医療機器―輸入時の薬機法手続と確認事項

Medical Devices — PMD Act Procedures and Import Checks

医療機器とは

医療機器とは、人または動物の疾病の診断、治療、予防に使用されること、または身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする機械器具等です。

薬機法上、医療機器は品質、有効性、安全性の確保が求められる規制対象品です。

輸入実務では、海外で一般的な健康器具、美容機器、測定機器、検査関連機器、介護用品、アプリ、ソフトウェアとして販売されている商品であっても、日本では医療機器に該当する場合があります。

商品名だけでは判断できず、用途、構造、性能、リスク区分、表示、広告表現、販売先、使用者を確認する必要があります。

この記事で扱う範囲

扱う範囲 この記事で整理する内容 別途確認すべき内容
医療機器の基本 疾病の診断、治療、予防、または身体の構造・機能に影響を及ぼす機械器具等として整理します。 個別商品の医療機器該当性は、用途、構造、広告、販売方法を踏まえて確認します。
医療機器該当性 一般商品、美容機器、健康機器、測定機器が医療機器に該当する可能性を整理します。 該当性判断が難しい場合は、輸入者、薬事担当者、行政窓口へ確認します。
クラス分類 クラスIからIV、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器の違いを整理します。 一般的名称、クラス分類、認証基準の有無は品目ごとに確認します。
承認・認証・届出 医療機器の品目手続として、承認、認証、届出の違いを整理します。 手続の詳細、審査資料、認証基準、同等性資料は別途専門確認が必要です。
体外診断用医薬品との違い 測定器本体、試薬、カートリッジ、検査キットを分けて整理します。 人体由来検体を使う試薬や診断薬は、体外診断用医薬品の記事で確認します。
プログラム医療機器 アプリ、クラウドサービス、診断支援ソフト、画像解析ソフトの該当性を整理します。 プログラム単体の該当性相談、承認・認証・届出は専門確認が必要です。
フォワーダー・通関実務 device、equipment、monitor、softwareなどの貨物名を見た場合の確認事項を整理します。 フォワーダーは医療機器該当性や許可・登録・品目手続の要否を断定しません。

医療機器が問題になる理由

医療機器は、薬機法の中でも特に分類確認が重要な分野です。

同じような機械器具であっても、使用目的、表示、広告、測定結果の使われ方、身体への作用によって、一般商品として扱える場合と医療機器として確認が必要になる場合があります。

たとえば、単なるフィットネス用品、美容機器、健康管理用機器として販売する場合と、疾病の診断、治療、予防、身体機能の改善をうたって販売する場合では、薬機法上の整理が変わる可能性があります。

輸入者は、海外でどのように販売されているかだけではなく、日本国内でどのような目的で販売・広告・使用されるかを確認する必要があります。

制度の目的・背景

医療機器は、診断、治療、予防、身体機能への作用に関係するため、不具合や誤使用が人の健康に直接影響することがあります。

そのため、医療機器では、品質、有効性、安全性、リスク分類、製造販売責任、品目ごとの承認・認証・届出、表示、広告、販売後の安全管理が重要になります。

海外で一般商品、健康機器、美容機器、研究用機器、アプリとして販売されている場合でも、日本で医療目的をうたう場合や、測定結果を診断・治療・予防に使う場合には、医療機器として確認が必要になることがあります。

