デマレージ請求を受けたときの確認事項|フリータイム・搬出可能日・費用負担の整理

Points to Check When Receiving a Demurrage Claim

デマレージ請求を受けたときの確認事項

デマレージ請求を受けたときは、請求金額だけを見て支払可否を判断するのではなく、どのコンテナについて、どの期間に、なぜCYやターミナルから搬出できなかったのかを確認する必要があります。

デマレージとは、輸入コンテナを所定のフリータイム内にCYやターミナルから搬出できなかった場合に発生する超過保管料です。輸入コンテナが本船から荷揚げされ、CYに蔵置された後、一定期間は無料で保管できる期間が設定されることがあります。この無料期間をフリータイムといい、その期間を超えて実入りコンテナがCYやターミナルに残ると、デマレージが発生する可能性があります。

重要なのは、輸入許可が出ていても、直ちにCY搬出できるとは限らないという点です。輸入許可、D/O交換、D/Oレス処理、費用精算、搬出可能確認、搬出予約、ドレー手配、納品先受入は、それぞれ別の確認項目です。どこか一つが止まると、フリータイムを超過し、デマレージ請求につながることがあります。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 他の記事で詳しく扱う内容
デマレージ請求の確認 請求を受けた後、請求期間、単価、対象コンテナ、搬出日を照合する手順 Demurrageの基本的な意味やDetention・Storageとの違いはDemurrage記事で扱う
フリータイム確認 フリータイムの起算日、終了日、デマレージ発生日、土日祝日の扱い フリータイムの契約条件や延長交渉はフリータイム関連の記事で扱う
D/O処理 D/O交換、D/Oレス処理、Original B/L、Surrendered B/L、Sea Waybillの確認 D/O、D/Oレス、Arrival Notice、B/L種別は各記事で扱う
通関・輸入許可 輸入申告、輸入許可、税関検査、他法令確認が搬出に与える影響 輸入許可、税関検査、他法令確認は通関関連の記事で扱う
搬出可能確認 輸入許可後に、実際にCY又はターミナルから搬出できる状態か確認する方法 輸入許可後の搬出、CY搬出、搬出予約は各記事で扱う
ドレー・納品先調整 搬出予約、ドレージ車両、納品先受入、荷卸し予約の確認 ドレージ、納品予約、国内配送追加費用は各記事で扱う
費用負担整理 輸入者、フォワーダー、通関業者、船会社、NVOCC、ターミナル側事情の切り分け フォワーダー責任、運送人責任、求償実務は責任関係の記事で扱う
発生原因の詳細 本記事では代表的な確認観点を扱い、原因別の詳細対応は別記事に委譲する Demurrageが発生する具体的な場面は「Demurrageが発生する場面」の記事で扱う

デマレージ・ディテンション・Storageの違い

デマレージ請求を確認する前提として、まず請求されている費用が本当にデマレージなのか、ディテンションなのか、Storageなのかを確認します。名称が似ていても、発生区間、管理対象、請求主体、確認資料が異なります。

項目 デマレージ ディテンション Storage 実務上の確認ポイント
主な意味 実入りコンテナがCYやターミナルに残った場合の超過保管料 CY搬出後、空コンテナ返却が遅れた場合の返却延滞料 ターミナル、CFS、倉庫などの保管費用 請求名だけでなく、対象期間と場所を確認する
発生区間 本船荷揚げ後からCY搬出まで CY搬出後から空コンテナ返却まで 施設内で貨物又はコンテナが保管されている期間 搬出前の費用か、搬出後の費用かを分ける
主な対象 実入りコンテナ 搬出後のコンテナと空コンテナ返却 貨物、コンテナ、倉庫保管単位 FCLかLCLか、コンテナ単位か貨物単位かを確認する
主な請求主体 船会社、NVOCCなど 船会社、NVOCCなど ターミナル、CFS、倉庫、船会社など 誰からの請求かを確認する
確認する日付 荷揚げ日、フリータイム終了日、CY搬出日 CY搬出日、デバン日、空コン返却日 保管開始日、出庫日、保管終了日 請求期間と実記録を照合する
管理の中心 D/O、通関、搬出予約、ドレー、納品先受入 デバン、空コン返却、返却先、返却予約 保管場所、出庫条件、保管料率 デマレージ請求なのか別費用なのかを切り分ける

