被保険輸送終了条項(テロリズム) 2009 TERMINATION OF TRANSIT CLAUSE (TERRORISM) 2009
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009とは
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009(被保険輸送終了条項・テロリズム2009)とは、貨物保険契約にテロリズムによる損害の補償が含まれている場合に、その補償を通常の輸送過程に限定し、どの時点で終了させるかを定める条項です。
ロンドン市場の条項番号はJC2009/056であり、一般にJC56とも呼ばれます。
この条項は、それ自体でテロリズム補償を新たに付与するものではありません。
保険契約又は付帯約款によってテロリズムによる貨物の滅失・損傷が補償されていることを前提として、その補償期間を制限します。
また、この条項は、保険契約中の矛盾する他の規定に優先して適用される優先条項として構成されています。
テロリズム補償は、被保険貨物が通常の輸送過程にあることを条件として継続し、基礎となる輸送約款上の終期、最終倉庫での荷卸し、通常輸送過程外の保管・分配、コンテナ等の保管利用、海上輸送又は航空輸送の期間上限のうち、最も早い時点で終了します。
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009の核心は、「テロ損害が補償されるか」だけではなく、「事故発生時点でテロリズム補償がまだ継続していたか」を確認することにあります。
この記事で扱う範囲
| 項目 | この記事で扱う内容 | 他記事又は別条件で扱う内容 |
|---|---|---|
| 条項の位置付け | JC2009/056がテロリズム補償の終了時点を定める優先条項であることを整理します。 | テロリズム補償そのものの引受可否は、保険証券、Institute Strikes Clausesその他の付帯条件で確認します。 |
| テロリズムの範囲 | 条項が対象とする組織的なテロ行為及び政治的・思想的・宗教的動機による行為を整理します。 | 個別事故が法的又は約款上テロリズムに該当するかは、事故資料と正式文言により判断します。 |
| 通常の輸送過程 | 輸送上必要な一時保管と、販売・分配・在庫目的の保管を切り分けます。 | 通常の貨物保険における保険期間全般は、ICC 2009 Clause 8の解説記事で扱います。 |
| 最終倉庫での荷卸し | 証券上の最終仕向地で荷卸しが完了した場合のテロリズム補償終了を整理します。 | 引渡し、所有権移転又は売買契約上の危険移転は別の契約問題として確認します。 |
| 通常輸送過程外の保管 | 在庫保管、販売待ち、分配待ち、納入先未定等による補償終了を整理します。 | 倉庫保険、在庫保険及び保管中のテロリズム補償は別途手配します。 |
| コンテナ等の保管利用 | コンテナ、車両又は輸送用具を実質的な保管場所として使用する場合を整理します。 | Demurrage、Detention及びコンテナ返却責任は別記事で扱います。 |
| 海上輸送60日 | 最終荷揚港での本船からの荷卸し完了後60日という上限を整理します。 | 60日以内であっても他の終了事由が先に生じれば補償は終了します。 |
| 航空輸送30日 | 最終地で航空機からの荷卸し完了後30日という上限を整理します。 | 空港倉庫からの内陸輸送が契約上補償されるかを別途確認します。 |
| 保管後の継続輸送 | 契約上明示された内陸輸送又は追加輸送について、補償が再開する条件を整理します。 | 単なる配送予定又は事後的な移動だけでは補償は自動的に再開しません。 |
| フォワーダーの関与 | 保管目的、荷卸し日、継続輸送及び保険者通知の確認範囲を整理します。 | 最終的な補償可否及び賠償責任は、契約、約款、事故原因及び証拠により個別に判断します。 |
なぜ専用の終了条項が必要になるのか
通常の貨物保険は、被保険貨物が出発地から仕向地まで通常の輸送過程にある間の危険を対象として設計されています。
これに対し、テロリズムリスクは、一度に多数の貨物へ巨大な集積損害を発生させる可能性があります。
特に、港湾、空港、ターミナル、物流倉庫、コンテナヤード及び配送センターでは、多数の貨物が同一場所へ集積します。
貨物が輸送を終えて在庫又は分配用貨物へ移行した後も、通常の貨物保険と同じ感覚でテロリズム補償を継続させると、保険者が想定していない長期・集積リスクを負担することになります。
そのため、Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009は、テロリズム補償を通常の輸送過程に限定し、保管、分配、コンテナ留置及び期間経過による終了条件を明確にしています。
この条項が問題とするのは、貨物が物理的に動いているかどうかだけではありません。
貨物がどの目的でその場所に置かれているのか、次の輸送が具体的に予定されているのか、被保険者側が保管又は分配のために留置を選択したのかが重要です。
条項の優先適用とテロリズムの範囲