輸入実務では、通関できるかだけでなく、日本国内で販売・貸与・業務使用できる分類・手続・表示・広告になっているかを確認する必要があります。

対象となる商品

医療機器に該当する可能性がある商品には、医療現場で使用される機器だけでなく、家庭用、健康管理用、美容関連、介護関連の商品も含まれることがあります。

商品例 主な用途 確認すべき点 注意点
血圧計、体温計、パルスオキシメータ 身体状態や測定値を把握するために使用されます。 一般的名称、クラス分類、認証・届出、表示、販売先 健康管理用品に見えても医療機器に該当する場合があります。
コンタクトレンズ、補聴器 視力や聴力の補正・補助に使用されます。 高度管理医療機器該当性、販売管理、承認・認証 一般雑貨や美容用品として扱えるとは限りません。
注射器、カテーテル、手術器具 医療行為、処置、治療、手術に使用されます。 クラス分類、滅菌、承認・認証・届出、販売先 医療機関向け輸入では資料確認が重要です。
画像診断装置、超音波診断装置、検査装置 診断、検査、測定、画像取得に使用されます。 使用目的、性能、クラス分類、承認・認証、ソフトウェア 装置、試薬、ソフトウェアを分けて確認します。
治療用機器、リハビリ機器 治療、機能回復、リハビリテーションに使用されます。 治療目的、身体への作用、販売先、広告表現 「改善」「治療」などの表現は医療機器該当性に影響します。
家庭用美容機器・健康機器 美容、リラクゼーション、健康管理を目的として販売されることがあります。 EMS、光、超音波、温熱、低周波、広告表現 医療目的や身体機能改善をうたうと医療機器として確認が必要です。
アプリ、クラウドサービス、診断支援ソフト 測定データの解析、画像解析、診断支援、リスク判定に使われることがあります。 プログラム医療機器該当性、使用目的、判定機能、広告 物理的な貨物がなくても薬機法上の確認が必要になることがあります。

規制適用の場面一覧

場面 規制が問題になる理由 確認すべき資料 止まりやすい原因
海外の健康機器を輸入販売する場合 健康器具に見えても、診断・治療・予防・身体機能への作用をうたうと医療機器に該当する可能性があります。 商品カタログ、仕様書、広告文、用途説明 海外でwellness deviceとして販売されていることだけで判断する場合です。
医療機関・介護施設向けに販売する場合 使用者や販売先が医療用途に近く、医療機器該当性や品目手続が問題になります。 販売先資料、使用目的、取扱説明書、承認・認証・届出資料 一般商品として輸入した後に医療機関向け販売を予定する場合です。
測定結果を診断・治療判断に使う場合 単なる測定機器ではなく、医療判断に使われる機器として確認が必要です。 測定項目、結果表示、使用説明、広告、販売資料 測定できることだけを見て、結果の使われ方を確認していない場合です。
美容機器で身体作用をうたう場合 EMS、低周波、光、超音波、温熱などの作用と広告表現が問題になります。 仕様書、SDS、広告、使用説明、海外ラベル 海外広告をそのまま日本語訳して販売する場合です。
検査装置と試薬をセットで輸入する場合 装置本体は医療機器、試薬やカートリッジは体外診断用医薬品に該当する可能性があります。 装置仕様書、試薬資料、ソフトウェア仕様、使用目的 一式を単なる検査キットとして扱う場合です。
アプリ・ソフトウェアを提供する場合 診断支援、治療支援、画像解析、リスク判定を行う場合、プログラム医療機器が問題になります。 ソフトウェア仕様書、判定ロジック、広告、利用規約 物理的な貨物がないため薬機法確認を見落とす場合です。
個人輸入品を販売・転売する場合 自己使用目的輸入と営業目的輸入は別で、販売には薬機法上の手続確認が必要です。 数量、販売先、EC出品情報、注文履歴、用途説明 個人輸入として入手したものを国内販売する場合です。

医療機器のクラス分類

医療機器は、人体へのリスクに応じてクラス分類されます。

この分類によって、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器として整理され、品目ごとの届出、認証、承認などの手続が変わります。

分類 リスクの考え方 薬機法上の区分 主な手続
クラスI 不具合が生じても人体へのリスクが極めて低いものです。 一般医療機器 届出 鋼製小物、X線フィルム、歯科技工用用品など
クラスII 不具合が生じても人体へのリスクが比較的低いものです。 管理医療機器 認証または承認 電子式血圧計、電子内視鏡、超音波診断装置など
クラスIII 不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いものです。 高度管理医療機器 承認または認証 人工呼吸器、透析器、バルーンカテーテルなど
クラスIV 患者への侵襲性が高く、不具合時に生命の危険に直結するおそれがあるものです。 高度管理医療機器 承認 ペースメーカー、人工心臓弁、ステントなど

