UN番号

UN番号とは

UN番号とは、危険品を輸送上識別するために付けられる4桁の国際番号です。

国連番号とも呼ばれ、危険品輸送では、正式輸送品名、危険物クラス容器等級、包装基準、ラベル、危険物申告書などと結び付いて使われます。

フォワーダー実務では、UN番号は危険品手配の中心情報です。荷主からSDSや危険物申告書を受け取った場合、まずUN番号を確認し、その番号に対応する正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、輸送条件、船会社・航空会社の受託可否を確認します。

ただし、UN番号は危険品確認の入口情報であり、UN番号だけで輸送可否が決まるわけではありません。数量、荷姿、包装形態、輸送モード、受託条件によって、実際の手配条件は変わります。

この記事で扱う範囲

本記事では、UN番号をフォワーダー実務でどのように読むかを扱います。

中心となるのは、UN番号一覧を暗記することではなく、SDS、危険物申告書、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、IMDG Code、IATA危険物規則とどう結び付けて確認するかという実務判断です。

特に、UN番号と正式輸送品名の関係、インボイス品名との違い、同じUN番号でも輸送条件が分かれる場合、海上輸送と航空輸送で確認先が変わる場合、書類間でUN番号が一致しない場合を整理します。

UN番号の基本的な役割

UN番号は、危険品を国際的に識別するための番号です。

同じ化学品や製品でも、国や言語によって名称が異なることがあります。UN番号を使うことで、荷主、フォワーダー、船会社、航空会社、倉庫、CFS、通関業者などの関係者が、同じ危険品として認識しやすくなります。

たとえば、インボイス上の品名が「塗料」「接着剤」「洗浄剤」「香料」などの一般名であっても、輸送上はUN番号と正式輸送品名に基づいて危険品として整理する必要があります。

確認対象 役割 実務上の注意
UN番号 危険品を輸送上識別する4桁番号。 危険品確認の入口になるが、単独では輸送条件を確定できない。
正式輸送品名 輸送規則上、その危険品を表す標準的な品名。 商品名やインボイス品名と異なる場合がある。
危険物クラス 爆発性、ガス、引火性、腐食性、毒性などの主な危険性。 ラベル、積付け、隔離、受託可否に関係する。
容器等級 該当貨物の危険性の程度や包装条件に関係する区分。 包装基準や数量制限の確認につながる。
副次危険性 主危険性に加えて存在する追加の危険性。 ラベル、隔離、混載可否の確認に影響する。

UN番号と正式輸送品名の関係

UN番号は、正式輸送品名とセットで使います。

正式輸送品名とは、危険品輸送上その貨物を表す標準的な品名です。インボイス上の商業品名、商品名、社内品番、一般名称とは異なる場合があります。

UN番号だけでは、貨物の具体的な形態や条件が十分に分からないことがあります。正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、数量、荷姿と組み合わせて初めて、輸送上の確認が進みます。

区分 実務上の見方
商品名・販売名 クリーナー、接着剤、塗料、香料、洗浄剤など。 商流上の名称であり、危険品輸送上の正式名称とは限らない。
正式輸送品名 危険品輸送規則上の標準的な品名。 危険物申告書や輸送書類に使う基礎情報になる。
UN番号 危険品を識別する4桁番号。 正式輸送品名、クラス、容器等級、包装条件とセットで確認する。
N.O.S.品名 特定の一般品名に収まらない危険品の分類で使われることがある。 成分名や技術名の補足が必要になる場合がある。

フォワーダーは、インボイス品名だけで危険品該非を判断してはいけません。SDSの輸送情報欄、危険物申告書、現物ラベルを確認し、UN番号と正式輸送品名が正しく対応しているかを確認します。

正式輸送品名とインボイス品名が一致しない場合

正式輸送品名とインボイス品名が一致しないこと自体は珍しくありません。問題は、その不一致が単なる商業品名の違いなのか、別製品のSDSや誤った危険品分類によるものなのかを確認しないまま手配を進めることです。

手順 確認すること 対応の方向性
1. インボイス品名を確認する 商品名、型番、品番、用途、メーカー名。 対象貨物を特定する。
2. SDSの製品名を確認する SDS上の製品名、会社名、改訂日。 インボイス上の貨物と同じ製品のSDSか確認する。
3. SDS第14項を確認する UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級。 輸送上の危険品分類を確認する。
4. 危険物申告書を確認する 申告書上のUN番号、正式輸送品名、数量、包装。 SDS第14項と一致しているか確認する。
5. 荷主・メーカーへ確認する 品名差異、別名、型番、成分、用途。 同一製品であること、正しい正式輸送品名であることを確認する。
6. 受託条件を確認する 船会社、航空会社、CFS、倉庫の受入可否。 正しいUN番号と正式輸送品名で手配を進める。

