IMDG Code(海上危険物規則)―危険品海上輸送の確認事項

IMDG Code — Checks for Sea Transport of Dangerous Goods

IMDG Codeとは

IMDG Codeとは、International Maritime Dangerous Goods Codeの略で、危険品を海上輸送する際の分類、包装、表示、書類、積付け、隔離などを定める国際的な規則です。

海上輸送で危険品を安全に運ぶための基本ルールであり、船会社、フォワーダー、荷主、倉庫、CFS、通関業者が確認すべき重要な規則です。

フォワーダー実務では、IMDG Codeは危険品の海上ブッキング、CFS搬入、コンテナ積付け、混載可否、ラベル・マーク、危険物申告書、海洋汚染物質の確認に関係します。

危険品を海上輸送する場合は、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、海洋汚染物質該当性、包装、表示、積付け・隔離条件を整理し、船会社、CFS、倉庫が受けられる状態に整える必要があります。

この記事で扱う範囲

項目 本記事で扱う内容 他記事に委ねる内容
IMDG Codeの基本 海上危険品輸送でフォワーダーが確認すべき実務規則として整理します。 IMDG Codeの条文逐条解説や詳細な分類基準は、最新版の規則書や専門講習で確認する内容です。
海上危険品の確認項目 UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、包装、表示、積付け、隔離を扱います。 危険物クラスごとの詳細な分類判断は、危険品分類やSDSの記事で扱います。
SDSとの関係 SDS輸送情報欄をもとに、海上輸送上の危険品該非へどうつなげるかを扱います。 SDSの作成方法や各項目の詳細解説は、SDSの記事で扱います。
危険物申告書との関係 危険物申告書とSDS、インボイス、現物表示の照合実務を扱います。 危険物申告書の様式や記載例は、危険物申告書の記事で扱います。
IATA危険物規則との違い 海上輸送と航空輸送で、包装、数量制限、ラベル、受託可否が異なる点を扱います。 航空危険品輸送の詳細は、IATA危険物規則の記事で扱います。
CFS・倉庫・船会社の受入可否 規則上の分類と、実際のCFS搬入・倉庫保管・船会社受託可否の違いを扱います。 CFS搬入条件の詳細は、CFS危険品搬入の記事で扱います。
積付け・隔離・混載可否 危険品同士、または危険品と一般貨物を同じコンテナに積めるかを確認する実務を扱います。 個別クラスごとの詳細な隔離表の読み方は、IMDG Code本文や専門資料で確認する内容です。
トランシップ港・無申告危険品 経由港での制限、無申告・誤申告危険品が発覚した場合の初動対応を扱います。 事故後の法的責任、費用負担、損害賠償は、貨物事故・費用負担の記事で扱います。

IMDG Codeの概要

IMDG Codeは、危険物の海上輸送において、貨物ごとの具体的な輸送要件を定める規則です。

危険品の分類、包装、表示、コンテナ輸送、積付け、隔離、緊急時対応などが整理されています。

海上輸送では、危険品を通常貨物と同じ扱いで進めることはできません。貨物の危険性に応じて、申告、包装、表示、積付け、他貨物との隔離、船会社の受託確認、CFSや倉庫の受入確認が必要になります。