輸入者は、商品が医療機器に該当するかだけでなく、どのクラスに分類されるかを確認する必要があります。

クラス分類を誤ると、必要な承認、認証、届出、製造販売業許可区分、販売管理体制を誤る可能性があります。

承認・認証・届出の違い

医療機器では、品目ごとの手続として、承認、認証、届出が問題になります。

一般的に、リスクが低い一般医療機器では届出が中心となり、管理医療機器では認証または承認、高度管理医療機器では承認が問題になりやすくなります。

ただし、実際の手続は、一般的名称、クラス分類、認証基準の有無、使用目的、構造、性能、既存品との同等性などによって変わります。

手続 主な対象 主な確認内容 実務上の注意点
届出 主に一般医療機器 販売名、一般的名称、形状、構造、使用目的、製造販売業者等 届出対象でも、製造販売業許可や製造業登録が不要になるわけではありません。
認証 認証基準がある管理医療機器等 認証基準への適合、性能、安全性、品質管理体制 認証基準に適合しない場合は承認が必要になることがあります。
承認 高度管理医療機器、新医療機器、認証対象外の管理医療機器等 品質、有効性、安全性、臨床評価、性能評価等 審査期間や資料作成負担が大きく、輸入販売計画に影響します。

輸入者は、海外で販売済みであることだけを理由に、日本での承認、認証、届出を省略できると考えてはいけません。

他制度・類似品との比較

区分 主な意味 医療機器との違い 確認すべき資料 実務上の注意点
医療機器 疾病の診断、治療、予防、身体の構造・機能への作用を目的とする機械器具等です。 機器本体、構造、性能、使用目的、身体への作用が中心になります。 仕様書、使用目的、一般的名称、クラス分類、品目手続資料 商品名ではなく、日本での使用目的と広告を確認します。
体外診断用医薬品 人体由来検体を用いて体外で検査・測定する試薬や検査キットです。 試薬、反応液、カートリッジなどが中心で、装置本体とは別に確認します。 対象検体、試薬説明書、検査項目、承認・認証・届出資料 検査装置と試薬をセットで輸入する場合は分けて確認します。
プログラム医療機器 診断、治療、予防等を目的とするプログラムです。 物理的な機器ではなく、アプリやソフトウェアでも医療機器になる場合があります。 ソフトウェア仕様書、判定機能、広告、利用規約 物理貨物がなくても薬機法確認が必要になることがあります。
化粧品・美容機器 美容、清潔、美化、外観上のケアを目的とする商品です。 疾病治療や身体機能改善をうたう場合、医療機器に近づくことがあります。 広告、使用説明、仕様書、身体作用の説明 美容目的か医療目的かを広告全体で確認します。
健康器具・フィットネス用品 運動、健康管理、リラクゼーションを目的とする一般商品です。 治療、予防、痛み改善、血流改善などをうたうと医療機器該当性が問題になります。 商品説明、広告、測定結果、販売先 health monitorやwellness deviceという名称だけで判断しません。
一般商品・雑品 医療目的をうたわない一般機械器具や生活用品です。 医療目的、身体作用、診断・治療・予防目的がない場合は別整理になります。 用途説明、販売資料、広告、取扱説明書 販売後の広告変更で医療機器的表現にならないよう注意します。

輸入販売における主な手続

医療機器を営業目的で輸入販売する場合、医療機器製造販売業許可、医療機器製造業登録、外国製造業者登録などの確認が必要になります。

さらに、品目ごとに承認、認証、届出が必要となる場合があります。

どの手続が必要になるかは、医療機器の分類、リスク区分、使用目的、販売形態、国内で行う保管・表示・包装作業の有無によって変わります。

確認項目 主な内容 止まりやすい原因
医療機器該当性 商品が医療機器、体外診断用医薬品、一般商品、化粧品等のどれに該当するか確認します。 海外で一般商品として販売されていることだけで判断してしまう場合です。
クラス分類 クラスI〜IV、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器を確認します。 一般的名称や使用目的を確認せず、手続区分を誤る場合です。
製造販売業許可 日本国内で市場出荷する責任主体の許可を確認します。 輸入者が単なる販売者と考えており、製造販売業者を決めていない場合です。
製造業登録 国内で保管、包装、表示、出荷判定前の作業を行う製造所を確認します。 倉庫でラベル貼付や保管を行うのに登録の要否を確認していない場合です。
外国製造業者登録 海外製造所の登録要否、製造所情報を確認します。 海外メーカーから製造所情報を取得できない場合です。
品目手続 承認、認証、届出のいずれが必要か確認します。 海外で認可済みであることを理由に日本手続を省略できると誤解する場合です。
表示・広告 添付文書、ラベル、取扱説明書、広告表現を確認します。 医療機器の承認・認証・届出範囲を超える効能効果をうたっている場合です。

