立替金と精算請求

立替金と精算請求とは

立替金と精算請求とは、輸入FCL貨物において、フォワーダーが船会社、NVOCC、通関業者、ドレージ会社、倉庫、ターミナル、返却デポなどへ一時的に費用を支払い、後から荷主へ請求・精算する実務をいいます。

輸入FCLでは、本船到着後にD/O Fee、THC、輸入諸掛、通関関連費用、ドレージ費用、待機料、Demurrage、Detention、空コン返却関連費用、コンテナダメージ関連費用など、複数の費用が発生します。

これらの費用は、実際には船会社、NVOCC、ドレージ会社、倉庫、通関業者など外部の関係者から発生していても、荷主にはフォワーダーからまとめて請求されることがあります。そのため、請求書を見ると、どこまでが外部実費の立替金で、どこからがフォワーダーの手数料なのか分かりにくくなることがあります。

立替金と精算請求で重要なのは、単に金額を見ることではありません。誰が、誰のために、どの費用を先に支払い、何を根拠に荷主へ精算しているのかを確認することです。

この記事で扱う範囲

本記事では、輸入FCL貨物において、フォワーダーが外部関係者へ費用を立替え、後から荷主へ精算請求する実務を扱います。具体的には、立替金、立替手数料、フォワーダー手数料、関税・消費税、船社費用、ドレージ費用、Demurrage・Detentionなどの性質の違いを整理します。

実費別途は、見積に含まれていない費用を、発生後に実額で精算するための見積条件です。一方、立替金と精算請求は、フォワーダーが外部へ先に支払い、その支払済み費用を荷主へ回収するという資金の流れに関する実務です。

つまり、実費別途は「見積外費用を後から請求する条件」に関する言葉であり、立替金は「誰が先に支払ったか」に関する言葉です。両者は関係しますが、同じ意味ではありません。

本記事では、実費別途の一般論を繰り返すのではなく、請求書の中に混在しやすい外部実費、税金、フォワーダー手数料、立替手数料、追加費用を分けて確認する方法に焦点を当てます。

立替金が発生する理由

立替金が発生する理由は、輸入FCLの実務では、貨物を止めずに進めるために、フォワーダーが先に費用を支払う場面があるためです。

たとえば、船会社への輸入諸掛の支払い、D/O交換に必要な費用、通関関連費用、ドレージ会社への費用、倉庫費用、検査関連費用などがあります。

フォワーダーがこれらを都度荷主から入金確認してから支払っていると、D/O交換、通関、CY搬出、納品が遅れることがあります。そのため、実務上はフォワーダーが先に立替え、後から荷主へ精算請求することがあります。

ただし、フォワーダーがすべての費用を無条件に立替えるとは限りません。関税・消費税、Demurrage、Detention、保管料などが高額になる場合、事前入金や支払条件の確認が必要になることがあります。

立替金・手数料・税金の違い

立替金と精算請求では、請求書の中に性質の異なる費用が混在しやすくなります。特に、立替金、立替手数料、フォワーダー手数料、関税・消費税は分けて考える必要があります。

区分 性質 主な例 確認すべきこと
立替金 フォワーダーが荷主に代わって外部へ一時的に支払った費用。 船社費用、NVOCC費用、ドレージ費用、倉庫費用、検査費用。 外部請求書、請求元、対象コンテナ、対象期間を確認する。
立替手数料 フォワーダーが資金を一時的に負担することに対する手数料。 関税・消費税立替手数料、高額船社費用の立替手数料。 事前に手数料条件が示されていたかを確認する。
フォワーダー手数料 フォワーダー自身の業務に対する費用。 輸入手配料、書類処理料、通関手配料、調整費、立会費。 外部実費とは別の業務費用として表示されているかを確認する。
関税・消費税 輸入者が本来負担すべき公租公課。 関税、輸入消費税、地方消費税。 税額、納付日、輸入許可、立替納付の有無を確認する。
追加費用 通常見積の前提から外れて発生した費用。 待機料、Demurrage、Detention、返却先変更、コンテナダメージ費用。 発生原因、見積条件、実費別途の記載、責任分担を確認する。

請求書を確認する際は、これらを一括りに「フォワーダーからの請求」と見ないことが重要です。外部実費なのか、税金なのか、フォワーダーの業務費用なのか、追加費用なのかを分けて確認します。