フォワーダーは、荷主から「危険品です」と言われた段階で、SDSと危険物申告書を確認し、IMDG Code上の分類と輸送条件を整理する必要があります。

海上危険品で確認する主な項目

IMDG Codeに関係する危険品では、UN番号や危険物クラスだけでなく、包装、表示、積付け、隔離、海洋汚染物質、船会社・CFS・倉庫の受託可否まで確認します。

確認項目 確認する内容 確認不足で起きること 実務上の対応
危険品該当性 IMDG Code上の危険品に該当するかを確認します。 通常貨物として進めてしまい、船会社・CFS確認で止まります。 SDS、GHS表示、製品仕様書、メーカー確認資料を照合します。
UN番号 輸送上どのUN番号に該当するかを確認します。 船会社やCFSが受託可否を判断できません。 SDS輸送情報欄と危険物申告書を確認します。
正式輸送品名 Proper Shipping Nameが正しく記載されているかを確認します。 危険物申告書、SDS、船会社確認で不一致になります。 UN番号と正式輸送品名をセットで確認します。
危険物クラス・副次危険性 主危険性と副次危険性が確認できているかを確認します。 ラベル、隔離、積付け、混載可否を確認できません。 SDS、危険物申告書、外装ラベルを照合します。
容器等級 該当貨物に包装等級が必要かを確認します。 包装基準や受託条件を確認できません。 包装、数量、荷姿とあわせて確認します。
包装・容器 海上輸送に適した包装・容器かを確認します。 搬入後に再梱包や受託拒否となる可能性があります。 荷主、梱包業者、危険品専門業者へ確認します。
ラベル・マーク 外装ラベル、UN番号表示、コンテナプラカード、海洋汚染物質マークの要否を確認します。 表示不備として搬入拒否や船積み延期につながります。 搬入前に外装写真や書類で確認します。
積付け・隔離 他貨物との混載可否、隔離条件、コンテナ内での積付けを確認します。 LCL混載やコンテナ詰めの段階で止まります。 CFS、混載業者、船会社へ確認します。
海洋汚染物質 Marine Pollutantに該当するかを確認します。 申告漏れや表示漏れが発生します。 SDS、危険物申告書、外装表示を照合します。
船会社・CFS・倉庫の受入可否 船会社、CFS、倉庫、トラック会社が当該危険品を受けられるかを確認します。 規則上可能でも、実務上搬入・船積みできません。 規則上の分類確認と受入可否確認を分けて行います。

IATA危険物規則との違い

IMDG Codeは海上危険品輸送の規則であり、IATA危険物規則は航空危険品輸送の規則です。

同じ貨物でも、海上輸送と航空輸送で包装、数量制限、ラベル、受託可否が異なる場合があります。航空で受けられない貨物が海上では受けられることもあれば、海上輸送でも船会社、CFS、港湾、トランシップ港の条件により制限されることがあります。

比較項目 IMDG Code IATA危険物規則 フォワーダー実務上の注意点
対象輸送 海上輸送です。 航空輸送です。 輸送モードが変わる場合は、危険品判断をやり直します。
輸送環境 船舶、コンテナ、CFS、港湾保管、トランシップ港を前提に確認します。 航空機、空港上屋、気圧変化、温度変化、搭載スペースを前提に確認します。 同じUN番号でも、確認先と制限内容が異なります。
包装基準 海上輸送に適した包装基準を確認します。 航空輸送に適した包装基準を確認します。 海上で可能な包装でも航空では不可となる場合があります。
数量制限 コンテナ積載、船会社条件、港湾・CFSでの受入条件を確認します。 1包装、1件、旅客機、貨物機専用など、航空特有の数量制限を確認します。 航空では少量でも厳しい制限を受けることがあります。
ラベル・マーキング 海上危険品ラベル、UN番号、コンテナプラカード、海洋汚染物質表示などを確認します。 航空危険品ラベル、Cargo Aircraft Only表示、リチウム電池関連表示などを確認します。 海上用表示と航空用表示を混同しないようにします。
書類 海上危険物申告、SDS、船会社・NVOCC・CFS確認が中心になります。 航空危険物申告書、航空会社受託確認、空港上屋確認が中心になります。 同じSDSでも、輸送モード別に確認資料が異なります。
受託可否 船会社、NVOCC、CFS、危険品倉庫、港湾規制、トランシップ港の制限に左右されます。 航空会社、便、機材、旅客機・貨物機区分、クーリエ会社の独自制限に左右されます。 規則上可能でも、運送人や施設が受けない場合があります。
リードタイム 危険品承認、CFS搬入締切、コンテナ詰め、積付け確認により通常貨物より長くなることがあります。 危険品確認、航空会社事前承認、書類確認、上屋搬入条件により通常貨物より長くなることがあります。 見積段階から危険品情報を確認します。

海上と航空では、同じUN番号であっても実務上の確認先と制限内容が異なります。フォワーダーは、輸送モードごとに条件を分けて確認する必要があります。

UN番号・正式輸送品名との関係

IMDG Codeでは、危険品はUN番号と正式輸送品名を基礎に整理されます。

商品名や一般名称ではなく、輸送規則上の正式輸送品名で申告する必要があります。

たとえば、インボイス上では「塗料」「接着剤」「洗浄剤」「香料」と記載されていても、IMDG Code上では別の正式輸送品名で扱われる場合があります。

確認対象 確認する内容 注意点 不一致がある場合の対応
インボイス品名 商流上の品名、商品名、一般名称を確認します。 輸送規則上の正式輸送品名と一致しないことがあります。 荷主・メーカーへ対象製品を確認します。
SDS輸送情報欄 UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、海洋汚染物質を確認します。 古いSDSや空欄のSDSでは判断できない場合があります。 最新版SDS、危険品判定資料、メーカー確認書を取得します。
危険物申告書 海上輸送用に申告するUN番号、正式輸送品名、数量、包装、ラベル情報を確認します。 SDSや現物表示と一致しているか確認します。 不一致があれば申告書を修正してから提出します。
現物ラベル・外装表示 危険品ラベル、UN番号、海洋汚染物質表示、ケースマークを確認します。 書類と現物が一致しない場合、CFSや船会社で止まります。 搬入前に外装写真や現物確認を行います。

