輸入LCL貨物のCFS搬出

CFS Gate-Out for Import LCL Cargo

輸入LCL貨物のCFS搬出とは

輸入LCL貨物のCFS搬出とは、複数荷主の貨物を積み合わせた混載コンテナから対象貨物を取り出し、CFS(Container Freight Station)で仕分け、輸入許可、D/O処理、費用精算及び出庫可能確認を行ったうえで、貨物単位で引き取る実務です。

輸入FCL貨物では、原則として実入りコンテナをコンテナ単位でCYから搬出します。一方、輸入LCL貨物では、混載コンテナをCFSでデバンし、House B/L、貨物番号、マーク、個数及び荷姿等に基づいて個別貨物へ仕分けた後に搬出します。

したがって、本船が到着したこと、混載コンテナがCFSへ搬入されたこと、輸入許可が出たことだけでは、対象貨物を直ちにCFSから引き取れるとは限りません。

CFS搬出には、デバン及び仕分けの完了、貨物情報のシステム反映、D/O交換又はD/Oレス処理、輸入運賃・CFS Charge等の費用精算、CFS側の出庫可能処理、配送車両及び納品先の受入条件が必要です。

また、輸入LCL貨物は複数荷主の貨物と同じコンテナ及びCFS作業工程を共有します。そのため、貨物未発見、個数相違、マーク違い、破損、汚損、誤配送及び搬出遅延等、FCL貨物とは異なる確認事項があります。

本記事では、輸入LCL貨物の正常なCFS搬出工程を中心に扱います。貨物事故、数量相違、貨物未発見、CFS保管料、納品遅延及び通関後配送中の事故については、それぞれの専門記事で詳細を扱います。

この記事で扱う範囲

項目 この記事で扱う内容 他記事で扱う内容
輸入LCL貨物のCFS搬出 本船到着後のデバン、仕分け、D/O、輸入許可、費用精算、出庫確認及び配送への引継ぎを扱います。 CFS搬出は本記事の中心範囲です。
輸入貨物の搬出可能確認 CFS側で対象貨物が実際に出庫できる状態かを確認する範囲を扱います。 輸入貨物の搬出可能確認の記事で、CY・CFS共通の横断的な確認手順を扱います。
輸入貨物のD/O交換 CFS搬出前に必要となるB/L処理、費用精算及び貨物リリースとの関係を扱います。 輸入貨物のD/O交換の記事で、Original B/L、Surrendered B/L及びSea Waybillの処理を扱います。
輸入貨物のD/Oレス 紙のD/Oを提示せず、電子的な貨物リリース情報でCFS搬出へ進む場合を扱います。 輸入貨物のD/Oレスの記事で、運送人側処理とCFS側への情報反映を扱います。
輸入FCL貨物のCY搬出 CFS搬出との確認単位、車両、費用及び返却工程の違いを扱います。 輸入FCL貨物のCY搬出の記事で、コンテナ単位の搬出、ドレージ及び空コンテナ返却を扱います。
CFS保管料 CFS搬出の遅れと保管料発生の関係を扱います。 CFS保管料の記事で、Free Time、起算日、日額、重量・容積基準及び費用負担を扱います。
混載貨物の数量相違 搬出時に個数、マーク及び貨物番号を確認する必要性を扱います。 数量相違、貨物未発見及びマーク違いの記事で原因調査と証拠保全を扱います。
CFS作業中の貨物事故 デバン、仕分け、蔵置及び搬出時に外装異常を確認する範囲を扱います。 CFS作業中の貨物事故の記事で損害区間、サーベイ及び求償を扱います。
輸入貨物の国内配送 CFS出庫後の車両、納品予約及び貨物引渡しへの接続を扱います。 輸入貨物の国内配送手配及び納品遅延の記事で配送工程の詳細を扱います。

輸入LCL貨物がCFSを経由する理由

LCL貨物は、1荷主の貨物だけでは海上コンテナ1本を使用しない小口貨物を、複数荷主分まとめて1本のコンテナで輸送する形態です。

輸出地では、NVOCC又は混載事業者が複数の貨物を集約し、それぞれの荷主に対してHouse B/Lを発行する場合があります。これらの貨物は、Master B/Lに基づく一つの混載コンテナとして海上輸送されます。