立替金の発生源と請求パターン

輸入FCLでは、複数の関係者から費用が発生します。フォワーダーがそれらを取りまとめて荷主へ請求する場合、請求書上では一つの請求に見えても、発生源は異なります。

発生源 主な費用例 確認すべき資料 注意点
船会社・NVOCC D/O Fee、THC、船社ローカルチャージ、Demurrage、Detention、コンテナダメージ関連費用。 Arrival Notice、船社請求明細、NVOCC請求明細、輸入諸掛明細。 フォワーダーから請求されても、船社・NVOCC由来の実費である場合がある。
通関業者 通関料、他法令対応費用、検査立会費、書類訂正費用。 通関関連明細、輸入許可書、検査関連記録。 通常通関料か、追加対応費用かを分けて確認する。
税関・公的機関 関税、輸入消費税、地方消費税、検査関連費用。 納付関連資料、輸入許可書、税額計算資料。 税金はフォワーダーの収益ではなく、輸入者が本来負担する公租公課である。
ドレージ会社・運送会社 基本ドレージ、待機料、再配達費用、時間外対応費、休日対応費、返却先変更費用。 ドレージ会社請求明細、運行記録、待機記録、納品記録。 基本ドレージと追加ドレージを分けて確認する。
倉庫・作業業者 保管料、デバン費用、作業員追加費用、フォークリフト費用、検品費用。 倉庫請求明細、作業報告、保管期間、写真。 見積に含まれる作業範囲だったか、追加作業だったかを確認する。
返却デポ 返却待機、返却予約関連費用、返却保留、コンテナ状態確認費用。 EIR、返却予約記録、デポ記録、返却完了記録。 デポ混雑、返却予約不備、コンテナダメージを分けて整理する。
フォワーダー自身 輸入手配料、書類処理料、調整費、立替手数料、緊急対応費。 見積書、請求書、作業依頼記録、メール。 外部実費ではなく、フォワーダーの業務費用として表示することが望ましい。

立替金と精算請求では、請求元がフォワーダーであっても、発生源がフォワーダーとは限りません。請求書だけで判断せず、外部請求明細や発生元を確認することが重要です。

立替金とフォワーダー手数料の違い

立替金とフォワーダー手数料は、分けて考える必要があります。

立替金は、フォワーダーが荷主に代わって外部へ支払った費用です。船会社、NVOCC、通関業者、トラック会社、倉庫、ターミナル、返却デポなどから発生した費用を、フォワーダーが一時的に支払ったものです。

一方、フォワーダー手数料は、フォワーダー自身の業務に対する費用です。書類処理、輸入手配、通関手配、ドレージ手配、連絡調整、立替管理、請求処理などに対して発生します。

請求書上では、立替金と手数料が一緒に表示されることがあります。そのため、荷主側は、請求項目ごとに外部実費なのか、フォワーダーの業務費用なのかを確認する必要があります。

関税・消費税の立替

輸入FCLでは、関税・消費税の立替が問題になることがあります。輸入許可を受けるためには、関税・消費税の納付が必要になる場合があります。荷主が直接納付する場合もありますが、通関業者やフォワーダーが立替納付し、後から荷主へ請求することもあります。

この場合、関税・消費税はフォワーダーの収益ではありません。輸入者が負担すべき税金を、通関手続上フォワーダー側が一時的に支払っているものです。

ただし、関税・消費税の立替には、フォワーダー側または通関業者側に資金負担と管理コストが発生します。そのため、立替手数料や支払条件が設定されることがあります。

関税・消費税が高額になる場合、フォワーダーが無条件に立替えるとは限りません。事前入金、与信条件、支払期限、立替上限を確認しておく必要があります。

立替手数料とは

立替手数料とは、フォワーダーが荷主に代わって費用を一時的に支払うことに対して請求する手数料です。

立替金は、フォワーダー側に資金負担が発生します。高額な関税・消費税、船社費用、保管料、Demurrage、Detentionなどを一時的に支払う場合、フォワーダー側の資金繰りや与信管理にも影響します。

そのため、立替手数料を設定することには一定の合理性があります。ただし、荷主側から見ると、立替金そのものと立替手数料が混在して見えることがあります。

見積書や請求書では、立替金と立替手数料を分けて表示することが望ましいです。特に、税金の立替、船社費用の立替、高額な外部費用の立替では、事前に手数料の有無を説明しておく必要があります。

