列で比較します。
事故区間が確定しなくても、E社は荷主への契約責任を検討しながら、F社への通知期限を保全し、F社はshipping line及びCFSへの権利を保全する必要があります。
共同Survey、Vanning時の床面写真及びコンテナ内部湿度記録を確保していれば、原因判断の精度を高められました。
具体例4:仕向地費用とD/O発行者が見積と異なった場合
大阪CFSからホーチミンCFSへ、産業部品6Pallets、貨物価額1,350万円を輸送した案件を想定します。
元請フォワーダーG社は、荷主へDestination CFS Charge及びD/O Feeを含むAll-in見積を提示しました。
しかし、Co-Loader H社が利用した現地代理店は、ConsigneeへD/O Fee、Handling Fee及びDocumentation Feeとして合計18万円を別途請求しました。
Consigneeは支払うまでD/Oを取得できず、貨物引取りが3日遅れ、Storage Charge6万円が発生しました。
荷主は、All-in見積であった以上、現地費用24万円をG社が負担すべきだと主張しました。
G社は、見積には日本側費用だけが含まれ、仕向地側費用はConsignee負担であると主張しました。
H社は、現地代理店Tariffに基づく通常費用であり、G社へ事前にTariffを送付していたと主張しました。
判断では、All-inの対象範囲、Incoterms、見積除外欄、H社からG社へのTariff送付、Arrival Notice及びConsigneeへの事前説明を確認します。
G社の見積が仕向地費用を含むと合理的に読める場合、荷主対応上はG社が費用を負担し、H社への求償又は今後の精算条件を別に整理する可能性があります。
見積時に「Destination Charges Included / Excluded」と費用名を列挙していれば、D/O停止とStorage Chargeを防止できました。
貨物保険と責任保険
| 保険 | 主な被保険利益 | 主な役割 | Co-loadでの確認事項 |
|---|---|---|---|
| 貨物海上保険 | 貨物所有者の貨物価額 | 保険条件上の貨物損害を補償する | Co-loadの有無にかかわらず付保区間・条件を確認する |
| フォワーダー賠償責任保険 | 元請フォワーダーの法律上・契約上の責任 | 手配、書類、通知、運送責任等を補償する場合がある | Co-load、下請NVOCC及びHouse B/L発行が対象か確認する |
| NVOCC責任保険 | House B/L発行者の運送人責任 | Contracting Carrierとしての責任に備える | Co-Loader利用時の責任差額・誤引渡し等を確認する |
| CFS・倉庫責任保険 | CFS・倉庫の保管・作業責任 | Vanning、Devanning、保管等の責任に備える | 元請が直接請求できる契約関係か確認する |
貨物保険会社が保険金を支払った場合、元請フォワーダー、Co-Loader、CFS又はshipping lineへ代位求償することがあります。
元請フォワーダーが貨物保険会社から請求を受けた場合、Actual Carrier又はCo-Loaderの責任を指摘することは重要ですが、それだけで元請のContracting Carrierとしての責任が当然に消えるわけではありません。
Co-load実務の判断チェックリスト
| 確認場面 | 確認する相手 | 確認事項 | 問題がある場合の対応 |
|---|---|---|---|
| 見積時 | 元請フォワーダー | 自社混載かCo-loadか、費用・責任範囲 | Co-load利用と除外費用を社内記録する |
| Co-Loader選定時 | Co-Loader | 法人名、約款、保険、CFS及び海外代理店 | 高額貨物は責任条件を事前審査する |
| Booking時 | 元請、Co-Loader | 本船、航路、Cut-off、積替え及び貨物条件 | 不明条件を確定するまで荷主へ確約しない |
| CFS案内時 | 荷主、集荷業者 | 搬入先、日時、ラベル、必要書類 | 共有アドレスで最新版を再送する |
| House B/L発行時 | 元請、Co-Loader | 発行者、相手方、Package、区間及び約款 | 各B/Lの不整合を発行前に確認する |
| Master B/L確認時 | Co-Loader、shipping line | Master Shipper、Package、航路及び期限 | 荷主向け条件との差を記録する |
| Pre-alert時 | 海外代理店 | D/O、Local Charges、Release及び到着地CFS | 元請見積・引渡条件と整合させる |
| 貨物到着時 | Consignee、海外代理店 | Arrival Notice、費用、Devanning及び引渡条件 | 異議を留保しつつ貨物引取りを優先する |
| 事故発見時 | 荷主、元請、保険会社 | 事故状態、発見日時、写真及びSurvey | 全候補者へ同時に通知する |
| Co-Loader通知時 | Co-Loader | 通知期限、B/L、Container、Seal及び証拠 | 責任確定前でも権利を保全する |
| 責任判断時 | 元請、Co-Loader、保険会社 | Contracting Carrier、Actual Carrier、事故区間及び限度 | 契約階層別に責任を判断する |
| 期限接近時 | Co-Loader、shipping line、弁護士 | 通知、出訴、仲裁及び求償期限 | 期限延長又は法的手続を行う |
よくある誤解
| 誤解 | 実際の考え方 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| Co-loadは他社の空きスペースを買うだけである | 複数のNVOCC、CFS、B/L及び海外代理店が関係する契約構造である | 書類・責任・通知経路を確認する |
| Co-loadを使っても元請の責任は全く変わらない | 荷主向け責任は残り得るが、下請求償が一段階増える | 荷主責任とCo-Loader求償を分ける |
| Co-Loaderが事故対応するため元請は対応不要である | 元請が荷主向けContracting Carrier又は窓口となる場合がある | 元請から荷主へ初動説明を行う |