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009は、保険契約中にこれと矛盾する規定がある場合、この条項を優先させる構造になっています。
したがって、通常の貨物保険条件上は保険期間が継続しているように見える場合でも、テロリズムによる損害についてはJC2009/056によって補償が先に終了する可能性があります。
条項が対象とするテロリズムには、政府を武力又は暴力によって転覆させ、又は政府へ影響を与える活動を行う組織のために、若しくはその組織と関係して行動する者による行為が含まれます。
また、政治的、思想的又は宗教的な動機から行動する者による行為も対象となります。
ただし、事故がこの定義に該当するかどうかは、事件名、報道上の呼称又は当事者の主張だけで確定しません。
行為者、動機、組織との関係、政府機関の認定、事故原因及び適用約款を確認します。
| 確認項目 | 確認する内容 | 実務上の問題 | 主な資料 |
|---|---|---|---|
| 補償の存在 | 保険契約にテロリズムによる損害の補償が含まれているか | JC2009/056が付いていても、テロリズム補償自体が存在しない場合があります。 | 保険証券、付帯約款、Institute Strikes Clauses |
| 優先条項 | JC2009/056が契約へ組み込まれているか | 通常の輸送期間条項より早くテロリズム補償が終了する場合があります。 | 特別約款一覧、Endorsement、Schedule |
| 行為者 | 組織のため又は組織と関係して行動した者か | 一般犯罪、破壊行為又は暴動との区別が必要です。 | 捜査資料、政府発表、事故報告 |
| 動機 | 政治的、思想的又は宗教的動機があるか | 個人的恨み、金銭目的又は単純な器物損壊との区別が必要です。 | 犯行声明、捜査記録、専門家意見 |
| 事故時点 | テロリズム補償が終了する前に事故が発生したか | 事故原因がテロでも、補償終了後であれば対象外となる可能性があります。 | 事故時刻、荷卸し記録、保管記録、輸送履歴 |
Clause 1の補償終了条件
テロリズム補償は、次の終了事由のうち最も早い時点で終了します。
| 条項 | 補償終了事由 | 実務上の確認 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Clause 1.1 | 保険契約に含まれる輸送期間条項に従って補償が終了した時 | ICC 2009 Clause 8その他の基礎となる輸送期間条項を確認します。 | 基礎条件上の終期が早ければ、60日又は30日より前に終了します。 |
| Clause 1.2 | 証券上の仕向地にある最終倉庫又は最終保管場所で、運送車両その他の輸送用具からの荷卸しが完了した時 | 最終目的地、荷卸し完了日時及び入庫記録を確認します。 | 受領書だけでなく、実際の荷卸し完了時点を確認します。 |
| Clause 1.3 | 被保険者又はその従業員が、通常の輸送過程外の保管又は仕分け・分配に使用することを選択した別倉庫等で、荷卸しが完了した時 | 保管目的、荷主指図、販売・分配計画を確認します。 | 最終仕向地より前の倉庫であっても補償が終了する場合があります。 |
| Clause 1.4 | 被保険者又はその従業員が、運送車両、輸送用具又はコンテナを通常の輸送過程外の保管に使用することを選択した時 | コンテナ留置の目的、開始日時及び次の輸送予定を確認します。 | 荷卸しを行わなくても、保管利用を選択した時点で終了する可能性があります。 |
| Clause 1.5 | 海上輸送について、最終荷揚港で本船からの荷卸し完了後60日が経過した時 | 本船からの荷卸し完了日及び時刻を確認します。 | 60日は最大上限であり、自動的に保証される期間ではありません。 |
| Clause 1.6 | 航空輸送について、最終地で航空機からの荷卸し完了後30日が経過した時 | 航空機からの荷卸し完了日時を確認します。 | 30日以内でも他の終了事由が先に発生すれば終了します。 |
Clause 1.1からClause 1.6は選択制ではありません。複数の条件のうち、最も早く到来した時点がテロリズム補償の終了時点になります。
通常の貨物保険条件との関係
| 確認対象 | 通常の貨物保険 | テロリズム補償 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 担保危険 | ICC(A)、ICC(B)、ICC(C)等により異なります。 | テロリズム補償を含む付帯条件の有無を確認します。 | JC2009/056だけではテロリズム補償は付与されません。 |
| 保険期間 | 通常の輸送過程及びICC 2009 Clause 8等に従います。 | JC2009/056の終了条件が優先して適用されます。 | 通常貨物保険が続いていても、テロリズム補償だけが終了する場合があります。 |
| 最終倉庫 | 通常の輸送期間条項上の終期になります。 | Clause 1.2によって荷卸し完了時に終了します。 | 最終倉庫の名称と実際の利用目的を確認します。 |