輸入地では、混載コンテナ全体をCFSへ搬入して開封し、House B/L、貨物番号、マーク、個数及び荷姿等に基づいて各貨物へ分ける必要があります。

そのため、Master側でコンテナが到着していても、House側の個別貨物についてデバン、仕分け、貨物情報登録及びリリース処理が完了していなければ、貨物単位のCFS搬出には進めません。

CFS搬出までの状態区分

状態 意味 主な確認先 この状態だけで搬出できるか 次に確認する事項
本船到着済み LCL貨物を積載した本船が揚港へ到着した状態 shipping line、NVOCC、フォワーダー 搬出できません。 混載コンテナの荷揚げ及びCFS搬入を確認します。
混載コンテナCFS搬入済み コンテナがデバン作業を行うCFSへ搬入された状態 ターミナル、CFS、NVOCC 個別貨物としては搬出できません。 デバン予定及び作業状況を確認します。
デバン済み 混載コンテナから貨物が取り出された状態 CFS、NVOCC、フォワーダー 仕分け未了なら搬出できません。 House B/L別の仕分けと貨物特定を確認します。
仕分け・貨物情報反映済み 対象貨物が個別貨物として識別され、CFSシステムへ登録された状態 CFS、倉庫、NVOCC D/O又は輸入許可等が未了なら搬出できません。 貨物番号、個数、マーク及び出庫条件を確認します。
輸入許可済み 税関上、対象貨物を国内へ引き取ることが認められた状態 通関業者、輸入者、NACCS CFS側の貨物リリースが未了なら搬出できません。 D/O、費用及びCFS側ホールドを確認します。
D/O・費用処理済み 運送人側の貨物引渡条件と輸入諸費用の精算が完了した状態 shipping line、NVOCC、フォワーダー CFS側へ未反映なら搬出できない場合があります。 CFS側の出庫可能表示を確認します。
CFS出庫可能 CFSが対象貨物を搬出可能と認識した状態 CFS、倉庫、NVOCC 車両又は受付条件が整わなければ搬出できません。 出庫時間、予約、車両及び積込方法を確認します。
搬出実行準備済み 車両、納品先、積込方法及び作業条件が整った状態 フォワーダー、配送会社、納品先 当日の変更がなければ搬出できます。 個数、外装、マーク及び配送指図を最終確認します。

輸入LCL貨物のCFS搬出の基本的な流れ

段階 主な作業 確認資料・状態 主な担当者 停止しやすい原因
1. Arrival Notice確認 本船、Voyage、House B/L、Master B/L、貨物明細及び搬入CFSを確認します。 Arrival Notice、B/L、貨物明細 NVOCC、フォワーダー、輸入者 Arrival Notice未着、B/L番号相違、搬入先不明
2. 本船荷揚げ 混載コンテナが本船から荷揚げされたことを確認します。 本船動静、コンテナ情報 shipping line、ターミナル、NVOCC 本船遅延、荷役遅延、コンテナ未確認
3. CFS搬入 混載コンテナが指定CFSへ搬入されたことを確認します。 CFS搬入情報、コンテナ番号 CFS、ターミナル、NVOCC 横持ち遅延、CFS混雑、搬入情報未反映
4. デバン コンテナから混載貨物を取り出します。 デバン予定、作業完了情報 CFS、NVOCC CFS混雑、作業遅延、貨物崩れ、検査
5. 仕分け・蔵置 House B/L、マーク、個数及び荷姿等に基づき貨物を仕分けます。 CFS tally、貨物明細、マーク CFS、倉庫、NVOCC マーク違い、個数相違、貨物未発見
6. 輸入通関 輸入申告、税関検査及び他法令手続を行います。 輸入許可、検査情報、他法令資料 通関業者、輸入者、税関 書類不備、検査、数量・品名相違
7. D/O・費用処理 D/O交換又はD/Oレス処理とCFS Charge等の精算を行います。 D/O、請求書、支払記録 NVOCC、フォワーダー、輸入者 D/O未了、費用未払い、入金未反映
8. CFS出庫可能確認 CFS側で対象貨物が出庫可能かを確認します。 出庫照会、貨物番号、受付条件 CFS、倉庫、フォワーダー 現場側未反映、ホールド、仕分け未了
9. 配送手配 貨物に適した車両、積込方法、納品日時及び荷役設備を手配します。 配送指示、納品予約、貨物寸法・重量 フォワーダー、配送会社、納品先 車両不足、受入不可、設備不足
10. CFS搬出・納品 個数、外装、マーク及び貨物番号を確認し、指定先へ配送します。 搬出受領書、写真、Delivery Receipt CFS、配送会社、納品先 個数相違、外装異常、誤配送、納品遅延