フォワーダーは、インボイス品名だけで判断せず、SDSの輸送情報欄と危険物申告書を確認する必要があります。

SDSとの関係

SDSの輸送情報欄には、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、海洋汚染物質該当性などが記載されることがあります。

IMDG Codeでの海上輸送条件を確認する際、SDSは最初に確認する重要資料です。ただし、SDSがあるだけでは輸送可否は判断できません。

SDSの状態 実務上の注意点 対応 確認する相手
SDSにUN番号・クラスが記載されている 海上輸送条件の確認に進めますが、船会社・CFSが受けられるとは限りません。 危険物申告書、包装、ラベル、CFS受入可否、船会社受託条件を確認します。 荷主、メーカー、船会社、CFS
SDSの輸送情報欄が空欄 輸送上の危険品該非を判断できません。 荷主、メーカー、危険品専門業者へ確認し、危険品判定資料を取得します。 荷主、メーカー、危険品専門業者
SDSが古い 危険有害性情報や輸送情報が更新されている可能性があります。 最新版SDSを取得し、危険物申告書との整合を確認します。 荷主、メーカー
SDSが航空輸送中心の記載になっている 海上輸送上の条件が十分に判断できない場合があります。 IMDG Code上の扱い、海洋汚染物質該当性、船会社条件を追加確認します。 荷主、メーカー、船会社
SDSでは非危険品とされている 品名、成分、GHS表示、現物表示によっては追加確認が必要になります。 非危険品証明書、メーカー確認書、製品仕様書を取得します。 荷主、メーカー、CFS、倉庫
SDSと現物ラベルが一致しない 旧版SDS、別製品SDS、現物表示ミスの可能性があります。 現物写真、製品型番、最新版SDSを照合します。 荷主、メーカー、倉庫

危険物申告書との関係

危険品を海上輸送する場合、危険物申告書の内容が重要です。

危険物申告書には、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、副次危険性、容器等級、数量、容器、海洋汚染物質該当性、緊急連絡先などが記載されます。

フォワーダーは、危険物申告書の内容とSDS、インボイス、パッキングリスト、現物ラベル、外装表示が一致しているかを確認する必要があります。情報が一致しない場合、船会社、CFS、倉庫で受託確認が止まる可能性があります。

SDSと危険物申告書が矛盾する場合

SDSと危険物申告書の内容が一致しない場合、フォワーダーはそのまま船会社やCFSへ提出してはいけません。

矛盾の例 問題点 対応の方向性 確認する資料・相手
SDSと危険物申告書のUN番号が違う 別貨物、別分類、旧資料の可能性があります。 どちらが正しい海上輸送分類かを明確にします。 荷主、メーカー、最新版SDS、危険品判定資料
SDSでは非危険品、申告書では危険品扱い 資料の整合が取れておらず、船会社やCFSが判断できません。 メーカー確認書や危険品判定資料を取得し、どちらの扱いで進めるかを確定します。 荷主、メーカー、船会社、CFS
SDSには海洋汚染物質の記載があるが、申告書では未記載 海洋汚染物質の申告漏れや表示漏れにつながります。 該当性を確認し、必要に応じて申告書、外装表示、船会社連絡を修正します。 荷主、メーカー、船会社、CFS
申告書の数量・荷姿が実貨物と違う 包装、ラベル、コンテナ積付け、隔離条件の確認ができません。 パッキングリスト、現物写真、荷姿情報を照合し、申告書を修正します。 荷主、倉庫、梱包業者
SDSの製品名とインボイス品名が違う 別製品のSDSで手配している可能性があります。 製品名、型番、メーカー名、成分を確認し、正しいSDSを取得します。 荷主、メーカー
危険物クラスや副次危険性が一致しない 必要ラベル、隔離、積付け、船会社受託条件の判断ができません。 SDS、危険物申告書、船会社条件を照合します。 荷主、メーカー、船会社