精算請求で揉めやすい理由

立替金と精算請求で揉めやすい理由は、荷主側が請求内容を一括りに「フォワーダーからの追加請求」と受け止めやすいためです。

実際には、船会社からの実費、NVOCCからのローカルチャージ、ドレージ会社からの待機料、倉庫からの保管料、通関関連費用、関税・消費税、フォワーダー手数料、立替手数料が混在していることがあります。

この区別が曖昧なまま請求されると、荷主は「なぜ見積より高いのか」「何の費用なのか」「フォワーダーが上乗せしているのではないか」と感じやすくなります。

一方で、フォワーダー側から見ると、外部から発生した費用を立替えているだけであり、荷主へ精算請求するのは当然という認識になります。この認識差がトラブルの原因になります。

請求書を受け取ったときの確認手順

立替金や精算請求を受けた場合は、請求額だけを見るのではなく、費用の性質を順番に確認します。

確認する分岐 判断の方向性 注意点
外部実費か、フォワーダー手数料か。 外部から発生した費用なのか、フォワーダー自身の業務費用なのかを分ける。 請求項目名だけでなく、発生元を確認する。
立替金か、追加費用か。 通常発生する外部費用の立替なのか、遅れや変更で追加発生した費用なのかを確認する。 通常費用と追加費用を混同しない。
見積に含まれていたか。 見積内であれば追加請求の根拠を確認する。別途であれば実費精算の条件を確認する。 All-inやDoor Deliveryでも、すべて含まれるとは限らない。
実費別途とされていたか。 実費別途の記載があれば、後日精算の前提は説明しやすい。 ただし、実費別途でも発生原因と根拠は必要。
発生元の明細があるか。 船社請求明細、通関明細、ドレージ明細、倉庫明細などを確認する。 根拠資料がないと、請求の妥当性を判断しにくい。
対象コンテナ・対象期間が一致しているか。 請求対象の本船、コンテナ番号、期間、作業日を照合する。 別件費用や別コンテナ費用が混在していないか確認する。
追加費用の発生原因は何か。 荷主側事情、フォワーダー側事情、船社・デポ・港湾側事情を分ける。 外部請求があるだけで最終負担者が決まるわけではない。
立替手数料が含まれているか。 立替金本体と立替手数料を分けて確認する。 手数料の事前説明があったかを確認する。

判断の基本は、「誰が支払った費用か」「誰のために支払った費用か」「見積に含まれていたか」「外部明細があるか」「追加費用なら原因は何か」です。この順番で確認すると、請求内容を整理しやすくなります。

通常費用と追加費用を分ける

精算請求では、通常発生する費用と、追加的に発生した費用を分ける必要があります。

区分 主な費用例 確認すべきこと
通常発生しやすい外部費用 D/O Fee、THC、船社ローカルチャージ、通常通関料、基本ドレージ。 見積に含まれていたか、船社実費別途だったかを確認する。
税金・公租公課 関税、輸入消費税、地方消費税。 輸入者が本来負担する費用であり、立替納付か直接納付かを確認する。
作業・手配に伴う追加費用 待機料、時間外対応費、再配達費用、持ち戻り費用、特殊車両費用。 誰の事情で追加作業が必要になったかを確認する。
フリータイム超過費用 Demurrage、Detention。 CY搬出遅れ、空コン返却遅れの原因を確認する。
空コン返却関連費用 返却先変更費用、返却デポ待機料、返却予約取り直し費用。 通常返却の範囲か、追加返却費用かを確認する。
コンテナ状態に関する費用 コンテナダメージ修理費、清掃費、消臭費、返却保留費用。 EIR、写真、損傷発生区間、修理見積を確認する。

D/O Fee、THC、通常通関料、通常ドレージ費用などは、輸入FCLで通常発生し得る必要経費です。一方、Demurrage、Detention、待機料、再配達費用、返却先変更費用、コンテナダメージ費用などは、遅れ、変更、混雑、事故、作業不備などによって発生する追加費用です。

精算請求では、どの費用が通常必要経費で、どの費用が追加発生費用なのかを分けて説明することが重要です。

実費別途との関係

立替金と精算請求は、実費別途と深く関係します。見積書に「船社実費別途」「通関実費別途」「検査費用別途」「Demurrage・Detention別途」「待機料別途」などと記載されている場合、発生後に実費として精算請求されることがあります。