フリータイムと起算日の確認

デマレージ請求で最も重要なのは、フリータイムの起算日と終了日を正確に確認することです。フリータイムは、船会社、NVOCC、航路、コンテナ種類、貨物種類、契約条件によって異なります。また、どの日を起算日とするかも条件によって変わることがあります。

確認項目 意味 実務上の確認方法 注意点
本船入港日 本船が港に到着した日 Arrival Notice、本船動静、船会社案内で確認する 入港日と荷揚げ日が異なることがある
荷揚げ日 コンテナが本船から荷揚げされた日 船会社、NVOCC、ターミナル情報で確認する 荷役状況により入港日とずれることがある
Availability Date コンテナが搬出可能として扱われる基準日 船会社、ターミナル、搬出予約システムで確認する フリータイム起算に関係することがある
フリータイム終了日 無料保管期間が終了する日 船会社・NVOCCの料金表、A/N、契約条件で確認する 土日祝日を含むか、営業日計算かを確認する
デマレージ発生日 超過保管料が発生し始める日 請求明細、料金表、船会社回答で確認する 段階的に単価が上がる料金体系がある
搬出完了の定義 どの時点でデマレージが止まるか 船会社、NVOCC、ターミナル条件で確認する 搬出予約ではなく実際のゲートアウトが基準になることが多い
対象コンテナ 請求対象のコンテナ番号 請求書、B/L、D/O、搬出記録で確認する 複数本案件ではコンテナごとに日数が異なることがある

デマレージが発生する時系列

デマレージは、輸入コンテナが港に到着してからCY搬出されるまでの間に発生します。請求を確認する際は、請求書だけでなく、時系列でどの段階が止まったのかを確認します。

時系列 主な状態 費用リスク 確認ポイント
本船到着 輸入コンテナを積んだ本船が港に到着する フリータイム起算に関係する場合がある ETA、入港日、荷役予定を確認する
荷揚げ・CY蔵置 コンテナが本船から荷揚げされ、CYに蔵置される フリータイムが進行する 荷揚げ日、Availability Date、搬出可能予定を確認する
Arrival Notice確認 到着案内、費用、D/O条件、フリータイムを確認する 確認漏れが後続手配遅れにつながる A/N受領日、転送日、確認依頼日を記録する
D/O処理 D/O交換又はD/Oレス処理を進める D/O未了では搬出できない B/L、サレンダー確認、Sea Waybill、費用精算を確認する
輸入通関 輸入申告を行い、輸入許可を取得する 輸入許可が出ないと搬出できない 書類不備、税関検査、他法令確認を確認する
搬出可能確認 CY又はターミナル側で搬出できる状態か確認する ホールドや未精算があると搬出できない 搬出可能表示、ホールド有無、搬出予約要否を確認する
搬出予約・ドレー手配 搬出予約、トラック、シャーシ、納品先受入を整える 車両不足や予約不足がデマレージにつながる 搬出日、納品時間、ドレー空き状況を確認する
CY搬出 コンテナをCYから搬出する デマレージ対象期間の区切りになる 搬出完了日、ゲートアウト記録、コンテナ番号を確認する
搬出後 納品、デバン、空コンテナ返却へ進む ここからは主にディテンション管理になる 返却期限、返却先、返却予約を確認する

実務の流れと判断分岐

段階 確認内容 判断ポイント 問題がある場合の対応
Arrival Notice確認 本船名、ETA、B/L番号、コンテナ番号、搬入場所、フリータイム、費用条件 フリータイム終了日とデマレージ発生日を確認する 荷受人へ期限を共有し、搬出予定を逆算する
B/L・引渡条件確認 Original B/L、Surrendered B/L、Sea Waybillのいずれか D/O交換又はD/Oレス処理に進める状態か確認する 未処理なら海外側、船会社、NVOCCへ確認する
通関準備 Invoice、Packing List、他法令書類、HSコード、税番、数量 申告前確認に時間がかかるとフリータイムを圧迫する 不足資料の依頼日と回答期限を明確にする
輸入申告・許可 輸入申告日、税関許可日、税関検査の有無 許可がフリータイム内に出るか確認する 検査や書類不備がある場合は搬出予定を見直す
D/O処理・費用精算 D/O交換、D/Oレス、運賃・諸費用精算 輸入許可済みでもD/O未了なら搬出できない D/O完了日、支払日、反映日を確認する
搬出可能確認 CY又はターミナル側で搬出可能か 搬出可能でなければ原因を切り分ける ホールド、未精算、予約不可、ターミナル制限を確認する
搬出予約・配送手配 ターミナル予約、ドレー車両、納品先受入 フリータイム内に搬出できる予約・車両を確保する 予約不可なら最短搬出日と概算費用を共有する
発生後の整理 遅延原因、関係者の指示、記録、請求書 どの段階で何日止まったかを確認する 時系列表を作成し、費用負担協議に備える