矛盾がある場合は、SDS、危険物申告書、現物、メーカー確認資料を照合し、海上輸送上の分類と条件を確定させてから手配を進めます。

船会社・CFS・倉庫の判断が食い違う場合

IMDG Code上の分類が整理できていても、実際の受入可否は船会社、CFS、倉庫、トラック会社の判断によって変わることがあります。

食い違いの例 何が起きるか 確認する相手 実務上の対応
船会社は受託可、CFSは受入不可 ブッキングは進んでも、CFS搬入時に止まります。 船会社、CFS、混載業者 CFS受入条件、危険品倉庫、別CFS、別サービス、次船を確認します。
CFSは受入可、船会社は受託不可 搬入準備はできても、本船へ積めません。 CFS、船会社、NVOCC 別船会社、別航路、次船、貨物内容の再確認を行います。
船会社・CFSは受けるが倉庫が受けない 搬入前保管や配送手配で止まります。 倉庫、配送会社、荷主 危険品対応倉庫、直搬入、搬入日調整を検討します。
規則上は可能だが船会社独自条件で受託不可 IMDG Code上の分類だけでは進められません。 船会社、NVOCC、海外代理店 船会社ごとの危険品受託条件を確認します。
LCL混載では不可、FCLなら検討可能 他貨物との混載やCFS保管が問題になります。 CFS、混載業者、船会社 FCL化、別便、別CFS、危険品単独手配を検討します。
積地では受けられるがトランシップ港で制限がある 経由港で積替えや一時保管ができない可能性があります。 船会社、海外代理店、トランシップ港側関係者 直送ルート、別経由地、別船会社を検討します。
配送会社は運べるが搬入先が受けない 貨物は運べても、CFSや倉庫で受入拒否となります。 配送会社、CFS、倉庫 搬入予約、受入条件、必要書類を確認します。
荷主は一般貨物扱い希望、船会社・CFSは危険品扱い要求 荷主説明と実務判断が食い違います。 荷主、メーカー、船会社、CFS SDSと危険品判定資料を根拠に再確認します。

海上危険品では、規則上の分類確認と、実際の受入可否確認を分けて考える必要があります。

積付け・隔離の確認

IMDG Codeでは、危険品の積付けや隔離条件が重要です。

危険性の異なる貨物を同じコンテナや近接した場所に積むと、漏洩、発熱、火災、化学反応、汚染などのリスクが高まる場合があります。

組み合わせ例 問題になりやすい理由 確認すること 対応の方向性
酸化性物質と可燃性物質 漏洩や破損時に燃焼リスクを高める可能性があります。 混載可否、隔離要件、船会社・CFSの積付け条件を確認します。 別コンテナ、別便、FCL化を検討します。
腐食性物質と金属製品 漏洩時に金属を腐食させ、貨物損害や容器損傷につながる可能性があります。 容器の状態、漏洩防止、積付け位置、他貨物との距離を確認します。 積付け位置変更、保護材追加、貨物分離を検討します。
毒物と食品関連貨物 汚染や臭気移りが発生した場合、食品関連貨物への影響が大きくなります。 同梱可否、隔離、コンテナ分け、CFS保管条件を確認します。 混載を避け、別コンテナや別便を検討します。
引火性液体と高温環境に弱い貨物 温度管理や換気条件によりリスクが高まる場合があります。 容器、積付け場所、船会社条件、航路上のリスクを確認します。 積付け条件、航路、保管条件を確認します。
海洋汚染物質と漏洩しやすい容器 漏洩時に環境汚染や船会社・港湾での対応問題につながる可能性があります。 包装、外装、マーク、申告、緊急時対応情報を確認します。 包装補強、表示修正、船会社への追加確認を行います。
リチウム電池関連貨物と発熱リスクのある貨物 発熱、短絡、火災時の対応が問題になる可能性があります。 電池形態、包装、短絡防止、積付け条件を確認します。 船会社条件、倉庫保管条件、混載可否を確認します。