体外診断用医薬品との違い

医療機器と体外診断用医薬品は、輸入実務で混同されやすい分野です。

医療機器は、疾病の診断、治療、予防や身体の構造・機能への作用を目的とする機械器具等です。

体外診断用医薬品は、血液、尿、組織、分泌物など人体由来の検体を用いて、体外で検査・測定を行うための試薬や検査キットです。

検査装置と専用試薬をセットで輸入する場合、測定器本体は医療機器、試薬やカートリッジは体外診断用医薬品として確認が必要になることがあります。

また、検査結果を処理するソフトウェアやアプリが含まれる場合には、プログラム医療機器との関係も確認する必要があります。

家庭用美容機器・健康機器との境界

家庭用美容機器や健康機器は、医療機器該当性が問題になりやすい分野です。

海外ではbeauty device、wellness device、health equipmentとして販売されていても、日本で疾病の治療、予防、改善、身体機能への作用をうたう場合には、医療機器として確認が必要になることがあります。

特に、EMS、電気刺激、温熱、光、レーザー、超音波、吸引、振動、低周波、高周波などを利用する機器では、表示・広告上の表現に注意が必要です。

例えば、「肩こりを治す」「血流を改善する」「脂肪を分解する」「治療効果がある」「痛みを改善する」「医療レベルの効果がある」といった表現を使う場合、医療機器的な効能効果として問題になる可能性があります。

一方、美容やリラクゼーション、一般的な清潔保持、外観上のケアに留まる表現であっても、機器の構造や作用によっては慎重な確認が必要です。

プログラム医療機器との関係

プログラム医療機器とは、疾病の診断、治療、予防等を目的とし、意図したとおりに機能しない場合に人の生命や健康に影響を与えるおそれがあるプログラムをいいます。

輸入実務では、物理的な機器だけでなく、アプリ、クラウドサービス、画像解析ソフト、診断支援ソフト、測定データ解析プログラムなども確認対象になることがあります。

例えば、医療画像を解析して病変候補を表示するソフト、測定データから診断支援を行うアプリ、治療方針に関係する判断支援プログラムなどでは、医療機器該当性の確認が必要です。

単なる健康記録アプリや一般的なフィットネス管理アプリであっても、疾病の診断、治療、予防をうたう場合には注意が必要です。

個人輸入と営業目的輸入の違い

医療機器では、個人使用目的の輸入と、営業目的の輸入販売を分けて考える必要があります。

自己使用目的で一定の範囲内で輸入する場合と、日本国内で販売、貸与、業務使用、医療機関向け納入を目的として輸入する場合では、確認すべき規制が異なります。

個人輸入として入手した医療機器を、日本国内で販売・転売・配布することはできません。

営業目的で輸入販売する場合には、医療機器製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、品目ごとの承認・認証・届出、表示・広告確認が必要になります。

制度適用フロー

  1. 商品名ではなく、使用目的、構造、性能、表示、広告、販売先、使用者を確認します。
  2. 疾病の診断、治療、予防、身体の構造・機能への作用を目的としているかを確認します。
  3. 医療機器、体外診断用医薬品、プログラム医療機器、一般商品、美容機器のどれに該当する可能性があるかを整理します。
  4. 医療機器に該当する可能性がある場合、一般的名称とクラス分類を確認します。
  5. 一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器の区分を確認します。
  6. 品目ごとの承認、認証、届出のいずれが必要かを確認します。
  7. 日本国内で市場出荷する製造販売業者を確認します。
  8. 国内で保管、包装、表示、ラベル貼付などを行う場合、製造業登録の要否を確認します。
  9. 海外製造所が関係する場合、外国製造業者登録を確認します。
  10. 添付文書、ラベル、取扱説明書、広告、ECサイト、SNSの表現を確認します。
  11. 通関前に、輸入者、通関業者、薬事担当者、必要に応じて専門家へ確認します。