ただし、実費別途と書いてあるからといって、何でも後から請求できるわけではありません。その費用が実際に発生したこと、見積範囲外であること、誰の事情で発生したか、請求根拠があることを説明できる必要があります。

本記事では、実費別途という見積条件そのものではなく、発生した費用をフォワーダーが外部へ支払い、荷主へ精算請求する場面を扱います。実費別途は請求条件、立替金は資金の流れとして分けて理解することが重要です。

船社費用の立替

船社費用の立替では、D/O Fee、THC、船社ローカルチャージ、Demurrage、Detention、コンテナダメージ費用などが問題になりやすいです。

フォワーダーが船会社やNVOCCへ支払った費用を荷主へ精算請求する場合、荷主側は、それが船社由来の費用なのか、NVOCC由来の費用なのか、フォワーダー独自の費用なのかを確認する必要があります。

Arrival Notice、船社請求明細、NVOCC請求明細などを確認すれば、費用の発生元が分かりやすくなります。船社費用の立替では、請求元と発生原因を分けて見ることが重要です。

ドレージ費用の精算

ドレージ費用の精算では、基本ドレージと追加ドレージを分ける必要があります。

基本ドレージは、通常条件でCYから納品先へ配送し、空コンテナを返却する費用です。Door Delivery見積やドレージ見積に含まれていることがあります。

追加ドレージには、待機料、再配達費用、時間外対応費、休日対応費、返却先変更費用、遠方返却費用、重量物対応費用などがあります。

ドレージ費用を精算する場合は、見積に含まれていた基本ドレージの範囲と、後から発生した追加費用を分けて確認する必要があります。

Demurrage・Detentionの精算

DemurrageとDetentionは、精算請求で特に揉めやすい費用です。これらは船会社やNVOCCから請求されることが多く、フォワーダーが立替えて荷主へ請求することがあります。

ただし、発生原因が重要です。DemurrageはCY搬出遅れ、Detentionは空コン返却遅れに関係します。

荷主側の書類遅れ、納品予約未確定、デバン遅れが原因であれば荷主側負担と整理されやすくなります。一方で、フォワーダーの案内不足や手配ミスが原因であれば、単純に荷主へ転嫁することは難しくなります。

外部からDemurrageやDetentionの請求が来ていることと、最終的に荷主が負担すべきかどうかは別問題です。請求明細だけでなく、発生原因と時系列を確認する必要があります。

よくある誤解

立替金と精算請求では、外部実費、フォワーダー手数料、税金、立替手数料が混同されやすいです。誤解したまま請求書を見ると、必要な確認ができなくなります。

誤解 実務上の考え方 注意点
フォワーダーから請求された費用は、すべてフォワーダー独自の上乗せである。 フォワーダーが船会社、NVOCC、ドレージ会社などの費用を立替えている場合があります。 外部請求明細や発生元を確認する。
立替金とフォワーダー手数料は同じである。 立替金は外部へ支払った費用、フォワーダー手数料はフォワーダー自身の業務費用です。 請求項目を分けて確認する。
関税・消費税はフォワーダーの費用である。 関税・消費税は輸入者が本来負担すべき公租公課です。 立替納付か、輸入者の直接納付かを確認する。
外部から請求が来ているなら、必ず荷主が全額負担する。 外部請求がある場合でも、発生原因がフォワーダー側の手配不備であれば負担整理が必要です。 請求元と発生原因を分けて考える。
実費別途と書いてあれば、精算請求の説明は不要である。 実費別途でも、実際に発生したこと、見積外であること、発生理由を説明する必要があります。 請求根拠と時系列を確認する。
立替手数料は不当な費用である。 高額費用の立替には資金負担や与信管理が伴うため、手数料に一定の合理性がある場合があります。 事前に立替手数料の有無を確認する。