デマレージが発生しやすい原因

原因 主な内容 解消できる関係者 事前確認のしやすさ
D/O未了・D/Oレス未反映 B/L処理、サレンダー確認、D/O交換、D/Oレス情報反映が完了していない 船会社、NVOCC、フォワーダー、輸入者 事前確認しやすい。搬出前に必ず確認する
費用未精算 海上運賃、THC、D/O Fee、CFS Charge、立替費用などが未払い又は入金未反映 輸入者、フォワーダー、船会社、NVOCC 事前確認しやすい。入金反映時間に注意する
通関遅延 書類不備、申告前確認、税関検査、他法令確認、HSコード確認に時間がかかる 輸入者、通関業者、関係官庁、税関 書類入手が遅い場合は事前にリスクを把握できる
搬出予約が取れない ターミナル予約枠、CFS出庫枠、港湾混雑により希望日に搬出できない フォワーダー、ドレー会社、ターミナル、CFS 繁忙期、連休前、台風後は早めに確認する
ドレー車両不足 トラック、シャーシ、ドライバーが確保できない ドレー会社、フォワーダー 早期手配で回避しやすいが、繁忙期は注意が必要
納品先受入不可 納品先の受入枠がない、倉庫満杯、荷卸し人員不足、休業日 輸入者、納品先、倉庫、フォワーダー 事前確認しやすい。搬出前に受入可否を確認する
本船遅延・港湾混雑 本船遅延、荷役遅延、ターミナル混雑、システム障害など 船会社、ターミナル、港湾関係者 当日判明することもある。本船動静を継続確認する
危険品・リーファー・特殊コンテナ フリータイムが短い、保管場所や搬出条件が厳しい、電源管理や危険品制限がある 船会社、NVOCC、ターミナル、フォワーダー 事前確認しやすい。通常コンテナと同じ条件で考えない

実務シナリオと費用負担の切り分け

シナリオ 起きていること 確認すべき資料 費用負担整理の視点
サレンダー確認が揚地側に反映されていない 輸入許可は出ているが、D/Oレス処理が進まずCY搬出できない サレンダー依頼記録、船積地代理店の回答、船会社・NVOCCの処理履歴、A/N 海外側の処理遅れか、フォワーダーの確認漏れか、輸入者からの書類指示遅れかを確認する
通関書類の不一致で輸入許可が遅れた 品名、数量、価格、原産地、他法令書類に不備があり、申告前確認に時間がかかった Invoice、Packing List、修正依頼メール、申告履歴、税関・関係官庁との記録 荷主側の資料不備か、通関業者・フォワーダー側の確認遅れかを整理する
納品先の受入枠がなく搬出できない 通関・D/Oに問題はないが、納品先都合でコンテナをCYから出せない 納品予約記録、納品先の回答、配送指示書、輸入者とのメール履歴 納品先又は輸入者側の都合か、フォワーダーの事前確認不足かを確認する
搬出予約・ドレー車両が確保できない 搬出可能だが、予約枠又は車両不足によりフリータイム内に搬出できない 搬出予約画面、ドレー会社への依頼時刻、配車回答、ターミナル混雑情報 早期手配が可能だったか、港湾混雑など外部要因だったかを確認する
税関検査・他法令確認で搬出が止まった 検査や他法令確認のため、輸入許可又は搬出が遅れた 検査通知、他法令確認資料、申告履歴、検査完了日、許可日 通常の手続上の遅れか、書類不備・申告内容不備に起因する遅れかを確認する
本船遅延や荷役遅延により予定が崩れた 本船到着やCY搬入が遅れ、予定していた通関・搬出・納品がずれた 本船動静、ターミナル情報、船会社案内、配車変更記録 外部要因による遅延か、遅延後の再手配が遅れたのかを分けて整理する
費用未精算によりD/O処理が止まった 運賃、THC、D/O Feeなどが未精算又は入金未反映で貨物引渡し処理が進まない 請求書、入金記録、送金日、入金反映日、船会社・NVOCC回答 支払指示遅れ、入金処理遅れ、案内不足のどこで止まったかを確認する
複数原因が重なってフリータイムを超過した D/O処理、通関、納品予約、ドレー手配がそれぞれ少しずつ遅れた Arrival Notice、D/O記録、申告履歴、納品予約、ドレー手配記録 最終原因だけでなく、段階ごとの遅延日数を時系列で整理する