輸入許可とCFS出庫可能は別の状態

比較項目 輸入許可 CFS出庫可能 実務上の違い
判断主体 税関 CFS、倉庫、NVOCC等 確認先が異なります。
主な目的 外国貨物の国内引取りを認めること 対象貨物を現場から出庫できる状態にすること 行政上の許可と現場作業上の状態を区別します。
主な確認資料 輸入申告、輸入許可書、他法令資料 D/O、CFS搬入情報、仕分け情報、出庫照会 必要となる資料が異なります。
物理的な貨物状態 貨物のデバンや仕分け完了を直接示しません。 個別貨物が特定され、出庫準備が整っていることを示します。 税関許可後もCFS作業が残る場合があります。
完了後に残る条件 D/O、費用、CFS側反映、車両等 車両、受付時間、納品先受入等 どちらか一方だけでは搬出できません。

House B/LとMaster B/Lの処理を分けて確認する

確認区分 House側 Master側 実務上の注意点
運送書類 NVOCC等が個別荷主に対して発行するHouse B/L Master CarrierがNVOCC等に対して発行するMaster B/L House側とMaster側でB/L番号及び当事者が異なります。
貨物引渡し 輸入者とのD/O、費用及び貨物リリース処理 NVOCCとMaster Carrier間のコンテナ又は貨物リリース処理 House側が完了してもMaster側未了でCFS作業が止まる場合があります。
費用 輸入者へ請求するHouse側諸費用 Master Carrier等へ支払うMaster側諸費用 双方の未払又は入金未反映を分けて確認します。
貨物情報 個別貨物のマーク、個数、重量及び容積 混載コンテナ全体の情報 個別貨物とコンテナ全体の情報を混同しません。
停止原因 House B/L、顧客費用、Surrender等の未了 Master側費用、コンテナリリース、CFS搬入等の未了 どちらの段階で停止しているかを説明できるようにします。

輸入FCL貨物のCY搬出との違い

比較項目 輸入LCL貨物のCFS搬出 輸入FCL貨物のCY搬出 実務上の違い
輸送形態 複数荷主の貨物を同一コンテナに混載 原則として1荷主がコンテナを使用 LCLでは貨物単位への分割工程があります。
搬出単位 ケース、パレット等の個別貨物単位 実入りコンテナ単位 識別・照合する単位が異なります。
搬出場所 CFS又は保税倉庫 CY又はコンテナターミナル 受付方法及び照会先が異なります。
搬出前の物理作業 デバン、仕分け、個数確認及び蔵置 本船荷揚げ及びCY搬入 LCLでは個別貨物の準備状況を確認します。
搬出時の識別情報 House B/L、貨物番号、マーク、個数及び荷姿 コンテナ番号、Seal番号、サイズ及びタイプ 貨物単位とコンテナ単位の違いがあります。
車両 トラック、ウイング車、平車等 トラクターヘッド及びコンテナシャーシ 貨物の形状・重量に応じて車両を選定します。
主な追加費用 CFS Charge、CFS保管料、倉庫保管料、再配車費用 Demurrage、Detention、ドレージ待機料 費用の発生区間と料金単位が異なります。
搬出後の管理 貨物配送、個数及び外装状態の確認 納品、デバン及び空コンテナ返却 LCLでは通常、空コンテナ返却管理は行いません。