混載貨物では、危険品そのものが受託可能であっても、他貨物との組み合わせによりCFSや船会社が受けられない場合があります。

海洋汚染物質との関係

危険品の中には、海洋汚染物質に該当するものがあります。

海洋汚染物質に該当する場合、通常の危険品表示に加えて、海洋汚染物質マークや申告内容の確認が必要になることがあります。

フォワーダーは、SDSや危険物申告書で海洋汚染物質該当性を確認し、船会社や倉庫へ正確に情報を伝える必要があります。

確認対象 確認する内容 注意点 不備がある場合の対応
SDS 環境有害性、輸送情報欄、Marine Pollutant該当性を確認します。 SDSの該当性と危険物申告書が一致しているか確認します。 メーカー確認や申告書修正を行います。
GHS表示 環境有害性の絵表示があるかを確認します。 GHS表示がある場合は、海上輸送上の海洋汚染物質該当性を確認する入口になります。 SDS輸送情報欄と照合します。
危険物申告書 海洋汚染物質として申告されているかを確認します。 申告漏れがあると、船会社確認や搬入時に止まる可能性があります。 申告書を修正し、船会社へ再提出します。
外装表示 必要なマークやラベルが表示されているかを確認します。 表示不備として搬入拒否や再表示が必要になる場合があります。 搬入前に外装表示を修正します。

GHSの環境有害性表示は、IMDG Code上の海洋汚染物質該当性を確認するきっかけになります。ただし、GHS表示だけで結論を出すのではなく、SDSと危険物申告書を照合して判断します。

ブッキング時の注意点

危険品は、通常貨物より早めに船会社へ確認する必要があります。

確認項目 確認する内容 注意点 対応の方向性
危険品情報 UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級、数量、荷姿を確認します。 情報不足では船会社が受託判断できません。 荷主へ不足資料を依頼します。
SDS・危険物申告書 最新版SDS、危険物申告書、危険品判定資料を確認します。 書類不一致がある場合は承認が止まります。 提出前に内容を照合します。
船会社条件 当該船会社がその危険品を受けられるかを確認します。 船会社ごとに受託可否や必要書類が異なる場合があります。 船会社回答を記録します。
CFS・倉庫条件 CFSや倉庫が当該危険品を受けられるかを確認します。 船会社が受けても、CFSや倉庫が受けられない場合があります。 搬入条件と保管条件を確認します。
LCL混載可否 他貨物との積み合わせが可能かを確認します。 混載不可の場合、FCL化や別手配が必要になることがあります。 混載業者とCFSへ確認します。
ラベル・プラカード 外装ラベル、マーク、コンテナプラカードの要否を確認します。 表示不備は搬入拒否や船積み延期につながります。 搬入前に外装表示を確認します。
航路・経由地 直送か、トランシップがあるか、経由港で制限があるかを確認します。 トランシップ港の制限で受託不可になる場合があります。 ルート全体で受託可否を確認します。

直送ルートとトランシップルートの違い

危険品では、航路、船舶、積地、揚地、トランシップ港によって受託条件が変わることがあります。

特にトランシップがある場合、経由港での積替え、保管、現地規制、船会社やターミナルの受入条件が追加で問題になります。

確認項目 直送ルート トランシップルート フォワーダー実務上の注意点
確認先 主に積地、揚地、船会社条件を確認します。 積地、揚地に加え、トランシップ港と接続船の条件を確認します。 経由港を含めてルート全体で危険品受託可否を確認します。
保管条件 本船積載中と積地・揚地での取扱いが中心になります。 経由港で一時保管される可能性があり、保管条件や制限が問題になります。 経由港での保管可否を確認します。
規制・運用 積地・揚地の規制と船会社条件を中心に見ます。 経由国・経由港の規制、ターミナル運用、船会社の接続条件を確認します。 船会社の回答がルート全体を含むものか確認します。
遅延リスク 積地側の承認と本船スペースが中心になります。 経由港での積替え不可、次船接続不可、保管制限により遅延する場合があります。 次船接続や経由港変更の可能性を確認します。
フォワーダーの確認 ブッキング時に船会社の受託条件を確認します。 トランシップ港を含むルート全体で危険品受託可否を確認します。 直送便とトランシップ便を同じ条件で扱わないようにします。