品名が一致しない場合は、書類を無理に合わせるのではなく、対象製品と輸送分類を確認してから進めることが重要です。

UN番号・危険物クラス・副次危険性の関係

UN番号は、危険物クラスと密接に関係します。ただし、UN番号を見ただけで、主危険性、副次危険性、容器等級、包装条件のすべてが自動的に分かるわけではありません。

危険品には、主たる危険性に加えて、副次危険性がある場合があります。たとえば、引火性を主危険性としながら、毒性や腐食性などの副次危険性を持つ貨物では、ラベル、隔離、積付け、受託可否の確認がより複雑になります。

確認項目 意味 実務上の影響
主危険性 その貨物の主な危険性を示す分類。 主ラベル、積付け、基本的な受託可否に関係する。
副次危険性 主危険性に加えて存在する追加の危険性。 追加ラベル、隔離条件、混載可否に影響する。
容器等級 該当する場合、危険性の程度や包装条件に関係する区分。 包装基準、数量制限、船会社・航空会社確認に関係する。
海洋汚染物質 海上輸送で環境有害性に関係する該当性。 海洋汚染物質マーク、申告、船会社確認に関係する。

フォワーダーは、UN番号だけを見るのではなく、主危険性、副次危険性、容器等級、海洋汚染物質該当性をセットで確認する必要があります。

同じUN番号でも条件が分岐する場合

同じUN番号が確認できていても、数量、容器、濃度、包装形態、輸送モードなどによって、実際の手配条件が変わることがあります。

分岐する要素 起きる可能性があること 確認すること
数量 少量扱い、制限数量、危険物申告書要否、受託条件が変わる場合がある。 1容器あたりの数量、総数量、外装単位を確認する。
容器・包装 瓶、缶、ドラム、カートン、エアゾールなどで包装基準が変わる場合がある。 内装、外装、UN容器、ラベル表示を確認する。
濃度・成分 同じ商品名でも濃度や成分変更により分類が変わる場合がある。 SDSの成分情報、改訂日、危険品判定資料を確認する。
副次危険性 主危険性だけでは隔離やラベル条件を判断できない場合がある。 危険物クラス、副次危険性、必要ラベルを確認する。
海洋汚染物質該当性 海上輸送で追加表示や申告が必要になる場合がある。 SDS、危険物申告書、外装表示を確認する。
海上輸送・航空輸送の違い 海上では受けられても、航空では受託不可または条件付きとなる場合がある。 IMDG CodeとIATA危険物規則を分けて確認する。
船会社・航空会社の独自条件 規則上可能でも、運送人が受けない場合がある。 船会社、航空会社、クーリエ会社、CFS、倉庫の条件を確認する。

UN番号が同じであっても、前回と同じ条件で輸送できるとは限りません。数量、荷姿、輸送モード、受託条件が変わる場合は、再確認が必要です。

SDSとの関係

SDSの輸送情報欄には、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、海洋汚染物質該当性などが記載されることがあります。

危険品輸送では、SDSのこの欄が重要な確認資料になります。ただし、SDSにUN番号が記載されていない場合でも、必ず非危険品とは限りません。

SDSの状態 注意点 対応の方向性
SDSにUN番号がある 危険品に該当する可能性が高いが、輸送可否までは確定しない。 正式輸送品名、クラス、容器等級、輸送モード別条件を確認する。
SDSにUN番号がない 非危険品の場合もあるが、輸送情報欄が不完全な場合もある。 最新版SDS、メーカー確認書、非危険品証明書を確認する。
SDSが古い 分類、成分、法令、輸送情報が現在の扱いと異なる可能性がある。 最新版を取得し、改訂日と第14項を確認する。
SDSと現物ラベルが矛盾する 別製品、旧ラベル、誤ったSDSの可能性がある。 現物写真、ラベル、型番、メーカー確認を照合する。
SDSと危険物申告書のUN番号が異なる 危険品分類が確定できず、受託確認が止まる。 荷主・メーカーへ確認し、正しいUN番号を確定する。

危険物申告書との関係

危険物申告書では、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、数量、容器、緊急連絡先などが記載されます。