輸入実務の流れ

段階 主な確認事項 止まりやすい原因
仕入前 使用目的、効能効果、構造、性能、販売先、広告表現を確認します。 海外で一般商品として販売されているため、日本でも規制対象外と判断する場合です。
分類確認 医療機器該当性、一般的名称、クラス分類、体外診断用医薬品との区別を確認します。 商品名だけで判断し、使用目的や測定結果の使われ方を確認していない場合です。
許可・登録確認 製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録を確認します。 市場出荷の責任主体が決まっていない場合です。
品目手続確認 承認、認証、届出のいずれが必要か確認します。 輸入手配後に品目手続が未了であることが判明する場合です。
通関申告時 用途、許可・登録、承認・認証・届出、商品資料を整理します。 インボイスにdevice、equipmentとだけ記載され、用途が不明な場合です。
国内保管・表示 ラベル、添付文書、取扱説明書、保管場所、製造業登録を確認します。 国内倉庫で表示作業を行うのに登録要否を確認していない場合です。
販売開始前 広告表現、販売先、貸与、医療機関向け説明資料を確認します。 承認・認証・届出範囲を超える効能効果を広告している場合です。

輸入実務で問題になりやすいケース

ケース 何が問題になるか 確認すべき資料 実務上の対応
海外の健康機器を一般商品として輸入する 医療目的や身体機能改善をうたう場合、医療機器該当性が問題になります。 商品カタログ、広告、仕様書、使用目的 日本向け広告と使用目的を確認します。
家庭用美容機器が医療機器に近い表現で販売される EMS、光、超音波、低周波などの作用と医療的表現が問題になります。 海外広告、仕様書、取扱説明書、販売ページ 美容目的に留まる表現か、医療機器確認が必要かを整理します。
検査装置と試薬をセットで輸入する 装置本体、試薬、ソフトウェアで規制区分が異なる可能性があります。 装置仕様書、試薬資料、ソフトウェア仕様、検査項目 構成品ごとに医療機器・体外診断用医薬品を確認します。
アプリやクラウドサービスを提供する 診断支援、治療支援、画像解析を行う場合、プログラム医療機器が問題になります。 ソフトウェア仕様書、判定ロジック、利用規約、広告 物理貨物がなくても薬機法該当性を確認します。
個人輸入品を国内販売する 自己使用目的と営業目的輸入が混同されます。 数量、販売先、EC出品情報、注文履歴 営業目的輸入として許可・登録・品目手続を確認します。
医療機関向けに販売するが品目手続が未確認 販売先が医療機関である場合、医療機器該当性や承認・認証・届出が問題になります。 販売先資料、承認・認証・届出資料、添付文書 医療機器としての手続状況を確認します。
海外認可済みを理由に日本手続を省略する 海外で販売・認可されていても、日本での手続が不要とは限りません。 海外認可資料、日本の一般的名称、クラス分類資料 日本の薬機法上の分類と手続を確認します。
国内倉庫で表示作業を行う 保管、包装、表示、ラベル貼付に製造業登録が関係することがあります。 倉庫情報、作業内容、登録資料、委託契約 物流作業か薬機法上の製造行為かを確認します。

表示・広告上の注意点

医療機器に該当しない一般商品であっても、疾病の診断、治療、予防、身体機能の改善などをうたうと、医療機器的な効能効果として問題になる可能性があります。

商品ラベル、取扱説明書、添付文書、ECサイト、パンフレット、SNS、広告文、動画説明などで、医療目的を示す表現が使われていないかを確認する必要があります。

また、承認、認証、届出を受けた医療機器であっても、その範囲を超える効能効果や使用目的を広告することは問題になる可能性があります。

輸入者は、輸入前だけでなく、販売ページ、広告、営業資料、医療機関向け説明資料まで確認する必要があります。

フォワーダー・通関実務での確認ポイント

フォワーダーや通関関係者は、貨物名が「machine」「device」「medical equipment」「health equipment」「beauty device」「monitor」「sensor」「software」などとなっている場合でも、医療機器該当性がないか確認することが重要です。