危険品では、単に「船会社が受ける」と確認するだけでは不十分です。トランシップがある場合は、経由港で積替え・保管・接続が可能かまで確認する必要があります。

フォワーダーの関与範囲対比表

区分 支援しやすいこと 断定すべきでないこと 実務上の対応
見積段階で危険品の可能性を確認する場面 SDS、品名、成分、数量、荷姿の提出を依頼することです。 品名や少量という説明だけで通常貨物と断定することです。 危険品の可能性があれば、見積条件を保留して確認を進めます。
SDSを受け取る場面 UN番号、正式輸送品名、クラス、海洋汚染物質該当性を確認することです。 SDSがあるだけで船積み可能と断定することです。 危険物申告書、船会社条件、CFS受入可否を確認します。
危険物申告書を受け取る場面 SDS、インボイス、パッキングリスト、現物表示との整合を確認することです。 申告書が提出されたため内容確認は不要と考えることです。 不一致があれば提出前に修正します。
船会社へ確認する場面 UN番号、クラス、数量、航路、船会社受託条件を確認することです。 船会社が受ければCFSや倉庫も受けると断定することです。 CFS、倉庫、混載業者の条件も確認します。
CFS・倉庫へ確認する場面 搬入可否、保管可否、ラベル・書類条件を確認することです。 IMDG Code上可能なら現場も必ず受けると断定することです。 施設ごとの受入条件を確認します。
LCL混載を確認する場面 他貨物との混載可否、隔離条件、積付け条件を確認することです。 危険品単体で受けられるなら混載も可能と断定することです。 混載不可ならFCL化、別便、別CFSを検討します。
トランシップルートを使う場面 経由港、接続船、保管可否、現地制限を確認することです。 積地の船会社承認だけでルート全体が可能と断定することです。 経由港を含めて受託可否を確認します。
無申告・誤申告が発覚した場面 関係者通知、正しい資料取得、再確認、記録整理を行うことです。 通常貨物として処理を続けること、または責任を即断することです。 作業を止め、安全確認と是正対応を優先します。

実務で問題になりやすいケース

ケース 問題になる点 確認する資料・相手 対応の方向性
危険品申告が遅れて船会社の承認が間に合わない 危険品は通常貨物より承認に時間がかかることがあります。 SDS、危険物申告書、船会社回答 次船、別船会社、書類即時提出、荷主への遅延説明を行います。
SDSと危険物申告書のUN番号が一致しない 分類が確定できず、船会社やCFSが受託判断できません。 SDS、危険物申告書、メーカー確認 荷主・メーカーへ確認し、SDSまたは申告書を修正します。
外装ラベルやコンテナプラカードに不備がある 搬入拒否、再ラベル、船積み延期につながります。 外装写真、危険物申告書、CFS回答 搬入前にラベル、UN番号、プラカード、海洋汚染物質マークを確認します。
CFSが対象クラスの危険品を受けられない 船会社が受けても、CFS搬入で止まります。 CFS回答、船会社回答、危険品情報 別CFS、危険品倉庫、FCL化、別サービスを検討します。
LCL混載で他貨物との隔離条件に問題が出る 危険品自体は受けられても、混載コンテナに組み込めないことがあります。 CFS回答、混載業者回答、危険物クラス 混載可否、コンテナ分け、FCL化、別便を検討します。
海洋汚染物質の申告が漏れている 表示不備、申告不備として扱われる可能性があります。 SDS、危険物申告書、外装表示 SDSと危険物申告書を照合し、必要な表示・申告を修正します。
トランシップ港で危険品制限にかかる 積地では受けられても、経由港で積替えや保管ができない場合があります。 船会社回答、航路、経由港条件 直送ルート、別経由地、別船会社、次船を検討します。
無申告危険品または誤申告が発覚する 船舶火災や重大事故につながる危険があり、実務上最も避けるべきリスクです。 SDS、現物、危険物申告書、関係者回答 直ちに関係者へ通知し、船会社・CFS・倉庫の指示に従って安全確認と是正を行います。

無申告・誤申告危険品が発覚した場合

無申告危険品や誤申告は、船舶火災や重大事故の原因となるため、実務上最も避けるべきリスクの一つです。

発覚した場合は、通常貨物として処理を続けず、直ちに関係者へ通知し、安全確認と是正対応を行います。

手順 確認すること 対応の方向性 注意点
1. 作業を止める 搬入前、CFS内、船積み前、船積み後のどの段階で発覚したかを確認します。 通常貨物として処理を続けません。 安全確認を優先します。
2. 関係者へ通知する 荷主、船会社、NVOCC、CFS、倉庫、必要に応じて関係先を確認します。 関係者へ速やかに共有します。 連絡漏れが事故拡大につながる場合があります。
3. 正しい危険品情報を取得する SDS、危険物申告書、UN番号、クラス、数量、荷姿、ラベルを確認します。 誤申告の内容を修正します。 品名だけで判断しないようにします。
4. 受入可否を再確認する 船会社、CFS、倉庫が当該危険品を受けられるかを確認します。 搬入継続、再搬出、別手配を判断します。 規則上可能でも現場が受けない場合があります。
5. 追加費用と責任を整理する 再梱包、再ラベル、保管、再搬出、船積み延期、キャンセル費用を確認します。 誰の情報不足・誤申告で発生した費用かを確認します。 即断せず、経緯と証跡を記録します。