CFS搬出で確認する主な内容

確認区分 主な確認事項 確認先 確認時期 詳細を扱う記事
本船・CFS搬入 本船到着、コンテナ番号、CFS搬入及びデバン予定 shipping line、NVOCC、CFS 本船到着後 輸入フォワーディング実務の全体像
デバン・仕分け デバン完了、House B/L別仕分け、貨物番号及び出庫準備 CFS、倉庫、NVOCC 車両手配前 CFS作業、貨物未発見
輸入通関 輸入許可、税関検査、他法令及び検査後処理 通関業者、輸入者、税関 輸入許可前後 輸入許可、輸入通関
D/O・貨物リリース Original B/L、Surrendered B/L、Sea Waybill、D/O及びD/Oレス NVOCC、shipping line、フォワーダー CFS搬出前 D/O交換、D/Oレス
費用精算 輸入運賃、D/O Fee、CFS Charge、保管料及び立替金 NVOCC、CFS、フォワーダー、輸入者 出庫依頼前 輸入諸費用、CFS保管料
CFS側ステータス 貨物情報反映、ホールド、出庫可能、受付時間及び予約 CFS、倉庫、NVOCC 車両確定前・搬出当日 搬出可能確認
貨物識別 House B/L、マーク、ケース番号、個数、重量及び荷姿 CFS、配送会社、フォワーダー 搬出時 数量相違、マーク違い
貨物状態 破れ、濡れ、潰れ、汚損、臭気、荷崩れ及び補修跡 CFS、配送会社、納品先 搬出時・納品時 CFS作業中の貨物事故
国内配送 車両、積込方法、納品時間、荷役設備及び受入条件 配送会社、納品先、輸入者 搬出日時確定前 輸入貨物の国内配送手配

混載貨物特有のリスク

リスク 発生しやすい理由 確認事項 保存する記録
破損 異なる貨物が同一コンテナ内に積み付けられ、デバンや仕分け時にも接触するため 潰れ、破れ、荷崩れ、梱包強度及び周辺貨物 搬出時写真、CFS事故報告、受領書Remark
汚損・臭気 他貨物からの液漏れ、粉漏れ、油、臭気等が移る場合があるため 外装汚れ、濡れ、臭気、液漏れ跡及び周辺貨物 写真、発見時刻、CFS確認記録
貨物未発見 マーク違い、仕分け誤り、別区画への蔵置等が生じる場合があるため マーク、ケース番号、荷姿、House B/L及びCFS情報 照会記録、マーク写真、Packing List
個数相違 デバン、仕分け又は分割搬出時に数え違いや別貨物との混同が生じるため B/L、Packing List、CFS tally、搬出個数及び納品個数 搬出受領書、納品受領書、個数確認表
マーク違い 類似したマーク、ラベル不鮮明又は転記誤りがあるため Shipping Mark、ラベル、貨物番号及び納品先 マーク写真、配送指示、CFS回答
誤配送 似た荷姿やマークの貨物を誤って引き渡す可能性があるため House B/L、ケース番号、納品先及び搬出貨物 配送指示、搬出記録、Delivery Receipt
搬出遅延 他荷主貨物を含むデバン・仕分け作業全体の進行に影響されるため デバン完了、仕分け完了及び出庫可能時刻 CFS回答、配車変更、遅延通知

CFS搬出が止まる原因区分

原因区分 主な原因 確認先 優先して行う対応 詳細を扱う記事
本船・CFS搬入 本船遅延、コンテナ未荷揚げ、CFSへの横持ち未了 shipping line、ターミナル、NVOCC、CFS コンテナの現在地と搬入予定を確認します。 本船遅延、Arrival Notice
デバン・仕分け デバン未了、仕分け未了、CFS混雑 CFS、倉庫、NVOCC 作業状況と出庫可能予定を確認します。 CFS作業、搬出可能確認
貨物特定 マーク相違、貨物番号不一致、貨物未発見 CFS、NVOCC、フォワーダー マーク、荷姿、個数及び写真を再共有します。 貨物未発見、マーク違い
通関・他法令 輸入許可前、税関検査、他法令未了 通関業者、輸入者、税関、関係官庁 残っている税関・他法令手続を確認します。 輸入許可、輸入通関
D/O・B/L D/O未発行、Surrender未反映、B/L情報相違 NVOCC、shipping line、フォワーダー 貨物引渡条件と運送人側リリースを確認します。 D/O交換、D/Oレス
費用精算 CFS Charge、D/O Fee、保管料等の未払又は入金未反映 NVOCC、CFS、フォワーダー、輸入者 請求額、支払記録及び未払項目を確認します。 CFS保管料、輸入諸費用
CFS側ホールド 情報未反映、事故確認、個数照合又は出庫制限 CFS、倉庫、NVOCC ホールド理由と解除条件を確認します。 搬出可能確認、貨物事故
車両・納品先 車両不足、受付時間相違、納品先受入不可 配送会社、納品先、フォワーダー 代替車両、出庫時間又は納品日を調整します。 国内配送、納品遅延