具体的なトラブル例

立替金と精算請求のトラブルは、請求書の合計額そのものよりも、費用の内訳が分からないことから発生することが多いです。

例1:船社費用とフォワーダー手数料が混在していたケース

  • Day 0:フォワーダーが輸入FCLのDoor Delivery見積を提示する。
  • Day 10:本船が到着し、船会社からD/O Fee、THC、その他ローカルチャージが発生する。
  • Day 11:フォワーダーが船社費用を立替え、D/O交換を進める。
  • Day 15:納品完了後、フォワーダーが荷主へ精算請求書を送付する。
  • Day 16:荷主は、請求書上の「輸入諸掛一式」が何を含むのか分からず、フォワーダーの上乗せではないかと疑問を持つ。
  • Day 17:フォワーダーがArrival Notice、船社請求明細、フォワーダー手数料の内訳を分けて説明する。

このケースでは、請求金額の妥当性そのものよりも、外部実費とフォワーダー手数料が分かれて表示されていなかったことが問題になっています。立替金の精算では、請求項目の内訳を分けて説明することが重要です。

例2:Demurrageを立替えたが、発生原因で争いになったケース

  • Day 0:本船が入港する。
  • Day 1:D/O交換と通関準備を進める。
  • Day 3:荷主側の商品説明が遅れ、通関申告が遅れる。
  • Day 5:フリータイムを超過し、Demurrageが発生する。
  • Day 7:フォワーダーが船会社からDemurrageを請求され、立替える。
  • Day 10:フォワーダーが荷主へDemurrageを精算請求する。
  • Day 11:荷主は、見積に含まれていると思っていたとして反論する。

このケースでは、フォワーダーが実際に船会社へDemurrageを支払っていても、それだけで精算請求が当然に認められるわけではありません。見積条件、実費別途の記載、通関遅れの原因、荷主への事前案内を確認する必要があります。

請求書で確認すべき表示

立替金と精算請求では、請求書の表示が重要です。外部実費とフォワーダー手数料が区別されていないと、荷主側は費用の性質を理解しにくくなります。

確認項目 確認する理由 確認不足で起きる問題
費用項目名 何の費用かを確認するため。 輸入諸掛、立替金、手数料が混同される。
立替先・発生元 船会社、NVOCC、ドレージ会社、倉庫など、発生元を確認するため。 フォワーダー独自費用か外部実費か判断できない。
対象コンテナ・対象本船 どの貨物に関する請求かを確認するため。 別件費用との混在を確認できない。
対象期間 Demurrage、Detention、保管料、待機料などの対象期間を確認するため。 請求日数や対象期間の妥当性を確認できない。
外部請求額 フォワーダーが実際に外部へ支払った金額を確認するため。 立替金と手数料の区別ができない。
フォワーダー手数料 フォワーダー自身の業務費用を確認するため。 外部実費に上乗せされているように見える。
立替手数料 資金立替に対する手数料の有無を確認するため。 事前合意がないとトラブルになりやすい。
消費税の扱い 課税対象、非課税・不課税、立替金の扱いを確認するため。 税務処理や請求処理で誤解が生じやすい。

事前合意の重要性

立替金と精算請求では、事前合意が重要です。見積段階で、どの費用が見積に含まれるのか、どの費用が実費別途なのか、関税・消費税は誰が納付するのか、立替手数料は発生するのかを確認しておく必要があります。

特に、関税・消費税や船社費用が高額になる場合、フォワーダー側が無条件に立替えるとは限りません。事前入金を求める場合や、与信条件によって立替可否が変わる場合があります。

荷主側は、輸入費用を商品原価として見込むだけでなく、支払タイミングと精算条件も確認しておく必要があります。フォワーダー側は、立替可否、立替上限、支払期限、立替手数料を事前に明確にしておくことが望ましいです。

見積段階で明確にすべき条件

立替金と精算請求のトラブルを防ぐには、見積段階で支払条件と精算方法を明確にしておく必要があります。

  • 船社費用は見積に含まれているのか、実費別途なのか。
  • D/O Fee、THC、船社ローカルチャージは立替精算なのか。
  • 関税・消費税は荷主が直接納付するのか、フォワーダーが立替えるのか。
  • 立替手数料は発生するのか。
  • 立替上限や与信条件はあるのか。
  • Demurrage・Detentionは実費別途か。
  • ドレージ追加費用、待機料、返却関連費用はどのように精算するのか。
  • 外部請求明細を提示するのか。
  • フォワーダー手数料と立替金を分けて表示するのか。
  • 支払期限と精算タイミングはいつか。