| 別倉庫での保管 | 通常輸送過程内かどうかを確認します。 | 通常輸送過程外の保管又は分配であればClause 1.3が適用されます。 | 被保険者側が倉庫利用を選択した理由が重要です。 |
| コンテナ留置 | 輸送上必要な待機であれば継続する余地があります。 | 保管目的への転用を選択した時点でClause 1.4が適用される可能性があります。 | コンテナ内にあることだけで輸送中とは判断できません。 |
| 期間上限 | 海上輸送では通常、最終荷揚港荷卸し後60日が関係します。 | 海上60日、航空30日の上限が明示されています。 | 他の終了事由が先に生じれば期間上限まで継続しません。 |
| 保管後の再輸送 | 契約条件又は追加手配により補償される場合があります。 | Clause 2の条件を満たす場合に限り再付着します。 | 事後的に輸送が再開しただけでは補償は自動的に戻りません。 |
通常の輸送過程とは
通常の輸送過程とは、貨物が出発地から保険契約上の最終仕向地へ向かう、通常かつ連続した輸送の流れにある状態をいいます。
貨物が一時的に停止又は保管されていても、その停止が通関、検査、積替え、次の運送手段への接続又は最終配送のため通常必要なものであれば、通常の輸送過程に含まれる余地があります。
一方、被保険者側の販売計画、在庫調整、倉庫不足、価格動向、納入先未定又は分配計画のために保管される場合は、輸送目的より保管又は在庫目的が中心になります。
通常の輸送過程に該当するかどうかは、保管期間だけでは決まりません。
保管理由、輸送計画、次の運送手段、荷主の指図、貨物の管理主体及び保険者への通知を総合して確認します。
通常の輸送過程内の保管と通常輸送過程外の保管
| 区分 | 保管目的 | 典型例 | テロリズム補償上の見方 | 主な確認資料 |
|---|---|---|---|---|
| 通常の輸送過程として整理されやすい保管 | 通関、検査、積替え、通常の接続待ち又は最終配送のための一時保管 | 保税倉庫での通常の通関待ち、定期便への接続待ち、税関検査 | 輸送を継続するため通常必要な保管であれば、補償が継続する余地があります。 | 通関資料、検査指示、次便予約、配送指示、入出庫記録 |
| 被保険者の支配を超える遅延 | 港湾混雑、通関当局の追加検査、道路閉鎖又は運送人都合による待機 | 港湾ストライキによる滞留、税関による分析検査、運送車両の到着遅れ | 通常の輸送過程が継続しているかを、遅延理由と継続輸送意思から確認します。 | 港湾通知、税関指示、運送人報告、保険者通知 |
| 通常輸送過程外と見られやすい保管 | 販売待ち、分配待ち、在庫調整、納入先未定又は長期保管 | 通関後の在庫保管、販売先決定待ち、価格上昇待ち | Clause 1.3によってテロリズム補償が終了する可能性があります。 | 保管契約、販売計画、在庫記録、荷主指図 |
| 倉庫不足による保管 | 最終倉庫へ収容できないため別倉庫又は保税倉庫を利用 | 荷主倉庫の空き待ち、工場スペース不足 | 被保険者の便宜のための保管と判断される可能性があります。 | 倉庫状況、保管理由、搬入予定、保険者承認 |
| 分配・仕分けのための保管 | 複数の販売先又は納入先へ分けるための保管 | 配送センターでの店舗別仕分け、国内販売先への割当て | Clause 1.3のAllocation又はDistributionに該当する可能性があります。 | 分配指示、ピッキング記録、販売先一覧、在庫台帳 |
| 判断が分かれやすい保管 | 配送先の一時的な受入延期、書類不備又は運送車両不足 | 数日間の納入延期、修正書類待ち、緊急的な車両変更 | 通常の輸送上の遅延か、被保険者が保管を選択したかを確認します。 | 延期理由、保管期間、次の配送予定、関係者メール |
コンテナや輸送用具を保管場所として使用する場合
Clause 1.4は、貨物を倉庫へ荷卸しした場合だけでなく、コンテナ、トレーラー、運送車両その他の輸送用具を通常の輸送過程外の保管場所として使用する場合も対象とします。
この場合、荷卸しが完了していなくても、被保険者又はその従業員が保管目的への使用を選択した時点で、テロリズム補償が終了する可能性があります。
| 利用状況 | 輸送目的と見られやすい場合 | 保管目的と見られやすい場合 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 港湾内コンテナ留置 | 通常の通関又は配送車両の短期接続待ち | 販売先未定又は倉庫不足による長期留置 | 留置理由、期間、搬出予約、通関状況 |
| 荷主敷地内のコンテナ | 到着後直ちにデバンニングするための短時間待機 | コンテナを臨時倉庫として継続使用 | デバンニング予定、使用決定者、保管記録 |
| トレーラー上の貨物 | 配送途中の合理的な休息又は運行規制待ち | 配送先未定のまま駐車場で長期保管 | 運行指示、運転記録、次の目的地 |
| 空港ULD・航空コンテナ | 航空会社の通常取扱いによる短期保管 | 輸入者都合による長期留置又は分配待ち | 航空会社記録、引取可能日、荷主指図 |