輸入LCL貨物のCFS搬出判断フロー

  1. Arrival Noticeを確認し、House B/L、Master B/L、貨物明細及び搬入CFSを特定する
  2. 対象の混載コンテナが本船から荷揚げされたか確認する
  3. 混載コンテナが指定CFSへ搬入されたか確認する
  4. デバン予定及びデバン完了状況を確認する
  5. 対象貨物の仕分け、貨物番号及びCFSシステムへの反映を確認する
  6. House B/L上のマーク、個数、重量、容積及び荷姿を確認する
  7. Original B/L、Surrendered B/L又はSea Waybillの引渡条件を確認する
  8. D/O交換又はD/Oレス処理の完了を確認する
  9. 輸入運賃、D/O Fee、CFS Charge及び保管料等の費用精算を確認する
  10. 輸入許可、税関検査及び他法令手続の完了を確認する
  11. CFS側で対象貨物が出庫可能になっているか確認する
  12. CFS側のホールド、出庫時間、予約要否及び受付条件を確認する
  13. 貨物の重量、寸法及び荷姿に適した配送車両を手配する
  14. 納品先の受入日時、車両制限、荷役設備及び作業員を確認する
  15. 搬出時に貨物番号、マーク、個数及び外装状態を確認する
  16. 異常がある場合は写真、Remark、CFS回答及び受領記録を保存する
  17. 搬出貨物と配送指図を照合して納品へ進む
  18. 納品時に個数、外装及び受領結果を再確認する

CFS Charge・保管料・追加費用の違い

費用 主な意味 発生しやすい場面 確認事項
CFS Charge CFSでの搬入、デバン、仕分け、取扱い又は出庫等に関係する費用 輸入LCL貨物をCFSで取り扱う場合 請求者、料金単位、最低料金及び対象作業を確認します。
CFS保管料 所定の無料期間を超えて貨物をCFSへ蔵置する場合の費用 D/O、通関、出庫又は配送手配が遅れた場合 貨物搬出可能日、Free Time、起算日、搬出日及びWM基準を確認します。
倉庫保管料 CFSから別倉庫へ移した後に貨物を保管する費用 納品先が受け入れられず一時保管する場合 保管開始日、搬出日、荷役費及び再配送費を確認します。
車両待機料 CFS又は納品先で車両が待機した時間に関する費用 出庫処理遅れ、積込待ち又は受入待ちの場合 待機開始・終了時刻及び責任原因を記録します。
再配車費用 搬出不可等により別日に車両を再手配する費用 出庫不可、予約相違又は納品先受入不可の場合 空振り原因、通知時刻及び再配車条件を確認します。
特別作業費 重量物、長尺物、梱包補修又は特殊荷役に関する費用 標準的な積込・配送方法で対応できない場合 貨物寸法、重量、機材、作業員及び事前承認を確認します。