フォワーダーは、危険物申告書のUN番号と、SDS、インボイスパッキングリスト、現物ラベルの内容に矛盾がないかを確認する必要があります。

照合対象 確認する内容 不一致がある場合
SDS UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級。 SDSと申告書のどちらが正しいか、荷主・メーカーへ確認する。
インボイス 商品名、型番、数量、メーカー名。 対象製品とSDSが一致しているか確認する。
パッキングリスト 数量、荷姿、容器、外装、重量。 危険物申告書の数量・包装条件と一致しているか確認する。
現物ラベル・外装表示 UN番号、危険品ラベル、GHS表示、ケースマーク。 書類と現物表示が一致しているか確認する。
非危険品証明書 非危険品とする根拠。 SDSや現物表示と矛盾していないか確認する。

UN番号の記載誤りは、船会社・航空会社の受託拒否、搬入拒否、積載遅延、誤った隔離・積付けにつながる可能性があります。

海上輸送と航空輸送での確認の違い

UN番号は、海上輸送でも航空輸送でも危険品確認の入口になります。ただし、同じUN番号であっても、海上輸送と航空輸送では確認先、包装、数量制限、受託可否が異なる場合があります。

確認項目 海上輸送 航空輸送
基準となる規則 IMDG Codeを確認する。 IATA危険物規則を確認する。
確認先 船会社、NVOCC、CFS、危険品倉庫、トラック会社。 航空会社、クーリエ会社、空港上屋、危険品専門業者。
包装・表示 外装ラベル、UN番号表示、コンテナプラカード、海洋汚染物質表示を確認する。 航空危険品ラベル、包装基準、数量制限、旅客機搭載可否、貨物機専用条件を確認する。
混載・隔離 LCL混載、CFS保管、コンテナ内積付け、隔離条件が問題になる。 航空会社の受託条件、便・機材、旅客機・貨物機区分が問題になる。
リードタイム 危険品承認、CFS搬入締切、船会社確認に時間がかかる。 航空会社事前確認、書類審査、上屋搬入条件に時間がかかる。
注意点 船会社が受けても、CFSやトランシップ港で止まることがある。 規則上可能でも、航空会社やクーリエ会社が受けないことがある。

フォワーダーは、UN番号を確認した後、海上輸送ならIMDG Code、航空輸送ならIATA危険物規則に分けて確認する必要があります。

リチウム電池で見るUN番号の分かれ方

リチウム電池貨物は、UN番号と貨物形態の関係を理解しやすい代表例です。

同じリチウム電池関連貨物でも、電池の種類や、電池単体か、機器同梱か、機器組込かによってUN番号や輸送条件が変わります。

区分 代表的なUN番号 実務上の確認
リチウムイオン電池単体 UN3480 Wh値、数量、包装、航空輸送可否、航空会社受託条件を確認する。
リチウムイオン電池の機器同梱・機器組込 UN3481 機器との関係、同梱か組込か、数量、表示・書類条件を確認する。
リチウム金属電池単体 UN3090 リチウム含有量、数量、包装、受託可否を確認する。
リチウム金属電池の機器同梱・機器組込 UN3091 機器との関係、電池数量、包装、表示条件を確認する。

このように、UN番号は単なる番号ではなく、貨物の種類、形態、包装、数量、輸送モードと結び付いて使われます。特に航空輸送では、UN番号が分かっても、受託可否や包装条件を別途確認する必要があります。

UN番号帯の見方

UN番号は4桁の番号であり、番号帯によっておおよその危険性カテゴリーにまとまる傾向があります。

たとえば、爆発物、ガス、引火性液体、腐食性物質、毒性物質、リチウム電池関連貨物などは、それぞれ一定の番号帯に多く見られる傾向があります。

ただし、番号帯だけで危険物クラスや輸送条件を判断してはいけません。実務では、必ずSDS、危険物申告書、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、輸送規則を確認します。

見方 実務上の使い方 注意点
番号帯の傾向を見る おおよその危険性カテゴリーを推測する補助情報になる。 推測だけで手配しない。
正式輸送品名と照合する 番号と品名が正しく対応しているか確認する。 インボイス品名だけでは判断しない。
危険物クラスと照合する 主危険性、副次危険性、ラベル条件を確認する。 番号帯とクラスが一致するとは限らない。
輸送モード別に確認する 海上輸送と航空輸送で扱いを分ける。 同じUN番号でも航空では制限が強い場合がある。