| 鉄道貨車・輸送車両 | 通常の接続又は運行ダイヤ待ち | 在庫保管の代替として車両を使用 | 接続予定、留置場所、保管目的 |
貨物がコンテナ内に残っているという事実だけでは、通常の輸送過程にあることを証明できません。
海上輸送60日・航空輸送30日の考え方
| 輸送形態 | 期間の起算点 | 期間上限 | 期間前に終了する主な場面 | 必要資料 |
|---|---|---|---|---|
| 海上輸送 | 最終荷揚港で本船から被保険貨物の荷卸しが完了した時 | 60日 | 基礎輸送約款上の終期、最終倉庫での荷卸し、通常輸送過程外の保管・分配、コンテナの保管利用 | Discharge Report、ターミナル記録、B/L、Arrival Notice |
| 航空輸送 | 最終地で航空機から被保険貨物の荷卸しが完了した時 | 30日 | 基礎輸送約款上の終期、最終倉庫での荷卸し、通常輸送過程外の保管・分配、輸送用具の保管利用 | AWB、航空会社到着記録、空港上屋記録、荷卸し時刻 |
60日又は30日は、テロリズム補償が無条件で継続する期間ではありません。
たとえば、海上輸送貨物が本船荷卸し後10日目に、販売待ちのため荷主が指定した倉庫へ荷卸しされた場合、60日が経過していなくてもClause 1.3によって補償が終了する可能性があります。
また、最終倉庫での荷卸しが本船荷卸し後3日目に完了した場合は、Clause 1.2による終了がClause 1.5より先に到来します。
保管後の継続輸送とClause 2
Clause 2は、保管又はClause 1による補償終了の後に、内陸輸送その他の追加輸送が続く場合の再付着を定めています。
ただし、貨物が再び動き始めれば自動的に補償が再開するわけではありません。
保険契約又は参照される約款が、保管又は一度補償が終了した後に続く内陸輸送その他の継続輸送を、明示的に補償している必要があります。
この条件を満たす場合、貨物が再び通常の輸送過程へ入った時点でテロリズム補償が再付着し、その継続輸送について再びClause 1の終了条件が適用されます。
| 状況 | 補償再付着の可能性 | 確認事項 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 当初から予定された内陸継続輸送 | 保険契約で明示されていれば再付着する可能性があります。 | 証券上の最終仕向地、内陸区間、保管地点 | 単なる予定ではなく契約上の補償範囲を確認します。 |
| 保管後に再開する専用輸送 | 追加条件又はEndorsementで補償されていれば検討されます。 | 追加保険料、承認書、開始日時 | 事前通知と書面承認を確認します。 |
| 販売先決定後の配送 | 通常は自動再付着しません。 | 販売決定時期、保管目的、追加保険 | 在庫保管から販売輸送へ移行しただけでは足りません。 |
| 別案件への転用輸送 | 当初契約外であるため、別途手配が必要になる可能性があります。 | 新しい輸送契約、仕向地、保険証券 | 元の保険が継続していると推測しないようにします。 |
| 補償終了後の無通知輸送 | 原則として自動再付着を期待できません。 | 通知履歴、承認、適用約款 | 事故後の事後承認を前提にしないようにします。 |
長期保管・輸送遅延時の注意点
港湾混雑、税関検査、書類不備、配送車両不足又は納入先都合によって貨物が長期間滞留する場合があります。
貨物が動いていないという事実だけで、直ちに通常の輸送過程外となるわけではありません。
一方、滞留期間が長くなるほど、輸送上必要な待機なのか、保管又は在庫目的へ移行したのかが問題になります。
| 遅延理由 | 通常の輸送過程内と判断される方向の事情 | 通常輸送過程外と判断される方向の事情 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 税関検査 | 税関の指示による通常又は追加検査で、終了後の配送が確定している | 荷主の書類不備が長期間放置され、配送計画も未定 | 検査指示、書類提出及び配送予定を記録します。 |
| 港湾混雑 | 港湾又はターミナル全体の混雑による不可避の遅延 | 搬出可能であるのに荷主の都合で引取りを延期 | 搬出可能日、予約状況及び荷主指図を確認します。 |
| 配送先の受入延期 | 短期かつ具体的な再配送日が決定している | 納入先が未定で、販売又は在庫目的の保管へ移行 | 延期理由と再配送日を書面化します。 |
| 倉庫不足 | 運送人側の一時的な設備障害で代替輸送が進行中 | 荷主倉庫の都合により別倉庫で保管 | 保険会社へ早期に通知し、延長条件を確認します。 |
| 運送手段不足 | 予約済みの次便又は車両を待つ通常の接続 | 次の輸送契約がなく、貨物が無期限に留置 | 次便予約、陸送手配及び出発予定を確認します。 |
フォワーダー関与範囲の標準五分類
本記事の五分類は、法令上又は業界全体で確立された分類ではなく、本シリーズにおいてフォワーダーの関与範囲を整理するために使用する分析上の枠組みです。
| 標準五分類 | テロリズム補償終了に関する主な関与 | 責任判断の中心 | 主な確認資料 |