危険品・リーファー・特殊コンテナの注意点

コンテナ・貨物区分 条件が厳しくなりやすい理由 確認ポイント 実務上の注意点
危険品コンテナ 保管場所、危険品区分、数量制限、ターミナル側の保管制限がある 危険品クラス、UN番号、搬出可能日、保管制限、搬出予約 通常コンテナより早い確認が必要になる
リーファーコンテナ 電源管理、温度管理、プラグイン費用、ターミナル設備の制約がある 温度設定、電源費用、プラグイン状況、搬出可能時間 保管費用や電源費用が別途発生することがある
フラットラック・オープントップ 荷役設備、保管スペース、搬出車両、シャーシが限定される 搬出条件、車両、荷役方法、ターミナル受入制限 通常ドライコンテナと同じ車両手配では対応できないことがある
検査対象になりやすい貨物 他法令確認、税関検査、サンプル検査などで搬出が遅れやすい 検査予定、必要書類、検査完了予定、搬出可能日 検査日程とフリータイムの関係を早めに確認する
高額貨物・大型案件 コンテナ本数が多く、数日の遅延でも費用が大きくなる 対象本数、日額、段階単価、搬出可能日 コンテナごとの発生日と搬出日を一覧化する

CFS貨物での保管料との関係

LCL貨物では、CFSから貨物を引き取るまでの間にCFS保管料や倉庫保管料が問題になることがあります。FCL貨物ではCYに残るコンテナのデマレージ、LCL貨物ではCFSに残る貨物の保管料として整理されることが多く、請求主体や料金体系が異なる場合があります。

区分 対象 発生しやすい費用 確認ポイント
FCL貨物 コンテナ単位 デマレージ、ターミナル関連費用 CY搬出可能日、フリータイム、搬出予約、ドレーを確認する
LCL貨物 CFSで仕分けされた貨物単位 CFS保管料、倉庫保管料、出庫関連費用 CFS搬入、仕分け完了、D/O処理、出庫可能日を確認する
請求名が曖昧な場合 コンテナ又は貨物 Demurrage名目、Storage名目、CFS Charge名目 請求主体、対象期間、保管場所を確認する

主要書類・確認資料

資料 確認する内容 確認する相手 確認目的
Arrival Notice 本船名、ETA、B/L番号、コンテナ番号、搬入場所、フリータイム、請求費用 船会社、NVOCC、フォワーダー 到着条件と費用条件を確認する
B/L、Surrendered B/L、Sea Waybill 貨物引渡し条件、荷受人名、B/L番号、サレンダー確認 海外側、船会社、NVOCC D/O処理に進める状態か確認する
D/O又はD/Oレス確認情報 貨物引渡し処理が完了しているか 船会社、NVOCC、フォワーダー 搬出可能になる前提条件を確認する
輸入許可書 通関上、輸入許可が出ているか 通関業者、輸入者 通関による搬出制限の有無を確認する
搬出可能確認情報 CY又はCFS側で搬出可能になっているか ターミナル、CFS、船会社 輸入許可後も搬出できる状態か確認する
搬出予約情報 搬出予約日、予約番号、ゲート受付時間 ターミナル、ドレー会社、フォワーダー 実際にいつ搬出できるか確認する
フリータイム表・料金表 フリータイム日数、起算日、土日祝日の扱い、単価 船会社、NVOCC 請求日数と単価の妥当性を確認する
配送指示書・ドレー手配書 搬出日、納品先、配送車両、ドレー手配状況 フォワーダー、ドレー会社、輸入者 搬出可能後の遅延原因を確認する
納品先の受入確認資料 納品予約、受入時間、受入不可の理由 輸入者、納品先、倉庫 納品先都合による滞留か確認する
メール・指示記録 依頼日、回答日、確認待ち、指示内容 関係者全員 費用負担整理の根拠にする