フォワーダーの標準五分類とCFS搬出への関与

次の五分類は、法令又は業界全体で確立された正式な分類ではありません。本シリーズにおいて、フォワーダーの関与範囲を整理するための分析上の枠組みです。

標準五分類 CFS搬出での主な役割 通常関与する範囲 通常関与しない範囲 実務上の注意点
単純取次(Simple Intermediary) NVOCC、CFS、通関業者、配送会社等の情報を取り次ぐ 書類転送、回答伝達、確認先案内 貨物リリース、輸入許可又は事故責任の最終判断 確認済み情報、予定及び未確認情報を区別します。
貨物利用運送事業者(Cargo Transportation Service Provider) CFS出庫可能状態を確認して国内配送を手配する 車両手配、積込指示、配送指図及び納品調整 D/O発行、CFSホールド解除又は税関許可 出庫可能確認後に車両を確定します。
NVOCC / House B/L Issuer House B/Lに基づく貨物リリース及びMaster側との調整を行う House B/L、輸入諸費用、D/O、CFS及び顧客連絡 Master Carrier、税関又はCFSの最終処理 House側とMaster側の停止工程を分けて確認します。
Door-to-Door Single Contractor 通関、CFS搬出、配送及び納品までを一体管理する 全工程の進行管理、関係者調整、下請手配及び記録管理 税関、運送人、CFS又は納品先固有の権限 一括受託でも各主体の権限と原因を分けて整理します。
特定業務の代理・調整者(Agent / Coordinator for Specific Operations) D/O照会、CFS出庫確認、配車又は事故連絡等を行う 委任された申請、照会、予約及び状況報告 委任されていない費用承認、求償放棄又は法的判断 照会権限、費用承認権限及び事故対応権限を区別します。

Contracting Carrier及びActual Carrier等は、運送契約上又は法的な地位を示す概念であり、本記事の標準五分類を置き換えるものではありません。

デバン、仕分け、検数、保管、検品、積込、配送及び荷卸し等の実作業は、フォワーダーの関与形態とは別の作業内容であり、標準五分類に追加される第六の分類を構成するものではありません。

実務で問題になりやすいケース

ケース 主な原因 確認資料 判断のポイント 初動対応
輸入許可済みだがCFSから出庫できない D/O未了、費用未精算、仕分け未了又はCFS側未反映 輸入許可、D/O、請求書、CFS出庫照会 税関、運送人及びCFSの状態を分けます。 停止工程と完了見込みを確認します。
貨物がCFSにあるが対象貨物を特定できない マーク違い、別区画蔵置、仕分け誤り Packing List、マーク写真、House B/L、CFS照会 貨物の識別情報を再確認します。 写真と荷姿をCFSへ共有します。
CFS搬出時に個数が不足している デバン時の数量相違、仕分け誤り又は分割搬入 B/L、Packing List、CFS tally、搬出受領書 どの時点で数量が変わったかを確認します。 不足個数をRemarkし、CFSへ照会します。
搬出時に外装破損又は濡れを発見した 海上輸送、デバン、仕分け又はCFS保管中の事故 写真、受領書、CFS事故報告、B/L 発見時点と損害区間を特定します。 搬出前に写真とRemarkを残します。
似たマークの別貨物が準備されていた 仕分け又は出庫指示の取り違え マーク写真、House B/L、配送指示 正しい貨物を搬出前に特定します。 誤配送を防ぐため出庫を停止します。
CFS保管料が発生した D/O、通関、出庫又は配送手配の遅れ Free Time、出庫可能日、配車記録、請求書 貨物が搬出可能になった日と遅延原因を確認します。 日数と料金を再計算します。
車両が到着したがCFS受付時間を過ぎた 受付時間の確認不足又は前工程の遅延 配車指示、CFS受付案内、運転日報 誰が受付条件を確認したかを整理します。 翌日再配車と追加費用を確認します。
搬出できたが納品先で受入拒否となった 予約相違、車両制限、荷役設備不足又は貨物情報不足 納品予約、配送指図、貨物寸法・重量 CFS搬出可能と納品可能を区別します。 持戻り、一時保管又は再納品を調整します。

具体例1:輸入許可後もCFS側へD/O情報が反映されない場合

輸入許可とNVOCC側のD/O処理が完了し、配送車両を翌朝に手配したものの、CFSの出庫照会では対象貨物がリリースされていないとします。

この場合、NVOCC側で処理が完了していても、その情報がCFS側へ反映されていない可能性があります。

フォワーダーは、D/O申請済み又はNVOCC側処理済みという回答だけでなく、CFS側で対象House B/Lの貨物が出庫可能と表示されているかを確認します。

出庫可能確認が取れるまで車両の到着時間を調整し、待機料及び再配車費用を防ぎます。

具体例2:デバン後に対象貨物が見つからない場合

混載コンテナのデバンが完了したものの、Packing Listに記載されたShipping MarkとCFS内の貨物表示が一致せず、対象貨物を特定できないとします。