|---|---|---|---|
| Simple Intermediary(単純取次) | 荷主と保険会社、倉庫業者、運送人等の連絡を取り次ぎます。 | 単なる取次を超えて補償継続又は保険期間を保証したか | メール、案内文、取次記録、見積書 |
| Cargo Transportation Service Provider(貨物利用運送事業者) | 内陸輸送、保管及び継続輸送を含む貨物輸送サービスを提供します。 | 契約区間、保管目的、継続輸送の有無及び事故通知 | 運送契約、輸送指示、保管記録、工程表 |
| NVOCC / House B/L Issuer | House B/L上の最終仕向地及び契約輸送区間を設定します。 | House B/L上の仕向地、責任区間、保管選択及び通知期限 | House B/L、Master B/L、Arrival Notice、Delivery Order |
| Door-to-Door Single Contractor | 海上・航空輸送、通関、保管及び最終配送を一括して引き受けます。 | 一括契約上の最終地点、下請管理、保管後の継続輸送及び保険手配 | 包括見積書、仕様書、下請契約、配送計画 |
| Agent/Coordinator for Specific Operations(特定業務の代理・調整者) | 通関、保管、搬出、保険通知又は延長承認等の特定業務を調整します。 | 委任範囲、通知義務、確認権限及び最終決定者 | 委任記録、確認依頼、承認書、連絡履歴 |
Contracting Carrier及びActual Carrierは、法的又は契約上の地位を示す概念であり、本記事の標準五分類を置き換える代替分類ではありません。
通関、保管、デバンニング、分配、在庫管理又は保険通知等の実作業は、それ自体で第六の分類を構成しません。
具体例1:通関待ちで保税倉庫に一時保管された場合
海上輸送された貨物が最終港で本船から荷卸しされ、税関の通常検査及び通関手続のため保税倉庫に一時保管されたとします。
最終倉庫への配送業者、配送日及び納入先が既に確定しており、通関完了後に直ちに配送される計画であれば、その保管は通常の輸送過程に含まれる余地があります。
ただし、Clause 1.5による60日の上限があり、基礎輸送約款その他の終了事由も適用されます。
確認資料は、本船荷卸し完了日時、税関検査指示、通関書類、保税倉庫入庫記録、配送予約及び最終仕向地です。
保税倉庫という名称だけで補償継続又は終了は決まらず、保管目的と継続輸送の具体性を確認します。
具体例2:コンテナを販売待ちの保管場所として使用した場合
輸入貨物が通関済みとなったものの、販売先が決まっていないため、荷主がコンテナに貨物を積んだまま港外ヤードへ移し、数週間留置することを決定したとします。
貨物はコンテナ内にありますが、次の具体的な輸送計画がなく、コンテナが在庫保管の代替として使用されています。
この場合、被保険者側がコンテナを通常の輸送過程外の保管に使用することを選択したとして、Clause 1.4によりテロリズム補償が終了する可能性があります。
荷卸しが行われていないことや、本船荷卸し後60日以内であることだけを理由に、補償継続を判断することはできません。
Clause 1.4では、荷卸し完了ではなく、輸送用具を保管に使用するという選択そのものが重要です。
具体例3:保管後に契約済みの内陸輸送が開始された場合
航空貨物が最終空港で荷卸しされた後、契約上予定された保管施設で一時保管され、その後、証券上の最終仕向地である内陸工場へ配送される計画だったとします。
保険契約が、この一時保管後の内陸継続輸送を明示的に補償している場合、内陸輸送が開始して貨物が通常の輸送過程へ戻った時点で、Clause 2によりテロリズム補償が再付着する可能性があります。
その後は、内陸輸送について再びClause 1の終了条件が適用されます。
一方、証券上の最終仕向地が空港又は空港倉庫までであり、保管後の内陸輸送が契約に含まれていなければ、自動的な再付着は期待できません。
補償再開の中心は、貨物が再び動いたという事実ではなく、保管後の継続輸送が保険契約で明示的に補償されているかです。
実務で問題になりやすいケース
| ケース | 主な争点 | 確認資料 | 判断のポイント | 初動対応 |
|---|---|---|---|---|
| 保税倉庫で通常の通関待ち中に事故 | 通常の輸送過程、60日上限 | 税関指示、入庫記録、配送予定 | 輸送上必要な一時保管か | 通関理由と次の輸送を記録します。 |
| 通関後に販売先決定待ちで保管 | 在庫保管、Clause 1.3 | 販売計画、在庫台帳、荷主指図 | 輸送目的から販売・保管目的へ移行したか | 保管開始日時を確定します。 |
| コンテナ内で長期留置 | コンテナの保管利用、Clause 1.4 | 留置理由、搬出予約、保管場所 | 輸送用具を保管場所として選択したか | 使用目的を関係者へ確認します。 |
| 本船荷卸し後60日目を超えて滞留 | Clause 1.5の期間上限 | Discharge Report、ターミナル記録 | 起算日時と事故日時 | 荷卸し完了日時を証拠化します。 |