よくある誤解

よくある誤解 実際の考え方 実務上の注意点
フリータイムは全船会社・全コンテナで同じである 船会社、NVOCC、航路、コンテナ種類、貨物種類、契約条件によって異なる Arrival Notice、料金表、契約条件で個別に確認する
輸入許可が出ればデマレージは防げる 輸入許可後もD/O未了、費用未精算、搬出予約不足、ドレー不足、納品先受入不可があれば搬出できない 輸入許可日と搬出可能日を分けて確認する
D/Oを取得すればすぐ搬出できる D/O取得後もCY側の搬出可能確認、搬出予約、配送車両、納品先受入が必要である D/O完了日と実搬出日を照合する
デマレージは常に通関業者の責任である 通関遅延だけでなく、B/L、D/O、費用精算、船会社処理、ターミナル混雑、納品先都合、ドレー不足も原因になる 時系列で原因を分ける
1日や2日なら大きな問題にならない 段階的に単価が上がる場合や、複数コンテナ・特殊コンテナでは高額になることがある コンテナ本数、単価、段階料率を確認する
搬出後もデマレージが続く 通常、CY搬出後の空コンテナ返却遅延はディテンションとして整理される 搬出前と搬出後で費用名を分ける
土日祝日は必ずカウントされない 土日祝日の扱いは船会社・NVOCC・契約条件によって異なる 営業日計算か暦日計算かを確認する
請求書が来たら費用負担者はすぐ決まる 請求書だけでは原因も負担者も確定しない 関係者の指示、記録、搬出可能日、実搬出日を確認する

フォワーダーの関与範囲対比表

区分 支援しやすいこと 断定すべきでないこと 実務上の対応
フリータイム確認 Arrival Notice、料金表、船会社・NVOCC案内から期限を確認する フリータイムが必ず延長されると説明すること 起算日、終了日、デマレージ発生日を明示する
D/O処理確認 B/L、サレンダー、D/O交換、D/Oレス反映、費用精算を確認する D/O未了でも搬出できると判断すること D/O処理完了日と搬出可能日を記録する
通関状況確認 申告日、許可日、税関検査、他法令確認を整理する 税関検査を必ず回避できると説明すること 確認依頼日、申告日、許可日、検査完了日を記録する
搬出予約・ドレー調整 搬出予約、車両、シャーシ、納品先受入を調整する 搬出可能なら必ず当日配送できると説明すること 納品先予約と車両確保を同時に確認する
請求内容確認 請求期間、日数、単価、対象コンテナ、ゲートアウト記録を照合する 船会社・NVOCCの請求が常に正しいと即断すること フリータイム表と実搬出日を照合する
費用負担整理 時系列表、メール、依頼記録、回答記録を整理する 一つの原因だけで負担者を断定すること 複数原因が重なっていないか確認する
減免・交渉補助 事情説明、証拠資料提出、減免依頼を補助する 減免が必ず認められると保証すること 契約条件、船会社判断、証拠資料を前提に交渉する

判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
Arrival Notice受領時 船会社、NVOCC、フォワーダー 本船名、ETA、B/L番号、コンテナ番号、フリータイム、費用条件 フリータイム終了日を荷受人へ共有する
B/L・引渡条件確認時 海外側、船会社、NVOCC、輸入者 Original B/L、Surrendered B/L、Sea Waybill、サレンダー反映 D/O処理に進めない場合は未処理理由を特定する
D/O処理時 船会社、NVOCC、フォワーダー D/O交換、D/Oレス反映、費用精算、未収費用 未精算や未反映があれば処理完了予定を確認する
通関準備時 輸入者、通関業者、フォワーダー Invoice、Packing List、品名、税番、価格、原産地、他法令 不足資料を早期に依頼し、回答期限を設定する
輸入許可後 ターミナル、船会社、NVOCC、ドレー会社 搬出可能状態、ホールド有無、搬出予約、ゲート条件 搬出できない理由をD/O・費用・ターミナル側に分けて確認する
搬出予約時 ドレー会社、ターミナル、納品先 搬出予約日、車両、シャーシ、納品先受入時間 予約不可なら最短搬出日と概算費用を共有する
請求書受領時 船会社、NVOCC、フォワーダー 対象コンテナ、請求期間、単価、日数、フリータイム 実搬出日・ゲートアウト記録と照合する
費用負担協議時 輸入者、フォワーダー、通関業者、ドレー会社、船会社 遅延原因、指示記録、確認依頼日、回答日、回避可能性 時系列表を作成し、負担根拠を整理する