この場合、House B/L番号だけでなく、マーク、ケース番号、荷姿、色、寸法及び貨物写真等をCFSへ提供します。

別のHouse B/L貨物として仕分けられていないか、別区画へ蔵置されていないか、分割して搬入されていないかを確認します。

貨物未発見の時点、照会内容及びCFS回答を記録し、後日の数量相違又は貨物事故対応に備えます。

具体例3:CFS搬出時に外装破損を発見した場合

配送会社のドライバーがCFSで貨物を受け取る際、木箱の一部が破損し、外装に濡れ跡があることを発見したとします。

異常を確認しないまま搬出すると、海上輸送中、CFSでのデバン・仕分け中又は国内配送中のどの段階で損害が発生したかを判断しにくくなります。

搬出前に貨物全体、損傷部分、マーク及び周辺状況を撮影し、搬出受領書へ具体的なRemarkを記載します。

CFS又はNVOCCへ事故報告の有無を確認し、必要に応じて輸入者、貨物保険会社及びサーベイヤーへ連絡します。

具体例4:搬出貨物の個数がPacking Listと一致しない場合

Packing Listでは20ケースと記載されている一方、CFSで準備された貨物が19ケースしかないとします。

フォワーダーは、直ちに19ケースだけを無条件で受領するのではなく、House B/L、CFS tally、搬入記録及び分割搬入の有無を確認します。

不足1ケースがCFS内に残っているのか、デバン時から不足していたのか、別貨物へ誤って仕分けられたのかを切り分けます。

やむを得ず一部貨物だけを搬出する場合は、受領個数、不足個数、CFS回答及び後続対応を受領書へ明確に記録します。

判断チェックリスト

確認場面 確認する相手 確認事項 問題がある場合の対応
Arrival Notice受領時 NVOCC、フォワーダー House B/L、Master B/L、貨物明細、搬入CFS 不一致又は不足情報を早期に照会します。
本船到着時 shipping line、NVOCC 本船動静、混載コンテナ、荷揚げ予定 CFS搬入予定を更新します。
CFS搬入確認時 CFS、NVOCC コンテナ搬入、デバン予定、作業状況 出庫可能予定を確認します。
仕分け確認時 CFS、倉庫 House B/L、マーク、個数、荷姿及び貨物番号 貨物識別情報を再共有します。
D/O処理時 NVOCC、shipping line、輸入者 B/L種類、D/O、費用及び入金反映 未了項目と完了予定を確認します。
輸入許可時 通関業者、輸入者 輸入許可、検査、他法令及び残存指示 税関上の未了事項を解消します。
CFS出庫確認時 CFS、倉庫、NVOCC 出庫可能、ホールド、受付時間及び予約 停止工程と解除担当者を確認します。
車両手配時 配送会社、納品先 貨物重量、寸法、荷姿、積込方法及び受入条件 適切な車両又は納品日時へ変更します。
搬出時 CFS、配送会社 貨物番号、マーク、個数、外装及びRemark 異常を記録し、搬出前に関係者へ連絡します。
納品時 配送会社、納品先、輸入者 個数、外装、受領結果及び異常の有無 写真とDelivery Receiptを保存します。