| 航空機荷卸し後30日目を超えて保管 | Clause 1.6の期間上限 | AWB、航空上屋記録、入庫記録 | 最終地での荷卸し日時 | 空港記録を早期に確保します。 |
| 別倉庫で店舗別に仕分け | Allocation又はDistribution | 仕分け指示、出荷先一覧、在庫記録 | Clause 1.3の分配目的に該当するか | 倉庫利用の決定者を確認します。 |
| 港湾閉鎖で配送が延期 | 支配を超える遅延、通常の輸送過程 | 港湾通知、通行止め情報、配送予約 | 輸送継続意思と不可避性 | 保険会社へ速やかに通知します。 |
| 保管後に別の販売先へ配送 | Clause 2の再付着、当初契約外輸送 | 証券、追加承認、販売契約、配送指示 | 継続輸送が契約上明示されているか | 輸送開始前に書面承認を確認します。 |
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009適用判断フロー
- 保険証券、特別約款及びEndorsementを確認し、テロリズムによる貨物の滅失・損傷が補償されているかを確認します。
- Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009(JC2009/056)が契約へ組み込まれているかを確認します。
- 事故原因となった行為者、組織との関係及び政治的・思想的・宗教的動機を確認し、約款上のテロリズムに該当する可能性を整理します。
- 事故発生日時、貨物所在、輸送手段、保管場所及び貨物の管理主体を特定します。
- 事故時点で貨物が最終仕向地へ向かう通常の輸送過程にあったか、販売、分配、在庫又は長期保管へ移行していたかを確認します。
- 基礎となる輸送期間条項を確認し、Clause 1.1により既に通常の貨物保険上の終期を迎えていなかったかを確認します。
- 最終倉庫又は別倉庫での荷卸し完了日時と保管目的を確認し、Clause 1.2又はClause 1.3の適用を検討します。
- コンテナ、トレーラー、運送車両その他の輸送用具が通常の輸送過程外の保管に使用されていなかったかを確認し、Clause 1.4の適用を検討します。
- 海上輸送では最終港での本船荷卸し完了後60日、航空輸送では最終地での航空機荷卸し完了後30日が経過していないかを確認します。
- Clause 1.1からClause 1.6のうち、最も早く発生した終了事由を特定します。
- 保管後の内陸輸送又は追加輸送がある場合、保険契約がその継続輸送を明示的に補償しているかを確認し、Clause 2による再付着の有無を整理します。
- 荷卸し記録、保管目的、継続輸送計画、保険者通知、承認書及び事故資料を整理し、保険会社又は保険代理店へ提出します。
事故時に確認すべき資料
| 資料区分 | 主な資料 | 確認目的 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 保険条件 | 保険証券、Institute Strikes Clauses、JC2009/056、特別約款、Endorsement | テロリズム補償の存在と終了条件を確認します。 | 条項名だけでなく全文を確認します。 |
| 事故原因 | 政府発表、警察資料、犯行声明、事故調査報告 | 約款上のテロリズム該当性を確認します。 | 報道上の呼称だけで判断しません。 |
| 海上荷卸し | Discharge Report、ターミナル記録、船会社記録、B/L | Clause 1.5の60日起算点を確認します。 | 本船からの荷卸し完了日時を確認します。 |
| 航空荷卸し | 航空会社記録、空港上屋記録、AWB、到着記録 | Clause 1.6の30日起算点を確認します。 | 航空機からの荷卸し完了日時を確認します。 |
| 最終倉庫 | 納品書、受領書、荷卸し記録、入庫記録 | Clause 1.2の終了時点を確認します。 | 書類上の到着と実際の荷卸しを区別します。 |
| 別倉庫・分配 | 保管契約、荷主指図、分配指示、在庫台帳 | Clause 1.3の保管又は分配目的を確認します。 | 倉庫利用を誰が選択したかを確認します。 |
| コンテナ留置 | コンテナ番号、留置場所、搬出記録、配送予約 | Clause 1.4の保管利用を確認します。 | 留置開始時点と目的を記録します。 |
| 通常の輸送過程 | 輸送日程、通関資料、検査指示、次便予約、配送指示 | 輸送上必要な一時保管かを確認します。 | 次の輸送が具体化していたかを確認します。 |
| 継続輸送 | 追加承認、内陸輸送契約、証券上の最終仕向地 | Clause 2による再付着の有無を確認します。 | 輸送開始前の補償内容を確認します。 |
| 保険者通知 | 事故通知、保管延長通知、承認書、メール | 保険者への申告及び追加条件を確認します。 | 口頭承認だけに依存しないようにします。 |
フォワーダー実務での判断チェックリスト
| 確認場面 | 確認する相手 | 確認事項 | 問題がある場合の対応 |