シナリオ1:サレンダー確認が反映されずD/Oレス処理が止まる場合

輸入許可は出ているものの、Surrendered B/Lの処理が揚地側に反映されておらず、D/Oレス処理が進まないケースです。この場合、通関上は搬出可能に見えても、船会社又はNVOCC側の貨物引渡し処理が完了していないため、CYから搬出できません。

このケースでは、サレンダー依頼日、船積地代理店の処理日、船会社又はNVOCCの反映日、D/Oレス処理完了日を確認します。海外側の処理遅れか、フォワーダーの確認漏れか、輸入者からの指示遅れかを時系列で整理します。

シナリオ2:通関書類不備で輸入許可が遅れる場合

Invoice、Packing List、品名、数量、価格、原産地、他法令書類に不備があり、輸入申告又は輸入許可が遅れたケースです。輸入許可が出なければ、通常はCY搬出に進めないため、フリータイムを超えるとデマレージが発生することがあります。

この場合、通関業者又はフォワーダーがいつ不備を発見したか、輸入者へいつ確認依頼したか、回答がいつ来たか、申告日と許可日がいつかを確認します。単に通関遅延とするのではなく、資料不備、確認依頼遅れ、輸入者回答遅れを分けて整理します。

シナリオ3:納品先の受入枠がなく搬出できない場合

輸入許可もD/O処理も完了しているにもかかわらず、納品先の受入枠が取れず、CY搬出できないケースです。大型倉庫、量販店向け物流センター、予約制の納品先では、納品可能日が限られるため、搬出可能日と納品可能日が一致しないことがあります。

この場合、デマレージの原因は通関や船会社処理ではなく、納品先調整又は国内配送手配にある可能性があります。納品予約をいつ依頼したか、納品先からどのような回答があったか、いつなら受入可能だったかを確認します。

シナリオ4:搬出予約・ドレー車両が確保できない場合

コンテナは搬出可能な状態であるにもかかわらず、ターミナルの搬出予約枠やドレー車両が確保できず、フリータイム内にCY搬出できないケースです。繁忙期、連休前後、台風後、港湾混雑時には特に起きやすい問題です。

この場合、搬出予約をいつ試みたか、ドレー会社へいつ依頼したか、配車回答はいつだったか、ターミナル混雑情報があったかを確認します。早期手配で回避可能だったのか、外部要因が大きかったのかを分けて整理します。

シナリオ5:税関検査・他法令確認で搬出が止まる場合

輸入申告後に税関検査が入り、又は食品、植物、防疫、薬機、電波などの他法令確認が必要となり、搬出が止まるケースです。これらは関係者が自由に回避できるものではありませんが、申告前確認不足や書類不備が背景にある場合もあります。

この場合、検査通知日、検査日、検査完了日、追加資料提出日、他法令確認の依頼日と完了日を確認します。通常の手続上避けられない遅れか、事前に防げた確認不足かを切り分けます。

シナリオ6:複数原因が重なってデマレージが発生する場合

実務では、デマレージの原因が一つだけとは限りません。D/O処理が一日遅れ、通関確認にも時間がかかり、さらに納品予約が取れなかったため、結果としてフリータイムを超えることがあります。

この場合、最終的な遅延原因だけを見ると、費用負担の判断を誤る可能性があります。Arrival Notice受領日、D/O処理日、輸入申告日、輸入許可日、搬出予約日、ドレー手配日、実搬出日を並べ、どの段階で何日遅れたのかを時系列で整理することが重要です。

まとめ

デマレージ請求を受けたときは、請求金額だけで判断せず、フリータイムの起算日、終了日、デマレージ発生日、対象コンテナ、実際のCY搬出日を確認する必要があります。デマレージは主にCY搬出前の費用であり、CY搬出後の空コンテナ返却遅延で発生するディテンションとは区別します。

実務上は、輸入許可、D/O処理、費用精算、搬出可能確認、搬出予約、ドレー手配、納品先受入を一体で確認します。輸入許可が出ていても、D/O未了、搬出予約不足、車両不足、納品先受入不可があれば、CYから搬出できないことがあります。

デマレージが発生した場合は、誰が払うかを先に決めるのではなく、どの段階で搬出が止まり、誰がいつ何を確認し、どの時点から搬出可能だったのかを時系列で整理することが重要です。この記録が、費用負担の判断、減免交渉、関係者への説明の基礎になります。

同義語・別表記

  • デマレージ請求
  • Demurrage請求
  • デマレージ請求対応
  • デマレージ費用確認
  • デマレージ費用負担
  • コンテナ超過保管料の確認

公式情報