4列判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
海上輸送の見積依頼を受けたとき 荷主・メーカー SDS、品名、成分、数量、荷姿、危険品該当性を確認します。 情報不足の場合は見積条件を保留し、資料提出を依頼します。
SDSにUN番号が記載されているとき 荷主・船会社・CFS 正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、海洋汚染物質該当性を確認します。 危険物申告書、包装、ラベル、受託可否を確認します。
SDS輸送情報欄が空欄のとき 荷主・メーカー・危険品専門業者 危険品判定資料、非危険品証明書、メーカー確認書を確認します。 確認未了のまま通常貨物として進めないようにします。
危険物申告書を受け取ったとき 荷主・危険品申告者・船会社 SDS、インボイス、パッキングリスト、現物ラベルとの一致を確認します。 不一致があれば修正後に提出します。
CFS搬入を手配するとき CFS・混載業者・危険品倉庫 当該クラスの受入可否、搬入日、保管条件、外装表示を確認します。 受入不可なら別CFS、危険品倉庫、FCL化を検討します。
LCL混載を確認するとき CFS・混載業者・船会社 他貨物との混載可否、隔離条件、積付け条件を確認します。 混載不可なら別便、貨物分離、FCL化を検討します。
トランシップルートを使うとき 船会社・海外代理店 経由港、接続船、保管可否、現地制限を確認します。 経由港で不可なら直送ルート、別経由地、別船会社を検討します。
無申告・誤申告が発覚したとき 荷主・船会社・NVOCC・CFS・倉庫 発覚場所、正しい危険品情報、受入可否、安全確認、追加費用を確認します。 通常貨物として処理を続けず、関係者へ通知して是正します。