|---|---|---|---|
| 保険手配時 | 荷主、保険会社、保険代理店 | テロリズム補償の有無、JC2009/056の適用、対象区間 | 通常貨物保険と同じ保険期間と推測せず、終了条件を確認します。 |
| 輸送計画時 | 荷主、船会社、航空会社、NVOCC | 最終港、最終空港、最終倉庫、内陸輸送及び保管地点 | 証券上の最終仕向地と輸送工程を一致させます。 |
| 荷卸し時 | 船会社、航空会社、ターミナル、空港上屋 | 荷卸し完了日、完了時刻、荷卸し場所 | 海上60日又は航空30日の起算資料を確保します。 |
| 最終倉庫搬入時 | 荷主、倉庫業者、配送業者 | 最終倉庫か、荷卸しが完了したか、保管目的 | Clause 1.2の終了時点を記録します。 |
| 別倉庫保管時 | 荷主、倉庫業者、通関業者 | 通常輸送上の一時保管か、在庫・分配目的か | Clause 1.3との関係を整理します。 |
| コンテナ留置時 | 荷主、船会社、ヤード、配送業者 | 留置理由、留置期間、次の配送、保管利用の選択 | Clause 1.4の適用可能性を保険会社へ確認します。 |
| 長期滞留時 | 荷主、保険会社、保険代理店、倉庫業者 | 遅延理由、継続輸送予定、延長条件及び期間上限 | 早期に書面通知し、追加補償を確認します。 |
| 分配・仕分け時 | 荷主、倉庫業者、販売部門 | 店舗別分配、在庫割当て、販売先決定 | 通常の輸送過程から外れる時点を確認します。 |
| 継続輸送開始前 | 荷主、保険会社、保険代理店、運送人 | Clause 2による再付着、追加輸送区間、承認書 | 補償確認前に輸送を開始しないようにします。 |
| 事故発生時 | 荷主、保険会社、現地代理店、保管者 | 事故時刻、貨物所在、保管目的及び補償終了時点 | 事故時点の輸送状態を証拠化します。 |
| 第三者通知時 | 運送人、倉庫業者、ターミナル、Actual Carrier | 事故通知期限、責任留保及び証拠保存 | 保険請求と第三者請求を分けて管理します。 |
| 責任整理時 | 保険会社、荷主、海事弁護士、関係業者 | 通常貨物保険、テロリズム補償、倉庫保険及び賠償責任 | 保険期間と責任関係を別々に整理します。 |
よくある誤解
| 誤解 | 実際の考え方 | 確認すべきこと |
|---|---|---|
| JC2009/056を付ければ、テロリズム補償が追加される。 | この条項は補償を付与する条項ではなく、既存のテロリズム補償の期間を制限します。 | テロリズム補償を付与する正式条件を確認します。 |
| 通常の貨物保険が続いていれば、テロリズム補償も続く。 | JC2009/056によって、テロリズム補償だけが先に終了する場合があります。 | Clause 1.1からClause 1.6を確認します。 |
| コンテナ内にあれば、常に輸送中である。 | コンテナが通常輸送過程外の保管場所として使われれば、Clause 1.4が問題になります。 | 留置目的、決定者、次の輸送予定を確認します。 |
| 海上輸送は本船荷卸し後60日間必ず補償される。 | 60日は最大上限であり、他の終了事由が先に発生すればその時点で終了します。 | 最終倉庫荷卸し、保管、分配及びコンテナ利用を確認します。 |
| 航空輸送は航空機荷卸し後30日間必ず補償される。 | 30日以内でもClause 1.1からClause 1.4の終了事由が先に発生する場合があります。 | 最終倉庫及び保管目的を確認します。 |
| 通関待ちなら、期間に関係なく通常の輸送過程である。 | 通関待ちの理由、長期化の原因及び具体的な継続輸送計画を確認します。 | 税関指示、書類不備、配送予定及び保険者通知を確認します。 |
| 最終倉庫に到着しても、引渡し前なら補償は続く。 | Clause 1.2は最終倉庫等での荷卸し完了を終了事由とします。 | 到着時刻ではなく荷卸し完了時刻を確認します。 |
| 分配センターは輸送施設なので、常に通常の輸送過程である。 | 店舗別仕分け又は販売先別割当てはClause 1.3のAllocation又はDistributionとなる可能性があります。 | 施設名称ではなく実際の利用目的を確認します。 |
| 保管後に貨物が再び動けば、補償は自動的に再開する。 | Clause 2による再付着には、保管後の継続輸送が契約上明示的に補償されている必要があります。 | 保険証券、追加承認及び対象区間を確認します。 |
| 保険会社へ通知すれば、必ず補償期間が延長される。 | 通知と承認は別であり、追加条件又は追加保険料が必要になる場合があります。 | 書面承認及びEndorsementを確認します。 |
| 事件がテロと報道されれば、約款上もテロリズムに該当する。 | 行為者、組織との関係及び政治的・思想的・宗教的動機を確認します。 | 正式な事故資料と約款定義を照合します。 |
| フォワーダーが補償継続を案内すれば、保険会社も拘束される。 | 最終的な補償範囲は保険証券、正式約款及び保険会社の承認により決まります。 | フォワーダーの説明と正式保険条件を分けます。 |
海事弁護士・専門家を利用すべき場面