フォワーダーは、薬機法上の医療機器該当性や許可・登録・品目手続の要否を最終判断する立場ではありません。

しかし、貨物名、商品説明、販売資料、用途説明から薬機法上の確認が必要と考えられる場合には、輸入者へ確認を促し、通関業者へ早めに情報共有する必要があります。

通関で確認が入った場合、フォワーダーは輸入者から用途説明、商品カタログ、仕様書、取扱説明書、承認・認証・届出資料、許可・登録に関する資料を回収し、通関業者へ連携します。

フォワーダーが「健康器具だから問題ありません」「医療機器ではありません」と断定することは避けるべきです。

フォワーダーの関与範囲

場面 支援できること 断定すべきでないこと 実務対応
貨物名にdeviceやequipmentがある場合 輸入者へ用途、販売目的、使用者、販売先の確認を促せます。 医療機器ではない、一般商品であると断定すべきではありません。 通関業者へ早めに商品資料を共有します。
医療機関向け貨物と分かった場合 承認・認証・届出、許可・登録資料の確認を輸入者へ促せます。 医療機関向けでも規制対象外と独自判断すべきではありません。 輸入者の薬事担当者に確認を依頼します。
美容機器・健康機器の輸入時 広告表現や使用目的に医療的表現がないか確認を促せます。 美容機器だから医療機器ではないと断定すべきではありません。 海外広告の日本語使用前に確認を促します。
検査装置・試薬・ソフトウェアが一式の場合 構成品ごとの資料整理を促せます。 一式で一般商品または単なる検査キットと判断すべきではありません。 装置、試薬、ソフトウェアを分けて確認します。
通関確認が入った場合 用途説明、仕様書、承認・認証・届出資料を輸入者から回収できます。 許可不要、手続不要とフォワーダーが回答すべきではありません。 輸入者、通関業者、薬事担当者をつなぎます。
個人輸入か営業目的か不明な場合 数量、納品先、販売予定、反復性の確認を促せます。 自己使用目的であると安易に扱うべきではありません。 販売目的があれば営業目的輸入として整理します。

必要となる資料

資料 確認する内容 実務上の目的
商品カタログ 商品概要、用途、効能効果、販売先 医療機器該当性の確認に使います。
仕様書 構造、性能、作用、測定項目、電気的仕様 クラス分類や使用目的の確認に使います。
取扱説明書・添付文書 使用方法、使用目的、禁忌、注意事項、表示内容 承認・認証・届出範囲との整合を確認します。
使用目的の説明資料 診断、治療、予防、身体機能への作用の有無 医療機器該当性の判断材料になります。
販売先・使用者の説明資料 医療機関、介護施設、一般消費者、研究機関などの区分 販売形態と必要手続を確認します。
承認・認証・届出に関する資料 品目ごとの手続状況、販売名、一般的名称 日本で販売できる状態か確認します。
医療機器製造販売業許可・製造業登録資料 市場出荷責任者、国内作業場所、登録状況 輸入販売体制を確認します。
外国製造業者登録資料 海外製造所、所在地、製造範囲 海外メーカーからの輸入手続確認に使います。
ソフトウェア仕様書 判定機能、解析機能、リスク表示、診断支援機能 プログラム医療機器該当性を確認します。
インボイス・パッキングリスト 品名、数量、価格、輸入者、貨物明細 通関申告情報と薬機法資料を照合します。