フォワーダー実務での確認フロー

UN番号がある貨物では、次の順番で確認します。

手順 確認すること 判断の方向性
1. SDSを確認する 第14項の輸送情報、UN番号、正式輸送品名。 危険品該当性を確認する。
2. 危険物申告書を確認する UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級、数量。 SDSと一致しているか確認する。
3. インボイス・パッキングリストを確認する 品名、数量、荷姿、重量、容器。 対象貨物と申告内容が一致しているか確認する。
4. 現物ラベル・外装表示を確認する UN番号、危険品ラベル、GHS表示、ケースマーク。 書類と現物が一致しているか確認する。
5. 輸送モード別に確認する IMDG Code、IATA危険物規則、船会社・航空会社条件。 海上輸送と航空輸送で条件を分けて確認する。
6. 受託可否を確認する 船会社、航空会社、CFS、倉庫、クーリエ会社。 規則上可能でも実際に受けられるか確認する。
7. 表示・書類を整える 危険物申告書、ラベル、プラカード、非危険品証明書など。 搬入拒否、受託拒否、船積み・搭載遅延を防ぐ。

よくあるトラブルと対応の方向性

UN番号に関するトラブルは、書類間の不一致や、UN番号だけで輸送可否を判断してしまうことから発生しやすいです。

よくあるトラブル 何が問題か 対応の方向性
SDSと危険物申告書のUN番号が一致しない。 危険品分類が確定できず、船会社・航空会社が受託判断できない。 荷主・メーカーへ確認し、正しいUN番号と正式輸送品名を確定する。
インボイス品名だけで通常貨物として手配してしまう。 実際には危険品に該当する可能性がある。 SDS、現物ラベル、成分、用途を確認する。
UN番号はあるが、正式輸送品名やクラスが確認できていない。 輸送条件や必要ラベルを判断できない。 危険物申告書、SDS、輸送規則上の条件を確認する。
海上輸送と航空輸送の条件を取り違える。 海上では受けられても、航空では受託不可の場合がある。 IMDG CodeとIATA危険物規則を分けて確認する。
現物ラベルに危険表示があるのに、書類上は非危険品になっている。 SDSが古い、別製品、または現物表示と資料が矛盾している可能性がある。 現物写真、ラベル、SDS、メーカー確認書を照合する。
混載貨物で隔離条件を見落とす。 UN番号に基づくクラスや副次危険性を確認していない可能性がある。 危険物クラス、副次危険性、CFS混載可否、隔離条件を確認する。
船会社・航空会社への危険品事前申告が遅れる。 承認が間に合わず、船積み・搭載が遅れる。 見積・ブッキング段階でUN番号、クラス、数量、荷姿を提出する。

荷主へ確認すべきこと

荷主からUN番号の情報を受け取った場合でも、その番号だけで手配を進めるのではなく、根拠資料と貨物実態を確認します。

  • 最新版のSDSがあるか。
  • SDS第14項にUN番号が記載されているか。
  • 正式輸送品名が確認できているか。
  • 危険物クラスと副次危険性が確認できているか。
  • 容器等級が必要な貨物か。
  • 海洋汚染物質に該当するか。
  • 危険物申告書のUN番号とSDSが一致しているか。
  • インボイス品名、現物ラベル、外装表示と矛盾がないか。
  • 海上輸送と航空輸送で条件が異なるか。
  • 危険品非該当の場合、その根拠資料があるか。
  • 船会社・航空会社・CFS・倉庫が受託可能か。

フォワーダーが注意すべき点

UN番号は、フォワーダーが危険品輸送を進めるうえで最初に確認すべき情報の一つです。

  • UN番号は、SDSと危険物申告書の両方で確認する。
  • UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級をセットで見る。
  • 副次危険性や海洋汚染物質該当性も確認する。
  • 商品名や一般名だけで危険品該非を判断しない。
  • 同じUN番号でも、数量、荷姿、包装、輸送モードで条件が変わることを前提にする。
  • 海上輸送と航空輸送で条件が異なることを前提に確認する。
  • 疑義がある場合は、荷主、メーカー、船会社、航空会社、危険品専門業者へ事前確認する。

まとめ

UN番号とは、危険品を輸送上識別するために付けられる4桁の国際番号です。

危険品輸送では、UN番号は重要な入口情報ですが、それだけで輸送可否が決まるわけではありません。正式輸送品名、危険物クラス、副次危険性、容器等級、数量、荷姿、輸送モード、受託条件と組み合わせて確認する必要があります。

特に、SDSと危険物申告書のUN番号が一致しているか、インボイス品名と正式輸送品名の関係が整理できているか、海上輸送と航空輸送で条件が異ならないかを確認することが重要です。

UN番号は、危険品輸送の共通言語です。正しいUN番号を確認し、正式輸送品名、クラス、容器等級、包装、ラベル、危険物申告書、船会社・航空会社の受託可否を整理することが、安全な輸送手配につながります。

同義語・別表記

  • UN番号
  • 国連番号
  • UNナンバー
  • UN No.
  • UN Number
  • United Nations Number