よくある誤解

誤解 実際の考え方 実務上の注意点
LCL貨物は小口なのでFCL貨物より早く搬出できる デバン、仕分け及び個別貨物の登録が必要です。 本船到着日だけで出庫日を判断しません。
混載コンテナがCFSへ搬入されれば対象貨物を出庫できる デバンとHouse B/L別の仕分けが必要です。 対象貨物の出庫可能表示を確認します。
輸入許可が出ればCFS搬出できる D/O、費用、仕分け、CFS側反映及び車両が別途必要です。 税関許可とCFS出庫可能を区別します。
D/Oを取得すれば直ちにCFSから出庫できる CFS側へ情報が反映され、貨物が出庫準備済みである必要があります。 NVOCC側処理とCFS側表示を分けます。
CFSに貨物が存在すれば貨物番号やマークの確認は不要である 複数荷主の類似貨物が同じCFSに蔵置されます。 House B/L、マーク、個数及び荷姿を照合します。
CFS搬出では個数確認よりコンテナ番号が重要である CFSでは貨物単位で出庫するため、個数とマークが重要です。 搬出受領書へ実際の個数を記録します。
外装異常は納品先で確認すればよい 搬出後ではCFS作業中か配送中かを区別しにくくなります。 CFS搬出時に写真とRemarkを残します。
CFS保管料は常にフォワーダーが負担する 通関、D/O、輸入者指示、納品先又は配送手配等、原因により整理が異なります。 貨物搬出可能日と遅延原因を確認します。
CFS搬出では空コンテナ返却管理が必要である 通常、輸入者側は個別貨物を引き取るため、空コンテナ返却は行いません。 FCLのCY搬出・Detentionと混同しません。
CFS搬出のトラブルはすべてCFSの責任である NVOCC、通関、費用、貨物情報、配送又は納品先が原因の場合もあります。 停止工程と時系列に基づいて判断します。

専門家又は関係各所へ確認すべき場面

場面 主な確認先 確認が必要な理由 準備する資料
House側とMaster側の処理関係が不明 NVOCC、Master Carrier、フォワーダー 貨物リリース又はCFS搬入が停止している工程を確認するため House B/L、Master B/L、Arrival Notice、費用資料
対象貨物がCFS内で見つからない CFS、NVOCC、輸出者、輸入者 マーク、荷姿、個数及び仕分け状況を確認するため Packing List、マーク写真、貨物写真、B/L
個数相違又は誤配送が発生した CFS、NVOCC、配送会社、納品先 数量が変化した時点と貨物の所在を確認するため CFS tally、搬出受領書、Delivery Receipt、写真
外装破損、濡れ又は汚損を確認した CFS、NVOCC、貨物保険会社、サーベイヤー 損害区間、原因及び証拠を保全するため 写真、Remark、事故報告、B/L、保険証券
CFS保管料又は追加費用が争われる CFS、NVOCC、輸入者、契約担当者 起算日、貨物搬出可能日及び遅延原因を整理するため 料金表、Free Time、出庫照会、時系列、請求書
高額な貨物事故又は責任紛争が発生した 貨物保険会社、海事弁護士、サーベイヤー、関係事業者 契約、運送区間、責任及び求償方針を整理するため B/L、運送契約、写真、受領書、時系列、損害資料

まとめ

輸入LCL貨物のCFS搬出とは、混載コンテナから対象貨物を取り出し、CFSで仕分け、輸入許可、D/O処理、費用精算及び出庫可能確認を行ったうえで、貨物単位で引き取る実務です。

  • 輸入LCL貨物は、複数荷主の貨物を同一コンテナで輸送するため、仕向地CFSでデバンと仕分けが必要です。
  • 本船到着、CFS搬入、デバン完了、仕分け完了及びCFS出庫可能は、それぞれ別の状態です。
  • 輸入許可が出ていても、D/O、費用、CFS側反映及び出庫処理が未了なら搬出できません。
  • House側とMaster側の貨物リリース及び費用処理を分けて確認します。
  • CFS搬出は貨物単位、CY搬出はコンテナ単位の実務です。
  • CFS搬出では、House B/L、貨物番号、マーク、個数、荷姿及び外装状態が重要な確認項目です。
  • 混載貨物では、破損、汚損、貨物未発見、個数相違、マーク違い及び誤配送に注意します。
  • CFS Charge、CFS保管料、倉庫保管料、待機料及び再配車費用は、それぞれ性質が異なります。
  • 車両は、CFS側の出庫可能状態、受付時間及び積込条件を確認してから確定します。
  • 搬出時に異常を確認した場合は、写真、受領書Remark、CFS回答及び発見時刻を保存します。
  • フォワーダーは、本船到着からCFS搬出、国内配送及び納品までの状態と時系列を記録することが重要です。

同義語・別表記

  • CFS搬出
  • CFS引取り
  • CFS出庫
  • CFS貨物搬出
  • LCL貨物搬出
  • 混載貨物搬出
  • CFS Gate-Out
  • CFS Cargo Release
  • CFS Pick-up
  • LCL Cargo Release

関連用語