| House B/Lが二枚あれば全区間の責任条件も同じである | 各House B/Lは相手方、約款、責任区間及び限度が異なる | 発行関係を契約階層ごとに確認する |
| 元請House B/Lの条件がCo-Loaderにも適用される | Co-Loaderとの契約はCo-Loader B/L・約款に基づく | Back-to-Back性を事前確認する |
| Co-Loaderがshipping lineへ求償すれば元請も全額回収できる | 各契約の限度、免責、Package及び期限により回収額が異なる | 責任差額を試算する |
| 搬入先CFSは元請の通常CFSでよい | Co-Loader指定CFSへ搬入する必要がある | Bookingごとに最新指図を確認する |
| 本船が同じならCFSを変更しても影響はない | Cut-off、ラベル、書類提出先及び混載計画が異なる | 無断変更を行わない |
| 貨物保険があれば責任関係の確認は不要である | 保険金支払後の代位求償と証拠保全が残る | 全関係者へ事故通知する |
| 元請へ通知すればCo-Loader・shipping lineへの期限も保全される | 各契約の通知・出訴期限は独立している | 各階層へ個別に通知する |
| Co-loadは必ず自社混載より安い | 横持ち、CFS、Local Charges等により総額が高くなる場合がある | 仕出地・仕向地総額で比較する |
| Co-Loader名を知らなければ元請は責任を負わない | 下請構造の不把握は元請の荷主向け責任を当然に否定しない | Booking・請求・書類から下請を特定する |
海事弁護士・専門家への相談を検討する場面
- 元請フォワーダーとCo-Loaderのどちらが荷主に対するContracting Carrierか不明な場合
- 元請House B/L、Co-Loader House B/L及びMaster B/Lの責任条件が一致しない場合
- House B/LのPackage表示の違いにより責任限度額に大きな差が生じる場合
- Co-Loaderが単なるスペース提供者であり運送人ではないと主張する場合
- 複数のCo-Loaderを経由し、最終的なMaster NVOCCを特定できない場合
- CFS搬入先変更の通知責任及び横持ち・保管・遅延費用が争われる場合
- 事故区間が輸出CFS、海上区間、仕向地CFSのいずれか特定できない場合
- Co-Loader、CFS及びshipping lineが相互に事故責任を否定する場合
- 元請への荷主請求を調査中に、Co-Loader又はMaster B/Lの期限が迫っている場合
- Co-Loader B/Lに外国裁判所、外国法又は海外仲裁が指定されている場合
- 仕向地代理店による誤引渡し、D/O又はOriginal B/Lの権限が問題となる場合
- フォワーダー責任保険がCo-load、下請NVOCC又は特定航路を対象外とする場合
- 貨物保険会社の代位求償と荷主の未填補損害請求を調整する場合
- 海外で証拠保全、訴訟、仲裁、船舶差押え又は責任財産の保全が必要な場合
次に確認する専門記事
| 確認したい論点 | 次に確認する記事 |
|---|---|
| 元請フォワーダーの基本的な地位 | Freight Forwarder(フォワーダー)―役割・契約上の地位・責任範囲 |
| NVOCC・House B/L発行者の責任 | NVOCC―House B/L発行者の地位・責任・求償構造 |
| House B/LとMaster B/Lの二層契約 | House B/LとMaster B/Lの責任・求償構造 |
| LCL混載・CFS・Vanning・Devanning | 混載業務 |
| 海上運賃・CFS Charge・Local Charges | フォワーダーと海上運賃の実務解説 |
| CFS Cut-offに間に合わない貨物 | No Show Cargoの処理 |
| D/O・Original B/L・貨物引渡し | 輸入貨物引取りの実務 |
| 貨物事故直後の写真・通知・Survey | 貨物事故の初動対応と証拠保全 |
| NVOCCへの事故通知 | NVOCCへのクレーム通知 |
| 貨物保険会社による代位求償 | 貨物海上保険の代位求償と運送人責任 |
まとめ
Co-loadは、フォワーダー又はNVOCCが、他のNVOCC・混載業者が運営するLCL混載サービスへ貨物を載せる取引形態です。
小口貨物、貨物量の少ない航路、スペース不足又は納期優先の案件で有効ですが、元請フォワーダー、Co-Loader、CFS、shipping line及び海外代理店という複数の関係者が加わります。
Co-load案件では、元請フォワーダーが荷主向けHouse B/Lを発行し、Co-Loaderが元請フォワーダーへ別のHouse B/Lを発行し、shipping lineがCo-LoaderへMaster B/Lを発行する重層構造となる場合があります。
各B/Lは、同じ貨物を対象としていても、発行者、相手方、責任区間、Package表示、責任限度、通知期限、準拠法及び管轄が異なる場合があります。
そのため、元請フォワーダーが荷主へ負担する金額と、Co-Loaderから回収できる金額、さらにCo-Loaderがshipping line等から回収できる金額が一致するとは限りません。
CFS搬入では、Co-Loaderが指定する最新の搬入先、Cut-off、ラベル及び必要書類を確認します。誤搬入が発生した場合は、荷主の搬入ミス、元請の案内ミス又はCo-Loaderの変更通知不備を時系列で切り分けます。
貨物事故時には、荷主から元請フォワーダーへのClaim対応と、元請からCo-Loaderへの通知、Co-LoaderからCFS・shipping lineへの通知を並行して行います。
元請への通知だけで、Co-Loader又はMaster B/L上の通知・出訴期限が保全されるとは限りません。
Co-loadを正確に管理するには、Standard Five Classifications上の関与類型だけでなく、各契約階層のContracting Carrier、Actual Carrier、House B/L発行者、CFS、海外代理店及び事故時の求償経路を個別に確認することが重要です。