4列判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
仕入検討時 輸入者、海外メーカー 使用目的、構造、性能、販売国での分類、広告表現 医療目的の表現があれば薬事確認を行います。
医療機器該当性確認時 輸入者、薬事担当者 診断、治療、予防、身体機能への作用の有無 該当性が不明な場合は専門家・行政窓口へ確認します。
クラス分類確認時 輸入者、薬事担当者、海外メーカー 一般的名称、クラスI〜IV、一般・管理・高度管理医療機器の区分 分類不明のまま輸入手配を進めないようにします。
品目手続確認時 製造販売業者、薬事担当者 承認、認証、届出のいずれが必要か 未了の場合は市場出荷前に手続状況を確認します。
通関申告時 通関業者、輸入者 用途説明、承認・認証・届出資料、許可・登録資料、商品資料 device等の曖昧な品名だけで申告しないようにします。
国内保管・表示時 輸入者、倉庫、製造業者 表示、包装、保管、ラベル貼付、製造業登録の要否 国内作業の登録要否を確認します。
広告作成時 輸入者、広告担当、薬事・法務担当者 効能効果、医療目的、承認・認証・届出範囲、SNS表現 医療機器的効能効果を過度にうたわないよう修正します。
個人輸入か確認する時 輸入者、荷受人、通関業者 自己使用目的か、販売・転売・貸与・業務使用目的か 販売目的がある場合は営業目的輸入として整理します。

実務シナリオ1:海外の健康機器を一般商品として輸入しようとするケース

輸入者が海外で販売されている健康管理機器を仕入れ、日本国内でEC販売しようとするケースがあります。

海外ではwellness deviceとして販売されていますが、商品説明には「血流を改善」「痛みを緩和」「治療効果」などの表現があります。

この場合、日本では医療機器該当性や医療機器的な効能効果が問題になる可能性があります。

輸入者は、商品名ではなく、使用目的、構造、身体への作用、広告表現を確認する必要があります。

実務シナリオ2:家庭用美容機器が医療機器に近い表現で販売されるケース

輸入者がEMS美顔器や光美容機器を輸入するケースがあります。

美容目的の商品として販売する予定ですが、海外の商品ページには「筋肉治療」「炎症改善」「脂肪分解」「医療グレード」などの表現があります。

そのまま日本語訳して販売すると、医療機器的な効能効果として問題になる可能性があります。

輸入者は、日本で一般美容機器として販売できる表現に留めるのか、医療機器として確認する必要があるのかを整理する必要があります。

実務シナリオ3:検査装置と試薬をセットで輸入するケース

輸入者が海外メーカーから小型検査装置と専用試薬をセットで輸入するケースがあります。

測定器本体は医療機器、専用試薬やカートリッジは体外診断用医薬品に該当する可能性があります。

さらに、検査結果を解析するソフトウェアが含まれる場合には、プログラム医療機器との関係も確認が必要になることがあります。

輸入者は、装置、試薬、ソフトウェアを一括して「検査キット」と見るのではなく、それぞれの薬機法上の分類と必要手続を確認する必要があります。

実務シナリオ4:医療機器プログラムをアプリとして販売するケース

輸入者または国内販売者が、海外で開発されたアプリやクラウドサービスを日本で提供するケースがあります。

単なる健康記録アプリであれば医療機器に該当しない可能性がありますが、疾病の診断支援、治療方針の判断、医療画像解析、リスク判定などを行う場合には、プログラム医療機器として確認が必要になることがあります。

物理的な貨物がない場合でも、薬機法上の医療機器該当性が問題になることがあります。

輸入実務では、機器本体だけでなく、ソフトウェア、クラウド機能、判定アルゴリズム、広告表現も確認対象になります。

実務シナリオ5:個人輸入品を国内販売に回すケース

個人が海外ECサイトから医療機器や健康機器を購入し、その後、日本国内で販売しようとするケースがあります。

自己使用目的の個人輸入と、営業目的の輸入販売は別の整理になります。

国内で販売、転売、貸与、業務使用する場合には、医療機器製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、品目ごとの承認・認証・届出、表示広告確認が問題になります。

フォワーダーや通関関係者は、数量、反復性、販売目的、納品先、商品説明に不自然な点がある場合、輸入者へ確認を促す必要があります。

通関・販売が止まった場合の影響

医療機器に該当する可能性がある貨物で確認が入ると、通関遅延、保管料納期遅延、販売開始日の延期、医療機関・介護施設への納品遅延などが発生することがあります。

必要な製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、承認、認証、届出が確認できない場合には、輸入後の販売ができない可能性もあります。