見積書やメールでは、「船社実費は立替精算」「関税・消費税は事前入金または立替精算」「立替手数料あり」「Demurrage・Detentionは別途実費」「外部請求明細に基づき精算」など、費用と支払条件の前提を明記しておくと、後日の費用交渉を減らしやすくなります。

請求時に確認すべき資料

立替金と精算請求を確認する際は、資料をそろえて確認します。請求書だけでは、外部実費なのか、フォワーダー手数料なのか、追加費用なのかを判断しにくいことがあります。

確認資料 確認する理由 確認不足で起きる問題
見積書 見積に含まれる費用と別途費用を確認するため。 見積内費用か実費別途か判断できない。
請求書 請求項目、金額、税区分、支払期限を確認するため。 合計額だけで判断してしまう。
外部請求明細 船社、NVOCC、ドレージ会社、倉庫などからの請求根拠を確認するため。 外部実費かフォワーダー費用か判断できない。
Arrival Notice 船社費用、D/O Fee、THC、輸入諸掛を確認するため。 船社費用の発生元を確認できない。
通関関連明細 通関料、検査費用、他法令対応費用、関税・消費税を確認するため。 税金と通関手数料を混同する。
ドレージ会社の請求明細 基本ドレージ、待機料、再手配費用、返却関連費用を確認するため。 通常費用と追加費用を分けられない。
Demurrage・Detention明細 対象期間、対象コンテナ、発生原因を確認するため。 立替金であっても最終負担者を判断できない。
関税・消費税の納付関連資料 税額と納付状況を確認するため。 税金とフォワーダー費用を混同する。
メール・連絡記録 誰がいつ何を案内し、どの条件で合意していたかを確認するため。 費用負担の判断が感覚的になる。

荷主側が確認すべきこと

荷主側は、立替金や精算請求を受けた場合、まず請求明細を確認する必要があります。単に「高い」「聞いていない」と判断するのではなく、請求内容を立替金、手数料、税金、通常費用、追加費用に分けることが重要です。

  • 費用項目ごとの発生元を確認する。
  • 見積に含まれていた費用か、別途費用かを確認する。
  • 外部請求明細があるかを確認する。
  • 関税・消費税とフォワーダー費用を分けて確認する。
  • 立替手数料の有無を確認する。
  • 追加費用については発生原因を確認する。
  • 対象本船、対象コンテナ、対象期間を確認する。
  • 支払期限と精算タイミングを確認する。

フォワーダー側が説明すべきこと

フォワーダー側は、立替金と精算請求について、荷主が理解できる形で説明する必要があります。特に、外部から発生した費用なのか、自社手数料なのか、立替手数料なのか、追加費用なのかを分けて示すことが重要です。

  • 外部実費とフォワーダー手数料を分けて表示する。
  • 請求元と発生元を説明する。
  • 対象本船、対象コンテナ、対象期間を明示する。
  • 実費別途として請求する場合は、見積条件との関係を説明する。
  • Demurrage・Detentionなどは発生原因と時系列を説明する。
  • 関税・消費税は輸入者負担の税金であることを説明する。
  • 立替手数料がある場合は、事前条件と算定根拠を説明する。
  • 必要に応じて外部請求書や発生根拠を示せるようにする。

まとめ

立替金と精算請求とは、輸入FCL貨物において、フォワーダーが船会社、NVOCC、通関業者、ドレージ会社、倉庫、ターミナルなどへ一時的に費用を支払い、後から荷主へ請求・精算する実務です。

立替金は、フォワーダーが後から自由に上乗せする費用ではありません。外部へ支払った費用を荷主へ精算するものです。一方で、請求書の中には、外部実費、フォワーダー手数料、立替手数料、関税・消費税、追加費用が混在することがあります。

荷主側は、請求内容を一括りにせず、発生元、見積範囲、外部請求明細、追加費用の原因を確認する必要があります。フォワーダー側は、立替金、手数料、税金、実費別途、追加費用を分かりやすく説明する必要があります。立替金と精算請求では、金額だけを見るのではなく、誰が支払い、誰のために立替え、何を根拠に精算しているのかを確認することが実務上の基本です。

同義語・別表記

  • 立替金
  • 立替費用
  • 精算請求
  • 立替精算
  • 実費精算
  • 輸入諸掛精算
  • Advance Payment
  • Disbursement
  • Settlement Claim
  • Reimbursement

関連用語

公式情報