具体例1:船会社は受託可だがCFSが受入不可となったケース

荷主からSDSと危険物申告書を受領し、船会社へ危険品ブッキングを確認したところ、船会社からは受託可能との回答を得たケースです。

しかし、CFSへ搬入可否を確認したところ、当該クラスの危険品はCFSの保管設備や混載作業の都合により受入不可と回答されました。

この場合、船会社の受託可否とCFSの受入可否は別判断です。船会社が受けるからといって、CFSに搬入できるとは限りません。

フォワーダーは、別CFS、危険品倉庫、FCL化、別サービス、次船の選択肢を整理し、荷主へスケジュール影響と追加費用の可能性を案内します。

具体例2:SDSと危険物申告書の海洋汚染物質表示が食い違ったケース

SDSにはMarine Pollutant該当性が記載されている一方で、危険物申告書には海洋汚染物質としての記載がないケースです。

この状態で船会社やCFSへ提出すると、申告漏れや外装表示不足として確認が止まる可能性があります。

フォワーダーは、SDS、危険物申告書、外装表示、GHS環境有害性表示を照合し、荷主またはメーカーへ該当性を再確認します。

該当する場合は、危険物申告書、外装表示、船会社への申告内容を修正し、搬入前にCFS・倉庫へ再確認します。

具体例3:トランシップ港で危険品制限にかかったケース

積地では船会社が危険品として受託可能と回答したものの、ルート確認の結果、トランシップ港で当該危険品の積替えや一時保管ができないことが判明したケースです。

危険品では、積地の船会社確認だけでルート全体の輸送可否が決まるわけではありません。経由港、接続船、ターミナル、現地規制の条件が問題になることがあります。

フォワーダーは、直送ルート、別経由地、別船会社、次船を検討し、荷主へリードタイムと費用の違いを説明します。

トランシップを含む危険品輸送では、ブッキング前にルート全体の危険品受託可否を確認することが重要です。

具体例4:無申告危険品がCFS搬入後に発覚したケース

荷主から一般貨物として搬入された貨物について、CFSで現物ラベルやSDSを確認したところ、危険品に該当する可能性が判明したケースです。

この場合、通常貨物として作業を続けることは避けるべきです。無申告・誤申告危険品は、船舶火災や重大事故につながるおそれがあります。

フォワーダーは、CFS、船会社、NVOCC、荷主、倉庫へ速やかに連絡し、SDS、UN番号、危険物クラス、数量、荷姿、外装表示を確認します。

そのうえで、受入継続、再搬出、再梱包、再ラベル、船積み延期、別手配の要否を整理し、追加費用と発生原因を記録します。

荷主へ確認すべきこと

荷主が「少量だから大丈夫」「サンプルだから大丈夫」「一般品として出荷している」と説明しても、海上危険品では数量や用途だけで判断できません。

  • 最新版のSDSがあるか。
  • IMDG Code上の危険品に該当するか。
  • UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級が確認できているか。
  • 海洋汚染物質に該当するか。
  • 危険物申告書が必要か。
  • 外装ラベル、UN番号表示、海洋汚染物質マークが必要か。
  • LCL混載が可能か、FCL手配が必要か。
  • CFS、倉庫、船会社の受入可否を確認済みか。
  • トランシップ港で制限がないか。
  • 危険品非該当の場合、その根拠資料があるか。

よくある誤解

誤解 実務上の考え方 確認すべきこと
UN番号が分かれば船積みできる UN番号だけでは不十分で、正式輸送品名、クラス、容器等級、包装、表示、積付け条件が必要です。 SDS、危険物申告書、船会社受託条件を確認します。
SDSがあれば危険物申告書との照合は不要である SDSと危険物申告書が一致しない場合、船会社やCFSで確認が止まります。 UN番号、正式輸送品名、数量、荷姿、海洋汚染物質該当性を照合します。
船会社が受けるならCFSも受ける 船会社の受託可否とCFSの受入可否は別判断です。 CFS受入条件、搬入日、保管条件、混載可否を確認します。
IMDG Code上可能なら必ず船積みできる 規則上可能でも、船会社、CFS、倉庫、港湾、トランシップ港の条件で不可となる場合があります。 船会社条件、CFS条件、経由港条件を確認します。
LCL混載でも危険品単体が受けられれば問題ない 他貨物との隔離条件やCFS運用により混載不可となることがあります。 混載可否、積付け条件、隔離要件を確認します。
海洋汚染物質はGHS表示だけ見れば判断できる GHS表示は確認の入口ですが、IMDG Code上の該当性はSDSと危険物申告書で確認します。 Marine Pollutant該当性、外装表示、申告内容を確認します。
トランシップ港は船会社が自動的に確認してくれる 危険品では、経由港での積替え、保管、接続船条件が問題になることがあります。 経由港、接続船、トランシップ制限を確認します。
無申告危険品が見つかっても、急ぎなら通常貨物として進めればよい 無申告・誤申告危険品は重大事故につながるため、通常貨物として処理を続けてはいけません。 作業停止、関係者通知、正しい危険品情報、受入可否を確認します。

フォワーダーが注意すべき点

IMDG Codeは、フォワーダーが海上危険品輸送を進めるうえで避けて通れない実務規則です。

  • 危険品は見積段階で確認します。
  • UN番号、正式輸送品名、クラス、容器等級をセットで確認します。
  • SDS、危険物申告書、現物ラベル、インボイスを照合します。
  • 混載可否、隔離条件、CFS受入可否を事前確認します。
  • 船会社ごとの危険品受託条件を確認します。
  • 海洋汚染物質の該当性を確認します。
  • トランシップ港を含むルート全体で受託可否を確認します。
  • 疑義がある場合は、荷主、メーカー、船会社、危険品専門業者へ確認します。

まとめ

IMDG Codeとは、危険品を海上輸送する際の分類、包装、表示、書類、積付け、隔離などを定める国際的な規則です。

フォワーダー実務では、IMDG Codeは危険品の海上ブッキング、CFS搬入、コンテナ積付け、混載可否、ラベル・マーク、危険物申告書、海洋汚染物質、トランシップ港での制限確認に関係します。

重要なのは、条文を暗記することではなく、SDS、UN番号、正式輸送品名、危険物クラス、容器等級、危険物申告書、積付け・隔離条件を確認し、船会社・倉庫・CFSが安全に受けられる形に整えることです。

海上危険品では、船会社が受けられる貨物であっても、CFS、倉庫、トランシップ港で止まることがあります。見積段階から危険品情報を確認し、輸送ルート全体で受託可否を整理することが、船積み遅延と重大事故を防ぐ基本です。

本記事の要点は、IMDG Codeを単なる海上危険品規則として読むのではなく、SDS、危険物申告書、CFS搬入、混載可否、船会社受託条件、トランシップ港制限をつなぐ実務上の確認基準として扱うことです。

同義語・別表記

  • IMDG Code
  • 国際海上危険物規程
  • International Maritime Dangerous Goods Code
  • 海上危険物規則
  • IMDG
  • 海上危険品規則