また、販売ページや広告表現が薬機法上問題になる場合、商品が通関できた後でも、国内販売や広告の段階で指摘を受ける可能性があります。

輸入者は、通関だけでなく、輸入後の保管、表示、広告、販売先、使用目的まで含めて事前に確認する必要があります。

医療機器製造販売業許可記事との役割分担

「医療機器」は、医療機器の定義、クラス分類、医療機器該当性、家庭用美容機器との境界、体外診断用医薬品との違い、プログラム医療機器などを整理する記事です。

これに対して、「医療機器製造販売業許可」は、医療機器を輸入販売するために必要となる製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録、承認・認証・届出、責任主体の整理に特化する記事です。

実務上は、まず本記事で医療機器に該当するか、どの分類に属するかを確認し、その後、具体的な許可・登録・品目手続を「医療機器製造販売業許可」で確認します。

よくある誤解

誤解 正しい理解 実務上の注意点
海外でwellness deviceなら日本でも一般商品である 海外分類と日本の薬機法上の分類は別です。 日本での使用目的、広告、販売先を確認します。
医療機関向けに売らなければ医療機器ではない 一般消費者向けでも、診断・治療・予防目的なら医療機器に該当する可能性があります。 販売先だけでなく使用目的を確認します。
美容機器なら医療機器ではない 美容機器でも、身体機能改善や治療効果をうたう場合は確認が必要です。 EMS、光、超音波、低周波などの作用と広告を確認します。
海外で認可されていれば日本でも販売できる 海外認可と日本の承認・認証・届出は別です。 日本の一般的名称、クラス分類、品目手続を確認します。
アプリは貨物ではないので薬機法と関係ない 診断支援や治療支援を行うプログラムは、医療機器該当性が問題になることがあります。 ソフトウェア仕様と広告表現を確認します。
届出対象なら許可や登録は不要である 品目届出と製造販売業許可・製造業登録は別です。 品目手続と業許可・登録を分けて確認します。
フォワーダーが健康器具と説明すればよい フォワーダーは医療機器該当性を判断する立場ではありません。 輸入者から用途説明や薬事確認資料を回収します。
通関できれば販売も自由である 通関と国内販売・広告・市場出荷は別の確認事項です。 販売開始前に許可、登録、品目手続、広告を確認します。

実務上の注意点

医療機器は、薬機法上の確認を誤ると、通関や国内販売で大きな問題になりやすい分野です。

輸入販売では、商品名だけで判断せず、用途、性能、表示、広告表現、販売目的、使用者、販売先を確認する必要があります。

特に、健康器具、美容機器、測定機器、検査装置、プログラム、アプリ、介護関連機器では、医療機器該当性を慎重に確認する必要があります。

フォワーダーは薬機法上の判断者ではありませんが、device、medical equipment、health equipment、beauty device、monitor、sensor、softwareなどの貨物名を見た場合には、輸入者への確認と通関業者への情報共有を行う立場です。

まとめ

医療機器とは、人または動物の疾病の診断、治療、予防に使用されること、または身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする機械器具等です。

輸入実務では、海外で一般商品、健康器具、美容機器、測定機器、アプリとして販売されている商品でも、日本では医療機器に該当する可能性があります。

医療機器では、クラス分類、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器の区分、承認・認証・届出、製造販売業許可、製造業登録、外国製造業者登録を確認する必要があります。

フォワーダーは医療機器該当性の判断者ではありませんが、疑義がある貨物について輸入者に確認を促し、通関業者と情報共有する立場です。

医療機器は、使用目的、リスク分類、品目手続、表示広告、販売先が通関と国内販売に直結する分野であり、輸入前の薬事確認と分類確認が最重要の予防策です。

同義語・別表記

  • 医療用機器
  • 医療器具
  • 医療用具
  • 医療設備
  • Medical Devices
  • Medical Equipment
  • Medical Instruments
  • Healthcare Devices
  • Health Equipment
  • Medical Device
  • Medical Apparatus
  • 診断機器
  • 治療機器
  • プログラム医療機器

関連用語

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