- 事故が約款上のテロリズムに該当するか争われる場合
- 通常の貨物保険は継続しているが、テロリズム補償の終了が争点となる場合
- 通常の輸送過程と在庫・分配目的の保管との境界が争われる場合
- Clause 1.3又はClause 1.4による終了時点が不明確な場合
- 本船又は航空機からの荷卸し完了日時が争われる場合
- 海上60日又は航空30日の起算点が争点となる場合
- Clause 2による補償再付着の有無が争われる場合
- 高額貨物が港湾、空港又は物流倉庫で集積中に損害を受けた場合
- 貨物保険、倉庫保険、テロリズム保険及び運送人責任が競合する場合
- 事故通知期限、保険金請求期限又は出訴期限が近い場合
実務上のポイント
- Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009の条項番号はJC2009/056です。
- この条項はテロリズム補償を付与するものではなく、既に存在する補償の終了時点を制限します。
- この条項は、保険契約中の矛盾する規定に優先して適用されます。
- テロリズム補償は、貨物が通常の輸送過程にあることを条件として継続します。
- Clause 1.1からClause 1.6のうち、最も早い終了事由が適用されます。
- 最終倉庫等での荷卸し完了により、テロリズム補償が終了する場合があります。
- 通常輸送過程外の保管、仕分け又は分配に使用する別倉庫での荷卸しも終了事由になります。
- コンテナ等を保管場所として使用することを選択した場合、荷卸し前でも終了する可能性があります。
- 海上輸送では本船荷卸し完了後60日、航空輸送では航空機荷卸し完了後30日が最大上限です。
- 60日又は30日は無条件で利用できる期間ではありません。
- 保管後の継続輸送は、契約上明示的に補償されている場合に限りClause 2による再付着を検討します。
- 長期滞留が見込まれる場合は、保険会社へ早期に通知し、書面承認及び追加条件を確認します。
- フォワーダーは補償継続を断定せず、正式約款、荷卸し日時、保管目的及び継続輸送条件を確認します。
まとめ
Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009は、貨物保険契約にテロリズムによる損害の補償が含まれている場合に、その補償を通常の輸送過程へ限定し、終了時点を定める優先条項です。
この条項の番号はJC2009/056であり、JC56とも呼ばれます。
この条項自体は、テロリズム補償を新たに付与するものではありません。
保険契約又は付帯約款でテロリズムによる貨物の滅失・損傷が補償されていることを前提として、その補償期間を制限します。
テロリズム補償は、基礎となる輸送期間条項上の終期、最終倉庫での荷卸し、通常輸送過程外の保管・分配、コンテナ等の保管利用、海上60日又は航空30日の期間上限のうち、最も早い時点で終了します。
したがって、通常の貨物保険上の保険期間が継続している場合でも、テロリズム補償だけが先に終了する可能性があります。
保税倉庫、ターミナル又は配送倉庫に貨物がある場合は、その施設の名称だけでなく、保管目的、継続輸送の具体性、保管を選択した者及び次の輸送予定を確認します。
コンテナ、トレーラー又は運送車両が通常の輸送過程外の保管場所として使用される場合、貨物が輸送用具内に残っていても補償が終了する可能性があります。
海上輸送の60日及び航空輸送の30日は最大上限であり、その期間内のすべての保管を無条件で補償するものではありません。
保管又は補償終了後に内陸輸送その他の継続輸送が開始される場合は、その輸送が保険契約で明示的に補償されているかを確認します。
明示的に補償されている場合は、貨物が再び通常の輸送過程へ入った時点からClause 2による補償再付着を検討し、その輸送について再びClause 1の終了条件を適用します。
事故又は長期滞留が発生した場合は、テロリズム補償の存在、JC2009/056の付帯、本船又は航空機からの荷卸し日時、保管目的、コンテナ等の使用状況、継続輸送計画及び保険者への通知・承認を早期に確認します。
最終的な保険金支払は、保険証券、テロリズム補償を付与する約款、Termination of Transit Clause (Terrorism) 2009、輸送期間条項、事故原因、事故発生時点、貨物の所在、保管目的及び証拠資料に基づいて個別に判断されます。
テロリズム補償を必要とする輸送、長期保管、コンテナ留置又は保管後の継続輸送が予定されている場合は、保険証券、JC2009/056の正式文言、輸送計画、荷卸し予定、保管目的及び継続輸送区間を準備し、保険会社又は外航貨物海上保険を扱う専門の保険代理店へ相談してください。
本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の事故がテロリズムに該当するか、テロリズム補償が継続しているか、保険金が支払われるか、又は関係者が法的責任を負うかを確定するものではありません。
同義語・別表記
関連用語
公式情報
- 公式ホームページ: https://marineinsurance.jp/
